劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第2話

side三人称

本島のとある場所…

「結局、積荷はどこに行ったんでしょう?」

今は使われてない資材置き場のプレハブ小屋にて、死柄木含む敵連合はあの夜の装甲車と積荷の件を話していた。今回の輸送の件はAFOの右腕とも言えるドクターから荷物の運送を頼まれたのだった。

「そもそも積荷の中身は何だったわけ?」

「ドクター曰く『知る必要はない』そうだ」

「何だそりゃ?」

「ますます気になりますねぇ」

トガヒミコ含め、死柄木以外の敵達は荷物の事に興味を持つが…

「兎に角忘れろ。いいな」

それを死柄木が無理矢理止めさせ、何処かへ出歩くのだった…

 

「―ようやく、見つけた…」

「ぐうっ!…うっ……うう………!」

本島の都市部、交差点にて…ナインが軽トラックを運転していた男性を車から引きずりだしていた。

「殺しはしない。だが―」

「な…なにを……」

ナインはその男性の頭を掴み“個性”を使うと、得体のしれないエネルギーが男性から漂い始め、ナインに吸収されるのだった。

「―“個性”をもらう」

「あ、ああああ、ああああ……」

何かを吸収された男性は項垂れ、その場で気絶する。ナインは吸収し終えると、再び“個性”を使った。腕を振り下ろすと同時、都市に巨大な雷が降り注がれる。その衝撃と威力にビルが倒壊し、いたるところに火の手があがる。その光景を嬉々として、ナインと共にいた仲間達が見ていた。

「ついに手に入れたか」

「これで…実現する」

「私達の望む…新世界が…」

3人はナインを神の様に見ていたときだった。

「グッ」

「ナイン!?」

突然、ナインは蹲った。ナインの体にはヒビが広がっていた。

「……!B型が不足している……」

ナインは“個性”で原因を見つけ、結論付けた。その言葉に仲間達はショックを受ける。

「何…」

「ここまで来たのに振り出しかよ、クソが!」

「いいえ!まだ策はあるわ」

ナインの仲間の一人がスマホをナインに見せた。そのスマホは先の男性が持っていたスマホだった。

『お父さん、お仕事頑張って!』

『こっちの事は心配しなくてもいいよ。―』

スマホに流れる動画には二人の子供が映し出されていた。それを見たナインは呟く

「……そうだった……“個性”は……遺伝する……」

 

動画に移されていた子供二人は……那歩島にいるのだった…

 

 

side立希

「―結局、イタズラだったの?」

「うん…そんな感じだったのかな?」

朝。自分は緑谷君の話を聞いていた。理由は昨夜、緑谷君と爆豪君がどこかに行ってたところを見たからだ。そしてそれほど時間をかけずに戻って来たから問題は無いと思ったけど、気になったから訊いてみた…内容は男の子が「敵を見た」と訴えてきて、その場所に行ったら女の子が“個性”で『幻の敵』を出して爆豪君と戦闘して…爆豪君に怒られるのだった。

「爆豪君相手によく挑んだね……恐かっただろうに…」

「流石にやりすぎだったから僕が何とか止めたけど…あの子二人、姉弟らしい。」

男の子は活真、女の子が真幌という名前。

「(ま、見かけたら軽く挨拶でもしておこ……)」

今日も自分達のヒーロー事務所は朝から忙しくなる。

 

 

side立香

朝から大忙し。今日も私は島上空を飛ぶ。ついさっき島民の鈴村さんを家まで送り届けた。

「お待たせしました」

「この歳で空を飛べるなんていいねぇ…またお願いね」

「はい。いつでも呼んでください」

何か私…体のいいタクシーになってるような…なってない?

「―お互い、頑張ろう!」

「うん!」

「(ん?)」

近くで、緑谷君の声が聞こえた。そしてもう一人。子供の声。見ると走り去る子供の姿があった。

「(もしかして、今朝、緑谷君が言ってた子の一人?)」

今朝ふと耳に入った緑谷君と立希の話を私は聞いていた。確か名前は活真君…

「あ、藤丸さん。パトロール中?」

「ううん。今鈴村さんを家まで送り終えたところ。」

緑谷君と話してると、鈴村さんが来た。収穫したばかりの野菜を持ってきてくれたのだった。その時

「優しくあげてね」

「「?」」

「あのコん家ね、母親を早く亡くして、父親は年中出稼ぎ…姉の真幌ちゃんと二人きりで暮らしてるんだよ。もちろんあたしら近所の者も面倒をみてるよ。けど、あの年で親がいないってのは寂しいだろうから。」

と、鈴村さんが教えて来た。どうやらすれ違った所を見られてたらしい。

「…分かりました。今度見かけたら、話かけてみます」

「頼んだよぉ」

姉弟の家庭事情を知った後、私はいつものように島の上空をパトロールしに行く。

 

 

side三人称

島の漁港に、一隻のフェリーがやって来た。だが、そのフェリーは止まることなく、猛スピードで防波堤を破壊したのだった。突然の事に漁師たちは唖然とする。

「防波堤が…」

「なんでフェリーが…」

「おい…なんかヤベェぞ…」

暴走するフェリーは躊躇することなく更にスピードをあげ、漁港へと向かう。

「おいおいおいおい!!」

「うわぁああ!!」

「逃げろぉおおお!!」

逃げだす漁師たちをあとにフェリーが勢いよく突っ込み、大きな音と波を立てながら岸壁に座礁した。そして―

「キメラ、マミー、スライス、邪魔されたくない。陽動を頼む。」

フェリーから降りてきたのは…ナイン達だった。

「やり方は?」

「好きにしていい」

「承知」

「あいよ」

「わかってるわ」

ナインの仲間…キメラは葉巻を咥えながら了承。マミーは頷き、スライスも答える。3人はそれぞれ三方に飛散する。

 

「なに……どういうこと……」

「ヴィ…敵だ……あれ、きっと敵だ……!」

漁港を見下ろせる公園にいた女の子と男の子―真幌と活真は目の前で起こった光景に信じられなかった…

 

 

side立香

「!今の音は何!?」

島の上空まで響いた衝撃音。何か巨大な質量同時がぶつかった音だ。音が聞こえた方を『双眼鏡』で見れば、そこにはフェリーが防波堤を壊し、漁港に突撃していた。直ぐに事務所に連絡する

「こちら立香!ヤオモモ!聞こえる!?漁港に異常事態発生!」

『はい!こちらヤオ―ブッ』

「!?」

通信が途中でキレた。スイッチを押しても反応がない。スマホを使おうと画面を見ると…

「圏外…っ!?」

そう画面に映し出されていた。その時再び轟音。出所は漁港と商店街と浜辺。

「っ…兎に角動くしかない!」

私は漁港へと向かった。

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