魔法少女リリカルなのは〜Lightning storm   作:シティ・マウンテン

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そろそろ書き溜めがなくなって来そうです。・°°・(>_<)・°°・。


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「それで、次はどっちがやる?」

「私がやる!

さっきは負けちゃったけど、次は負けない!」

と言いながら、ヴィヴィオは先ほどと同じように前に出て構えた。

「OK、アインハルトもそれでいいな?」

「はい」

今度は、俺とアインハルトさんが入れ替わるように立ち位置を変える。

「じゃあ始めるぞ、ルールもさっきと同じだからな、それじゃあ始め!」

そのタイミングで、ノーヴェの合図とともに試合が始まった。

「行くよっ!」

掛け声と同時に、ヴィヴィオが一気に間合いを詰めてきた。

アインハルトも素早く反応し、腕をを構えて防御の姿勢を取る。

すると――

ドゴォッ!! という轟音と共に、凄まじい衝撃が全身を襲った。

「ぐっ!?」

予想外だったのか、アインハルトの顔に驚きの色が広がる。

だがそれも一瞬のこと、すぐに冷静さを取り戻すと、アインハルトはその一撃を受け流して距離を取った。

「くぅ~! やっぱり、アインハルトさん強い……!」

悔しそうに顔を歪めながらも、ヴィヴィオはまだ諦めてはいないようだった。

拳を引き絞って構えると、再び突進する体勢に入る。

「でも、私だってまだまだやれるもん!」

叫び声を上げて、一直線に突撃してくるヴィヴィオ。

 

「これは、ちょっとやりすぎちゃったかな?」

「トワ君だっけ?どういうこと?」

俺の言葉に反応したのは、一緒に見ていた確か、ティアナさん?が興味深そうに質問してきた。

「えっとですね……」

俺は簡単に説明した内容は、

ヴィヴィオとの戦いの真意は、彼女に自信をつけさせることにあったということ。

そしてそのために、あえてトワは手加減をしていたことなどを説明した。

「なるほどね……。確かにいつものヴィヴィオらしい戦い方じゃないわよね」

「気持ちいいぐらいにまっすぐ突っ込んでるだけっていうか……」

スバルさんの言う通り、ヴィヴィオの攻撃は常に真っ直ぐで迷いがない。

それはある意味長所でもあるのだが、相手によっては単調な攻撃になってしまうという欠点もあるのだ。

現にアインハルト相手にも、彼女は真っ向勝負しか挑んでいない。

「ヴィヴィオはいつも考えて戦うタイプなんですけど、今回ばかりは熱くなりすぎてるみたいです」

「うーん、そろそろアインハルトの方も慣れて来るだろうし…」

トワが少し心配そうな顔をしながら呟いた時だった。

それまで防戦一方だったアインハルトの鋭いカウンターがヴィヴィオを襲った。

ギリギリのところで回避出来たものの大きくバランスを崩すヴィヴィオ。

 

そこを狙って、アインハルトが追撃を仕掛けようとした瞬間――

「―――――!!」

ヴィヴィオの目つきが変わった。

その瞳には今まで以上の闘志がみなぎっているように見える。

(これなら大丈夫そうだ)

トワは安心したような表情を浮かべた。

アインハルトも今まで以上に集中しながら、ヴィヴィオの動きを警戒しているようだ。

二人の視線が交錯し、お互いが次の一手を考えている。

そんな緊張感のある空気の中、先に動いたのは――ヴィヴィオだった。

フェイントを交えながら、一気に間合いを詰めていくヴィヴィオ。

それに対し、アインハルトも迎え撃つ形で動き出す。

「覇王───断空拳!」

ヴィヴィオの攻撃を交わしざまに放たれた一撃はヴィヴィオ。大きく吹っ飛ばした。

「一本!そこまで」

ノーヴェの宣言で試合は終了となった。

結果はアインハルトの勝利である。

しかし、ヴィヴィオもまた一歩も引かない戦いを見せてくれた。

吹っ飛んだヴィヴィオの元に皆が集まるが、特に怪我の心配もなく、意識を失っている所だけだった。

「お疲れ様、ナイスファイト」

労いの言葉をかけると、アインハルトは小さく頭を下げた。

「ありがとうございます。あれ?」

アインハルトか少しふらつきながら俺の方に倒れてくる。

「だ、大丈夫か、アインハルト?」

「ラストに一発カウンターがかすっただろ?それが時間差になって効いてきたんじゃないか」

どうやら、最後の一撃がアインハルトの顎を掠め、時間差で足に効いてきたらしい。

「無理するなよ」「はい……、すみません」

俺に支えられたまま謝ってくるアインハルト。

「アインハルトはそのまま休んどけよ」

「はい……あの、トワさん」

「ん?」

「その……試合をお願いします!」

 

いきなりの発言に、俺は目を丸くしてしまった。

「…でも、まだ本調子じゃないんだろ?」

「いえ、もう大丈夫です!それに……今日の目的はあなたともう一度戦うためですから」

そう言って、アインハルトは真っ直ぐな眼差しを向けてきた。

「はぁ…分かったよ、ノーヴェさん申し訳ないんですがもうひと試合だけ審判をお願いします」「まあ、別に構わないけどさ……。アインハルト、無茶するんじゃねえぞ」

「はい、ありがとうございます」

こうして、今度はトワとアインハルトの試合が始まった。

「では、始め!」

「行きます!」

合図と同時に、アインハルトが一気に間合いを詰めて来た。

 

 

先ほどのヴィヴィオと同じように、一直線にこちらに向かってくる。

「……」

だが、その速度はヴィヴィオよりも遥かに速かった。

まるで弾丸のように突っ込んで来たアインハルトに対し、トワは最小限の動きでかわす。

そのまま流れるように反撃に出るが、アインハルトも反応してガードを固める。

だが、トワの攻撃はそのガードごと吹き飛ばし、アインハルトを大きく仰け反らせた。

「ぐっ!?」

「これで終わりか?」

トワの言葉に、アインハルトは口元を緩めた。

「まだまだ……!」

「それでいい」

再び始まる攻防。

アインハルトが拳を放つ度に、激しい打撃音が響き渡る。

「はあっ!」

「……」

そして、再び繰り出されたアインハルトの拳は、トワによって受け止められていた。

「アインハルトさん!」

「大丈夫です、ヴィヴィオさん」

心配そうな声を上げるヴィヴィオに、アインハルトは笑顔を見せた。

「さて、そろそろいいかな」

そう呟くトワの表情は、とても楽しそうに見えた。

一度大きく距離を取ると、トワは構えを変えた。

それは、今まで見たことのない独特の構えだった。

(なんだろう……?あれって格闘技?それとも武術?)

ヴィヴィオは首を傾げながら、トワの挙動を観察していた。

これまで何度か、ヴィヴィオ達も格闘技の試合を見たことがあるが、あんな構えをする人を見たことがなかった。

(なんだか、アインハルトさんの構えと似てる?)

ヴィヴィオが疑問を抱いている間に、トワはアインハルトとの距離を詰めていく。

「……ッ!」

対するアインハルトも、トワの動きに合わせるように前に踏み出した。

そして、二人がぶつかり合う瞬間――

『『覇王——断空拳!!』』

アインハルトの攻撃とトワの攻撃が

同時に放たれた。

お互いの拳がぶつかり合った瞬間、大きな衝撃波が発生してヴィヴィオ達は思わず腕で顔を覆った。

数秒後、二人の姿を確認するために目を開く。すると――

「えっ!?」

ヴィヴィオは驚愕の声を上げた。

そこには、互いに攻撃を放った状態で固まっている二人の姿が映っていた。

「はぁ……はぁ……どうだよ、俺の覇王流の拳は」

肩で息をしながら、トワが問いかけると――

「……見事です」

アインハルトは静かに答えながら、ゆっくりと膝をついた。

「アインハルト!」

「大丈夫ですか!?」

ノーヴェとヴィヴィオが慌てて駆け寄ると、アインハルトは弱々しく笑みを浮かべた。

 

「はい……大丈夫です。ただ……少し疲れただけですから」

そう言いながら、アインハルトはゆっくり立ち上がった。

「トワさん、どうしてあなたが覇王流を使えるんですか?」

アインハルトは真剣な顔で訊ねた。

その質問に対し、トワは少し困り気味の表情を浮かべた。

「んー……実は俺にも分からないんだよな。いつの間にか使えたっていうか、覚えたっていうか……」

「どういうことだ?」

ノーヴェが怪しげな視線を向けると、トワは頭を掻きながら言葉を続けた。

「なんていうか、アインハルトに誘われてから今日の試合までずっとアインハルトと戦った時のことを思い出してた」

「私のこと?」

「ああ、お前の技をだったり、身体の使い方、動き方とかを頭の中で想像しながら戦ってたら、自然と身に付いてたんだと思う」

「そんなことが……」

トワの話を聞き、アインハルトは驚きを隠せない様子だ。

「だから、俺が今使ったのは多分アインハルトと同じ流派だ。でも、俺自身まだ使いこなせてないから、これからもっと練習していくよ」

そう言うと、トワはアインハルトの前へ立ち、頭を下げた。

「アインハルト、俺に覇王流を教えてくれねぇか」

「……え?」

突然の申し出に、アインハルトは戸惑う。

「お、おい!急に何言ってんだ!」

ノーヴェが慌てた様子で声を上げるが、トワは構わず話を続ける。

「さっきも言ったけど俺は覇王流を使いこなすことが出来ていない。

アインハルトみたいに上手く使えないかもしれない」

「……」

「それでも、俺は強くなりたい。もう二度と負けないために」

「トワさん……」

「頼む、アインハルト」

アインハルトを見つめるトワの顔は、真剣そのもの。

しばらく沈黙が流れると、アインハルトは小さく息を吐いた。

「分かりました。私で良ければ、教えます」

「……ありがとう!」

アインハルトの言葉を聞いて、トワは嬉しそうな笑顔を見せた。

「やったぜ!」

「まったく……でも、お前のトレーナーとか文句は言わないのか?」

喜ぶトワを見て、ノーヴェは呆れながらもどこか優しい表情でトワへ問いかけた。

「はい、俺トレーナーいませんから」

「なぁ!?我流でそこまで鍛えたのかよ」

「はい、元々格闘技やってたのは自分で勝手に鍛えてたことなので、人に教わることはなかったんですよ」

「そうなのか……」

ノーヴェは少し驚いたような声を上げると、トワは苦笑いを浮かべながら言葉を返した。

「まあ、だからと言って、このままじゃいけないのも分かっています。今日の戦いで、自分の実力不足を痛感しましたから」

アインハルトとの戦いを思い出しながら、トワは拳を強く握りしめた。

「普通、準優勝まで登りつめた選手ならある程度、自分の武術に自信を持ってるはずなんだけどな」

ノーヴェが不思議そうな顔をしていると、トワは笑顔を見せた。

「優勝してないんですよ、俺は」そう言うトワの瞳には、強い闘志が宿っていた。

「なら、今までと同じじゃダメなんです、進化しないと俺はあいつには勝てない」

「あいつ?」

「ええ、インターミドル優勝者——ジークリンデ・エレミア」

 

その名を聞いた瞬間、ノーヴェ達の表情が変わった。

そして、アインハルトもまた、その名前に反応していた。

アインハルトは知っていた。自分やヴィヴィオと同じ古代ベルカの血統を受け継ぐ少女のことを。

 

「エレミア……」

アインハルトが呟くと、トワはアインハルトの方を見た。

「知ってるのか?そいつのこと」

「ええ……もちろんです」

アインハルトが答えると、トワは少し意外そうな顔をした。

「へぇ〜そういうのに興味なさそうだと思ってた」

「いえ、興味がないわけではありません。ただ、私は直接会ったことはありませんから」

「そうなのか?」

「はい、でも名前だけは聞いたことがあります。初出場でチャンプにまで登りつめた最強だと」

「最強……か」

アインハルトの言葉を聞き、トワは複雑な笑みを浮かべた。

「確かに、そうかもしれねえな」

「トワさん?」

トワがぽつりと漏らすと、ヴィヴィオ達は不思議そうな顔を浮かべた。

「どういう意味ですか?」

「ああ、アインハルトは知らないのか…ジークには攻撃も効かなけりゃ防御も通じなかった。

どんなに強力な一撃を当てようとしても避けられて、カウンターの嵐だ。あれを突破出来なければ俺に勝ち目はないだろうな」

「そんなことが……」

アインハルト達が驚いていると、トワが口を開いた。「だから俺は強くなってやるよ、ジークにも勝つために、覇王流を極めてみせる」

「……」

トワの言葉を聞き、アインハルトは無言のまま俯いた。

(私はまだ、迷っているのですね)

トワに教えを請われた時、アインハルトは嬉しかった。

同じ覇王流の使い手であり、尊敬できる人物に指導出来ることに。

しかし、同時にアインハルトの中には不安があった。

それは、アインハルト自身が覇王流を極めきれていないということ。

アインハルトの覇王流は、まだ未完成なのだ。

その状態で、トワに覇王流を教えるのは、果たして正しいことなのだろうか。

アインハルトが悩んでいると、ノーヴェが声をかけてきた。

「アインハルト、お前はどうするんだ?」

「え?」

「トワに覇王流を教えてもいいのかってことだ」

「……」

ノーヴェの問いに、アインハルトは黙り込んでしまった。

「私は……」

アインハルトは自分の拳を見つめながら、言葉を続ける。

「私自身も、覇王流を完成できていないので教える資格があるのかどうか分かりません……それに」

アインハルトはゆっくりと視線を上げ、トワを見る。

「教えたいのは山々ですけど……正直、私では力不足なんです」

「そうなのか?」

「はい、私の技はトワさんの求める強さには届かないでしょう」

アインハルトが答えると、ノーヴェは腕組みしながら考え込んだ。

「うーん……難しいな。覇王流を完璧にマスターしてる奴なんて早々いないと思うぞ」

「そうですよね……」

アインハルトとノーヴェが悩んでいると、突然ヴィヴィオが声を上げた。

「大丈夫だよ!」

「ヴィヴィオ?」

「アインハルトさんが教えてあげればいいんだよ!トワさんもアインハルトさんから教わりたかったから頼んでるんだと思います!」

「そ、そうでしょうか……」

アインハルトは戸惑った様子を見せると、トワが口を開く。

「俺からも頼むぜ、アインハルト。お前しか頼れる人がいないんだ」

「トワさん……」

トワの言葉を受け、アインハルトは決意を固めた。

「わかりました、私が責任を持ってトワさんを強くします」

「ありがとうございます、アインハルト先生」

「せ、先生!?」

トワが冗談めかして言うと、アインハルトは驚いたような声を出した。

「まあ、よろしくな、アインハルト」

「し、仕方ありませんね……でも、私もまだまだ未熟者なので、一緒に頑張りましょう」

アインハルトが苦笑いを浮かべると、ノーヴェは小さく笑みを浮かべた。

「ふっ……よかったじゃねえか、アインハルト」

「ええ……本当に」

アインハルトは微笑むと、改めてトワを見た。

「トワさん、必ず貴方に覇王流の真髄を身をもってお教えします。それまでどうか、待っていてください」

「ああ、楽しみにしてるよ」

トワは答えると、アインハルトに手を差し出した。

「これからよろしくな、アインハルト」

「はい」

アインハルトは笑顔で応えると、差し出されたトワの手を握った。

そして、二人は握手を交わす。

こうして、新たな師弟関係が誕生したのだった。

「なぁ……トワ」

アインハルトとジークリンデ・エレミアの話をしていたノーヴェが、おもむろに切り出す。

「なんだよ?」

「お前、アインハルトのこと好きなのか?」

ノーヴェの質問を聞いた瞬間、ヴィヴィオ達は驚きの声を上げる。

「ちょッ、何言ってるの!?ノーヴェ!!」

「わわっ!!そういうのはまだ早いですってば!!」

慌てるヴィヴィオ達に対し、トワはキョトンとした表情を浮かべた。

「別に好きとかじゃないぞ?ただ、武術をしてる時のアインハルトは綺麗だと思っただけだ」

「は?」

トワの言葉に、ノーヴェ達は首を傾げる。

(こいつ、今なんつった?)

(『アインハルトは綺麗』だって言ったよね)

ノーヴェ達、大人組はアイコンタクトを取ると、同時にため息をついた。

((この天然め……))

そんな大人組の心中など知らず、トワは続ける。

「俺の倒すべき目標はジークだけど、アインハルトが強くなった時、倒すべき目標となってくれたらって思うよ。

いつかアインハルトと戦う日が来るかもしれないからな」

「へぇ……」

ノーヴェはニヤリと笑うと、トワに詰め寄った。

「それならさ、その時が来た時に負けないように鍛えてやらないとな」

「え?」

「アインハルトは強いぜ、簡単に勝てる相手だと思わない方がいい」

「確かにそうだね。アインハルトは凄く努力家だから」

「はい、アインハルトさんは強いです!」

ノーヴェの言葉に、ティアナやヴィヴィオも同意した。

すると、トワは少しだけ考える素振りを見せ、答えた。

「……そうかもな」

トワの返事を聞くと、ノーヴェは満足そうに笑った。

「よし、んじゃ今日からビシバシ鍛練するぞ!覚悟しとけよ、アインハルト」

「はい!」

ノーヴェの言葉に、アインハルトは力強く答える。

 




文量が多くなってしまう>_<
次の更新は少し遅れるかもしれないです
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