劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第5話

sideダ・ヴィンチ

「(これは…大変な事になってしまったようだ。)」

突然の緊急放送。と同時にパーティー会場にライフルを持った敵が大勢入って来た。そして最後に堂々と仮面をつけた傷の男が現れた。おそらく首謀者…

「聞いたとおりだ。警備システムは俺達が掌握した。反抗しようなどと思うな。そんな事をしたら……警備マシンがこの島にいる善良な人々に牙を剥く事になる。」

『!?』

「(警備システムが仇になってしまったか…警備マシンは常に島全体を徘徊している。そして厳重なシステムなこのタワーで管理している……敵は狡猾のようだ…)」

「やれ」

『なっ!?』

仮面をつけた傷の男がヘッドセットで何か指示した瞬間、床に埋め込めていた『セキュリティ用捕縛装置』が発動し、プロヒーロー全員を拘束してしまった。勿論、オールマイトもだ。

「いか―「動くな!一歩でも動けば即座に住民を殺すぞ」…っ…Shit!」

「いい子だ。」

敵は私含め、人質を取った。打つ手がないオールマイトを敵は蹴り倒し、愉快そうに笑っていた。

「全員、オールマイトを見習って、無駄な抵抗をやめるんだな」

ライフルを持った敵達は銃口を私達に向けてくる。私達はその場に伏せる。

「(さて、どうしたものか…敵達を倒す程度なら問題無いが、人質がある以上、無駄な行動は避けるべき……)二人は大丈夫だろうか…」

私は静かに呟いた。

 

 

side立希

大変な事が起きた。鋭児郎君と爆豪君に連絡が付かず、待っていると警報が鳴り響き、緊急放送が流れ、防火シャッターが次々と閉じられて入り口が塞がれた。

「携帯が圏外だ。情報関係は全て遮断されちまったらしい」

「エレベーターも反応ないよ。」

「マジかよ…」

不安と焦りが来る中、メリッサさんが何か引っかかっているように考えていた

「爆発物が設置されただけで、警備システムが厳戒モードになるなんて…」

「ダ・ヴィンチちゃん曰く、タロタロス並の警備システムをI・アイランドは持っているって聞いた……そんな警備システムを潜り抜けて爆発物を設置できる?」

「だね。仮に仕掛けられたとしても、ここまで厳戒態勢に入る……違和感あるよ」

自分と姉もメリッサさんの疑問に同感した。

「……飯田君、パーティー会場に行こう」

その時緑谷達はそう提案した

「何故だ?」

「会場にはオールマイトが来ているんだ」

「オールマイトが!?」

「なんだ、それなら心配いらねーな」

皆安堵する。自分もだ。平和の象徴がここにいると知るだけで安心が生まれる。

「メリッサさん、どうにかパーティー会場まで行けませんか?」

「非常階段を使えば会場の近くに行けると思うけど…」

「案内、お願いします!」

そう言ってメリッサさんの案内で自分達は動く…

 

 

side立香

―「敵がタワーを占拠、警備システムを掌握。この島の人々が全員人質に取られた。ヒーロー達も全員捕らわれている。危険だ。直ぐにここから逃げなさい」―

非常階段の踊り場で待機していた私達。会場を上から見下ろせる場所まで来た私達は会場内を見るとオールマイト含めプロヒーロー達は拘束され、他の人達は銃口を向けられその場で座っていた。その中にはダ・ヴィンチちゃんもいた。直ぐに耳郎ちゃんの“個性”で事の大きさを知り、言葉を失った。まさかこんな事態になるなんて誰も思わなかった。

「…オールマイトからのメッセージは受け取った。俺は雄英校教師であるオールマイトの言葉に従い、ここから脱出することを提案する」

「飯田さんの意見に賛同しますわ」

飯田君、ヤオモモはここから逃げる事を提案して来た。私達はまだ学生。ヒーロー免許が無ければ敵と戦うわけには行かない…

「脱出して外にいるヒーローに救けを求めるのは…」

「脱出は困難だと思う。ここは敵犯罪者を収容するタルタロスと同じレベルの防災設計で建てられているから…」

「じゃあ救けが来るまで待つしかない…「上鳴、それでいいわけ?」どういう意味だよ?」

「救けに行こうと思わないの?」

「耳郎ちゃん?」

耳郎ちゃんが別意見を提案して来た。

「おいおい、オールマイトまで捕まってんだぞ!オイラ達だけで救けに行くなんて無理すぎだっての!」

峰田君が怯えながら答えた。上鳴君は答えにつまる。

「…俺らはヒーローを目指している。」

「焦凍君…でも保須市の事、忘れてるわけじゃないでしょ?」

「忘れてねぇ…だからって何もしないでいいのか?」

「だけど……」

焦凍君の冷静で、でも熱さが滲んだ声色に私は言葉が詰まった…皆の顔を見れば分かる…救けたいという気持ち。けど「それでいいのか」という葛藤で沈黙していた。

「……救けたい。」

緑谷君の呟きに、全員緑谷君を見る。

「デク君…」

「救けに行きたい。」

真剣な顔で、強い覚悟を持った顔で緑谷君は言った。けど、その言葉に峰田君は反感を持つ。

「敵と戦うのかよ!?USJでコリてないのか!?」

「違うよ。僕は考えてるんだ。敵と戦わず、オールマイトや皆を救ける方法を!」

「き、気持ちはわかるぜ。緑谷…けどそんな都合の良い事…「いや、多分行けるよ。電気君」立希?」

「…何考えてるの?」

今まで黙っていた弟が急に話し出した。何か考えていた仕草をしていたけど…

「メリッサさん、このI・アイランドの警備システムはこのタワーの最上階に?」

「え、ええ。今は敵がシステムを掌握しているけど、認証プロテクトやパスワードは解除されてるはずだから…………あ!」

「何が言いたいのかね?藤丸君?」

「つまり―」

立希は指先を天井に向けて、皆に言う。

「敵の監視を逃れて、最上階まで行ってそのシステムを元に戻せば……皆を救けられる」

『!!』

立希が言った事は不可能な事じゃなかった。この場にいる全員が協力すれば可能な作戦だ。

「成程……システムを則ったとしてもまだ敵達は警備システムの扱いに慣れていない」

「!戦いを回避してシステムを元に戻せますわ!」

焦凍君とヤオモモはどう動けるか頭の中で整理しだす。そして―

「これならイケるんじゃね!?」

「だよね!」

上鳴君と耳郎ちゃんも賛同する。

「ちょっと待ってくれ!上には敵が沢山いる事を忘れていないかね!?」

飯田君がそう言うけど、緑谷君は落ち着いた口調で言う。

「戦う必要は無いんだ。システムさえ戻せば後はオールマイトやプロヒーロー達が解放されて、形勢は一気に逆転するんだ…」

「緑谷君……「デク君!行こう!」麗日くん!?」

麗日ちゃんは自身を奮い立たせるように立ち上がった

「麗日さん!」

「私達に出来る事があるのに、何もしないでいるのは嫌だ!そんなのヒーローになるならない以前の問題だと思う!」

その言葉にほぼ全員が頷く。

「うん!困っている人達を救けよう。人として当たり前の事をしよう!」

「緑谷、俺も行くぜ」

「自分の力で何か出来るなら。」

「ウチも」

「轟君!藤丸君!」

「響香ちゃん!」

笑顔になる緑谷君達に飯田君は毅然と言った。

「これ以上、無理だと判断したら引き返す。その条件なら……俺も行こう!」

「飯田君!」

「そういう事であれば、私も」

「よっしゃ、俺も!」

「八百万さん!」

「上鳴君!」

「え……あ………あーーー!もーーー!わかったよ!行けばいいだろぉおおお!!!」

「峰田君!」

涙を流しながらも峰田君も行く事にした。

「ありがとう!峰田君!」

「一丁やってやろうぜ!峰田!」

「姉は?」

「皆が行くのに私は行かないなんて無いよ……勿論行く。」

「立香ちゃん!」

当然私もだ。

「メリッサさんはどうする?」

「私は…」

メリッサさんは緑谷君に近づく

「メリッサさんはここで待って下さ―「私も行くわ」!!」

真剣は顔できっぱりと言ったメリッサさんに、緑谷君は驚き、心配する。

「で、でもメリッサさんには“個性”が…」

「この中に警備システムの設定変更できる人はいる……?」

「あ……」

一番大事な役目を忘れていた事に上鳴君が気付いた。

「私はアカデミーの学生。役に立てると思う。最上階に行くまでは足手まといにしかならないけど…私にも皆を守らせて………お願い」

「メリッサさん……………」

考え込んでいた緑谷君だったが、メリッサさんの真剣は想いを感じて顔を上げる。

「……分かりました。行きましょう。皆を救けに!」

真剣な緑谷君の後ろで皆が頷く。向けられた同志のような笑顔に、メリッサさんは…

「……ええ!」

顔を綻ばせ、直ぐに表情を引き締めそう答えた。

「私も頑張らないと…」

私も気を引き締める。

 

 

sideダ・ヴィンチ

『―ダ・ヴィンチちゃん!』

「(おや、ようやく交信出来たようだね。無事で何よりだよ、立希君♪)」

身動き取れなくなり、これからどうしようかと思考を巡らせてると、私を『召喚』しているマスターこと、立希君とコンタクト取れる事が出来た。魔力を辿る辺り…この部屋の上にいるみたいだ。

『取り敢えず、自分も姉も無事だよ。そっちは?』

「(うむ。完全に人質として全く動けないよ。いや、動く事は可能さ。今直ぐにでも霊体になって逃げる事は出来るが…私がいない事に気付かれる可能性は高い。)」

『だろうね…だから…今から自分は皆と最上階に行って警備システムを奪還してくる。』

「(へぇ…成程、それが今の最善の策だろう…うむ、頑張って私を、私達を救ってみたまえ。応援してるよ。マスター……いや、ヒーロー♪)」

『うん!絶対助ける!!』

気合十分の返答。彼は、そして彼女は本当に成長し、強くなった…おっとそうだ。

「(それよりも気を付けたまえ。敵はデヴィット・シールドと彼の助手を会場の外へ連れて行った。彼らの救出も頼んだよ)」

『了解!それじゃあ…行ってきます!』

「うむ…行ってらっしゃい……」

彼らの救いが来るまで、私は静かに待つ…

 

 

side三人称

「おまたせ。緑谷君は?」

「まだ会場が見渡せる場所にいる。ダ・ヴィンチちゃんと交信出来た?」

「ん。無事に。これからする事を教えて、喝入れてもらった…ああ、後、デヴィットさんと助手さんが敵と一緒にどこかに連れていかれたって」

「パパが!?どうして…」

「有名な技術者だから…システム関連で何か彼の力が必要…とか?」

「だとしたら早く助けねぇと…」

「お待たせ皆!」

「よし、全員集まったな…」

非常階段にて、緑谷を筆頭に、飯田、轟、立希、上鳴、峰田、麗日、八百万、耳郎、立香が行動を開始する。

「行くぞ!」

『おう!』

作戦開始の密かな鬨の声があがった。

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