劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

10 / 42
第10話

side三人称

「ようやくニヤケ面がとれたか」

「Noooooo!!」

『オールマイト!!』

オールマイトが吐血した。何とか救けたいと緑谷は動く。

「オールマイ―ッ!!」

「デク君!」

しかし満身創痍の体に激痛が走り思わず蹲ってしまう。メリッサが慌てて駆け寄る。

「くそがあああ!!」

「ちぃ!」

「マリーちゃ―「うわぉ!」うわ!!」

オールマイトのピンチに気付く爆豪、轟だが襲ってくる『鉄柱』の対処するのが精一杯。マリー・アントワネットも立香達に襲い掛かる『鉄柱』から守るので動けない。

「(BBちゃん来れる!?)」

『えぇ~こわーい♪それに警備システムを前に戻すのに結構時間かかって~♪―BB~ちゃんねる~!inエキスポ~♪』

「(ああもう!BBちゃんらしいよ!!)」

立希も動きたいが動けなかった。

『オールマイトォ!!』

「ぐうぅ……」

怒りのままワイヤーを引きちぎろうとするオールマイトに敵は正面から『鉄柱』を激突させる。ワイヤーに四肢を引きちぎられそうになり、もがくオールマイトを四角く大きい『鉄塊』が左右から挟み打つ。

「死ねぇ!!」

『!!』

愕然と目を見開く皆の前で敵は『鉄塊』を作り出しオールマイトを襲う。

「さらばだ!オールマイト!!」

その言葉と同時に地面から鋭い『鉄柱』が何本も瞬時に伸び、オールマイトを閉じ込めている『鉄塊』を貫いた。

「マイトおじさまぁああ!!」

メリッサの悲痛な叫びが響く。誰もが愕然と目を見開く……そんな中誰かがその塊に向かって飛び出した。巨大な塊に臆することなく立ち向かっていく小さな体―

「『DETROIT SMASH』!!」

―緑谷出久だった。

 

 

side立希

彼だけ、緑谷君だけが諦めないで動いていた。USJの時でも、緑谷君は誰よりも一早く動いて、敵と対峙していた。

「(そうだ…まだ…まだ終わってない!)」

緑谷君が動いてくれたおかげで『鉄塊』の中からオールマイトを救出する事が出来た。そして―

「―行くぞ!」

「はい!」

緑谷君とオールマイト。二人が再び敵に立ち向かう!!

「姉!」

「分かってる!これが最後!!マリーちゃん!『宝具』用意!」

「ええ!行きましょう!マスター!―さんざめく花のように、陽のように!」

隣にいた姉もまだあきらめてない。マリー・アントワネットに指示をする。そして自分も『令呪』を使用。

「『令呪を持って命ずる―自分の前に現れろ!レオナルド・ダ・ヴィンチ』!!」

「―ようやく、私の出番だね♪マスター!戦闘結果は分かっているよ、数式のようなモノさ!」

令呪によって自分の目の前にダ・ヴィンチちゃんが現れる。戦闘準備万端で左手には篭手に右手には杖を備えている。

「くたばりぞこないとガキ共が……ゴミの分際で往生際が悪ィんだよ!!」

敵も今までよりも強大な力を使ってくる。『鉄柱』と『鉄塊』が降り注いでくる。

「そりゃ、てめぇだろうがぁ!!」

「ダ・ヴィンチちゃん!自分達も!」

「盛大に行こうか!」

爆豪君が叫びながら散弾に振ってくる『鉄塊』に向かって両手の最大限の『爆破』を浴びせ破壊。ダ・ヴィンチちゃんも自分の指示で杖から大量のレーザーが複雑に絡み合った航跡を描きながら『鉄塊』を崩す。

「オールマイト!行ってください!!」

「ありがとう爆豪少年!藤丸少年!!」

爆炎とレーザーの中を掻い潜るようにオールマイトが豪速で通り過ぎる。

「邪魔だぁああ!!」

そして緑谷君も脇目もふらず駆け抜ける。敵はすかさず『鉄柱』が矢のように襲い掛かる。

「させねぇ!!」

焦凍君が『氷壁』を緑谷君の前に放ち防御する。

「緑谷君!そのまま真っ直ぐ!!」

「行け!」

「咲き誇るのよ、踊り続けるの!いきますわよ『百合の王冠に栄光あれ(ギロチン・ブレイカー)』!」

栄光のフランス王権を象徴した宝具。ガラスの馬を召喚し、薔薇の花吹雪と共に駆け抜ける。ガラスの馬に姉とマリー・アントワネットが乗り、焦凍君が放った『氷壁』を路として走り、全ての『鉄柱』を打ち破る。

「行って!緑谷君!」

「ありがとう!!二人共!!」

突き進む緑谷君とオールマイト。

 

 

side立香

「ウガアアアアア!!!!!」

激昂する敵。更に『鉄柱』と『鉄塊』が降り注がれる。

「マリーちゃん!まだいける!?」

「キラキラ、キラキラ、輝くの!」

ガラスの馬は加速する。だけどこれ以上は『宝具』が保たない―

「『反応強化』!!」

「!!」

と思った時、ガラスの馬が再び輝き始まり、さっきより威力が上がる。

「立希!?」

「丁度『礼装』とマリー・アントワネットの『宝具』が相性良かった!!姉!行っけええ!!」

「マリーちゃん!!」

「みんな大好き!ありがとう!ヴィヴ・ラ・フランス!」

ガラスの馬は駆け巡り、緑谷君とオールマイトに襲い掛かる『鉄柱』と『鉄塊』を崩す

「藤丸さん!ありがとう!」

「感謝する!藤丸少女!!」

「は……い!」

二人の姿が遠くに行く。そして丁度『宝具』の効果が消え、皆がいる所に戻る。

「っ…」

「立香!」

「姉!」

「もう……限界……」

丁度魔力が底ついた。マリーちゃんに挨拶出来ないまま消えてしまう。視界がぼやける―

 

 

side立希

「ぐぐぐおおおおおお!!!!!」

姉の心配をしていると敵が動いた。力を振り絞るように両腕を高く上げると、沢山の鉄片が猛スピードで一つに集まっていく。

「何…あれ……」

敵の塔の上に集まったのは、とてつもなく巨大な『金属の集合体』それを緑谷君とオールマイトにぶつけるつもりだ!

「させない!!ダ・ヴィンチちゃん『スキル』発動と同時に『宝具』発動!!」

「およそ私は万能なのさ!そして本気を出せかい?よろしい、そのオーダーに応えましょう!」

「『必至』!」

『天賦の叡智』で宝具威力強化。『星の開拓者』で貫通付与。そして『礼装』で必中を付与させる。

「東方の三博士、北欧の大神、知恵の果実……我が叡智、我が万能は、あらゆる叡智を凌駕する。『万能の人 (ウォモ・ウニヴェルサーレ)』!」

左手の篭手にエネルギーを溜め、巨大なエネルギー弾を『金属の集合体』に向けて撃ち放つ!!

「行っけぇええ!!!!」

対象を瞬時に解析し、自らの最大攻撃をその対象に合わせて調整して放つ宝具。『金属の集合体』と『宝具』がぶつかると同時にコスモノヴァかと言わんばかりの大爆発が起こる。

「ぐ……ぐぐ……ぐ……っ!!」

『金属の集合体』で押し返そうとする敵だが、『宝具』の威力を殺す事は出来ず―

「私を倒すものは、私を超える万能だけだよ。きみはちょーっと足りなかったね」

「ガハ!!!?」

オーバーワークなのか、敵の後頭部に付いていた『個性増幅装置』が異常動作を起こし、『金属の集合体』はひび割れ、轟音と立て大きく崩れ落ちる。

「はぁー……はぁー……もう……無理……」

「立希!」

「おやおや、魔力切れかい?仕方がない―」

自分も魔力が無くなる。『宝具』を撃ち終えたダ・ヴィンチちゃんは消え、多分BBちゃんも強制退却してるはず……だけど道は作る事が出来た…っ!

「「おおおおおお!!!!!!」」

『金属の集合体』が崩れ落ちる中、緑谷君とオールマイトが敵に向かって真っ直ぐ走る。そして信念の込められた拳と共に、二人の魂の叫びが合わさって凄まじいパワーが宿った拳を敵へと叩き込んだ!!

「「『DOUBLE DETROIT SMASH』!!!!」」

 

 

side三人称

「「ぉぉおおおおおお!!!!」」

緑谷とオールマイトは敵に拳を食らわせる。

「う……うぅ…」

その時、コードで捕らわれたままのデヴィットが意識を取り戻す。

「っ………」

メリッサは息を飲む

「いけえぇぇえ!!」

麗日の必死の応援。

「「オールマイト!!」」

八百万と耳郎も続く

「「緑谷!!」」

「緑谷君!」

「ウェ~イ」

切島、峰田、飯田、そして上鳴も必死に叫ぶ

「「ぶちかませぇっっ!!」」

爆豪と焦凍も声を張り上げ

「「決めろぉおおお!!!!」」

立香と立希も大声を上げる。皆の想いを受け、二人は再び拳を構える。

「更に!」

「向こうへ!」

「「プルスウルトラァアアアアア!!!」」

「ぐぅううううう!!!」

敵は金属で身を守るが、二人の拳はその程度で防ぐことは出来なかった―

「「おおおおおおお!!!!!!」」

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

二人の拳は容赦なく敵を打ち砕く。凄まじい威力に閃光が漏れ爆発する。主を失った金属の塔は幻のように一瞬で崩れ落ちる…

 

「う………」

デヴィットは朦朧する意識の中、わずかに目を開けた。見えたのは若きオールマイトの姿―

「―」

瞬きをする。拳を振り上げ、飛んでいたのは緑谷出久―

「―あぁ、ヒーローだ……」

デヴィットは小さなその姿を、じっと目に焼き付けた………

 

 

side立香

「やったんだ…敵をやっつけたんだ!!」

崩れていく金属タワーを見て、ようやくじんわりと伝わった勝利に、峰田君の心からの叫びに、皆に笑顔が戻る。

「勝て…た……」

「やった…よ……姉……」

私も立希もお互い疲弊して背中を合わせてその場に座り込む。勝利を喜びたいけど、疲労で動く事も出来ない。

「緑谷…君……は?」

「えっ……と……あー……遠くで……メリッサさんと……話してる……多分……オールマイトも……デヴィットさんの……とこ……ろ………―」

「…立希?」

ドサリという音と共に立希の声が聞こえなくなった。後ろを見れば寝息を立ている…

「(あ……私…も……眠気……が……)」

安心したのか、私にも―

 

 

side三人称

「―彼らは、誰よりもヒーローとして輝ける可能性を秘めている。」

「ああ……私にも見えるよ、トシ……あの場にいる全員が……君と同じ光が………」

全てが終わり、デヴィットとオールマイトは安堵する。長い夜が、ようやく眠りにつき、太陽が目覚め、I・アイランドに光りが差し込む……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。