クソニブ神父とメスガキ敬語シスター   作:悲しいなぁ@silvie

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不穏な空気君と曇らせ君と愉悦君が家出したので番外編です
あと、全然関係ないけどヨッシーのフルネームはT.ヨシザウルス・ムンチャクッパスです


不穏「探さないで下さい」

「いろり!いろりよ!!」

 

執務室の扉を乱暴に叩きながら入ってきたシュライゼルを見てため息と共に問い掛ける。

 

「どうしました?あと、ノックは入る前にするのですからしながら入室しては意味がないでしょうに…」

 

「うるさい!細かい事ばかりぐちぐちと…この腐ったみりんが!!」

 

「ソレを言うならみかんでは?みりんはアルコールなのですから腐ったりしませんよ。」

 

「んぐぁぁ!!細かい!!貴様のそういう細かい所が我は嫌いだと言っておろうが!!

……と、まぁそんな事はどうでも良いのだ。」

 

叫んでいたシュライゼルは急にスイッチを切り替えたようなアルカイックスマイルで私に向けて手を差し出した。

 

「今日はバレンタインと言うヤツなのだろう?

好きな相手にチョコを貢ぐ素晴らしい日だとメアリーから聞いたぞ……さぁいろりよ、この斬り()す混沌のシュライゼルにチョコを貢ぐ栄誉をやろうぞ!!」

 

…あぁ、成程そういう事でしたか。

 

「まだお茶の時間には早いでしょう。

ちゃんと今日のお茶菓子はチョコレートにしてあるので仕事に戻りなさい。」

 

「………は?

いろりよ……我の耳が腐ったのでなければ今、貴様はガキ共にやる菓子と我に貢ぐチョコを同じモノで済まそうと言ったのか?」

 

「ええそうですよ、良かったですね耳が腐ってなくて。」

 

…むぅ、最近遊具の老朽化が目立ってきましたし新調したいのですが……どこの業者も高いですね、これならば最悪私が自分でやった方が安く……むぅ…

 

「いやじゃいやじゃいやじゃ!!!

我はそこらのやっっっすいチョコでは満足出来ん!!!

何故じゃ!?メアリーは言っておったぞ!!好きな相手にはホンメーチョコとか言う甘くて仕方無いチョコを贈ると!」

 

…多分ですがメアリーの言う甘くて仕方無いは恋愛的な意味も含まれていそうですね。

まぁ、シュライゼルに恋愛的な事を言っても馬の耳にってやつでしょうが。

 

「私は書類整理があるので今からチョコを買いに行く時間なぞありません。」

 

「ふふーん!!なら安心するが良い、貴様の代わりに我が買いに行こうぞ!

なに、我の千と一つの命(ザ・エンカウント)を使えばガキ共の面倒を見ながらチョコを買うなぞ造作も無い事よ!」

 

シュライゼルは薄い胸を張りながら尚も手を差し出してくる。

……人が出費が苦しいと考えていると言うのに……

 

「嫌です。シュライゼル、貴方にも月々のお給金はしっかりと渡しているでしょう?

チョコが食べたいのならば自分で買ってきなさい。」

 

「お給金〜?ハッ!!あんなものとうに無くなったわ!!」

 

「へー、そうですか…無くなって……はぁ!?

まだ月頭ですよ!?どうして数日でお給金が全て無くなるんですか!?」

 

「んー?それは…まず、肉であろう?で、ケーキとメアリーとのデートで言ったレストラン代と…

あと、プレステとFF代に〜あと…」

 

「もういいです……」

 

遣い方が刹那的過ぎる……小学生じゃないんですからもう少し計画的に…いえ、一般常識という意味ではシュライゼルは小学生よりも子供な訳ですね…これは私の責任でもありますか……

 

「ですが、それとこれとは話が別です。

さっさと仕事に戻りなさい。」

 

「んなっ!??ほ、本気で言っておるのかいろりよ!!

わ、我泣いちゃうぞ?良いのか!!ホンメーチョコとやらをくれぬというのならここで今からマジ泣きするぞ!!」

 

……地味に嫌な嫌がらせを……

 

「そんな事をすれば……もぎます。」

 

「ドコを!!??」

 

「諦めなさいシュライゼル、私はテコでも動く気はありません。」

 

「ぐ、ぐぅぬぅ〜…もう良いわ!!いろりの強姦魔!!!」

 

「っ!!??ちょ、ちょっと待ちなさいシュライゼル!!何処でそんな言葉を…やめなさい!!叫びながら行くな!!!」

 

 

 

 

「……で、私の所に来た…と。」

 

「そうじゃ…ヤツはもう駄目だ。あやつは我にチョコを貢げるという有史以来の幸福を享受しようとせん。

信じられん馬鹿者よ……」

 

(……本当は女の子があげる日なんだけどね。)

 

「シスター様、駄目だよ…神父様に無理言っちゃ…」

 

「無理?違う!!ヤツの我に対する敬意とかそういうのが足りんと言っておるのだ!!

もうチョコとかどうでも良い!!ヤツがガキ共と我を同列にしておるのが腹立たしいのだ!!!」

 

(………ラブコメの波動を感じる。

まさか…シスター様に限って……でも、神父様の天然タラシ具合は中々のもの……むぅ…誰にでも良い顔するのは…あんまり好きじゃないのに……)

 

「……シスター様は、神父様に好きだと思われたい…の?」

 

「はぁ?違うが?

別にあんないちいち細かいロン毛バカなぞから好かれたくなぞない……ないが、好かれてないのは腹立たしい!!

我はこの世で最も美しく可憐な姿をしておるのだから誰からも無条件で好かれて甘やかされるべきなのだ!!

だというのにあの阿呆は我の羽をちぎったり…許せん!!!」

 

(……子供特有の自分が中心じゃないとイヤなだけかな…?

恋愛感情では…無いのかも。)

 

「……なら…少しはお淑やかにしてみたら?」

 

「お淑やか〜?我が?

イヤじゃ!!あんなヤツの為に自分を変えるなぞ反吐が出るわ!!

かぁ〜!!言っておったらまた腹が立ってきた!!

メアリー!我はもう一度あの阿呆の所に行ってくるぞ!!」

 

「…あんまり神父様に迷惑かけちゃ…駄目だよ。」

 

「わかっておる!!」

 

 

 

「いろりぃーー!!!このけちんぼロン毛…が……

なんじゃソレ?」

 

「おや、えらく早いお帰りですね。

見ればわかるでしょう、今日のお茶菓子のマーブルケーキです。」

 

「かぁ〜!!男のクセに菓子作りなぞしおってからに!!

そんなものより我の為にホンメーチョコを…」

 

「シュライゼル、子供達にあげる前に味見をお願い出来ますか?」

 

「やっぱり男は菓子の一つでも作れんとな!!

その点いろりはわかっておるな!!」

 

シュライゼルは私の手からケーキを奪い取ると床にどかっと座り込んで食べだした。

……一応小皿とフォークを用意していたんですがね。

まる齧りとは……

 

「うむ!!美味い!美味い!美味い!美味い!

美味い!!中々の美味ぞ!!」

 

「もう…口の周りがチョコだらけですよ、ほらしっかり拭いて。」

 

「ん〜…取れた?」

 

口の周りをペロペロと舐めるシュライゼル。

…まぁ、流石に行儀の悪さを咎めたりはしませんがね。

 

「違います、ほら…ここのほっぺの所ですよ。」

 

「ん〜取って、いろり。」

 

つい、と頬を向けるシュライゼル。

………はぁ、シュライゼルでなければ私も嬉しいシチュエーションというやつなのですが……

 

「ほら、取れましたよ。」

 

「んふ〜良いぞ。うむ、美味い!!」

 

……一応味見と言って渡したのに完食しましたね。

…まぁ、別に良いんですが。

 

「ごちそうさまでした!!」

 

「はい、お粗末様でした。」

 

ふんふんと鼻歌を歌いながら出ていくシュライゼル。

…完全にチョコやらは忘れたみたいですね。

 

「優しいね…あのケーキ、シスター様用だったんでしょ?」

 

いつの間にか私の側に居たメアリーがシュライゼルが食べ終わったお皿を見て尋ねてきた。

 

「あぁ…ナイショですよ?メアリー。

職員だけを贔屓するなんて子供達に悪いですからね。」

 

「わかってる……はい、これ。」

 

メアリーは懐から小さな箱を取り出して私の手元に置く。

…?なんでしょう?

 

「本命チョコ…もし、神父様がずっと独り身なら…私が貰いたい。」

 

ほんのり顔を赤らめてそういうメアリー…

ふむ、子供達にそこまで好かれているというのは教育者冥利に尽きるというものですね。

 

「ありがとうございます、メアリー。

ですが、メアリーが大きくなる頃にはもっと良い人が……」

 

と、言い切る前にメアリーに顎を持ち上げられた。

人差し指と親指を添えて持ち上げる…傍から見れば顎クイというやつになるのでしょうか?

……傍から見れば()()()()()()()メアリーの方に目が行きそうですね。

 

「もう……知ってるくせに…イジワル…」

 

何処となく艶のある表情と仕草で言うメアリー。

…ですが、駄目ですね。

 

「メアリー、貴女もシュライゼルと同じですよ。

貴女も()()()常識には疎いのですから…私から見ればまだまだ子供ですよ。」

 

メアリーは私の返答に少し唇を尖らせると元の身体に戻る。

 

「神父様…来年も渡すから……受け取ってね。」

 

「ふふ、楽しみにしていますよ。」

 

「お返しは……10倍だね。」

 

「おお、こわいこわい。」

 

この孤児院で、最も気安く話せる相手…という意味では本当に大切で無二の存在ではあるのですが……メアリーも早く親愛と恋愛の区別がつくといいんですがね。

 

「神父様…その天然タラシは……いつか自分の首を締める…よ?」

 

「…はぁ?天然タラシ……??良くわかりませんが…気を付けましょう。」

 

 

いろり編終

 

 

 

「なぁナナシ!

きょ、今日ってなんの日か知ってるか…?」

 

イオリは赤い顔でそう聞いてきた。

 

「今日ー?あー……なんかの納付期限とかかぁ?」

 

「納付…ちげぇよ!!

なんで俺がナナシにそんなん言うんだよ!?」

 

ガミガミうるせぇなぁ…じゃあなんだよ

 

「……付き合って122日記念日?」

 

「半端!!そんなもん流石に記念にしな……え?ナナシ…お前…そんなすぐ出てくるって……」

 

「チッ…ならわかんねぇよ!」

 

「なぁ!そんなすぐ出てくるってお前って俺の事…」

 

あ゛ー!!コイツはすぐ調子に乗るから駄目だ!

別にこんなもん俺の記憶力が良いからだよ!!

 

「んんっ!今日は…バレンタインデーだ!

…って訳で、チョコ…ちょーだい?」

 

両手を差し出してこてんと首を傾げるイオリ…

クソッ!可愛いヤツだな!!

 

「……バレンティン?」

 

「誰だよ!!バレンタインだよバレンタインデー!!」

 

「…知らねぇ、んだよソレ。」

 

「……えぇ…マジで知らない顔じゃん……」

 

仕方ねぇだろ、赤ちゃんで転生したんだから。

 

「えと……バレンタインってのは、好きな人に女の子がチョコレートをあげる日…です。」

 

「へー…なんでチョコレートなんだ?」

 

「え゛!?……えーと……俺もよくわかんないです…」

 

…菓子会社のあれやこれやが透けて見えるなぁ

てか、だから朝から変にハイだったのかコイツ…

 

「チッ…ちょっと待ってろ。」

 

「え゛!?ちょ、何処行くんだよナナシ!!

そんな怒んなよっ!」

 

「………別に怒ってねぇよ。買いもんだ買いもん。」

 

「買いもん…?って!チョコ!!」

 

イオリにさっき買ったチョコを見せると飛びついてきた。

現金が過ぎるだろ。

 

「……っいや!騙されねぇぞ!!

どうせならナナシの手作りチョコじゃねぇとヤダね!!」

 

「何に対して何を騙されるんだよ…」

 

俺の手元のチョコをチラチラ見ながら歯を食い縛るイオリ。

本当に訳がわからん…いや、ソレは普段からか。

 

「ったく…要は俺が手間掛けりゃ良いんだろ?」

 

俺はチョコの包装を適当に破き捨てると一口齧り取る。

甘ぇ……あんま好きな味じゃねぇな。

 

「ふなぁ!?なっ、何で食べちゃうの!??

ねぇ!ナナシ!!ナナシさん!?嘘だよ?俺は市販品でも喜んじゃいますよ!!?」

 

俺が一口二口と齧るとイオリが慌てて俺の肩を掴んで来た。

……まぁ、バレンタインとやらを知らなかった俺も少しは悪いからな。

コレはその詫びってヤツだ。

俺は空いた左手で涙目になって騒いでいるイオリの顎を抑えてうるさい口を塞いだ。

モゴモゴと動き回る舌を絡めとって、唾液とチョコレートを混ぜ合わせる。

バタバタと暴れるイオリの手足を抱き締めて無理矢理に抑えると諦めたのかゆっくりと力が抜けていく。

ぐちゃぐちゃと互いの舌と唾液を貪る水音と興奮した動物みてーな鼻息が響く。

数分か…数時間か、そんなこともわからねぇぐらいに続いたソレはイオリがぺたんと座り込んで互いの舌が離れた事で終わった。

舌同士が唾液で橋が架かったのは…ちょっとえっちぃ感じがした。

 

「……どうよ、お味の方は?」

 

「ハァハァ、ハァ、ハァハァ……分かんねぇよ…そんなん…」

 

涙目で、ドロドロに蕩け切ったイオリの顔を見て…何故か背筋を虫が這ったみたいな感覚が襲う。

あぁ…バレンタインってのは楽しいなぁ。

 

 

ナナシ編終

 

 


 

本編とは無関係な設定集

 

メアリーちゃん

元魔王軍四天王【磔刑のオズワルド】

不死鳥の心臓を持っている為、死んでも転生出来るぞ!

転生した先で神父様と出会い二人でなんやかんやあって孤児院エインカレムを始める。

神父様に向ける感情はラブが7割のライクが3割だが、本編でのクソ雑魚ナメクジシスターを見て応援するぐらいには踏ん切りがついた模様。

………ではなく実際には誰の元に行こうとも最後に自分の隣に居れば良い的なラオウ思想なだけである。

 

ナナシちゃん

記念日全部覚えてる系ガール。

勿論付き合って一年とかはお祝いする。

でも相手が忘れてたら自分の方が愛が深いもんね!と喜ぶ可愛子ちゃん。

可愛いね!

勿論だがイオリとは一年のお祝いをする前に死別している。

 

この小説のヒロインは?

  • ライザちゃん
  • シュライゼルちゃん
  • メアリーちゃん
  • ガルガくん
  • ロミィさん
  • 恋ちゃん
  • ナナシちゃん
  • アザトホート
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