クソニブ神父とメスガキ敬語シスター 作:悲しいなぁ@silvie
「グハハハハ!!我が威容を知れぃガキ共よ!!」
透き通るような白い肌を惜しげもなく晒した…というか全裸のシュライゼルは自身の魔力を使い子供達を宙に浮かべていた。
数にして14人もの子供達をそれぞれ別々に回転させたり急降下させたりと、少しでも魔術を齧った者ならば見るだけで卒倒する程の高等技術を息をするように行使する。
シュライゼルが超越種たる由縁であった。
「わぁ!子供達も喜んでますね……じゃありません!!
何度言ったらわかるのですか!!孤児院ではキチンと服を着なさい!」
子供達の歓声を聞きつけて書類仕事を置いて見に来たいろりは全裸で羽を生やしながら笑う同僚に向かって叫ぶ。
「ふん!案ずるないろりよ、我が玉体に服飾なぞ必要無し!
完成された我が美に装飾なぞ不要なのだ。」
しかし、シュライゼルはまるで悪びれずむしろその薄い胸を張りながら両手を広げいろりにその肢体を見せつけるのであった。
「ですから!そういう問題では無く!子供の教育に悪いので服を着て下さいと!!言ってるんですよ!!!」
「ふん!口煩い奴め…よもや我が肢体に欲情したか?このムッツリ…」
シュライゼルの軽口は最後まで続かなかった。
いろりは素早くシュライゼルの背後に回るとその両羽を掴み背中を右足で踏み付け思い切り引っ張った。
「イタイイタイイタイ!!!もっ、もげる!!我の羽がもげる!!!やっ、ヤメテェ!!取れるから!もげるから!!」
「服を着ますか…?」
「着る着る着る!!絶対着るからやめてぇ!!」
シュライゼルの涙の訴えにいろりは舌打ちと共に両手を離した。
「全く、貴方もこのエインカレムの職員なのですから風紀良俗くらいは身に付けて下さい…」
「フーキリョーゾク…?我にヒトの常識を強要するないろりよ。」
羽の付け根を抑えながらシュライゼルはゆっくりと子供達を降ろす。
羽を毟られる激痛の中でも子供達は決して怪我をしないように浮かし続けていたのであった。
「…神父様、あんまりシスター様をいじめないで。」
「メアリー…別にいじめている訳では無いのですよ?」
降りるなり走り出す子供達の中で一人だけとことこといろりの側に来た少女はいろりを見上げながら心配そうな声音で言う。
いろりは首に手をあて困ったように返すも…
「そうだメアリー…もっと言ってやれ!
折角我がガキ共をあやしてやっていたというのにこの阿呆は…」
すぐさま少女の後ろに隠れ己に不平を漏らすシュライゼルの姿にこめかみをピキらせながら睨みつける。
「ヒィッ!メッ、メアリー…いろりが我をいぢめるぅ…」
「神父様…?」
「ぐっ!卑怯ですよシュライゼル!子供を盾にするんじゃありません!!」
まるで何方が保護者かわからない状況であった。
「メアリィー!!」
「どうしたの…?シスター様。」
シュライゼルは泣きながら少女に抱き着くとメソメソと話し始める。
「いろりがな?いろりがな?我をいぢめるのだ…」
少女はふぅと溜息を一つつくとシュライゼルの頭を撫でる。
「神父様も…いつも怒ってる訳じゃないよ…?
また、何かしたんじゃ…ない?」
「我は何もしておらん!ただな…?ちょっとな?殺そうとしただけなのに…いろりが我の右羽を引きちぎりおったのだ…
全く!ちょっと殺されかけただけでなんと懐の浅い奴よ!!」
「……シスター様、正座。」
「……はい…」
斬り滅す混沌のシュライゼル。
少女に怒られて正座を強要される恐るべき邪神。
「駄目だよ…神父様に酷いことしたら。」
「酷いこと?違う!いろりの奴が我の羽を…」
「シスター様?」
「……はい………」
シュライゼル。
少女にガチ説教を喰らいちょっと泣いちゃう恐るべき邪神。
「でもでも!いろりが悪いのだ!!
我すっごい偉いのに!!混沌の五柱なのに!!」
「シスター様は…何時も頑張ってるよ…?」
少女はシュライゼルの頭を撫でながら優しく語りかける。
「そうであろう!そうであろう!!
やはりメアリーは良くわかっておるな!!」
少女の言葉に機嫌を良くしたシュライゼルはパタパタと羽を動かす。
しゅらいぜる。
少女に膝枕をされながら頭を撫でられると嬉しくなっちゃう恐るべき邪神。
「そんなに神父様を殺したいなら…黒ストッキングが、良いよ。」
少女は枝毛一つないシュライゼルの黒髪を少し羨ましそうに手櫛でときながら語りかける。
「黒ストッキング…?なんだソレは?」
「神父様は…多分童貞だから、シスター様が黒ストッキングでユーワクすれば…
「!?あのゴリラを殺せるとな!?
メアリー!詳しく話してくれるか!」
その後、少女から黒ストッキングの情報と毎月いろりから渡されていた紙切れ達の使い道を教えられたシュライゼルは意気揚々と街に繰り出すのであった。
「ヴァハハハハ!!見よいろり!これがぁ…黒ストッキングの力だぁぁ!!」
執務室にて書類作業中のいろりの背後にこっそりと近付いたシュライゼルはそう言うとストッキングでいろりの首を締めた。
「グッ!?なっ、何を…!」
「フハハハハハ!!黒ストッキング!何たる柔軟性よ!
いろりぃ!このまま締め殺して…」
シュライゼルは高笑いを上げながらストッキングでギリギリといろりの首を締め上げるが…その台詞は最後まで続かなかった。
「フンッ!!」
「いだぁ!!!」
いろりの右肘がシュライゼルの顔面に突き刺さり鼻から血が噴き出す。
いろりはゼェゼェと一気に肺に空気を流し込みながら逃げないようにシュライゼルの肩を握る。
「え…痛……わぁ、血が出てる…
いろり…血が…我の顔から血が出て…ねぇ、血が出てる…
ねぇ、怖い…やだぁ…我その顔やだぁ……クゥーン…」
怒りにより瞳孔がかっ開いたいろりに睨まれながらシュライゼルは縮こまる。
「ねぇ…何で何も言わんのだ…?やだぁ…喋ってよ、怖い…
やだぁ…我その顔やだぁ…ねぇ、やだぁ…
あっあっあっ…やだぁ…我この頭掴まれるヤツやだぁ…っ!
わ、割れちゃ…ゔ……あ゛あ゛……」
無言でアイアンクローをしてくるいろりに怯えながらも、為す術もなく宙に浮かぶシュライゼルであった。
ガサリ、と執務室の窓の外の茂みが揺れたのはそんな時である。
シュライゼルはそちらに目をやると、そこには魔物が歩いていた。
…というか此方を見てたまげていた。
そりゃ黒ストッキング持ったシスターが神父にアイアンクローされて浮いてたら魔物だってたまげる。
「見ろ!いろり、外!!外見ろ外!!」
「外…?ふむ、魔物ですね。」
「我の後ろに隠れろいろり!!
おのれ魔物めぇ!我が恩人であるいろりの首を締めるとは…生かしておけん!
いろり…?下がれ!下がらんか!!我の後ろに…いろり!!
我が守ってやるから…いろり!!いろり!!!」
それはいろりへの暴行の責任を魔物に押し付け、かついろりを救って恩も着せれる神の一手であった…実現不可能である事に目を瞑れば。
「シュライゼル…」
「危ないぞいろり!!下がれ!下ってぇ!!
あとこの頭掴むヤツもやめてぇ!!」
「……シュライゼル、正座。」
「…はい……」
斬り滅す混沌のシュライゼル。
日に二度の正座を強要される恐るべき邪神。
「貴方が此処で働き始めて今日で一年ですか…早いものですね。」
「ふむ、もう一年か…やはりヒトの暦は早いものよな。」
夜が更け、子供達を寝かせ終わった頃…いろりはそう切り出した。
この一年…本当に色々な事があった。
眼の前の同僚が首を締めてきたり、街でマルチに引っ掛かったり、全裸で街を歩いたり、ぼったくりに遭って泣きながら電話してきたり……
なんか碌でもない記憶が多いような気がするが…きっと気のせいだろう。
「なにか…贈り物でもと思うのですが、残念ながら金銭的な都合がありまして……」
「ふん、構わん。我はヒトのように短い時を生きる生命ではないのだ。
なれば、ヒトの尺度で祝われても腑に落ちん。」
「いえ、そうはいきません。
貴方もこのエインカレムを共に切り盛りして下さったのですから…その働きには経営者として応えなければなりません。
ですので…ライザ、というのはどうでしょうか?」
「……?どう、とは?」
シュライゼルは小首を傾げる。
ライザとは?というかどうと聞かれても意味がわからん…
「いちいち貴方を呼ぶのにシュライゼルと言うのも
それに、(見た目だけは)可愛らしいのですから…名前もソレに倣って、と思いまして。」
シュライゼルはぽかん、と目をしばたたかせると徐々に口角を上げる。
「んん〜?なんだぁ?ライザだとぉ?
我が畏怖ある名を変えるなど…なんと恐れ知らずな事よなぁ〜?
んん〜〜??アレか?男は連れ合いを自分の色に染めたいと聞くが…いろりぃ、貴様もこの我に浅ましき独占欲を!あっ、向けて来ているという訳かぁ〜!?
まぁ?我は美しいからなぁ!!
この玉体が男共の下賤な視線を集め、賤しき考えを抱かせるのもまた道理ではあるからなぁ!!
仕方あるまいよ!んん〜!仕方あるまい!
うんうん!仕方無いことよなぁ〜!雇用主という強権を振り翳し我の名まで自分の欲望のままに変えようとは…まぁ?我は寛大であるから?仕方無く…仕方無ぁ〜く了承してやらんでも?
無いがなぁ〜!!」
「……あっ、じゃあいいです。」
いろりは経験からシュライゼルを調子に乗せて良い事になった試しが無い事を理解していた。
「んん〜!良いですだとぉ?全く!!そんなに嬉しいかぁ?この淫獣めが!!」
しかし、もう手遅れであった。
にやにやと意地の悪い笑みを浮かべて擦り寄ってくるシュライゼル…改めライザを手で押し退けながらいろりは早まったかも知れないと溜息をつくのであった。
「メアリィー!!」
「どうしたの…?シスター様。」
少女のもとに駆け寄って来たのは最近やけに機嫌の良いシスターであった。
良く見ればこないだ助言した黒ストッキングをしっかりと着用している。
「その…我、最近変かも知れん!!」
「変…?むしろ、元気そう…だけど?」
「うむ、調子はすこぶる良いし機嫌も最近はまずまずなのだが…
なんだか、その…いろりを見たり喋ったりするとな?
こう…胸がきゅーっとなって変なのだ!
痛みともまた違うし…なんと言うか心地良い感じもあるのだ。」
そう言うライザの顔はほんのりと桜色に染まっていた。
「……なに?惚気に来たの…?」
「のろけ?何だソレは?」
少女はライザの返答に少し目を見開くもすぐさま気を取り直す。
………これは、責任重大そうだ。
「…多分だけど、シスター様は…恋をしてると思う。」
「鯉?来い…故意?……乞い??」
「違う…男女の付き合いの恋。」
「男女の……?我が?……誰に?」
「……神父様でしょ。」
ぽかんと呆けた様子のライザはボソボソと呟く。
「我が…いろりに…?……ッ!!」
口にして初めて意識したのか桜色だった顔が一気に熟れたトマトのような朱へと変わる。
「ばっ!!そっ、そんな事無い!!
わっ、我がいろりに恋だとぉ!?あっ、有り得ん有り得ん!!
ま、まぁ?いろりの奴が我に言ってくるというのなら考えてやらんでも無いが?我から奴に恋など…無い無い無い!!!」
真っ赤な顔でモニョモニョと早口に捲し立てるライザを見て…少女はある決意を抱く。
(駄目だ…シスター様はクソ雑魚ナメクジ過ぎる…
私が…私が
斯くしてここに、邪神系恋愛クソ雑魚シスターとそのクソ雑魚ナメクジを導く恋のキューピットが誕生したのであった。
「メアリィーちゃぁーん!!」
「どうしたの…?シスター。」
今日も今日とて少女に抱き着くライザ。
大体その頻度はのび太君がドラえもんに道具を強請るのと同じである。
「しっ、神父様が…私の方を見て少し目を逸らしたんです!!
きっ、嫌われてしまったのか!?」
「シスター…口調が崩れてる。」
「む!んんっ…嫌われてしまったのでしょうか?」
そう、ライザはメアリーの猿でも簡単恋愛講座を毎日ワンツーマンで受講していく過程でその言葉遣いと身嗜みを厳しく指導されたのであった。
「ふむ…それは、予想通りの反応。」
「!…と、言うと…?」
「神父様は…恐らく筋金入りの童貞、もはや童帝。
だから、最近頑張ってお淑やかになってきたシスターを…少し女性として意識しだしたと思われる。
つまり…作戦大成功。」
「おお!!流石よなメアリー!!」
「口調。」
「んんっ!流石ですメアリーちゃん!」
「だから…このまま畳み掛ける。」
「畳み掛ける…?どうするのですか?」
「ずばり……チラ魅せガーターベルト。」
「チラ魅せガーターベルト…!?」
「そう…でも、これは少し難しい一手。
童帝である神父様は…恐らくモロ魅せガーターベルトだと気後れしてしまう恐れがある。
だから…あくまでチラ魅せ。
日常の中のふとした瞬間に視えてしまう自然さと特別感が…重要。」
「チラ魅せ…なんと奥の深い……」
「着いて…来れる?」
「…はい!!」
何だかんだ体育会系のノリで全てが進行する恋愛講座であった。
「メアリィーさーん!!」
「どうしたの…?シスターちゃん。」
自身の住処に帰る動物のような自然で少女の胸に飛び込んで来たのは最近一層身嗜みに気を付け、簡単な化粧まで覚えたライザであった。
「神父様が…その……カッコ良すぎて喋ってると目を合わせられ無いんです!!
どうしましょう!?」
少女はライザの頭を撫でるのを止めるとスタスタと食堂に向かって行った。
「メアリーさん!?メアリーさん!!私を見捨てないでぇーー!!」
「大丈夫…見捨てない。」
直ぐに戻って来た少女の手には白米がよそわれたお椀とお箸が握られていた。
「…??」
「気にしないで……ご飯が欲しくなっただけ。」
カッカッカッと白米を掻き込む少女。
おかずはもう貰ったのだ。
「ふぅ…甘いご飯だった。
ところで…そうなるのも予想の範疇。」
「ほっ、本当ですか!?」
「うん…シスターちゃんは、正直に言うとヤンデレの気がある。」
「ヤン…?」
「愛が…重い人の事。
でも…別にそれは構わない。愛なんて重ければ重い程…良い。」
「そっ、そんな…愛なんてぇ…えへへ!」
両頬に手をあてて身体をくねらせるライザ。
少女の白米を掻き込む手が早くなったのは言うまでもない。
「ふぅ…醤油をかける事も考慮する甘さだった。
でも、愛が重くても伝えられなくては…無意味。」
「ゔ!……ど、どうじまじょゔ〜!」
「此処は……ツンデレメスガキルートを採る。」
「ツッ、ツンデレメスガキルート!?」
「うん。知っての通り…神父様は童帝。
だから、このままシスターちゃんが神父様の前で視線を逸らしたりが続くと…最悪の場合、嫌われたのでは?と思い込む。」
「そっ!そんな!!私が神父様を嫌うなんてありえません!!」
「わかってる。
でも、童帝は目先の態度や行動だけを判断材料にしがち…だから、敢えて神父様の前で生意気な態度や煽りとかをする。」
「なっ!?それでは神父様に嫌われてしまうのでは!?」
「一時的には…そう。」
「一時的って…!嫌です!!私…私は神父様に嫌われるなんて……耐えられません!!死んじゃいます!
私、毎日神父様のおはようございますとおやすみなさいを聴かないと体調を崩すんですよ!?」
「それは…初耳。
でも、ぐっと我慢…後の3巡を買うの。」
「後の3巡…とは?」
「高く跳ぶには…まず屈む。
どうやっても…シスターちゃんが短時間で神父様に耐性をつけるのは現実的じゃない。
ので、敢えて嫌った風に見せる。
でも…所々で優しさを魅せる。
こうすると…童帝は戸惑う。
そうなれば…こちらのもの。
困惑している童帝ほどガードの緩い生き物は…この世に居ない。
そして、嫌われてるかも…から好かれてるかも…になってる相手にシスターちゃんの重い愛を叩き込む。
そうすれば…いかな童帝と言えど……わからセッ○ス一直線。」
「わからセック○一直線…!?」
「そう…だからこの8000で後の3巡を買う。」
「後の3巡…わ、わかりました!!」
こうして、我らがメスガキ敬語シスターが爆誕したのであった。
「師よ!師よー!!」
「どうしたの…?ライザちゃん。」
自らの還るべき場所に還ったライザはギュウと少女を抱き締める。
「神父様が…神父様がカッッッコ良かったんです!!」
少女の手には既に白米と箸が準備されていた。
実は最近食べ過ぎでお腹がぽっこりしてきたので密かにランニングを始めている少女であった。
「ふぅ…そろそろ醤油ではなく味噌を考慮するべきかもしれない。
まぁ…確かに魔物を倒した神父様は、格好良かったね。」
「そう!!
「落ち着いて…口調が滅茶苦茶になってる。」
「んんっ!えと…それで、その……そろそろ、辛くなって…きました……
私は何時まで神父様に酷いことをしなければならないのでしょうか……」
「…別に好きなら好きと言ってもいい…よ?」
「ゔ…言えるならとっくに言ってますよ!!
言えないからこうして相談してるんです……
どうにかしてくださいよ師〜!!」
「ふむ…でも、これは私も予想外。
私の予想では…そろそろ誰かに相談する頃だけど……さり気なく声を掛けた私にも相談しなかった。」
実際には掲示板で相談しまくっていたが二人には知り得ない事なので仕方無い。
「ゔ〜!も、もしかして…私が嫌な態度ばかりとったから……本当に嫌われてしまったのでは…?」
「ううん…ソレは無い。
神父様がライザちゃんに向ける視線に…嫌悪感は無い。
だから……近々相談しに来る…と、思う。」
「ほっ、本当に?ホント?我を騙しておらぬか?」
「騙してないよ。」
「信じるぞ?我信じるからな?メアリー…?」
「任せて、愛の伝道師とは……私の事。」
「おお…おお!!おぉ…師よ…師よ!!」
少女の胸に縋り付きながれ涙を流して叫ぶ。
立派にヤベー奴であった。
「神!神ぃ!!」
「何でも言う事を…聞かせる権利?逃してしまった?なんの事です…?」
「神だ…やっと神と!」
少女に抱き着いてガチ泣きをかます成人女性。
残念なことにメインヒロインである。
「マズったね…この権利は取っておきたかった。
コレから発展させて…誘い受けルートが取れたのに…」
「イヤァァァァァ!!聴きたく無いです!!」
「うん…前を向こう。
逃したのは…仕方無い。大事なのは…これから。
何故か…神父様は全然相談に来ない。
だから…少し手を変えよう。」
「手を…?ど、どうするのですか?」
「思い切って愛をぶつけてみよう…ぶつけ所は考えるけど。」
「ぶ、ぶつけ…」
「うん。
仕方無いからメスガキルートからのわから○ックスは一旦諦めよう…残念だけど。
ここは王道の…ツンデレからのアンタの事が好きだって言ったのよルートを採ろう。」
「アンタの事が好きだって言ったのよルート!?」
「うん…本当はこっちから大きく動くのはクソ雑魚ナメクジのライザちゃんには荷が重いから避けたかったけど…仕方無い。」
「うぅ…わ、私に言えるでしょうか…?」
「頑張ろう…ライザちゃんはやれば出来る子。」
「やれば出来る子…やれば出来る子…がっ、頑張ります!!」
「頑張って…!」
ロミィさんとガルガ君に孤児院を任せた私はライザ君を探そうと駆け出し…た、所を子供に呼び止められた。
「神父様…。」
「メアリー…?ど、どうしたのですか?」
「ライザちゃんは…馬鹿だし、調子に乗りやすいし、ちょっと愛が重いけど…受け止めてあげて。」
「……ふふ、大丈夫ですよ。
ライザ君は家族ですからね。…家族の想い一つ受け止められない程に甲斐性なしになったつもりはありませんよ。」
何時もの人好きのする笑顔と共に言い切る。
……神父様は何だかんだ天然タラシな所がある。
きっと前世は恋人に刺されてる筈。
でも…安心した。
「行ってらっしゃい…神父様。」
「はい!行ってきます!」
またたく間に見えなくなったいろりを見送るとクスリと笑って少女は食堂に向かう。
「今日は…お赤飯かな?」
帰ってきたら、あの可愛らしい親友を少し茶化してやろう。
そう心に決めて楽しげに少女は微笑んだ。
性癖を詰め込めるだけ詰め込んだ!
性癖のハッピーセットか?
この小説のヒロインは?
-
ライザちゃん
-
シュライゼルちゃん
-
メアリーちゃん
-
ガルガくん
-
ロミィさん
-
恋ちゃん
-
ナナシちゃん
-
アザトホート