ISを砕く髑髏海賊 作:ダメじゃないかキンケドゥ!
「はぁ…山田先生。本気で気を付けていただきたい。あと少しで怪我人が出るところだった」
「すみませ~ん……」
ラファールを纏ったまま弱々しそうに立ち上がる山田先生。クロスボーンはマントの中で腕を組んで待っていた。
「クロスボーンは君達の戦い方を見てもらう。模擬戦こそ”まだ”しないが、実力は折り紙付きだ」
『……戦いでは容赦しない……が、ビームザンバーは使わない。死人を出すつもりは無いからな』
「ザンバーって……?」
『これだ』
クロスボーンは腰にマウントしていたザンバスターを持ち、ビームの刃を数秒間発振させた後、霧散させる。
『私が今出したビームザンバーはISのシールドバリアーや絶対防御を貫通してしまう。つまり、君達をこれの一突きであっさりと殺せてしまう。もちろんISスーツもこれの前には紙切れと変わらない。事故でそんな事は起こさせる訳にはいかない。だから封じる。だが、射撃武装としてザンバスターは使うからそこは忘れるな。それと、私が持っている近接武器は何もひとつでは無い。君達も近づけば勝てると侮るなよ……?』
「そういうことだ。時間も押しているしな……両者、準備が出来たら早速、試合開始だ」
『既に準備完了だ。問題ない』
「了解です!」
「クロスボーンさんが相手でも手加減なんてしませんからね! スクラップにしちゃったらごめんなさい!」
『問題ない。私が勝てばいいのだからな』
互いに知らぬ間に意図せず相手を挑発してしまっているが、本人達は気づいていない。
『クロスボーン 対 山田 真耶、試合開始!』
「この間合いなら……!」
『少々相性が悪いか……?』
山田先生のラファール・リヴァイブから大量の遠距離武装が瞬時に呼び出され、実体弾の弾幕の嵐を巻き起こす。あまりにも高密度な弾幕でクロスボーンもマントを脱いで動きやすくして回避をメインにして、ザンバスターで軽く牽制しているようだ。
「あの山田という教師……凄まじいな。相手も大概な実力だが、それを寄せ付けない弾幕の嵐をインターバルなく出し続けている。それも弾薬の無駄もなく最小限の消耗に抑えている……織斑教官が副官に置きたがるのも納得の事だ。……だが、クロスボーンの意図が分からん……ある程度の実弾ならシールドバリアーで防いで近づけばいいのに何故そうしない?」
ボーデヴィッヒが皆が思っていた疑問を発すると、織斑先生が答える。
「いい所に目をつけたな、ボーデヴィッヒ。クロスボーンはそもそもシールドバリアーを持たない。……ISに属さないロボットだからな。クロスボーンの敗北条件は一定以上のダメージを”本体に”受ける事。当たらなければどうということはないという考えの下回避に集中しているらしいぞ?つい先程通信が入った。どうやら山田先生の武器のリロード中に発生する僅かな弾幕の薄まりを利用してデータを送ってきたそうだ。全く、どれだけ余裕があるのだ?」
織斑先生が解説をしていると、遂にクロスボーンが動きだした。
『ふむ、彼が使っていた技を使うとするか……』
「! 何でしょうか……あれは」
クロスボーンが腕のブランドマーカーを外し、腰のフロントスカートからシザーアームが射出されて先端からマゼンタカラーの正方形……いや、テント状のビームが2つ形成される。
「!? 実弾を消し去った!?……それなら!」
ラファールの放つ中でも上位に入る威力の砲弾がビームに着弾すると、ビームの盾によって弾は蒸発して防がれてしまう。
『甘い。そちらも対策済だ』
山田先生はビームシールドに守られていない所をピンポイントに狙うが、何かによってまたもや弾かれてしまう。今度はクロスボーンを僅かに傷つけたが、それもかすり傷程度のものであった。
なんとクロスボーンは肩部からビームサーベルを取り出してマニュピレーターを回転させて擬似的な盾を作り出したのだ。
「……降参です。この距離まで詰められたらもう勝ち目は無いので……」
『……ふむ。そちらの組み合わせは近接武器が乏しいから、私には不利どころか近づかれた時点で負けだからな。いい判断だ。そしてあの弾幕……見事だった。限りなく最適解に近づいているだろう』
「きょ、恐縮です?」
「あの激戦を見ればIS学園の教師が如何に優秀か分かるだろう?今後はちゃんと敬意を持って接するように心掛けろ。いいな?」
「「「はい!!」」」
君の好きなクロスボーンは……
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クロスボーンX1
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クロスボーンX2
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クロスボーンX2改
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クロスボーンX3
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クロスボーンX1改改(スカルハート)
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パッチワーク
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フルクロスX1
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クロスボーンX0
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フルクロスX0