劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第10話

side立香

国境に一番近い駅についた私達。警官隊が配備される前に、何とか駅から脱し、崖裏に身を隠す。

「…で、緑谷達は何処にいるんだ…?」

「知るか。」

「何とか連絡を……あ、場所分かるかも…!」

緑谷君と立希が何処にいるか、正確に知る方法を思い出す。私は戦闘衣装の手袋をはめ、内蔵しているスイッチを押し起動。空中に私中心とした方角を示す画像が映る。その画像に赤い点が反応していた。

「それ…まさか『GPS』か…!?」

「んな便利なモン何で今まで出さなかったんだよ!!」

驚く焦凍君に、怒る爆豪君。

「い、いや、そこまでハイテクじゃないし、精々5キロ圏内だし…(すっかり忘れたなんて言えない…)」

林間合宿で攫われた経験から、私と立希の戦闘衣装には互いの位置を知らせるGPSが内蔵されていた。反応があるという事は、もう既に立希達が近くいる。

「…で、どこにいる?」

「えっと…あっちの方向…」

と、指をさした時、その方向にある崖が崩れた。

「襲われてんじゃねぇか!!」

「行くぞ!!」

「うん!!」

爆豪君を先頭に、直ぐに私達は動く。敵が来ていた。爆豪君は『爆破』で跳躍。焦凍君は『氷結』で上昇。私は『ブリュンヒルデ』と憑依し、飛翔する。

反応があった所に直ぐに向かうと、案の定、そこには立希と緑谷君がいた。そして…敵の一人が崖際で何かしていた。おそらくあそこにもう一人いると予測する。

「行くぞ!」

「命令すんな!」

「うん!『降霊:マーリン』!!」

焦凍君の号令に、私達は動く。まずは崖際にいる敵。私は『ブリュンヒルデ』から『マーリン』に憑依を変え、杖先を敵が持ち上げている鉄球に向け、唱える。

「そらっ!」

刹那、鉄球は花弁へと変貌し、掻き消す。

「あの白い花…まさか…「やっっっと見つけた!!」ああ!!」

突然の出来事に驚いている敵達。その間に私は崖を降り、遂に緑谷と立希と再会する。立希にいたっては心から安心している表情だった。

「それじゃあ…行くよ!!」

「っ!」

立希を襲い掛かっている敵の一人に私は特攻。杖を持ってないほうの手で『剣』を顕現。両腕とも剣の敵に斬り掛かる。

「柄じゃないんだけど…ねっ!」

その敵は腕をクロスし、私が振るった剣を受け止める。大した事のない攻撃だと思ったのか、マスク越しでほくそ笑んでいた。そんな敵に私は…

「ほいっ!」

「ガァ!?」

持っていた杖から桃色の砲撃を浴びせ、敵を地に伏せさる。

「うわぁ…」

「立希も騙された戦法だよ…!」

以前、マーリンに教えられ、そしていつだったか模擬戦で立希にやった戦法だ。近くで立希のうんざりしてる声が聞こえたけど無視する。

「…!そうだ、ロディ…!「大丈夫だから。私一人だけじゃないし。」!」

「う……わぁ……!」

多分、崖際にいた人の名前を呼ぶ立希に、私は大丈夫だと促す。そこに『氷結』が生き物の様に這いより、瞬く間に伸び、落下しそうになった少年を受け止め、頂上へと戻す。

「これは……轟君!」

緑谷君がそう言うと、少し高い所に立っていた焦凍君が姿を現す。

「保須の時といい、お前の通信はわかりにくい…っ!」

そう言った直後、焦凍君の背後から煌めく矢が襲い掛かって来た。

「!」

「させるか…!」

焦凍君がその矢に気付くと同時、私は再び杖で唱え、焦凍君に矢が当たる瞬間、花びらに変え、散らせる。上空のヘリに敵が一人いるようだ。けど既に対策は出来ている。

「どこ見てんだぁ!?」

「爆豪君!!」

爆破を散らしながら現れる爆豪君。ヘリめがけて飛び、そして『徹甲弾』を撃ち込んでいく。

「さぁて…立希は下がって。ここは私がやるから…『降霊:アストライヤ』」

「う、うん…」

私は怪我してる弟を下がらせ、残り2人の敵と対峙する。今度は『アストライヤ』と憑依。と同時に宝石を敵2人に目掛けて撃ち放つ。

「光よ!!」

「「!」」

『宝石魔術』により、宝石を爆発させる。けどこれは敵に当てず、周囲の地面を爆破し、土煙を起こす。私はそのまま土煙が舞う中を走る。そして敵の背後から拳を放つ。

「!ゴ「そらっ!!」ア!?」

私に気付き、口から炎を吐こうとする敵だったが、炎が放たれるよりも前に、敵の顔面を殴る。と、同時に敵の口に宝石を入れ、塞ぐ。『宝石魔術』と敵の口内の『炎』が反応し暴発。敵は口から黒煙を吐いて倒れる。

「オオオオオオ!!!!」

「!」

最後の一人。鋭いキバと全身に剛毛を生やした獣のような敵。雄叫びをあげながら大振りの巨大な拳を放ってくるが、遅い。確実に避けてから、敵の背後に回り、敵の腰を掴む。そして―

「覚悟は良い…?……ふんっ!!!」

「-」

勢いよく、巨体を持ちあげ、そのまま敵の後頭部を地面に叩きつける。所謂、バックドロップをかます。勢いよく地面に敵の顔が埋まり、ピクリとも動かなくなる。

「カウントは…必要ないか…」

「す、すごい…」

圧倒的な動きに、傍にいた緑谷君が唖然としていた。そんな彼に、私はグッドサインを送る。

 

 

side三人称

立香が敵と対峙している間に、轟はシデロを頭だけ残し『氷結』する。

「た、助けてくれ、なんでもする…「なら訊きてぇことに答えてもらう。」わ、わかった…」

直ぐに降伏するシデロ。その時、シデロめがけて矢が撃ち込まれる。

「!」

氷結が砕け、シデロは崖下へと落下していく。

「裏切り者め…!!」

シデロを攻撃したのはベロスだった。彼女は傭兵だがフレクトの考えを信奉していた為、裏切りは許せるものではなかった。

「くそっ!爆豪!確保しろ!!」

「だから命令すんじゃねぇ!!」

貴重な証人を救えなかった轟が爆豪に叫ぶ。爆豪は『爆速ターボ』でヘリに向かう。

「このぉ…!」

ベロスは向かってくる爆豪に矢を放ちまくる…が、直ぐに射尽くしてしまう。そして遂に、先の『徹甲弾』により被弾していたヘリが炎上し、暴れ始める。

「せ、制御不能!!」

団員のパイロットが焦りながら言う。ベロスは無言で顔をしかめる

「大人しく捕まれや!……?」

爆破で近づいた爆豪。しかし顔を訝しげに歪む。ベロスが“個性”の『弓』を消し、そっと胸に手を当てていたからだ。

「人類の救済を……―」

そう言って、目を閉じ、静かに自ら飛び降りた。ベロスは信念と共にその命を散らす―

「あっっっぶない!!」

「なっ…!?」

―寸前。それを立香が止めた。『ブリュンヒルデ』と憑依し、ベロスを空中で受け止める。これにはベロスも驚愕する。

「そう簡単に命散らすな。貴女には罪を償う義務がある。」

「っ…ふざけ「てないよ。お休み」ぁ…-」

暴れようとしたベロスに、立香は彼女の首に強い衝撃-当て身をして気絶させる。その時、操縦不能になったヘリが崖に激突。パイロットは寸前で脱出していた。あまりの騒ぎに、駅にいた警官隊があわただしく動きはじめていた。

 

 

side立希

姉達が助けに来てくれた。敵も倒し、緊張が解れる…前に、まずはロディの事だ!

「「ロディ。大丈夫!?」」

自分と緑谷君は倒れているロディに駆け寄る

「あ、ああ…なんとか…」

所々かすり傷はあるけどロディは無事だった。安心していると、今度はロディが慌てる。

「ケースは…!?「これだろ?」」

ケースと自分らの戦闘衣装が入ったバッグを手に、焦凍君と姉がやって来た。

「ありがとう轟君。でもどうやってここに?」

「ああ。最初は立香が、立希の戦闘衣装についてるGPSで何処にいるか確認して行こうとしたんだが…派手なドンパチのおかげで、みつけられた。」

緑谷君の問にそう焦凍君が答えてくれる…うん?

「(…というか姉、ここに来るまでGPSの事…)」

「………」

チラリと姉を見ると…姉はそっぽを向いた。あ、コレ完全に忘れてた感じだ。自分は小さくため息を吐く。

「と、ところで!…この人が、電話で言ってた人?」

あ、ごまかした。

「…うん。自分と緑谷君と一緒に犯罪者にされた…彼はロディ。」

取り敢えず、その事は置いておいて、ロディを紹介する。

「さっきはありがとう」

「Pi~!」

ロディは焦凍君を見て、危機一髪の所を救けてもらった相手だと気付き、笑顔を浮かべる。ピノもロディの髪から出てお礼のように鳴く。

「んなことよりケースだ!ヒューマライズがらみなんだろ!?」

そこに、勢いよく爆豪君が着地してきた。そしてとんでもない事を言ってきた。

「え、ヒューマライズがらみ!?」

「どういう事?」

自分と緑谷君は驚いて、3人を見る。

「緑谷君たちが持ってきたケースに有力な情報がある可能性があるの。」

「ああ。だから俺達はここに来た。」

姉と焦凍君がいい、ケースを持ち上げる…すると、ケースの底のゴムの一つが取れかかっていた。

「「…あ!」」

自分と緑谷君はそれを見て気付く。何か仕掛けのようなものが見えたのだった。

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