劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第6話

side立希

飯田君達が何とか敵の攻撃を市民を守るように防ぎ、自分らが避難誘導していた時、緑谷君の姿に似たバルーンが見えた。

「緑谷君…っ!?(けどあの緑谷君バルーンの顔…流血してる!つまり…)梅雨さん!」

「ええ、緑谷ちゃんが危ないわ!!」

隣にいる梅雨さんも自分と同じ考えだ。お互い頷く。

「ここは俺らに任せて!援護に行ってくれ!!」

「頼んだぞ!」

「わかったわ!」

「『投影:カーミラ』!」

―風になりましょう?―

砂糖君、障子君に避難誘導を任せ、自分と梅雨さんで緑谷君がいるであろう場所に向かう。自分は『カーミラ(水着)』と憑依。銀の髪と赤い瞳へと変わり、そして道路上に『鋼鉄の処女』を改造した赤い高級スポーツカーを召喚して飛び乗る。

「飛ばすよ梅雨さん!!」

「梅雨ちゃんと呼んで!」

助手席に梅雨さんを乗せ、加速させる。

 

 

side三人称

真幌と活真をナインから逃がすため、緑谷は敵対する。しかしナインの複数の“個性”によって重傷を負ってしまう。

「で、デク…」

「デク兄ちゃん……」

「に、逃げて…」

土手の上に逃げていた二人が緑谷に近づく。緑谷は二人をかばうようにボロボロの体を奮い立たせなんとか立ち上がろうとするが、ナインは容赦なく緑谷に『爪弾』を放ち、貫く。

「は、早く…行くんだ…っ」

貫かれたところから血が流れ、服に滲む。

「イヤ…イヤ…イヤ~~~~~!!!誰かデクを…デクを守って~~!!!」

おびえる事しか出来ない真幌は“個性”『幻覚』で『巨大な緑谷の幻』を出し、声の限りに叫んだ時だった。

「-死ぃねぇ!!!」

『!』

ものすごいスピードで爆豪がナインに向かい、『爆破』を放つ。

「爆発の“個性”…」

ナインは『空気の壁』で防ぎ、不適な姿である爆豪を見据える。

「かっちゃん…」

「見つけたぜ、クソ敵!!」

爆豪はそのままナインと戦闘。ナインからくる『爪弾』を躱しながら『爆破』を放つが、『空気の壁』で防がれる。それでも爆豪は持ち前の反射神経で距離を詰め、ナインの懐に入るが…

「が!?」

ナインの背後から新たな“個性”『使い魔』が現れる。大きく裂けた獰猛な古代の鮫と思わせる使い魔が爆豪を地に伏せさせる。

「(アバラァ…持ってかれたぁ…っ)」

痛みにこらえながらも爆豪は『爆破』を放ち、何とか使い魔から逃れる。

「クソデク!!」

「!」

「『デトロイトスマッ―」

爆炎の奥から、ナインの頭上めがけて緑谷が拳を振り下ろす―

「無駄だ」

―前に、ナインは“個性”を振るう。上空から突如『雷雲』が現れ、巨大な雷が緑谷と爆豪を襲い貫いた

「「っ-」」

巨大な雷は那歩島全域の電気システムをショートさせ、島全体が暗くなった。

「さて…」

「「ひっ…」」

ナインはおびえる真幌と活真に近づく…が、ナインの足に緑谷と爆豪が残った僅かな力で掴み、阻止する。

「……い……行かせ……ない……」

「ま、まだ勝負は……終わって…」

「本当にヒーローというものは…」

ナインはあきれたように『空気の壁』の衝撃はで二人を吹き飛ばす。そのまま止めをさそうと動いた瞬間-

「うっ!うぐぐぐぐぐ……」

突如として、ナインは体に衝撃が走り、うずくまる。

「ナイン!」

そこにスライスが現れ、ナインに駆け寄る

「しょ、少年を…」

「ええ、わか―っ!」

スライスはナインの指示で活真に近づこうとした時、群れをなしたカラスがスライスとナインを覆う。

「『カラス達よ!そのまま敵二人を覆うのです!』」

「今!」

その隙に上空から口田、麗日、立香が降り立つ。口田が『生き物ボイス』でカラスを操り、ナイン達を妨害している内に立香は真幌と活真を保護し、飛び立つ。

「安心して、味方だから…そっちはよろしく!」

「任せて!」

「ケロォ!」

立香がそう言うと同時に、麗日は『無重力』で気絶している緑谷と爆豪を浮かし、蛙吹が『舌』で巻き付け駆け出す。

「早く乗って!」

蛙吹達が集まる場所に立希が車に乗って待っていた。ここに来る前に、立希達と立香達が合流し、どう動くか事前に作戦を立てていたのだった。全員が飛び乗ると同時にトップスピードで逃げる。十分に距離が空いたところでカラス達は去っていく。

「追え!あの少年をなんとしても…!」

「ナイン、彼らはこの島を出られない。今は、体を癒すべきよ」

スライスはナインをなだめ、上空に信号弾を放つ。砂浜にいたキメラはそれを見ると、飯田たちに攻撃を止める。

「ここまでか…フッ…命拾いしたなぁ、ガキども」

鼻で笑って立ち去っていくキメラ。轟は追いかけようとするが、飯田に止められる。

「行くな、罠かもしれない。これだけの人数でも仕留められなかった相手に単独行動は危険だ。」

「だが……くそっ…」

悔しそうな轟に飯田は冷静に告げた。

「今は島民の安否の確認。それもヒーローの務めだ」

気付けば、太陽は海のかなたに沈み、纏わりつくような夜がやってきていた。

 

 

side立希

サトウキビ精製工場。そこに自分達は島民たちを避難させた。敵の一人が放った雷が原因で工場は停電中だけど、電気君が“個性”で発電し、何とか明かりが灯っている。八百万さんも『創造』で『防災グッズ』を出して何とかなんているけど…時間の問題だ。

「どんどん作るから!どんどん島民達に提供して!」

そんな中、自分達は島民達に炊き出しを提供していた。青山君、葉隠さん、飯田君が料理を運び、自分、砂糖君、梅雨さん、口田君、三奈。そして自分と姉が召喚した英霊二人で料理する。

「ありがとね、エミヤ。紅閻魔。」

「気にするな。マスターを支えるのが我々の使命だ」

「そうでち。もっと豪華で多く作るでちよ!」

姉はアーチャー、『エミヤ』、自分はセイバー、『紅閻魔』を呼ぶ。料理のエキスパートによって、瀬呂君が運び出してくれた野菜や調味料らはすべて美味しそうな料理へと変貌する。

「食材が豊富な島でよかったわ。そして藤丸ちゃんらの呼んだ人達のおかげで大助かりだわ」

梅雨さんが自分らを見ながらそう言う。

「うん…そういえば捕まえた敵、どうしたの?」

野菜を切りながら三奈が思い出したかのように訊く

「確か、八百万さんが地価のボイラー室に閉じ込めたよ。尋問しても何も言わなかったようだけ…ど…」

「立希!」

自分が答えながら、完成した料理を皿にのせ、再び調理しようとした時、ぐらりと視界が歪む。倒れそうになったが、三奈に受け止められ、支えられる。

「マスター!大丈夫…じゃないでちね」

料理を一旦止めた紅閻魔が自分を見てそういう。自分は苦笑しながら話す。

「はは…3体召喚したし…『投影』で枯渇気味…でも今休んでる暇は…」

「ううん。休むべきだよ!梅雨ちゃん!私、立希を休憩室に運ぶから!少しだけ料理お願い!」

「ええ、分かったわ」

言葉を遮られ、自分は三奈に支えながら運ばれる。

「ごめん…」

「何言ってんの!立希頑張ってたじゃん!あの忍者さんのおかげで敵捕まえられたし、私も助けられたから。それにここで倒れたら次動けないでしょ?ね、だから今は休もう?」

「……うん。」

三奈にそういわれると、少し焦っていた自分がいたなと感じた。そうだ。自分だけが頑張ってるわけじゃない。皆で支えあって、この状況を打破するんだ。

「それじゃあ……お言葉に…甘えて……少し休むよ……少ししたら…紅閻魔さんも…いなくなるぅ……」

「ちょ、立希…!?」

緊張がほぐれると同時に疲労と眠気が来る…何か頭に柔らかい感覚があったがもう気にする体力がない。

「あーもー…峰田じゃないんだから…まぁ態とじゃないからいいけどさー…よっと!」

三奈の何かつぶやいてる声と引きずられる感覚があった事を最後に、自分は眠りについた。

 

 

side立香

「はい。じゃあこれお願いね」

「おう。任せな」

私はヤオモモが作った防災グッズを瀬呂君に託し、治療室として扱っている休憩室へと向かう。道中、医療器具を運んでいる麗日ちゃんに会う。

「麗日ちゃん。手伝うよ」

「立香ちゃんありがと!立香ちゃんも治療室に?」

「まぁね。(それに呼んどいてどうなったか気になるし)」

二人で治療室に入ると、出入口のところで焦凍君が氷枕を作っていた。

「轟君、デクくん達の容態は?」

そう麗日ちゃんが訊くと、焦凍君は少しだけ悲しそうに言う

「…まだ意識が戻らない」

「そっか…そっちはどう?アスクレピオス?」

「愚門だな。すでに終えている。」

エミヤ以外に、私はキャスター、『アスクレピオス』を呼び、人手の少ない治療側を手伝っていた。アスクレピオスが治療したであろう島民達は皆落ち着いた顔つきで睡眠を取っていた。

「だがその二人の治療がまだだ。ここにはまともな医療器具がないのか?」

アスクレピオスがこの島にいる医者に聞く

「すまんな…さきの敵の襲撃で壊れてしまった…わしらの“個性”では傷を塞ぐことぐらいじゃ…骨折はどうにもならん…」

「これ以上は本島の病院じゃないと…」

看護婦も申し訳なさそうに言う。

「『宝具』を使えばその程度の骨折は治せるが…そうなるとマスター、お前が無事じゃなくなる。」

「…そうだとしても、二人を治す事が最優せ―」

「立香!無理すんな」

ふらりと、意識を手放しそうになった。後ろから焦凍君に支えてもらえなかったら倒れてた…

「立香ちゃん!」

「お前もふらふらじゃねぇか…立希も倒れて芦戸に運ばれてたの見た。お前ら姉弟無茶し過ぎなんだよ…」

ゆっくり焦凍君に座らせてもらいながら言われる。これを見ていたアスクレピオスがため息を吐く

「…俺は帰らせてもらう。マスター、残り少ない魔力は回復に使え。それが医師である俺からの診断だ。」

「…うん…分かった…」

アスクレピオスが消えると一気に魔力が消費され、疲労感が来る…さっきから焦凍君に支えられてばっかりだ…

「ごめんね、麗日ちゃん、焦凍君…クラスメイトが重症でちょっと不安になってた」

「ううん、大丈夫!デク君も爆豪君も絶対治るよ!」

「俺達皆で何とかすれば問題ねぇ。だからお前も休め…麗日、少しここ任せた。立香を別の休憩室に運ぶ」

「ぇ」

そう言って焦凍君は…私を横抱き―お姫様抱っこで担ぐ。

「ひゃぁ…」

麗日ちゃんが頬を染め私を見てくるけどそれは私もだ。さっきの疲労感がどっかいった。

「ちょ!?なんかデジャブなんだけど!?そこまでしなくてもいいよ!?肩を貸してくれるだけで…」

「…?この方が移動しやすだろ?それに重くねぇしな。」

「か…勘弁してつかぁさぃ…」

何を言っても無駄だと感じた私はそのまま焦凍君に運ばれてしまう…道中ほほえましい視線を送られたのは気のせいだと信じたい…

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