魔法少女リリカルなのは〜Lightning storm   作:シティ・マウンテン

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初投稿です。
不定期更新になると思いますが、早めに続きを投稿できるよう頑張ります。


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「それではDSAA世界大会決勝、開始します!」

 

大歓声に包まれる会場の中、司会の合図で試合が始まった。『さあ始まりました! 今大会の目玉とも言える世紀の一戦です!』

実況が叫ぶと、観客席からまた歓声が上がった。

『この決勝に勝ち上がった選手はなんと、どちらも十六の男女に委ねられました!一体どんな戦いを見せてくれるのか!」

会場と観客の熱狂も最高潮に高まった時、選手入場口の奥にある大きな扉が開かれた。そこから姿を現したのは、それぞれ黒髪にセピア色の目ををした男の少年と同じく黒髪の青い瞳の少女だった。

 

 

二人は同時に中央まで進み出ると向かい合い、そして審判が試合開始を宣言した。

「始め!!」

「うおおぉぉぉーっ!!!」

男は開始早々、気合の入った雄叫びを上げながら手を前へと突き出した。

 

この日——十代の世界最強が決定した。

 

 

★☆

「……ん」

眩しい光を感じて、少年はゆっくりと瞼を開いた。

彼がこの夢を見る時は決まって嫌な事が起きる前兆になっていた。

「…またあの夢か」そう呟いて、彼はベッドから起き上がると寝癖のついた髪を手で整えながら部屋を出た。

階段を降りリビングに入ると、キッチンには母さんがいた。どうやら朝食の準備をしていたらしい。

「おはよう、今日も早いね」

「うん。おはよう」

母の朝食を食べながら適当にテレビを見ながら、夢のことを思い出していた。

彼の名はトワ・リンフォード

十六歳でありながら、インターミドルU19の準優勝に輝いた若き天才と世間では騒がれている人物である。

 

「最近、通り魔が出るらしいわよ」

 

「通り魔?俺より母さんの方が気をつけてよ」

そんな他愛ない会話をしながら食事を済ませた後、学校に行く準備を整えたトワは家を出た。

「じゃあ行ってきます」

「はい、いってらっしゃい」

トワはいつものように高校へ続く通学路を走り出した。

★☆

朝のHRが始まる前の時間。教室内は生徒たちの談笑で賑わっていた。

そんな中、一人の男子生徒が教室に入って来た。

「おーっす、トワ」

声をかけてきたのはクラスメイトのユートだ。昔からの腐れ縁みたいな仲だ。

「おう、おはよう」

「相変わらず寝ぼけた面してんな」

「ほっとけ」

二人は挨拶を交わすと自分の席に着いた。

「そういえば聞いたか?」

「何をだよ?」

「駅前に新しいカフェが出来たから行かねぇかって話」

「ああ……」

確かに、朝方母からそのような話を聞いたような気がする。

「悪いけどパス、今日はスパー」

「さすが世界二位様だな、そっか、まぁいいや。気が向いたら誘うわ」

「はいよ」

それからすぐに担任の教師が入ってきて授業が始まった。

 

 

★☆

 

 

午後の授業を終え帰宅部のトワは一人で帰路についていた。

しばらく歩いていると、突然後ろから誰かにぶつかられた

 

「あ、ごめんなさい!」

 

「もー、ヴィヴィオ気を付けなよー?」

 

女の子三人のやり取りを聞きながら振り返ると、そこには金髪碧眼の少女がいた。

「怪我はない?」

「ああ、大丈夫です。すみません」

少女に謝られたトワは軽く頭を下げた。

「いや、大丈夫ならいいよ」

特に少女の方も怪我がなさそうなので足早にその場を去った。

 

 

そんなトワの背中をヴィヴィオはしばらくの間見ていた。

「ヴィヴィオ?どうしたの?」

 

「さっきの人、どこかで見たことあるような?」

 

「そうかな?フードで顔は見えなかったし何とも言えないね」

 

「そうだね〜でもなんでフードなんでしてるんだろうね」

自分の記憶を思い出そうとしても顔がそこまで見えていなかったので、結局わからなかった。

「それじゃあ帰ろっか」

「うん!」

こうして三人組は帰って行った。

★☆

その夜、スパーを終えて帰宅しようとしている所だった。

(…やっぱりカウンターのタイミングがまだ甘いかな?)

今日のスパーの反省をしながら、暗い夜道を一人で帰っていた。

 

「インターミドル準優勝者、

トワ・リンフォードさんですね」

 

ふと、上の方から声が聞こえ歩を止める。

 

(つくづく俺の夢は良く当たりやがる)

声がした方を見上げると、第一印象で思ったことはとても綺麗な人だと感じた。

「あなたと一つ試合をお願いします」

 

そう言って通り魔は俺の目の前へ降り立った。

 

その人は碧銀の長い髪を靡かせ、まるで人形のような美しさを持つ女性だった。

だが、ただ美しいだけではない。その瞳からは確かな意志を感じたからだ。

俺は警戒しながら、いつでも攻撃に対応できるように構える。

 

 

「……どうして、こんな事を」

「あなたの拳と私の拳どちらが強いのか」

そう言うと女性もどこの流派か分からないが構えを取った。

「……後悔するなよ」

それ以降は言葉も交わさず、戦闘が始まった。

トワは全身に力を入れて、一瞬にして距離を詰め、右ストレートを繰り出した。

 

「ッ!」

女性はガードするので精一杯といったところで大きく吹っ飛んだ。

トワを準優勝した大きな要因はこのスピードとパワーにあると言っても過言ではなかった。

「まだ、終わらせないぞ」

そう言った瞬間、今度は女性が動いた。

「——————」

「——————————」

お互い無言のまま、激しい攻防が続いた。

しかし、お互いの表情には明確な差があった。「————————」

「———」

トワは女性の攻撃を防御に徹していた。

理由は相手との実力差が原因だった。

確かに流派が分からず、対処しずらい場面は何度かあったが所詮それだけの事だった。

そして、決着がついた。

「——————————」

トワの攻撃が決まり、女性の体が宙に舞った。

「……」

しかし、トワは何も言わずにそのまま立ち去ろうとした。

「待ってください」

すると、女性は起き上がってトワを呼び止めた。

 

「なんだよ」

「なぜとどめを刺さないんですか?」

「お前じゃ勝てないと分かっただろ?」

「……」

「もういいだろ、これ以上やるつもりはない。見逃してやるからさっさと帰れ」

「私は負けていません」

彼女はフラフラになりながら、もう一度構えを取る。

「やめろって……」

「まだ、終わっていません」

トワの言葉を無視して再度攻撃を仕掛けてきた。

「いい加減にしろ!!」

トワは怒声を上げ、女の腕を掴み投げ飛ばした。

「うぅ……」

彼女の体は大きな弧を描き、地面へ叩きつけられた。

 

「これで分かっただろ?俺の方が強い」

トワは彼女に手を差し伸べた。

「……分かりました」

彼女は素直にトワの手を取り立ち上がった。

「それでいい、じゃあな」

トワは踵を返し、帰ろうとすると彼女が再び手を掴んだ。

「何だよ?」

トワは振り返らず、少し声音を強くして彼女へ注意した。

「ありがとうございます。また会いましょう」

そう言い残して、彼女は夜の闇へと消えていった。

★☆

「トワ、おーっす」

昨日、何とか帰宅したトワは翌日学校へ行くとクラスメイトのユートが話しかけて来た。

「ああ、おはよう」

「どうしたんだ?元気がないな」

「別に、ちょっとした揉め事だよ」

「ふ〜ん、まぁ何かあれば相談してくれよな」

そう言って彼は自分の席に戻って行った。

(やっぱり気づかれるか……)

トワは自分の気持ちが表に出ないように普段通りに振る舞っているつもりだったのだが、やはり付き合いが長いせいでバレてしまうらしい。

そんなことを思っていると担任の先生が来たので、話はそこで終わった。

 

★☆

しばらくは何もない日常が続き、平和な日が過ぎていった。

あれから何度か通り魔のニュースが放送されているが、しばらくするとそれも聞かなくなった。

とうとう捕まったか、なんて呑気なことを思っていると事は起こった。

 

「おいおいトワ、学校の前にとびきりの美少女がいるらしいぞ!」

 

最後の授業が終わると、ユートが騒ぎながら俺の席に近づいてきた。

 

「それで?その美少女がどうしたんだよ」

 

「なんか誰かを待ってるっぽいんだけどSt.ヒルデ魔法学院の制服だし、うちの生徒で知り合いなんているのかな?」

 

「ふーん、まぁどうでもいいや帰ろうぜ」

自分には関係ないだろうと手短に帰りの支度を行い、帰るために学園を出ようとすると、

 

「トワ・リンフォードさんを探しているのですが…」

校門が近づくにつれて、噂の美少女の姿が顕になってきた。

碧眼の髪にオッドアイの瞳、身長も高校生が周りに多いせいか余計に小さく感じる。

 

「えっ?おいおい、お前のこと探してるっぽいぞ!」

何故かユートのテンションが高いが俺は周りの生徒から向けられる視線でテンションだだ下がりだ。

気がつけばユートが噂の美少女と何やら話をしていて、カフェへ向かうことに。

 

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