劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第14話

side立希

「はぁー…はぁー…「「カカカカカカ!!!」」っ!!」

「ちぃ…っ!」

激しい攻防。何度も襲い掛かってくる12本のしなる剣。トリガーにより大きく俊敏さを増し、より強力になった剣が一太刀で太い建物の柱を両断するほどの威力で縦横無尽に自分と爆豪君を追い詰める。何度も双子の敵に攻撃を必死で間髪入れずに放つが、凶悪に舞い踊る剣にことごとく防がれてしまう。

「ガッ!!」

「っ!!」

今は双子の敵を分断し、何とか1対1で戦闘してるが、だんだんとこっちの戦闘が綻び始まっていた。遠くで爆豪君の頬が剣で切り裂かれ、鮮血が吹き出す。それを見てしまった自分は一目散に爆豪君の右側に移動する。

「クソッ…右側の反応が…「づぅ!!」藤丸…!!」

爆豪君の右側は死角となり、その隙を狙われた。けどそれは自分が必死に庇い、何とか爆豪君を守り抜けた…が、代わりに自分が攻撃を受けてしまう。左肩から右脇腹にかけて切りつられた。

「テメェ!「大…丈夫っ!!咄嗟に旗で守ったから…っ!」」

「「カカカカカカ!!!!」」

致命傷は避けたがその直後、双子の敵が不規則な動きで一気に迫って来た。

「-爆豪君…最後は頼むよ……!!」

「!」

戦闘衣装に備わっている『浄化回復』と『予測回避』を発動。そのまま双子の敵に向かった自分は走り出す。今ここで爆豪君が戦闘不能にでもなったら、勝てる敵じゃない。なら数秒でも時間を稼ぎ、爆豪君を休ませる。その後は…-

「「カカカカカカカカカカカカ!!!」」

「!」

―思考してる場合じゃない。嵐のように激しく乱舞する剣が自分に襲い掛かって来た。それをすべて自分はギリギリで回避し、防ぐ。旗で一本の剣を弾いた時だった。

「マズ―」

瞬く間に数本の剣が襲い掛かって来た。スキルの効果が切れ、防御暇もなく、剣が突き刺さる…

「-何勝手に犠牲になろうとしてんだアァ!!?」

「爆豪…君…!?」

爆豪君の体にだ。まるで自分を庇ったかのように、剣が爆豪君の体に深く抉る。地面に血が滴る。

「俺ァナぁ…勝手に動いて、勝手に犠牲になろうとしてる奴がぁ…嫌ぇなんだよ!!この俺サマがくたばるわけねぇだろうがぁあああ!!!」

爆豪君は体に剣を突き刺したまま、その場で『爆破』を推進力にして回転する。数本の剣が集まり束のようになった。

「ぐうおおおおお!!!」

「「!?」」

爆豪君は束になった剣を掴むと、血が噴き出すのもかまわず渾身の力で振り回す。遠心力に引っ張られた双子の敵は剣の腕を柱に巻き付ける。

「やっと…大人しくなりやがった…!」

「まさか…!」

そう言い、爆豪君は体から剣を抜き、腕に装着していた籠手を発射する。

「「シャア!!」」

腕を拘束されている双子の敵は舌を剣に変化させ迎え撃つ。籠手は簡単に斬れ火花が散る。刹那、中にはたっぷり溜めていたニトロのような物質に引火し爆発を双子の敵に喰らわせる。

「今度こそブチこんだらぁああ!!!」

その間に、爆豪君は再び『爆破』で回転し、今度は巨大な竜巻を作りながら上昇する。そしてそのまま竜巻事錐もみ回転しながら、柱にめりこんだ双子の敵に突っ込んでいく。

「『榴弾砲着弾』ォオオ!!」

「ヤバ……イィ!?」

爆豪君の最大火力の大爆発が双子の敵を飲み込む。着弾する直前、自分はその場から離れるが、爆風で本拠地内に入るように吹き飛ばされる…

 

 

side三人称

周囲の柱ごと、一瞬にして破壊した爆豪。双子の敵―エナ&ディオは瓦礫のなかでただ呻くだけの力しか残されていない。

「けっ…この…タコども……」

よろけながら着地した爆豪。苦戦させられたエナ&ディオに向け、サムズダウンをしてから、眠るように倒れる。

「クソが……後は……藤…丸……テメーが……何とか……し…や………が…………れ………―」

そのまま爆豪はゆっくりと気絶した。

 

 

side立香

「(ヤバ…イ…意識…が……っ)」

水中で私はもがく。けど敵の強い力で掴まれ、剝がす事が出来ない。そろそろ酸欠で意識が消えかけてくる…

「(…………あ……れ……は……)」

そんな時、水流の変化と微かな光を感じた。何とか前方を見ると、流れの奥が明るくなっているのが見えた。

「(………滝……!)」

何とか遠のくなりかけた意識を戻す。

「(………っ……立香…!)」

「(焦凍……君……!)」

焦凍君も、どうやら私と同じ考えだ。千載一遇のチャンス!

「(『降霊:ペンテシレイア』!うらぁああああ!!)」

このチャンスを逃さない為、私は動く。ペンテシレイアと憑依し、そしてスキルで肉体を強化して強引に敵から逃れ、そのまま両手でモーニングスターを取り出し、敵に向けて投げる。

「GAAAA!!!」

敵は水流を操り、モーニングスターをそらす。が、私は当てる為に投げたわけじゃない!!

「(捕ら…えたぁああ!!)」

「GU!!」

水流を読み、モーニングスターの鎖で敵の巨体を雁字搦めで拘束し、敵の背に乗る。当然、敵は逃れようと暴れ始めるが…

「(間に…合え!!)」

焦凍君がいち早く、敵を触手事『氷結』で完全凍結する。と、同時に私達は滝から放り出されるように飛び出した。氷結で水しぶきが一瞬で凍っていく

「「ぶはぁ!!」」

水中が脱した私達は一気に酸欠だった肺に空気を送る。落下しながらも、焦凍君は『糸状の炎』で凍った敵の触手を四散させる。

「GURAAAAAA!!「うる…っさい!!」AAAAA!!!!」

しかし完全に崩しきる前に、触手を再生させながら迫って来た。私はまだ拘束して持っている鎖を両手で引き、更に束縛を強める。

「焦凍君!」

「っ…ああ!」

しつこい敵に私は顔をしかめる。そして動きを止める為に焦凍が再び半身の温度を急低下させていく。

「緑谷の邪魔はさせねぇ!!」

再度、周囲の水を凍結し、鳥籠のように氷の檻に敵を封じ込めた。

「GUAA!!」

「うわっ!」

「ちぃ!」

腕と上半身を氷漬けにされた敵。けど頭の角を伸ばして回転。ドリルの様に氷を粉砕しながら私達に襲い掛かる。私は敵の背から降り、焦凍君は氷の檻を滑りながら避ける。

「立香!」

「っ!」

落下する私を焦凍君が受け止めてくる。そして彼の左手には熱を集めていた。

「更に…力を…!」

圧縮した『炎』に、私はスキルで更に強化させる。

「『膨冷熱波』!!」

強化された『炎』の塊は敵に放たれる。敵に命中すると同時、氷の檻が一瞬で収縮。激しい温度差で大爆発した。

「よし…!」

「やった…「GRUUUU!!」!?」

爆風に煽られ、決着が着いたかに思えた。巨大な敵の形を成した炎が私達に襲いかかってきた。

「ぐううううう!」

「っ~~~~~!」

その大きな口に飲み込まれる。身を焼く炎に苦しくなる。

「(炎まで操れるの!?でも…それでも……!)負けないっ!!」

「ああ…!俺達はまだやれる…!今、俺に出来る最大の……!!」

私は更にスキルを発動。身を焼く炎を掻き消し、そして腕に鍵爪の籠手を纏う。隣で焦凍君は拳に再度『炎』を凝縮させる。

「GAAAAAAAAAAA!!!!!」

「はぁあああああ!!!!」

「おおおおおおお!!!!」

激しいの炎の中、炎を纏いながら襲いかかってくる敵。それに対し、私達も真正面から立ち向かう!私は鍵爪を。焦凍君は炎を振り上げる!

「『赫灼熱拳』!!『噴流熾炎』!!」

「潰すっっっ!!!」

「GAAAAAAAAA!?!?」

私達の拳は敵の腹を捕らえた。私達の拳は勢いを増す。止まる事のない、噴き上がる炎と鍵爪が、確実に敵の体に喰い込む。

「G…U…A……A…―」

そして遂に、敵の限界が訪れた。そしてトリガーの効果が切れたのか、意識を落とす。

「っ…ぁ……」

「や……ば……い……」

だけどそれは私達もだ。限界が来る。焦凍君は急激に下がる半身の熱が瞬く間に零度を下回り、冷気が一気に噴き出す。灼熱と極寒を身に纏う。私は元々枯渇気味だった魔力を大量に消費したための疲労にて、全身に魔術回路が浮かび上がる。私達は敵と共に二人は落下し始める。

「(緑谷……止めろ……必ず……)」

「ま…だ…『降…―」

滝壺に飲み込まれ…

 

 

side三人称

「-愚かな」

「ぐっうう……」

フレクトと戦闘。緑谷は彼に一度も攻撃を当てる事が出来なかった。フレクトの“個性”『反射』により、緑谷の放つ攻撃は全て跳ね返されてしまい、何度も周囲の壁に激突する。

「すべてを反射する私は、自ら死を選ぶこともできない。コントロールできない“個性”は苦しみをうむだけ…。そして、人類は体も心も深化する。“個性”に押しつぶされる…!」

「っ」

フレクトは指一本動かさずに緑谷を排除にかかる。部屋の柱に備わっているレーザー砲を起動させ、緑谷に狙いを定める。

「私は私を否定する。“個性”という病を、この世から消し去る」

「!!」

放たれるレーザーを回避する緑谷だが、今度はフレクトが装着していた装置、反射鏡のようなものが周囲に展開。レーザー砲はその反射鏡に放たれ、反射。レーザーが乱舞する。

「そして純粋なる人類を滅亡から救うのだ…!」

「がっ!!」

避けきれない緑谷の体をレーザーが無残に貫いた。緑谷は力なく倒れる。溢れ出す血が床に広がっていく。

「哀れな……あと七分…」

フレクトはそう呟き、モニターを起動。トリガー・ボムが起動するまで七分を切った。後少しでフレクトが望む世界へとなる…その事に愉悦の笑みを浮かべた。

「…させ…ない……!」

緑谷は何とか体を必死に起こそうとした時だった。

「む…」

「!」

フレクトに向かって一本の剣が飛んでくる。その剣をフレクトは『反射』にて防ぐ。

「-Take That, You Fiend!」

「「!!」」

剣が反射にて吹き飛ばされる瞬間、その剣を掴み、フレクトに再度剣で斬撃を浴びせる存在―立希が吹っ飛んで来た

「藤丸…君…!!」

「ッッッッ!!!「無駄だ」ぐぅ!!」

それでもフレクトには効かない。『反射』で立希は後方に吹き飛ぶ。何とか剣を壁に突き刺し、激突を防ぐが、疲弊で膝を付く。

「ヒーロー…か…しかし、その傷に疲弊。来たところで何も意味が無い」

「勝手に…決めつけて…欲しくない…んだけど…!」

『モードレッド』と憑依した立希は剣を杖替わりにし、体を奮い立たせて立ち上がる。剣を構えながら緑谷の容態を見る

「(緑谷君…っ床に流れてる血の量からまだ大丈夫だろうけど…もう動けるのが自分しかいない…時間ももう無い…なら……)速攻で倒す…っ!!」

立希はフレクトに向かって走り出す。

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