劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第二弾


HEROES RISING
第1話


side三人称

夜。凍えた山の中。街明かりが遠く見える山間道路を爆走する装甲車。その装甲車には敵連合が運転しており、それをヒーロー達が追走していた。

「―『プロミネンスバーン』!!」

「くそ、ここまでか!!」

しかし敵連合はエンデヴァーから放たれた炎によって装甲車ごと鎮圧。装甲車は崖から落下する。敵連合は全員トゥワイスの『複製』。炎によって掻き消された

 

「待ちくたびれたぜ…ナイン」

装甲車が落下した地点からだいぶ離れた場所にて、数人集まっていた。ナインと呼ばれた人物は振り返り、街明かりを見下ろす。

「―実験は成功した。」

ナインの言葉に、集っていた人物達は不敵に笑うのだった…

 

那歩島。そこは本州から遠く離れた離島。一年を通して冬とは無関係な気候と気温をもつ島。その島には今日も大勢の島民や観光客が海水浴などを楽しんでいる。

「ねぇねぇ、オレらと一緒に遊ぼーよ♪」

「ぼーよ♪ぼーよ♪」

暑ければ人は開放的になる。近くの海の家にて、二人組の男が二人組の女の子に声を掛ける―所謂ナンパだ。

「「結構です!」」

「そんな事言わずにさ!」

女性二人の迷惑顔にも気付かず追いかけようとする男二人。その時

「「あだぁ!?」」

男二人は盛大にこけた。二人の足には黒いゴムボールのようなものがくっついていた。

「なんだこれ!?」

「と、取れねぇ!?」

「お怪我はありませんか?お嬢さん」

「「!」」

男達がじたばたともがく中、これ見よがしに女の子二人の前に現れたのは峰田だった。黒いゴムボールのようなものは峰田の“個性”『もぎもぎ』。峰田は爽やかな笑顔を見せる

「(さぁ感謝しろ!ナンパ野郎から助けたこのオイラを!!)」

「ありがとう!」

「助かりました!」

女の子二人は峰田に駆け寄る―

「いえ、今のは俺ではなくて…」

「えーと、自分じゃなくですね…」

―のではなく、素通りし、峰田と行動していた尾白、そして立希に感謝するのだった。

「ヒーローですか!?強そうな尻尾…ステキ♪」

「颯爽と現れて助けてくれる…カッコイイ♪」

「「ええと…」」

「下ー!視線下ァー!!」

勘違いされ、恥ずかしそうに戸惑う尾白と立希。峰田は悔しさで憤慨するのだった…

 

場所は変わり、那歩島の上空。日の光が燦々と照らされる中、人影があった…

「…あ゛っづ……」

その人物の正体は立香。普段の姿とは異なり、小さい翼の生えた黒髪に赤い瞳。腰あたりから白くカーブかかった翼が生え、右手に白い槍、左手に盾が装備されている。立香は『ワルキューレ・オルトリンデ』と『降霊』し、上空から街を偵察しているのだった

「フード被ってもキツイ…」

『立香、応答どうぞ』

「はい。こちら立香。どうぞ」

『鈴木のおじいさんが健康診断のため病院へと送り届けて欲しいと。どうぞ』

「了解。これから行きます」

八百万からの通信にて、立香は目的地に向かう。着地地点に降りるとそこには一人の老人がおり、拝んでいた

「おぉ…天女様じゃ…遂にワシにも迎えが来たのかのぉ…」

「え゛、いや確かに迎えに来ましたけどそういう意味の迎えじゃないですよ!?病院までです!」

「おお、そうじゃったそうじゃった。よろしくたのむのぉ」

「はい。いつでもお任せください」

立香は老人を抱え、島の病院へと飛び立つ。

 

那歩島。この小さな島で、雄英高校ヒーロー科1年A組の生徒22名はヒーロー活動をしているのだった……

 

 

side立希

雪が降り始めた頃。HRにて相澤先生から伝えられた。

「ヒーロー活動推奨プロジェクト…お前らの勤務地ははるか南にある『那歩島』だ。駐在していたプロヒーローが高齢で引退。後任が来るまでの間、お前らが代理でヒーロー活動を行う。」

『ものすごくヒーローっぽいのキターっ!!』

自分達は立ちあがって叫んだ。今の現代社会は元・No1ヒーロー、オールマイトの引退を気に敵連合が活発に動き出した。平和の象徴の穴を埋めようと必死にヒーロー達は動く。その一環として、『次世代のヒーロー育成』という提案が出され、自分達1年A組が参加する事になったのだ。

「ていうかもうヒーローじゃん!」

「テンションウェーイ!」

三奈の言葉に電気君が呼応する。

「やる気みなぎるぜ!」

鋭児郎君も強く拳を握りしめる。

「最後まで聞け」

と、ここで相澤先生が威圧し、一瞬で静寂。もうここまでがお約束感ある…

「このプロジェクトは規定により俺達教師やプロヒーローのバックアップは一切無い。当然、何かあった場合、責任はお前らが負う事になる。その事を肝に銘じ、ヒーローとしてあるべき行動をしろ。いいな?」

『はい!』

期間は一ケ月。廃業していた元旅館を借り上げ事務所として、ヒーロー活動の拠点にする。自分含め、皆やる気満々だ。

「姉、楽しみだね」

「ん。そうだね。」

全員がヒーローとして、仕事に向き合う…

 

「あ゛っづい…」

「同感だね…」

「オイラは暑さに屈しねぇ!」

…という事で、現在自分は尾白君と峰田君と共にビーチ内をパトロール中。広い砂浜に大勢の観光客に島民。色々と大変だ。さっきのナンパもその一つ。

「(この高気温での戦闘衣装―極地用カルデア服はキツイ…) 他の皆はどう?」

「さっき砂糖と梅雨ちゃんが海に溺れそうになってた子供を助けてたよ。まぁ…砂糖の顔をみて泣きじゃくってたけど…」

「きっと顔が怖かったんだろうね…そして峰田君はまだ怒ってるの?そろそろ機嫌直って欲しいんだけど…」

「うるせぇー!オイラの勝利を横取りしやがってぇー!!」

さっきの女の子二人からの感謝を貰えなかった峰田君。もはや血涙を流す程だ…

「俺も藤丸も峰田が助けたって訂正して、ちゃんと感謝されたからいいだろ…」

「そうじゃねーんだよぉお!!確かに感謝されたけどよぉ…対応が違かったじゃねぇか!!」

…まぁ確かに訂正して、峰田君にお礼言ってたけど…「「ありがとうございました。」」って言われただけで去っていったね。うん

「お前ら二人には『ステキ』とか『カッコイイ』って言われたけどオイラには何も言われてねぇんだよおお!!」

「どないせぇっちゅうねん…「(おーい、マスター聞こえてるかぁー?)」聞こえてるよ、ロビン。」

丁度、自分の“個性”『英霊召喚』で呼んで偵察させていたアーチャー、『ロビンフッド』から連絡が来た。

「何か異状は?」

「(特に無し。ただまぁ上空にいる嬢ちゃんは暑さで辛そうな顔してたぜ)」

「姉かぁ…まぁ仕方がないね。この炎天下だし…引き続き偵察よろしく」

「(了解……ところでちょいちょいナンパされて困るんだけど―)」

これ以上は無駄話になるから強制終了。知らん。態々水着姿で動いてる自己責任だ。

「藤丸が召喚した人からの連絡?」

「ん。特に異常無しだって。後は…「イヤッホウウウウウウウウウウウウウッ!!」来た来た」

海の方を見れば、それはとてつもない大きな波。その波の上に一人の人影。歓喜と共にその波を乗り、跳躍。そして、勢いよく自分の前に着地する。

「どわぁ!?」

「ひぃ!?」

その勢いに尾白君は驚き、そして峰田君は目の前にサーファーが突き刺さり、体を硬直させる。対して、自分はその人物のはしゃぎっぷりに慣れ、いつもの様に接する。

「サモさん。どう?海の警備は大丈夫?」

「おうマスター!問題ねぇぜ!さっきみてぇな波で溺れそうになってたやつらがチラホラいたがささっと助けておいたぜ!それじゃ、もっかいビッグウェーブに挑戦してみるか!」

もう一人呼んでいたライダー。『モードレッド(水着)』。スーパーウルトラサーファー モードレッド・ビキニスタイル。通称サモさんはそう言ってまた海へと行く。彼女の豪快な行動に二人はただ唖然するしかなかった

「す、すごい人…呼んでたんだな…」

「アレはちょっと開放し過ぎな所があるんだけどね…さ、引き続き頑張ろう。ほら峰田君。女性の水着見てないで行くよ」

「オイラは…オイラはぁああああ!!!」

峰田君の声が響く。

 

 

side立香

「『解除』。今日の仕事終了……ふぅ」

「炎天下の中、お疲れ様ですわ。立香」

夕方になって、事務所への依頼が落ち着いた。私含め、引っ切り無しで働いてた面々がぐったりしている。

「疲れたな…」

「労働基準法プルスウルトラしてるし…」

砂糖君と上鳴君がぼやく。私もそれに同感だ。冷たい麦茶で補給する。

「ヤオモモ、これが毎日続くと皆の疲労がたまるんじゃない?」

「ですが…ヒーロー活動は信頼が大事。着実にこなし、島の皆様からの信頼を得なければ…」

「八百万くんの言う通り!」

ヤオモモと話してると飯田君がきっぱり言う。

「事件に細かいも大きいもない。迷子、捜し物、道案内…どれもヒーローにとって立派な仕事だ。」

その意見に反対する人はいない。確かにヒーロー活動するにあたっては信頼が大いに大事だ。

「はーい!ここに来て一度もヒーロー活動してない奴がいるんですけどー!」

「あ゛あ?…わざと事務所に残ってんだよ。お前らが出払ってる時に敵が出たらどうすんだ、あ!?」

「この島に敵いねーだろ」

峰田君に指摘された爆豪君は威嚇し、それを宥める切島君。

「姉お疲れー…ずっと空飛んで暑くなかった?」

「暑くないわけないでしょ。今日も高齢者の人達を運んで飛んでの繰り返しだった。そっちは?」

「ロビンとサモさん呼んでパトロール。黒服は暑い。というか熱い」

 

その後、島民たちを引き連れて来た村長さんがやってきて、差し入れを持ってきてくれた。他にも今日助けてくれたお礼としてこれまた大量の差し入れが運ばれる。

「これからもよろしくね」

『はい!』

今日の夕食は豪華になった。

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