劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side立香
『本日は18時で閉園になります。ご来園、ありがとうございました。』
皆と合流して、私達はいろんなパビリオンを観て回った。メリッサさんのガイドもあって充分に楽しめた。この後はレセプションパーティーがある。
「パーティーには団体行動で出席しよう!18時30分にセントラルタワーの7番ロビーに集合してくれ!」
「うん」
「わかった。」
私達はホテルに正装道具があるから持ってこなきゃならないし、それと焦凍君がエンデヴァーの代理で顔を出さないといけないから早めに別れた。
「……別に無理して俺と来なくてもいいぞ?」
「え?別に無理はしてないよ?ホテルに正装置いてるから持って行かないといけないし……焦凍君こそ大丈夫?無理してない?……エンデヴァーの代理で来て……」
「……確かにアイツの代理とか、そういうのは嫌いだ……けど職場体験で、アイツのヒーロー活動を実際に見てNo.2の実力を知る事が出来た……俺はいつまでも子供じゃねぇ、過去の出来事は絶対忘れない…けどそれを糧に、今の俺は変わる……」
そう、真剣な顔付きで言った。
「…そっか、フフ、変わったね、焦凍君。」
「そうか?」
「うん。入学した頃の焦凍君、正直目つき怖かったよ。」
「…そうか」
「でも今の焦凍君は…とてもいいよ。今の焦凍君のほうが、私は好きだなぁ……」
「……………」
「……ぁ、ちょ、今の無し!!いや嘘じゃないけど!?友達としての好きです!ハイ!」
「…………あぁ」
思わず感情深くなって口が滑った……うぅ顔が熱い……
この後、焦凍君の挨拶回りで大人の人に「彼女ですか?」と聞かれ「と、友達です!」と答えるのが手一杯だった。
side三人称
『拘束しました。警備は5人。プラン通りです。』
セントラルタワー内部の警備システムを総括しているコントロールルームで、警備員達が拘束されていた。拘束したのは傷のある男の部下たち。その内の一人がトランシーバーで連絡する。
「まだ警備システムは生きている。殺さずに軟禁しておけ」
『はい。これより作業に入ります』
その部下は傷のある男の指示に従う。
「順調だな…」
傷のある男は満足そうに笑いながらその顔に仮面をつけ、後ろに控えている部下たちに言う
「こちらも動くぞ」
side立希
「やぁやぁ、立希君。今日は楽しめたかい?」
「勿論だよ。ダ・ヴィンチちゃん。」
皆でパビリオンを見学し終えた後、メリッサさんが電気君と峰田君にパーティーの招待状を渡し、労働が報われたと喜ぶ二人。そして飯田君が18時30に集合と伝え、フルスロットルで走り去った。自分も正装の準備で皆と別れ、ホテルに戻ると、既にダ・ヴィンチちゃんが部屋いた。
「ダ・ヴィンチちゃんもどうだった?研究所を見学してきたんでしょ?」
「勿論さ♪自分の発明品を眺めるのもいいけど、他の発明品をみるのもまた格別さ!また新しい発見が出てきたよ♪今は…パーティーの準備だね!」
「うん。って言ってもこれに着替えるだけだしね…ダ・ヴィンチちゃんは?」
「私はこのままさ。私は、私が好きだ。この外観が好きだ。美しい……美しくあるように造ったのだから当然ではあるけれども…クフ♪」
「さすが、わざわざモナ・リザそのものの姿で現界しただけあるよ…」
ダ・ヴィンチちゃんと今日の出来事を話し合いしてると、待ち合わせの時間になり、急いで向かった。
side三人称
セントラルタワー7番ロビーに、濃い赤色の正装に着替えた緑谷が慌てて来た
「ごめん!遅くなって!……って、アレ?他の人達は?」
来ていたのはウエイター姿の峰田と上鳴。青色の正装を来た飯田。白正装の焦凍と黒正装の立希だけだった。
「まだ来ていない。団体行動をなんだと思ってるんだ!」
規律を重んじる飯田が憤慨していた時だ。
「ごめん!遅刻してもーたぁ」
「「おぉ~!」」
可愛らしくも大胆なドレスに着替えた麗日が現れる。峰田と上鳴は興奮する。続けて八百万と後ろに隠れるように耳郎が連れ立ってやって来たのに焦凍達が気付く。八百万は大人っぽいエレガントなドレスに身を包つ。
「…申し訳ありません。耳郎さんが……」
「うう…ウチ、こういうカッコは…その、なんとゆーか…」
可愛らしくもシックなドレス姿の耳郎は恥ずかしそうに言葉を濁す。
「「Oh~イエス!イエス!」」
それでも華やかな女子達を見た上鳴と峰田は更に興奮し、上鳴は耳郎にビシッとサムズアップした。
「馬子にも衣装って奴だな!」
「女の殺し屋みてー…」
「ふん!」
「「ギャアアアアアアアアアア!!」」
二人の感想に怒った耳郎は『イヤホンジャック』で二人に爆音を流し込む。
「黙れ」
「ナンだよ!俺は褒めたじゃねぇか!」
「褒めてない」
「正装なんて初めてだ。八百万さんに借りたんだけど…」
「に、似合ってるよ。うん、すごく!」
「デク君たらお世辞なんか言わんでいいって!」
「麗日くん!?」
麗日は緑谷に褒められ、どうしようもなくテンションがあがった時、自動ドアが開き、メリッサがやって来た。
「「ヒョ~~!」」
「デク君達まだここにいたの?パーティー始まってるわよ」
「真打登場だぜ!」
メガネを外し、華やかで大胆なドレス姿のメリッサは、峰田と上鳴のハートを直撃する。
「あれ?姉は?」
「あ、私で最後…遅れてごめん。」
「「!」」
最後に立香が来る。ホルターネックタイプの清楚なワンピース型ドレス。
「「でか―「耳郎さん」「了解」ギャアアア!!」」
峰田と上鳴、立希の命で動いた耳郎に二度目の爆音を流される。立香のドレス姿は体の凹凸がハッキリわかるのだった。
「えーと…どうでしょうか…」
「……ああ…似合ってる」
「サイドテールにしたんだ。姉似合ってんじゃん」
「ありがと…というか立希、それ魔術礼装の『ロイヤルブランド』……」
「探すのが面倒だったから。ま、別に戦闘なんてあるわけないし、いいでしょ。」
「ヤベーよ!峰田!オレ、どーにかなっちまうよ、どーしよう!?」
「どーにでもなれ……」
感涙する上鳴と峰田に、耳郎はあきれたのだった。
セントラルタワーのコントロールルームでは、警備員達を閉じ込められた男達の一人がメインコンピューターを操作し、タワー階数の警備システムが、次々とレッドシグナルへと変わっていく―
「―ご来場の皆様、I・エキスポのレセプションパーティーにようこそおいでいただきました」
その頃、セントラルタワー二階のレセプション会場には来賓客や関係者、招待されたプロヒーロー達でにぎわっていた。その中にはダ・ヴィンチ、オールマイト、デヴィットの姿もある。広い会場には豪華な料理が並び、ステージの大型モニターにはエキスポのロゴが映し出されている。
「乾杯の音頭とご挨拶は、来賓でお越しいただいたNo.1ヒーロー、オールマイトさんにお願いしたいと思います。皆様、盛大なる拍手を」
司会者がそう促し、観客は皆オールマイトに向けて拍手をする。
「デイヴ、聞いて無いぞ…」
「オールマイトが来ると知ったらそうなるさ」
「やれやれ…」
オールマイトは困ったような笑顔を浮かべ、デヴィットに助けを求めたが、あきらめろと言われんばかりの苦笑を返されるのだった。
「(立希君と立香ちゃん達はまだ来ないのかな……)」
そんなオールマイトを見ながら、ダ・ヴィンチはふと思っていた。
「……おい、本当にこの道で合ってんのか?」
「多分そうだと思うけど…」
渋々とパーティーの出席を決め、正装を着た爆豪と切島はどこかの通路をうろうろ歩いていた。さっきから同じような道をぐるぐるとしていることを訝しんだ爆豪は前を歩く切島に言う
「多分だぁ?」
「いやぁ、実は携帯、部屋に忘れて連絡できなくてさぁ」
悪気無く笑う切島に、爆豪はあきれたように顔をしかめた。
ステージに上がったオールマイト。グラスを片手にマイクの前に立つ
「―ご紹介にあずかりました、オールマイトです。堅苦しい挨拶は―」
そう演説をし始めた時だった―
『I・アイランド管理システムよりお知らせします。警備システムによりI・エキスポエリアに爆発物が仕掛けられたという情報が入手しました。』
『!?』
突如として大型モニターにエマージェンシーを知らせるマークが表示され、会場だけでなく、島全体に放送が流れるのだった。大型モニターの映像から、島全体に配備されている警備マシンが小さな兵隊のように動き回っているのが写る。
『今から10分後以降の外出者は、警告無く身柄を拘束されます。くれぐれも外出は控えて下さい。また、主な主要施設は警備システムによって、強制的に封鎖します。』
そしてセントラルタワー全体の防火シャッターが次々と閉じられ、出入り口を封鎖されたのだった。