つゔぁいごっどねす!ふぉっくすふぁいあ!!!〜現代に生きる神様達は信仰が欲しいようです〜 作:囚人番号虚数番
ヒュー……… ストッ
「…………さて」
ショッピングモールの上に着地した。逆さの建物という事はこの下は一階か?地面の穴を下ると食品が散り見れたもんじゃない光景が広がっていた。日にちが経ってないのが幸いし腐臭はしない。丁度小腹が空いてきたからまだ食べられそうなものを漁って食べる。うん、腐ってないな。ついでに菓子類を数個持っていこう。
「しっかし前に訪れた時からえらく壊れたな。生き残りがどこにも見当たらぬ。信仰集めが目的だから肝心の民衆が根絶やしになってしまうのはそれはそれで困るのだ」
火事場泥棒しながら適当に生き残りを探しまわる。が、やはり見つからないものは見つからない。その証拠に余程死にたくなかったのか多くのレジには小金が残っていた。交渉用に万札も少しいただいておく。こんな非常時になんの役に立つかは知らぬが。しかしこうも物品が残ってるとなると沈降から時間も経ったことを考慮するとどこかに避難してしまったのかもな。
そうなると一つ問題がある。社からここまで徒歩で来たから単純に疲れた。クソ、子供の体はこういう時に不便だ。ふざけてるようだが疲労は馬鹿にならない。ちょうど家具屋もあったからここで一休みしてから人探しをしよう。
長椅子の埃を払い横になる。売り物だけあって社の床より品質はいい。うっかりすると眠ってしまいそうだ。
「(廃墟で眠るのも久々だ。野盗紛いな蛮行もなにもかも、昔を思い出す)」
ここで思い出したついでに少しばかり一人語りをしよう。
我は元は古き厄災の化身に過ぎなかった。遥か古代、この地は数多の災害に見舞われ人一人すら訪れない不毛の地であった。だからこそこの土地の外に住むものからは人が立ち入ってはいけない忌み地として扱われた。祭も社も何一つないがこれが我の原点だったのだろう。
時が流れこの地が日の本と言われ始めた。するとこの地にも役割を持たせる者が現れる。とある役人がこの土地を偶然に見つけ、後にこの地に人を送り込んだ。それは誰もが罪を犯した者であり、詰まるところここは流刑地であり処刑台として扱われ始めたのだ。
この地で生き延びるしかなくなった罪人共は嵐が吹き荒れ、時に地も割れる中で延々と彷徨った。当然ながら罪人は災害に揉まれ大抵は野垂れ死にする。だが幸運な罪人はその土地でたった一つ、静寂に包まれた小山にたどり着き集落を作ったのだ。
この小山は罪人にとってはまさに天国であった。外部とは災害により隔絶され役人が近づくことがない罪人にとっての安息の地であった。だから彼らはこの地が侵されぬ為永久に厄災が止まぬよう「鳴葉」と名付けたこの土地にて厄災そのものを神として祀った。
それと同時に鳴葉之命は受肉し神として君臨したのである。
「…………んぉ。あっ!?やべ、寝落ちしてた」
過去の回想に耽っていたら本当に寝てしまった。急いで壁の時計を見ると丑三つ時を指していた。うっかり夜明けまで寝過ごさなくて良かった。眠ったおかげで体力は十分、早く人共を見つけに行かねば。
しかし、起き上がろうとすると体が重い。寝てる最中に瓦礫か、邪魔だし退かそう。適当に上に乗るそれを掴むと人肌の温かみがある。
上に誰かいる?
「すぅ…… すぅ……」
「ガキが隣で寝とる。おい起きろ、お主みたいなのがこんなところにいちゃあ最悪死ぬぞ」
「ん……あれ? きつねのおねえちゃんひさしぶり」
我の横にいるのはどこかで見たような小さな女子だ。彼の体をどかし長椅子から降りて顔を記憶と照らし合わせてよく思い出す。彼と共に頭に思い浮かんだのは公園での風景だ。
「……お主、公園の迷子か。久しぶりだな」
「ひさしぶり!」
彼は形だけは屈託のない笑顔だ。まあ、十中八九無理してであろうな。目の下に縦の跡をつけて足も擦りむいている。きっとここまで命からがら逃げてきてやっと我を見つけたのであろう。
「また母を見失ったか。まったく、お主とはつくづく縁があるな」
彼には妊婦の母がいたはずだ。なら此奴は彼の元に連れた方がいいと概ねの居場所を問う。すると彼はみるみる悲しそうな顔になる。そして静かに首を横に振り、赤ちゃん潰れちゃった、小さくそう聞こえ涙を流す。だから一度彼の話を続けようとするのを止めさせた。
「分かった。もう十分だ。後悔する時間なら我が腐る程与えてやるから今は生き残るだけを考えろ。だから泣くな」
「ひっぐ……そんなの、無理だよ」
「ならいざという時は我を捨ててでも勝手にしろ。何事も一度しとけばじきに慣れる。ほれ歩け」
とりあえず此奴を安全な所へと連れて行こう。泣きじゃくる少女の手を無理やり引く。ここからだと駅が人の多い地域のはずだ。真っすぐ下に落ちたならあそこならどこへ行くにも近いし一度向かってみる価値はある。
となると……ここから駅となると下の階までちとばかしここは位置が高い。一応出れそうだったり降りられそうな場所を探そうにも見当たらない。何よりどこが崩落するかも分らんし探すのすら危ない。裏口とかもあるかもしれないが子供には無茶させるのはな。
「うーむ、どう出口を探そうか……」
吹き抜けから下を見る。相変わらず周りと同じで崩れた建物だ。売り物が散乱し床もヒビが入りどこがいつ崩れるのかも分からない。こんな所さっさと出てしまいたいな。せめて他の階に行ければ出口の探しようもあるのだが階段は埋まっていたり折れ曲がっていたりで子供を連れてでは危ないだろう。
「……おいガキ、指示したら耳と目塞げ。それと我の後に来い」
「う、うん。だけどなにするの?」
「道を作る」
床の割れ目を見極めて少し歩き回る。ここは一階の天井で裏側には道、つまりかなり広い空間かまあるのは当たり前だ。だから今立っているこの場所は壁からつながった板の上とも言える。
彼を後につけながら建物の一番奥側に行く。そして床の割れ目は何故まだ平気か不思議なほどに最悪だ。だけど、これを探していたのだ。
「おい、目瞑れ」
「うん?「いいから、はよ」……おねえちゃん、安全にね」
彼が床に伏せ目を閉じたのを確認し、彼から離れた後に我は服を脱いでから神社で見せた醜い神の姿となる。
「!? おねえちゃん、なんかでかいのが近くにいる!」
「黙れ……いま集中してる。時代が経っても子供が異形に敏感なのは変わりないか。怯える前にはやく済まそう」
神の力を使っているから我の気配は感じないはずだ。なのに存在を感知してしまうとは、信仰の力とは末恐ろしい。我の神の力、禍はなにもただ壊すだけの力ではない。何も全てを闇雲に壊している訳ではない、この街の陥没も計算ずくでこの街の要所を落としたのである。つまり禍とはこう使うのだ。
紫炎を床に走らせ計算しながらヒビを入れていく。壁際の床から岩が割れる音が響き、だが我らの周りの床には決して手を出さないようにヒビを走らせ床を壊していく。更に神の力を右手に集め紫炎を拳に纏わせて……
「フン!」
ドゴォッ バキバキバキッ
床に拳を叩き込む。化け物の体格と神の力による禍の補正により拳が床にめり込んで限界のコンクリートの床を破壊する。そして少しの揺れの後轟音とともに階全体の床が落ちる。
「ああああ! 床が、おねえちゃん、おねえぢゃん!!」
「うるせぇ! 落ち着け。膝の高さくらいしか落ちとらんそ。少なくともここはな。もう目を開けていいぞ」
服を着なおし子を落ち着かせながら落とした床を確かめると計算道理床全体が坂となり下へと降りられるようになった。下に降り一階の窓から外へと出る。ここまでくれば後は早い、適当に足場を探しながらかつて駅のあった方位へと向かおう。
ー--
駅へと向かう途中子が我に問う。
「おねえちゃんてだれなの?」
誰とは? そういえば公園ではこ奴の名こそ聞いたけれどこちらの名と素性までは明かしていない。適当に答える。
「鳴葉、神だ」
素直に神と伝えるのは意外と効く。大人だと笑い飛ばされる事も多いが一度意識してから禍に巻き込むとむしろ強く信仰してくれるから効率がいい。大抵子供の時に不思議な体験をしたならそれは本物かも知れない。ちょっと言い過ぎた。
子も例に漏れず神と知り少し一人何かを納得する。どうやら信頼してくれたらしい。だが信仰を感じず友人の秘密を知った風で神とは信じていない。大人なら警戒するか敬うような態度になるかだが子供には難しいか。しかし少し腹が立ったからちょっと突っつく。
「お主は知らぬようだが2回も神に救われるのは名誉な事だ。今の世じゃほら吹き扱いされるかもしれぬが、とかく我は神だ。もっと敬え」
「? 知ってたよ」
「何!?」
「だっておねえちゃんのあたま、きつねの耳が生えてるから」
いつの間に!? 頭を触ると確かに帽子が脱げており髪の毛の間から帽子だったと思われる布片が紛れていた。おそらく社で神の力を使用した時点で服の腐敗と一緒に帽子もなくなったのだろう。クソ、あの巫女早く言ってくれれば……大勢の前に晒す前に気づけて助かった。もし気づかずにいたら自信満々に人のつもりだったから恥ずかしいことこの上ない。
「あ、ああ、そうだ。普通人前では隠すがお主は2度目だから特別に見せてやっているのだ!感謝しろ!」
「あはははは!」
クソ……子供に笑われるのは神とてムカつくな。だが何故か、不思議な気持ちになる。こう、旅人と飲み屋で気の合う奴と話した時のアレ、だけどそれとは違う。とりあえず、できるだけ子に悟られたくはないな。
「神さまは山の上の大きなところにすんでるの?」
「否、あ奴とはまた違う社の神だ。赤毛……ピンと来てないようだな。金髪のがそこの神だ。我の住処は鳴葉大社、今は禁足地と呼ばれている場だ」
「きんそく……?「神社近くの森だ」
「へーお姉ちゃんたちはお友だちなんだね」
「いや、友では……」
友ではない、我には事実であるもその言葉にどこか引っ掛かりを覚えた。彼に暫く待ってもらいこのもやをどうにか解決してからでないと、とかく重要な気がしてならぬのだ。
あ奴は……ただ、神の力を教える代わりに信仰を共にするだけだ。初めに会った時は人に怯えるように生き残ろうとしている腰抜けと考えていた。しかし今思えばあれは……
「あ奴は、神ではない。どちらかと言えばもはや人だ」
長く待たせて我は言う。
「彼は体こそ我と似た神である。しかし、如何せん毒されすぎて人に身を堕とした人だろう。まあ、お主にはきっと一生分かるまい」
実際子は何も知らなさそうで分かりやすく説明を求める。だがそれを適当にあしらい、のらりくらりとかわす。どうせまだ分かるまい。人の神と獣の神、どちらが哀れなのかは知らぬべきなのだ。
そうして歩き続けついに煌々と輝くアリーナを見えるところまでに着いた。そこには多くの人影が見え、多くの物資が運び込まれている。つまりきっと安全なところなのだろう。ここも比較的安全そうで壊れた駅内部を通れば安全にあそこまで行けそうだ。こうなればもう彼は一人で良いだろう。そう思い彼を送り出そうと別れを告げる。
「後は一人で歩け。ほれ、はよ去れ」
「おねえちゃんはどうするの?」
「友が先にどこかに来ているだろうから探しに行く。お主も達者でな」
「え……ついてってくれないの?」
「あ? 甘えるんじゃな、おいおい泣くな泣くな。分かった、あそこまではついてくから、な?」
まあ、神でも目の前の子供に泣かれるのは面倒くさい。仕方なしにアリーナ前までいやいや連れて行った。
「おねえちゃん、ありがとう」
「もうっ! これでいんだろこれで! はぁ……奥の人だかりでは迷惑させるなよ。知り合いでもおればいいな」
「おねえちゃんはどうするの?」
「燐火と話しに行く」
「いっちゃうの?」
「暫くしたら戻る。また会おう」
彼女を背に我はまた闇の中に向かう。後ろを少し見ると彼は手を振って見送っていた。ただその場では何も返さない。彼女から離れ、見えなくなるのを確認してから誰にも聞こえぬように一人小さくつぶやいた。
「……ありがとう。お主のお陰で気持ちの整理がついた。我は彼の友として、鳴葉の柱に落とし前をつける。その覚悟がお主のお陰で出来た。名誉に思え、貴様は神を導いたのだ」
ー--
ーアリーナ地下 大空洞
彼の子から離れて向かった先はアリーナの地下。瓦礫の間を潜り幾度かの禍での破壊を繰り返してやっと着いた。ここは上のアリーナの下で岩盤一枚の板が蓋をするように落ちて作られた空間だ。とはいえそんな圧迫感はない、なにせ下にバカでかい穴らしく天井が見えないし暗いから単に壁が見にくい。
だが、それでも確かに彼はいる。ここには上の人共から発生する信仰の向かい先がここにあるのだ。その証拠に神の視点でここを見ると太陽のような光源が中心で上に矢を射っている。上部の明るいアリーナは奇跡によって作られたのは明白である。
「ははは! お主もなるようになったなあ!」
我の存在を感知したそれは矢を射る手を止めこちらを見る。
「……遅いです。私が上の設備を維持するのにどれだけ苦労したと思ってるんですか」
光の矢を止めて見えたのは弓の手を止めてもなお光を放つ燐火だった。
彼もまた目覚めたらしい。尾は何股にも枝分かれ指先と顔を除く全ての部位赤毛の狐の毛皮に覆われている。体からは燐光が放たれ僅かに発光し、あたたかなやさしさを感じる。体格は大きくなり青年程度に見え、元の小さな体格に合わせた服は脱ぎ捨てられ代わりに毛皮が恥部を隠している。
それはまさに聖獣の類を思わせ、神の我もどこか畏敬してしまう。だからだろうか、彼が弓を引き、我を射ぬかんとしていても何故か動く気になれない。湧き上がるのは芸術的な神聖さに感服することだけだった。
エルデン〇で結婚式に月にハネムーン行ったので次は楔〇片手に戦うことにしました。
なんで中ボスに雑魚がいんだよ!難易度はどうなってんだ難易度は!お前ら禁じられた複数戦を平気で使ってんじゃねえか!分かってんのか!?雑魚とボス同時が生まれたのは「○○の○○○○」が犬に甘えたせいだろうが!
この先、排泄物があるぞ
小説の適切な話数
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12話
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