熱気の日、日射の日。
夏期休暇。
結局元通りになった大学に通い、期末の課題と試験を終えた遼也と深冬は──主に彼が彼女に力を貸したが──以前より何度か話題にしていた、とある場所を訪れていた。
二人の現在地は大型のプールを伴うリゾート施設の入り口。深冬との関わりを持っていなければ、遼也の意識にのぼる事は有り得なかった場所の一つ。
「来ちゃったね、ついに! 私、多分プールはじめてで──」
「ああ……」
彼は自身の浮き足立つ心境を明確に感知していた。一瞬、深冬の台詞に感じた不自然さを無視させる程の。
「実はもう水着着てきたんだよ、ほら!」
深冬は白いTシャツの裾を捲り上げて腹部を見せる。彼女の腹部はぴったりと皮膚に張り付く黒い生地に包まれていた。
彼女の言う通り水着──ワンピースの水着。生地の質感は鮫の体表に似た、競泳用のもの。競泳水着は下半身の青いジーンズとは不釣り合いで、その様子は奇妙だが美麗な印象を深冬に添えていた。
結果、遼也は瞠目。そして素早く深冬の手を押さえ、服を元通りにさせた。
深冬はきょとんとした顔で首を傾げる。遼也の心中を察せずに。
遼也、深冬が更衣室に居る間。
屋内、硝子の屋根から差す光。波打ち際と浜辺を表現した、白い硬質のプールサイドに座り込んでいる女性が。
即ちインディゴを基調とした鮮やかな色彩の、抽象的な柄の入ったビキニを着用し、
普段は着物を纏っているためやや輪郭が分かり辛い彼女の体躯が、今では露になっている。確かな曲線美が在った。
緩やかに波を寄せるプールの水に濡れたパレオは下半身に絡み付き、脚部、臀部と水着のボトムスの形を浮かび上がらせる。百七十センチ近くの身長に付随する長い脚。
彼女は潜る訳でも泳ぐ訳でもなく、自らの服装に見惚れる訳でも恥じ入る訳でもなく、陰気に眼前の水を視界に入れ、波に打たれるだけ。
彼女がこの装いを帯び、この場に現れた要因は、気の迷いが最大のものだった。人間のこの文化は、幻月が抱える
拙の役とは、拙の望む物語とは、一体──。
幻月は常に問うていた。ルイーザの悍ましい行いは遼也にとって救いであった。
命を、傷付けても、絶やしても、笑えたら、愉しみに耽ることが、できたなら、拙は、今のような──。
しかし、同族も異族も自らの“創作”の為に贄とする自身の姿を思い描き、彼女の内面と外面の両方が一層暗さを増してしまった。
暫くそうするうち、幻月は水中に動く誰かの姿を認めた。その人物は水の外に迫り、
紺色の旧型スクール水着に身を包み、胴体の曲線を誇示したその人物──フォーマラウタはちろりと舌を出して幻月に笑いかける。
「え……フォーマラウタ、さ──」
彼女の名前を口にした時、幻月は両手首を握られていた。
水中。次に見えたのは、茶目に笑んで自分と向かい合わせで漂うフォーマラウタ。強制的に潜る事となったが、有機質と無機物、そして技術による身体を備えるが故に幻月は溺れない。
露出する事によって腕と脚を、水着で包む事によって胸部から腰部、背部から臀部の輪郭を目立たせたフォーマラウタに誘われ、幻月もまた泳いだ。パレオが水中に翻る。
暫く水で遊んだ後。二者は水から上がり、並んでプールサイドに座った。
幻月の表情は幾分和らいでいた。
「あなた様の混迷も、少しは洗い流されたでしょうゥ?」
幻月、フォーマラウタの現在地から離れ、壁に遮られた暗がり。滝を模した流水のある、
その様子は絵画に収められた美女の姿の
ルイーザはプールの
装飾の無い黒いビキニと彼女の病的な程の色白の肌が鮮烈な対比を生み出し、身体の豊満な部分と華奢な部分が織り成す凄まじいまでの艶姿。また水着の上に薄手で黒いレースの上着を羽織っており、
見る者に畏怖の念すら突き付ける、単なる色香に留まらない精緻で高尚な美。
セイズは潜水と浮上を繰り返して遊んでいる。
深紫のクロスワイヤービキニに彩られた身体はルイーザ程の豊満さまでは備えていないが、それでも美しさは決して劣っていない。下半身のホットパンツはファスナーが開いており、水着のボトムスが覗く。
彼女が取っている行動と、ルイーザとは異なって健康的な色白も相俟って、活発さを感じさせる。
スルクはじっとしてプールに浸かり、セイズの遊びで生じた水飛沫と波を浴びている。
紺色の競泳型スクール水着を纏った、全体的に華奢な身体。パイピングの細く白い肩紐が、露出した首、肩、腕、そして褐色の肌を飾る。
本来は運動する為の水着。静かで無機質なスルクがそれを着用する事で、ある種の
「スルク、お前も泳げ! 無駄だの無益だの無為だの抜かさずによォ!」
セイズはスルクの正面に浮かんで彼女に発破を掛け、勧誘した。また一度、スルクは水に濡れた。
「断る。そもそも、わざわざ水に入るためにこの服装になる意味が分からないし、あと無駄だし、無益だし、無為だし」
奇妙な言い争いを始めようとする二者に、ルイーザは
「自由に遊んではいかがですか? 皆さんこの場にいらっしゃいますから……」
「自由に、か……へへッ、行くぞスルク!」
セイズは複数
ルイーザは一人で残る。彼女は近い未来にこの水の楽園で起こる出来事を予想して、この世のものとは思えない妖艶な表情に。
そんな彼女の下、水底の排水溝から湧き出す何かが在った。
血と肉の塊。
絶えず変形する生体。
“赤い流れ”。
それ──否、彼もしくは彼女はルイーザの近辺に這い上がると動きを止め、人体の輪郭を構築しながら立ち上がる。
ルイーザは特に驚きもせず、こう思った。
我々の同胞、ですか。
“赤い流れ”は人間──ほぼ人間の姿に変異していた。
二メートル程の長身。
艶やかな褐色の肌。
血肉の如き鮮やかな赤の髪と瞳。地面に接する程に長い髪には、樹海の如き輝かしい緑が混ざっている。
獣の頭蓋骨か、節足動物の外骨格のような意匠の髪飾り。
豊かでありつつ整った上半身の形を強調する黒い長袖のラッシュガード。同じく魅力的な下半身にはライムグリーンのビキニのボトムス。
貌は
顔面の右側は柔和かつ理知的な美貌。
顔面の左側には、皮膚の代わりに半透明の甲殻。その下では血管のような器官が活発に赤々と蠕動。左目の白目は漆黒。
表情は深遠だが、瞳には確かな好奇心の光が灯っている。
「鶏の幼体を破砕し、均質化した場合、何が失われますか」
開口一番に問い掛け。
揺らぐ声、複数人の女性が同時に発声しているような。有無を言わさぬ口調も相俟って警戒や緊張を多くの者に抱かせるだろう。
「『物語』。そうでしょう、生物学者さん?」
ルイーザは事も無げに回答。
「はい、私の見解と一致しています。役名を称しますが、現在、私は『ネブロエラ』です」
生物学者と呼ばれたその“著者”、ネブロエラはルイーザの隣に腰掛けて名乗る。
「ネブロエラ……ネブロエル……アダムとイヴの母を名乗るとは。アナタの感性は変わらず素晴らしいですね」
ペルシアのマニによって創唱されたマニ教の神話に登場する
「申し遅れましたが、
「はい。嬉しく思います」
ネブロエラはルイーザを見て返事をした後、水の娯楽に耽る人間たちを観察。
「この頃、お目に掛かる機会がめっきり減ったように思えますが……如何なる物語を“創作”されていたのですか?」
「
「波動関数への干渉ですか。
「はい。人類は技術と精神から著しい進化を発現させると学習しました」
「ふふっ……ところで、アナタはどういった目的でこちらへ?」
「私の技術が如何なる形で“創作”に活用されているのか。私はそれを閲覧したいと願います。ルイーザ、貴方自身も該当する『ゼネラド』並びにその
「お褒めいただき光栄です。アナタからも技術を頂けましたからこそ、ですよ……」
「はい。凍霧深冬、
それを聞いたルイーザは、母性的に微笑むと暫し軽やかに沈黙する。
「アナタにご理解いただけるかは別として、彼女は遼也さんへの
丁度、やや遠い更衣室の出入口から登場した本人への眼差しを向けて述べた。
遼也は黒いボードショーツに着替え、更衣室から出た瞬間に改めて衝撃を受ける事となった。
彼にとって、これまで物語の中でしか見た事のないような、これまで彼自身が持った事のないような感情を湧き上がらせてくれる相手である、深冬の水着姿。
彼女を見ていると、遼也の内面には様々な感覚が轟々と発生するのだった。
「どう、遼也? かっこいいでしょ、これ!」
胸を張って、腰に手を当てて自らの姿を遼也に見せびらかす深冬。飽くまで無垢な自信に満ちた表情。ポニーテールが揺れる。
先程全体像までは分からなかったが、輪郭が見事な曲線を描く深冬の身体。密着する、白と青のラインが走った黒い競泳水着はハイレグカットで、長身である彼女を存分に引き立てている。
「……綺麗だ」
そのような感想を一言だけ伝えるのが、今の遼也にとっては精一杯。
対して、深冬は平常通り。自覚なしに遼也を魅了。
「ふふっ、ありがと! あ、ねぇウォータースライダーいこうよ!」
彼女は渦を巻く管を指差して、促した。
「……ああ。名案、だ」
返事した彼は深冬に手を掴まれ、彼女と共にウォータースライダーを目指す事となった。その過程でプールを通り、水を掻き分けて進む。
進むうちに深冬と横並びに。濡れた競泳水着、光沢。またしても目を奪われる遼也。
到着して早々、遼也と深冬は大した列にも並ばず二人乗りの浮き輪へと案内された。深冬は浮き輪の前方、遼也は浮き輪の後方に。
束ねられた深冬の髪を、競泳水着のフライバックが加わった深冬の背を見据え、遼也は彼女と暗い門へ。
管の中の急流に滑り出す。
「あはははっ! 楽しいね、遼也!」
深冬が振り返り、後ろの遼也に笑いかけた。管の中は笑顔の彼女を見るには光が不足していたが、そう問題にはならなかった。
「……ふ、ははっ!」
遼也は深冬に影響され、返事のように哄笑していた。
仮に遼也が一人なら、彼の心はウォータースライダーによって舞う事はない。共にする相手が深冬でなければ、誰とこの状況に楽しみを見出せるだろうか。否、深冬以外には存在しない。人間以外を対象に含めるのなら、ルイーザくらいだろう。
長距離を短時間で走り、管の上半分が途切れて光が増した。
転瞬、ウォータースライダーの終わりと水飛沫。
「そろそろ軽食でも摂らないか、深冬?」
暫く二人で水遊びを満喫した後、遼也が施設内のフードコートに目を遣って深冬に持ち掛ける。
金槌の彼女が溺れかけるなどの問題は発生したが、やはり彼と彼女にとって
「うん! お腹空いちゃったし……クレープあるかな?」
深冬が言い終わった瞬間。
二人の眼前に、ある程度の質量を備えた物体が投げ込まれる。フードコートのテーブルだった。
実行した者にとって言わば威嚇射撃に類する行為だったのか、二人の肉体に被害は及ばずに済んだ。現れたその者は排他を志す“著者”、メルヴィレア。
「どうも」
無愛想に挨拶するメルヴィレアは、水色のラインが入った黒いスパッツ型競泳水着を着ていた。身長は遼也と深冬を幾らか上回り、今は長い髪を結ばずに振り乱している彼女の水着姿には、どこか凄みがある。
色や形は違えど深冬とメルヴィレアは同じく競泳水着を身に纏っているが、前者が雑誌やSNSに掲載された水着姿なら、後者は競泳水着のメーカーの公式ホームページに掲載された水着姿といった
メルヴィレアは二人にとっても馴染み深い、冷たく刺々しい表情を浮かべていた。同時に、彼女の顔色は
「何か幸運が君の懐に飛び込んできたのか?」
問う遼也。
メルヴィレアの返答はフーアドライバーを装着するという行動。
《Fuath Driver!》
「それが君の答えか。ならば……!」
《Lore Driver!》
「戦うんだね。行くよ!」
《XenociDriver!》
小型のバッグからロアドライバー、ゼノサイドライバーを取り出し、装着して応える二人。
深冬、メルヴィレアが肌に密着する競泳水着の上からドライバーを装着した状態は不自然だが、遼也を含め、現在この状況では水着を着たまま変身するというのが当然の帰結だろう。
《Crom Cruach》《Kernunnos》
《Base: Beira》《Addition: Fernyiges》
「変身!」
「変身っ!」
《Now Loading......Transform!》
《Now Invading……Deform!》
《KAMEN RIDER LORE》
《Cromnunnos Form》
《To the opening.》
《Fernyiges in BEIRA the MASKED RIDER》
《Fade out.》
ロア、クロムヌンノスフォーム。
ベイラ、フェルニジェスフォーム。
対するメルヴィレアはベイラにもバロールにも変身せず、セドナ・ゼネラドに変貌。
一気に人々が姿を消した施設。戦闘の開始。
セドナ・ゼネラドは棘状の氷と骨を弾丸のように放ち、加えて骨の
ロアの斬撃とベイラの打撃で容易く対処されるが、飽くまでもこの攻撃は牽制。
「どうした? 次の手を見せてみろ」
ロアは敵対者の出方を伺いつつ、挑発として台詞を投げ掛けた。
《Beira》
《Now Loading......Transform!》
《KAMEN RIDER BEIRA》
《Tales from phantasmagoric water create destiny.》
セドナ・ゼネラドは装着していたフーアドライバーにベイラディスクを挿入し、「変身」の掛け声なしでベイラに変身。
早速フーアドライバーを操作。
《End Roll!》
《VORTEX BANE!》
ロアは跳躍、
「セドナ・ゼネラドに続いてベイラだと? バロールディスクは紛失したか?」
「人間を滅ぼす手段? っていうのも見せてよ!」
「今に分かるわよ……」
ロアと
《Balor》
《Now Loading……Transform!》
《KAMEN RIDER BALOR》
《Tales from phantasmagoric water create destiny.》
メルヴィレアがバロールに変身を遂げた直後。ロアとベイラは空中から同時に彼女に蹴りを喰らわせるが、堅牢な装甲には通用せず。着地し改めて攻勢に転じる二人を纏めて攻撃しようと、バロールはディスチャージフォージャーを横に広く振る。
飛び退るロアとベイラ。
ロアはセドナ・ゼネラドがベイラに変身し、続けてバロールに変身するという行動を見てこう考えた。
進歩を表現しているのか?
メルヴィレアの暴虐と不穏なる変身。そして闖入する者たちまでもが現れたのだ。
《XenociDriver!》
《XenociDriver!》
《Base: Ophois》《Addition: Fenrir》
《Base: Anansi》《Addition: Arachne》
やはり水着姿で変身するセイズとスルク。
「辛気くせェなァ、オレたちも混ぜろよ! 変、身ッ!」
「キミ以外そんなこと思ってないよ。変身」
《Now Invading……Deform!》
《Now Invading……Deform!》
《Fenrir in OPHOIS the MASKED RIDER》
《Arachne in ANANSI the MASKED RIDER》
《Fade out.》
《Fade out.》
ロアとベイラのもとへ駆け付けたのは幻月とフォーマラウタ。
「セイズにスルク、幻月にフォーマラウタも来てたの!? じゃあルイーザはどこかな?」
「随分と賑やかだな。後で揃って仲良く水浴びでもするか?」
「それいいかも!」
どうあれ加わる役者たちに歓喜するロア、ベイラ。
果たして幻月は不安げな面持ちだったが、戦いに介入するという意志は定まっていた。彼女は静かに拳を握り、バクナワ・ゼネラドに変貌。
「拙は未だ、拙の役が、見えません……ですが、人間のみなさまの、滅びなど、拙は……!」
フォーマラウタは馴れ馴れしく声を掛ける。
「フフフッ……
「特定の者に与する事を拒む……それが君の流儀と役目か? 何にせよ“共演”だが」
「勿論ですともッ!」
勢いのままにダゴン・ゼネラドへと変貌。
勢力と勢力と勢力の睨み合い。
最初に動きを見せたのはバロール。セドナ・ゼネラドの能力により骨の海獣を大量に生成して敵対者たちを阻む。
敵対者たちが海獣を捌く間に、彼女は黒い水を発生させ、それを以前作り上げた
《SednoiDoper!》
右側には左を向いた黒い鯨の骨格、左側には右を向いた鋭い歯を持つ白い鯨が刻まれた石板のような機械──セドノイドーパーをフーアドライバーへと合着させる。
フーアドライバーの前面が覆われた。
《Perception!》
《SednoiDriver!》
セドノイドーパー同様に音声が女性のものに変化。
フーアドライバー改めセドノイドライバーの両端の細い穴に二枚のテイルディスクを挿入。白い鯨と《Moby Dick》の文字が刻まれた白いモービーディックディスクと、紺青で異形の人魚と《Sedna》の文字が刻まれた藍白のセドナディスク。
《Moby Dick》《Sedna》
「ブループ」や「アップスウィープ」といった海中で観測されるような低周波音を礎に、勇壮さを感じさせるが、底知れぬ不可解さを有する重苦しい旋律が加わった音楽。
バロールはセドノイドライバー本体のボタンを押す。
そして、その言葉を言う。
「変・身」
《Now Blaspheming……Transform!》
フーアドライバーを使用したベイラ、バロールへの変身と同様、金属光沢を有した青い液体が湧き出る。そして、セドナ・ゼネラドが放出するものと同様の青い光を秘めた黒い水がそれに混じる。
《Abuse the authority and reject the humanity!》
それらの液体は、更にバロールの姿を変容させた。
セドノイドライバーが禍々しく、神秘的に発光。
《PRETENDING BALOR the KAMEN RIDER》
《Tales from dark waters corrupt destiny.》
《Scratch out.》
「仮面ライダープリテンディングバロール……全ての舞台は、わたしの舞台よ」
彼女は誇るように、宣言のように言った。
仮面ライダープリテンディングバロール、モービーセドナエディション。
フーアドライバーで変身する通常のバロールと比較すると、装甲の厚さと外見上の強靭さは減少している。しかし冷厳な迫力は増加していた。
アンダースーツはフーアドライバーのベイラ及び通常のバロールと同様だが、幾何学な模様が追加されていた。
装甲は左右非対称。脱皮直後の甲殻類を思わせる半透明で紺青の攻撃的な形状の装甲。鯨の体表を思わせる白い流線形の装甲。鯨の骨格を思わせる黒い複雑な形状の装甲。
背中の装甲に備わる頭足類や
頭部には王冠の如き五本の角、そして頭部の側面にプロトロアにも似たアイベックスの角が二本で一対、牛の角が二本で一対。合計九本の角が聳える。
甲殻類の口器に似た銀色の
仮面には藍白の薄いヴェールが降りているが、その向こうの臙脂色の単眼が明瞭な輝きを放っている。
「女王」そして「暴君」と形容すべき者が、この場に立ち現れたのだ。
ネブロエラ
種族:“著者”(“ゼネラド幹部”を演じる六人の肉体を放棄した“著者”とは異なり、肉体を保持したまま肉体に改造手術を施した個体)
性別:女性
容姿(人間態):褐色の肌、赤い瞳、緑が混ざった長く赤い髪を備えた理知的な雰囲気の美女。顔面の左側は下に器官が見える半透明の甲殻という異形。
身長(人間態):202cm
体重(人間態):87kg
スリーサイズ(人間態):B112/W67/H118
好きなこと:物語としての生命と進化
苦手なこと:命の生まれない環境
“ゼネラド幹部”ではない“著者”。ルイーザに「生物学者」と呼ばれたように生命と進化を物語と看做しており、ゼネラドにも彼女の技術が利用されている。
一人称は「私」。やや機械的な口調で、同時に複数人の女性が声を発しているような奇妙な声で話す。
マクガフィン
プネウマデータの“著者”、或いはプロトロアドライバー及びロアドライバーの犠牲者の記憶と人格のデータが宿るゼネラドの躰。有機物と無機質の両方が用いられた、“著者”の技術の産物。
お気に入り、読了報告、感想、評価などいただけますと励みになります。次回もよろしくお願いします。