劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第7話

side立希

三奈のおかげで大分体力と魔力を回復できた自分は、休憩室にて今後の行動についての会議に参加する。姉も姉で回復したらしいけど…なんか顔赤いけど大丈夫だろうか…

「まずは現状の報告を…」

委員長である飯田君が皆をまとめ、話会う。敵の襲撃からの戦闘、避難誘導、炊き出しと休みなく動き続けていた皆。さすがに疲労困憊していた。

「先ほど、『救難メッセージを発信するドローン』を『創造』し、本島へと発進させました。到着は早くて6時間…救助が来るのはさらに時間がかかりますわ…」

自分と同じように個性の使いすぎで倒れた八百万さんは寝ていた半身を起こしてそう言った。

「けどそれまで敵が待ってくれるとは思えない」

「今、我々がやるべき事最優先事項は島の人々を守り抜くこと…」

尾白君、飯田君が言い、

「どうやってだ?爆豪と緑谷をあそこまで痛めつけた敵だぞ」

「それに、ビーチで会敵したあの敵も強い。」

「漁港にいたあの女性もね…足止めでだけでもいっぱいだった。」

砂糖君と同意するように自分と姉は残りの敵2人の事を言う。

「戦うにしても、ヤオモモや上鳴…藤丸達は個性かなり使っちゃってるし…」

「私…と立希は大分回復したけど…『英霊召喚』までにはいかないかな…」

耳郎さんが心配そうに言う。姉が自分らの状態を言うけど…不安はぬぐい切れない。

「わかってるだけでも敵は3人いるわ。」

「一斉に襲われたらひとたまりもねーぞ」

梅雨さん、鋭児郎君が思案していた事を言う。

「せめて敵の目的が分かれば…」

飯田君が眉を深める。そんなときだった。

「敵が狙ってるのは…僕だよ」

『!』

いつの間にか部屋に真幌ちゃんと活真君が入って来て、活真君がそう言ってきた。突然の告白に自分らは活真君を見る。活真君が言うには、敵は『個性を奪う』と言ってきた。まるで…あの敵-オール・フォー・ワンみたいだけど、これで敵の目的が分かった。活真君を連れて逃げるという案が出たけど相手は敵。何をしだすかわからない。島民全員を人質するかもしれない。島民を殺すかもしれない…

「じゃあ、どーすりゃいいんだよ…」

峰田君が困惑した声で呟く…

「僕を、敵に渡して」

「え…」

振り絞る声でそう言った活真君に、麗日さん含め、自分らは驚く。

「殺さないって言ってきた。僕の個性なんか無くなってもいい…それで島の皆が救えるなら―「そんなのダメだ!」」

部屋に入ってきたには、重症のはずの緑谷君だった。出入口のところには爆豪君もいた。

「デク君!?」

「緑谷君、平気なのか?」

「活真君の個性のおかげだよ」

麗日さんと飯田君が心配そうに尋ねると、緑谷君は笑みを浮かべながら答え、活真君の前に移動する。どうやら活真君の“個性”『細胞活性化』によって傷も骨折もすべて完治したのだった。緑谷君は活真君に感謝する。

「すごい“個性”だよ。活真君ありがとう。」

「デク兄ちゃん…」

「要するに、あのクソ敵どもをブッ殺せばいいだけのことだろうが!」

爆豪君がそう言い切る。

「必ず、君たちを守るよ」

「敵どもをぶっ潰す」

二人が活真君と真幌ちゃんを見ながらそう言う

「島の人たちも絶対に救ける!」

「絶対に勝つ!」

呼応するような声は、真幌ちゃん、活真君だけでなく自分らにも波及していく。

「爆豪、緑谷、その意見のった」

「私も、島の人たちを守りたい」

焦凍君に麗日さん

「戦おう!」

「しゃーねーな。松田さん家の耕作機、直さなきゃウェイだし」

飯田君、電気君。

「俺もやるゼ!」

「俺もだ」

「ウチも」

「もちろん!」

「俺も!」

「ああ」

「私も!」

「ケロ!」

「よっしゃ、やろうぜ!」

「うん、やろう!」

「やるしかないね☆」

「俺達はヒーローなんだ!」

「不可能だって乗り越えてみせる」

鋭児郎君、常闇君、耳郎さん、葉隠さん、瀬呂君、尾白君、三奈、梅雨さん、峰田君、口田君、青山君、砂糖君、障子君らが立ち上がり…

「ここで倒れてる場合じゃないよね」

「絶対皆を守って、敵に勝つんだ!」

姉と自分も立ち上がる。さっきまでの張りつめるような空気は無くなる。皆から沸き上がってくる闘志。この熱意が伝わったのか、真幌ちゃんと活真君は子供らしい笑顔が戻る。自分らは笑みを浮かべて見渡す。

「いつも言ってますもの」

八百万さんが飯田君の隣に立ち言う。飯田君も承知とばかりに拳を握る。

「さらに向こうへ!」

『プルスウルトラァ!!』

皆で拳を突き上げる。そして緑谷君が意識を取り戻して直ぐに敵対策を練っていた作戦を自分らに言うのだった

 

 

side立香

作戦の目的は分断と時間稼ぎ。敵の数は3人。作戦場所は島民達が住んでいる島と細い道で繋がれている、昔城があった山。後ろが断崖絶壁の城跡を拠点にして、敵の進行ルートを一つに絞る。

「どの敵を、どの場所に誘導させるの?」

私がそう聞くと、緑谷君は机に広げている地図に赤ペンで書き示す。地図上の予想進行ルート上には、滝、鍾乳洞、岩場に目印がつく。

「先制攻撃で敵を分断。それぞれの地形を利用して…」

「ヤツらを叩きのめす。」

緑谷君の言葉に爆豪君が続ける。島の人たちは断崖絶壁の洞窟に避難させ、真幌ちゃんと活真は私らで護衛。いざという時は脱出経路も確保する。

「なら次はどの敵にどう自分らが対応するか…だよね?」

立希がそう言うと、皆は頷く。各々会敵した敵の個性を考察する。

「私が漁船で会敵した敵は…スライスって名乗ってた。個性は…自身の髪の毛を武器にしてた。針のように飛ばして、刃物みたいに鋭利性を持たせてた。」

「僕も見たよ。髪で船を壊していた」

私と緑谷君が言い、

「ビーチにいた敵は、狼の頭部に猛禽類の脚のような両腕、恐竜のような太い尾…まさにキメラのような姿だった。」

「しかも強い。マルタさんの拳で殴られてもピンピンしてた。尾白君の尻尾や砂糖君の拳を軽々と受け止めてたし…」

「後は…火ぃ噴いてたな。しかも本気じゃねぇ…俺よりも高熱な炎を出すかもしれねぇな…」

飯田君、立希、焦凍君が言い、

「個性を奪う個性、爪を飛ばす個性、空気の壁を作る個性、鮫と蛇をミックスした使い魔を使役する個性…後ぁ雷撃の個性…まだまだ個性持ってんだろうがそいつが敵側のボスだ。俺がブッ潰す!」

爆豪君が怒り気味に言う。

「うむ…なら俺は滝のある場所でキメラに似た敵を誘導する事を提案する。高低差のある崖なら俺のレシプロで翻弄出来る。」

「なら俺もそこに行く。奴の炎を俺の氷で防ぐ。」

飯田君、焦凍君がキメラと戦うと言う。

「俺も戦うぜ!」

切島君も挙手して参加の意思を示す。『硬化』は攻守ともに便りになる。

「(なら…)私もいいかな?作戦がある…梅雨ちゃん、協力してくれない?」

「ケロ。いいわよ。一緒に頑張りましょ」

私も対キメラ側に参戦する。前衛が3人もいるなら、私と梅雨ちゃんで後衛サポートする。

「…俺は鍾乳洞…そこの闇は『黒影』を通常より強化可能だ…髪を操る敵を翻弄してみせる」

「なら、自分もそこに行く。けっこう多彩に使いそうだし、手数が多い自分が常闇君をフォローする。」

「そのフォローのフォローを私がする!髪さえ溶かせばこっちのもんだ!場所が暗いし飛び道具も当たりにくいはず!」

常闇君、立希、三奈ちゃんがスライスと戦うと言う。3人とも近・中・遠距離の攻撃ができるメンバー。それに私よりも数多く憑依できる立希がいるなら多分大丈夫だ。

「個性複数持ちへの対応は?」

焦凍君が訊くと緑谷君が答える

「僕とかっちゃんが戦ったとき、突然相手が苦しみだした。おそらく“個性”を使いすぎると、体に負担がかかるんだ。だから活真君の“個性”『細胞活性』を奪おうとしていた…」

「なるほど…消耗させるのか」

緑谷君は頷き、皆を見渡す。

「敵には、波状攻撃を仕掛けて個性を使わせる。個性を奪われるから接近戦はなるべくしない方向で。それで敵を倒せればよし。たとえ倒せなくても…」

 

作戦は夜のうちに速攻で決まり、始まる。皆で住民を城山の洞窟へと誘導。口田君は家畜、砂糖君は食材を運ぶ。各々敵を迎え撃つために準備をし、真幌ちゃんと活真君、皆で頂上から眼下を見下ろす。

「(夜が…明ける…)」

夜明け前の空が瞬く間にオレンジ色に明るくなっていく。

「…救援が来るまで持ちこたえれば…皆を守れる」

敵の驚異的な強さを思ってるのか、真剣な表情の緑谷君。そしてその隣に揺るぎない自信を持って不敵な爆豪君が言う

「違ぇ。絶対に勝つんだよ。」

穏やかな海と澄んだ淡いオレンジ色の空の間から輝かしい光が現れる。戦闘開始を告げるには美し過ぎる朝焼けだった。

「姉、皆を救けて、勝とう。」

「ん。勝てば、皆救けれる。」

立希も、私も。そして皆も覚悟を決める…

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