劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第14話

side立希

「-、-希君!目を覚ましてくれ!立希君!!」

温かい、何か…誰かに支えられていたのを感じた自分は、ゆっくり目を開ける。

「………ロ…マニ……?」

「よかった…っ本当に良かった!君たちは一体何回僕らの心臓を飛び出させようとするんだい!?」

視界にロマニがの顔が映った。嬉しいと悲しいと怒りの混じったような表情と声。頭上には戦闘機が飛んでいた。

「ぁ…ね……はぁ…?」

「勿論無事だよ!全く、自分より他人を心配するあたり、君達らしいよ!…アスクレピオス含めたキャスター陣が精製した秘薬を飲ませて、今は寝かせてるよ。ほら、君も飲むんだ」

「っ……っ……く……はぁ……」

ロマニが自分の口元に薬を運んでくる。少し動かすだけで激痛が走る体。何とか薬を飲み終えると、ロマニはゆっくり、自分をその場に寝かせた。横を見れば静かに寝息を立てている姉がいた。『憑依率100%』の代償はかなりのものだ。体が全く動かない。

「生命維持する魔力まで使って…魔力回路が顔にびっしりだ……帰ってきたら、僕を含めた英霊達全員から説教だよ。覚悟するといい!」

そう言い、ロマニは立ち上がると、淡く光始める。転移魔術だ。ここに来た事は内緒のようだ…

「だけど…ありがとう。また僕たちは、君たちに救けてもらったよ。」

そう微笑んで、消える。自分はゆっくり、上空を見る。とても、空が綺麗だった。

「いたぞー!要救助者2名!」

誰かが自分と姉を見つけたようだ。そう考えが浮かぶが、疲労困憊の眠気が襲い、自分は意識を手放した―

 

 

side三人称

コスモスが咲き乱れる那歩島本島の端。

「やっぱり生きてた」

突然現れた黒い物質のような物から死柄木が現れる。

「……死柄木……」

その島には息絶え絶えのナインもいた。ナインは立ち上がる事さえ出来ない体で必至に可憐な花を押しつぶしながら這い上がってくる。そんなナインを死柄木は見下ろしていた

「安心しなよ。あんたの夢は俺が紡ぐ」

「支配者は一人でいい…「そう…一人でいい」…!」

ナインはなけなしの力で上体をわずかに起こすが、死柄木はナインの顔を掴む。

「おやすみ、ナイン―お疲れ様…」

「-」

驚愕に見開かれたナインの顔が、瞬く間に変色し、砂のように崩れ去る。穏やかな海風がナインの痕跡を消して、海と空へと舞い散った…

 

 

side立香

本島から救助が来て、一日が立った。ロマニからもらった薬のおかげで、私達は魔力も体力も回復。無事五体満足となる。

「カルデアに戻ったら、ロマニ含めた英霊達から説教だってさ…」

「うーん…帰りたくないなぁ…」

立希からそれを聞いてげんなりしたけど……で、後日談。製糖工場の地下に拘束した敵達は逮捕され、無事連行された。最後まで私達が戦ったあの敵は不明。海に落としたけどあの致命傷ならそう遠くには行ってないはず…で、島の被害の大きさに、ヒーロー公安委員会はプログラムの中止を提示。だけど私達1年A組は期日まで続行したいと嘆願。この島に関わったヒーローとして、島の復興を手伝った。今日も私は『ワルキューレ・オルトリンデ』に『降霊』し、空を舞う。

「おぉ…天女様…ワシを迎えに来てくれたのか…」

「いや、だから違いますよ!?そういう意味の迎えじゃないです!病院までです!」

「おお、そうじゃったそうじゃった。よろしくたのむのぉ」

「はい。いつでもお任せください」

私は老人を抱え、飛び立つ。

 

 

side立希

ボロボロになった島。最初は皆落胆したけど、命が救かったからなんとでもなる。と島民全員が奮起。もちろん、自分達A組も島の復興を全力で手伝った。そしてあっという間に数週間が経ち、期日満了の日を迎えた。

「なにも黙って帰ることなくね?」

「ねぇ」

朝早くから、船に荷物を積み終え、乗った自分達。隣で電気君が言いこぼして、三奈が同意する。

「復興の邪魔するわけにはいかないよ。それに…静かに去るのもかっこいいんじゃない?」

そう自分が言うと、二人は納得したのか、微笑む。

「ま、黙って立ち去るのもヒーローっぽいか。」

汽笛が鳴り、船がゆっくりと出航していく。そんな時、港に一台の軽トラが来た。そして車から真幌ちゃんと活真君が出て、走ってくる。

「デク兄ちゃーん!」

「バクゴー!」

「「みんなー!」」

『!』

デッキにいた自分達は笑顔で二人に手を振る。

「島の人たちを!」

「守ってくれて!」

「「ありがとう!」」

二人は走りながら、感謝の言葉を自分達に送ってくる。二人からの感謝の気持ちに、笑顔が深くなる。自分達がヒーローとしてちゃんと活動できた証だった。

「…それにしても、緑谷から聞いたぜ立希!立香と一緒に大活躍だったんだろ!?あの敵相手にとんでもない一撃喰らわせたとか!!」

「いやいや、電気君だって凄かったじゃん。あの落雷で緑谷君と爆豪を守ったからこそ、この勝利があったと思うよ。MVPだよ。」

「立希ありがとね。ばっちり太腿治ったのは立希の応用処置のおかげだよ。」

「あの時はけっこういっぱいいっぱいだったけどねぇ…」

本島まで時間がある。自分達は今回の出来事について、自分達がどこで、どんな場所で活躍して、すごかったか盛り上がった。

 

雄英高校1年A組ヒーロー課。皆を乗せた船は差し込んだ。

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