劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side立希
『入国審査が完了しました。現在、I・アイランドでは様々な研究、開発の成果を展示した博覧会、Iエキスポのプレオープン中です。招待状をお持ちであれば、是非お立ち寄りください。』
「因みに私の発明品も展示してるのさ!」
「え、そうなの?見たい。」
ヒーローコスチュームに着替え終えた自分はダ・ヴィンチちゃんと共に入国審査を終え、無事I・アイランドの中に足を踏み入れる。
「おぉ!」
思わず感嘆の声を漏らした。目前に広がる広大なエキスポ会場には、いろんな面白そうなアトラクションでいっぱいだった。一般公開前のプレオープンだけど、多くの来場者でにぎわっている。
「I・アイランドは“個性”の使用が自由。つまり“個性”を使ったアトラクションがとても多いのさ。用が終わったら君も是非行ってみるといい」
「言われなくても行くよ!絶対!……でも用事って何?」
「まぁ社長として、ここのお偉いさんに挨拶しに行くだけさ…立希君も知ってるはず……多分」
ホテルに荷物を置き、ダ・ヴィンチちゃんと一緒に行く。そこは島の中央にそびえ立つ塔―『セントラルタワー』だった。ダ・ヴィンチちゃんが受付の人に何か手紙を渡すと、受付の人は電話をし、そして自分達を案内して、とある部屋の前まで辿り着く。
「―お互い考えたくないだろ。年齢のことは」
「―HAHAHA!同感だ!」
「(ん?何か聞いた事のあるアメリカンな笑い声が…)」
扉越しから聞こえた声に既視感を覚えた。けどそんな事は関係無くダ・ヴィンチちゃんは―
「やぁやぁ!ダ・ヴィンチちゃん参上!さあ、万物の成り立ちを話し合おうじゃないか!」
いつものように、盛大に部屋に入って行く。
『!?』
「ちょ、ダ・ヴィンチちゃん…ノックもなしに突撃しちゃ失礼でしょ…「藤丸君!?」え、何で緑谷君いるの?」
失礼すぎる態度のダ・ヴィンチちゃんに何か言おうとしたけど、普通ここにはいるはずのないクラスメイト、緑谷君がいて驚いた。
「藤丸少年!?なぜ君がここに!?」
「あ、オールマイトもいたのですか?まぁいても不思議じゃないか…」
「彼もマイトおじさまの生徒?」
オールマイト、緑谷君以外には、短髪にして眼鏡をかけ、あご髭を生やした男性と少しクセのある金髪のロングヘアーに眼鏡をかけた青緑色の瞳の美少女とふとましい体型の男性がいた。
「やぁやぁ、デヴィット・シールド。同じ職を持つ者としては光栄だよ。招待してくれて感謝するよ」
「あ、ああ…君は世界中の科学者の度肝を抜く技術力を持った大手企業―CDFの社長。『レオナルドの再来』と言われたレオナルド・ダ・ヴィンチか…こちらこそ会えて光栄だよ。招待に応えてくれてありがとう…君は…」
「…始めまして。雄英高校ヒーロー科1年、藤丸立希です。今回はダ・ヴィンチちゃん―CDFの社長のペアチケットの相方として一緒に来ました。」
「成程!藤丸少年の実家はCDFの本部だったな!それなら納得だ!……っと、それより、会えて嬉しいよ、デイヴ」
「私もだ。オールマイト」
二人を見る限り、旧友に会えた…といった雰囲気だった。これはもしかしてお邪魔だった?
「おっと、忘れる所だった!緑谷少年、紹介しよう!私の親友、デヴィット・シールド―「知ってます!デヴィット・シールド博士!ノーベル個性賞受賞した“個性”研究のトップランナー!オールマイトのアメリカ時代の相棒で、オールマイトのヒーローコスチューム、ヤングエイジ、ブロンズエイジ、シルバーエイジ、そしてゴールデンエイジ!!それら全てを制作した天才発明家!まさか本物に会えるだなんて、か、感激です!」」
興奮しながら緑谷君は語る語る。そういやオールマイトファンだった。オールマイトに関わってる事なら何でも知ってる彼なら興奮するのも無理もない。
「あー…そういやテレビで映ってましたね。」
「君達のテンションの差がスゴイね。」
ダ・ヴィンチちゃんが苦笑していた。まぁこれがアニメとか漫画だったら自分も緑谷君みたいになる。デヴィットさんは緑谷君を見て苦笑している。金髪の女性は微笑んでいた。
「紹介の必要はないようだね。」
「あ、す、すみません!なんか…」
「ふふ、彼マイトおじさまのファンなの!」
「HAHAHA…コホ……コホ……」
「…オールマイトとは久しぶりの再会だ。すまないが、積もる話をさせてくれないか?」
そうデヴィットさんが言って来た。確かに、旧友との再会には自分達は邪魔になるか。
「あ、はい!」
「分かりました。」
「メリッサ、緑谷君と藤丸君にI・エキスポを案内してあげなさい。」
「分かったわ、パパ」
「なら私は…この施設の研究所を見学でもしようかな?新しい発見を探しにね」
「ああ…なら、サム、ダ・ヴィンチさんを案内してくれ」
「分かりました。さ、どうぞこちらへ」
「うむ♪では立希君、夕方、また会おう」
「了解。」
「いいんですか?」
「未来のヒーロー達とご一緒できるなんて光栄よ!行きましょう!」
ここでダ・ヴィンチちゃんと別れ、メリッサと呼ばれた金髪の美少女が自分と緑谷君を案内してくれる。というかデヴィットさんの娘だったのか…
「改めまして、藤丸立希です。緑谷君と同じクラスメイトです。」
「メリッサ・シールドです。始めまして!将来有望なヒーローに出会えて光栄だわ!貴方はどんな“個性”持ってるの?」
「有名な偉人―『英霊召喚』し、使役するのが自分の“個性”です。」
「藤丸君にはお姉さんがいて、二人は同じ“個性”を持ってるんです」
「そうなの!?すごいわ!」
とても嬉しそうにして歩く中、自分は緑谷君に小声で話しかける。
「(緑谷君は何でオールマイトと一緒にいたの?もしかして同伴者?)」
「(え、えとそれはその……ごめん藤丸君!この事は皆には内緒にして欲しいんだ!理由はその言えないけど…)」
と、小声ながらも早口で言ってくる…まぁ学校でちょいちょいオールマイトは緑谷君に声かけてたし、多分気に入られているんだろうな…
「(まぁ…分かったよ。言えない理由があるならしょうがない。)」
「(う、うん。)」
「あ、ところで君達の事は何て呼べばいいかしら?緑谷君?出久君?藤丸君?立希君?」
「(姉と合流するとして、多分自己紹介するから…混乱しないよう…) 立希で良いですよ。」
「僕の事は…デクと呼んでください!」
「デク?変わったニックネームね…分かったわ!デク君!立希君!私の事はメリッサでいいから」
side立香
ヒーローコスチュームに着替え終えて、無事入国審査が終わり、私と焦凍君はI・エキスポに入る。
「わぁ…すごいね!」
「ああ」
私達の目前には様々な“個性”を使ったアトラクションで賑わっていた。この島では“個性”を自由に扱える。アトラクション然り、パレード然り、大盤振る舞いだった。
「人工島というより、なんか遊園地みたい…」
「けどスポンサードしてる企業が多いな…プロヒーローも大勢いる」
確かに、周囲には各国のプロヒーローがいて、ファンにサインをしていた。
「他にも最新アイテムの実演、サイン会もあるらしい…」
「流石I・エキスポだねぇ…そう言えば夜には関係者を集めたパーティーもするんだよね…い、一応私は焦凍君の同伴者だし…」
「ああ。正装はしっかり持って来た…立香は大丈夫なのか?」
「勿論。ちゃんと持って来たよ。」
それから、他愛ない会話しながらホテルに荷物を置く。流石に一人部屋…うん。共同は無理、ダメ、ゼッタイ…という事で、自由行動になる。立希達とはそのパーティー会場で合流する予定。まだまだ時間はある。
「これからどうしようか?」
「どこか行きてぇ場所は無ぇのか?」
「私?うーん…まだI・エキスポの事は全部把握してないから…」
そんな時、遠くから爆発音が響いた。
「「!」」
衝撃が来た方向を振り向くと、そこにはアトラクションがあり、大きな煙が舞っていた…