劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第7話

side立香

敵は二人、獣に変装した敵と両手を巨大化したのっぽの敵…

「(出し惜しみする余裕なんて無い…だから) 手を貸して!『キャスター』!」

「―戦闘か。なるべくは避けたい行為だが、仕方あるまい」

キャスター、『諸葛孔明―エルメロイ二世―』。メガネとスーツ姿の男性を呼び出す。三国時代に謳われた天才軍師だ。こっちの戦闘能力は十分に高い。なら私は徹底的に二人のサポートに徹する!

「また増えやがった!」

「これ以上好き勝手やらせるか!!」

のっぽの敵からまたガラスのような波動が私達に放たれる。

「「「「っ!」」」」

それと同時に爆豪君は『爆破』で空中に跳び、焦凍君は足元を『氷結』で滑り、私と諸葛孔明は横ステップで回避する。そのまま爆豪君と焦凍君は敵二人に立ち向かう。

「一気呵成に滅ぼしてくれよう。やるぞ、マスター!」

「うん!『スキル』使用!」

「ふむ、ではこうしよう」

私含め、二人に『軍師の忠言』、『軍師の指揮』のスキル使用。これで攻防力を上げる。二人の動きがさっきより俊敏になる。敵の攻撃に臆することなく、逆に敵が攻めあぐねている。

「ハッハー!」

「な、何だこいつら…っ」

「凍れ!!」

「さっきより動きが早い…っ……テメェらの仕業か!」

そう言って敵二人が私と諸葛孔明を睨んでくる。

「つまらん連中だな。他にやる事ないのか?」

「テメェ!!」

「先に潰す!!」

「っ!藤丸!」

「立香!」

先生の挑発で敵2人が私を睨んで来た

「ちょ、孔明先生!煽らないで!」

「計略だ。さっさと動け。来るぞ」

「っ」

獣姿の敵から剛腕が来る。孔明先生からのスキルで身体強化されてるから動きがよく見える。勿論、獣姿の敵の背後から同時攻撃をするのっぽの敵も動きも見えた。

「死ねぇ!!」

「嫌…だっ!」

ラリアット。上半身を反らし、躱す。上半身を反らした勢いでバク転し、バックステップ。するとガラスのような波動が私を通りすぎる。

「あっぶぁ…」

「無視すんじゃねぇ!!」

「うるせぇ!黙ってろ!」

「オラァ!!」

獣姿の敵に追いついた爆豪君は連続で『爆破』を浴びせる。敵も爆豪君を標的に変え、間髪入れず攻撃し、息もつかせぬ攻防が続く。

「ちぃ…なら俺が「させぇねぇ!」!!シャア!」

遠くではのっぽの敵と焦凍君が必至に戦う。足元を『氷結』させてのっぽの敵から来る波動を避けながら、敵めがけて『氷結』を出す。だけどその氷は丸く削られ防がれる。

「成程…奴の見えない攻撃が分かった」

「ホント?孔明先生」

「空間に穴を空けてるわけではない。削り、抉っている。氷が丸く削られているのが証拠だ。」

そう先生が説くと、爆豪君と焦凍君は理解する。

「成程な…」

「そういう事か…っ!」

「さすが先生…」

「つまらんな…おいそこの金髪の少年。さっさとその獣を倒せ。」

「うっせぇ!スーツ野郎!!いつまでもテメーらにかまってられねぇんだよ!!」

そう言って爆豪君は掌で『爆破』を起こし高く跳ぶ。両腕をクロスし敵めがけて急回転しながら突撃していく

「先生!」

「分かっている」

「『榴弾砲・着弾(ハウザー・インパクト)』!!」

『鑑識眼』により更に威力が底上げされた大爆発が獣姿の敵を襲う。直撃を受けた敵はボロボロになって倒れる。

「よくも!」

「(マズイ!) 先生!『宝具』!!」

「物理で殴るだけが戦いじゃない…これぞ大軍師の究極陣地『石兵八陣(かえらずのじん)』!―」

宝具発動。孔明先生が羽扇を仰ぐと同時、のっぽの敵の頭上から孔明先生が自軍の敗走が決まった際に仕掛けておいた伝説上の陣形、『三国志演義』における力の一端。巨岩で構成された『奇門遁甲陣』が降り注がれる。

「―破ってみせるがいい」

「な、何だこれは…!?う、動け……っ」

敵は宝具によって呪いが付与されスタンする。これで爆豪君に攻撃しようとした動作を防ぐことが出来た。そして―

「爆豪君!焦凍君!」

「くたばれぇ!」

「終わりだ!!」

「ガァ!!!」

敵に爆豪君は『爆破』を浴びせ吹き飛ばし、宙に浮いた敵を焦凍君が『氷結』で拘束した。

「最上に近い勝利だが……戦う前に勝つくらいでなければな」

「な、何とか勝てた……」

戦闘終了。緊張が解けて、その場に座る。

「立香!無事か?」

「うん。へーき…それよりも切島君が…燕青!」

「いやーびっくりした。」

「いやぁこの少年の体が壁に喰い込んで取り出すの大変だったよぉ~」

奥から切島君を支えながら燕青がやって来た。見た所無事のようだ。

「切島!」

「取り敢えず怪我無くてよかった。」

「というか…切島君が“個性”解けば簡単に取り出せたんじゃ?」

「「あっそっか」」

私がそう指摘すると、二人は納得する声を出す。

「……アホか」

「えぇ…」

何か抜けてるなぁ……

「……あんがとよ……」

「(あ、デレた)」

「んだよ、らしくねぇ!気にすんな!」

「してねぇわ!」

いつもの調子に戻る爆豪君と切島君。

「先生もお疲れ様。」

「そうか。無事を祈るとしよう」

一息付いて、孔明先生だけを帰らせた。魔力が消費され、少し疲労感が来るけど我慢する。

「マスター、俺はどうする?」

「まだもう少しいて。」

「あいよぉ」

「よし、緑谷達を追うぞ」

「命令すんな!」

「轟、藤丸、詳しく教えてくれ!」

私達は走り始める。そう言えば二人はワケも大して分からないまま巻き込まれてたか……そんな時

【ピピピピ!】

『!』

前方から機械音。プラントの壁から押し出されるように、大量の警備マシンが現れる。

「奴ら…本気になったようだな…」

「(ここから正念場……立希達は上手く行ってるか……)」

兎に角目の前に集中して突破しないと……っ!

 

 

side立希

耳郎さんに周囲の音を確認してもらいながら上へと上がる。そしてたどり着いたのはI・アイランドの頭脳とも言えるサーバールーム…

【ピピピピ!】

『!』

サーバールームに入った途端、大量の警備マシンが現れる。

「くっ……罠か!」

「突破しよう!飯田君!」

「待って!ここのサーバーに被害が出たら、警備システムにも影響が…」

メリッサさんが慌てて止めに入る。確かにさっきの緑谷君の超パワーで暴れたら被害が出る…別の方法を考えるが通路を埋め尽くす程警備マシンがゆっくりと来る…

「警備マシンは私達が食い止めますわ!」

八百万さんは屈み、背中から武器を創造しだす。八百万さんを始め飯田君、峰田君、麗日さんが構える。

「緑谷君!メリッサさんを連れて別のルートを探すんだ!」

「メリッサさん、お願いします!」

駆け出し始める緑谷君と後を追うメリッサさん。

「お茶子さんも一緒に来て!」

「え、でも!」

何か閃いたメリッサさんが麗日さんを呼び止める。警備マシンを食い止めようと気合入れていた。

「頼む!麗日くん!」

飯田君の喝で麗日さんも先に行く。メリッサさんの思考は分からない…けど麗日さんが必要なら彼女を守ったほうがいい…

「飯田君!自分も先に行く!!」

「!…ああ!ここは任せてくれ!!」

少し遅れて自分も走る。

「藤丸君!」

「自分も行くよ!」

「ありがとう!立希君!」

メリッサさんの案内で180階まで駆け上がる。そして緑谷君が扉を破壊した場所は屋上だった。

「ここは…」

「風力発電システムよ。」

上を見上げると大量に風力発電のプロペラが設置されていた。

「どうしてここに…」

「タワー内は警備マシンが待ち構えているはず…だからここから一気に上層部へ向かうの!ホラあそこに非常口がある!」

「あんなところまで…」

「成程、麗日さんの“個性”で浮かして一気に飛ぶ…という事だね?メリッサさん。」

「…ええ…」

毅然とした顔の下で胸に置かれた拳を振るわせながらも頷くメリッサさん…それを見た麗日さんは覚悟を受け入れる。

「うん!任せて!メリッサさん、デク君に捕まって!」

「それなら…自分は麗日さんの邪魔が入らないよう、警備するよ」

麗日さんはメリッサさんと、メリッサさんを背負った緑谷君に触れ、『無重力』にし、浮かす。

「いっけー!」

ゆっくりと、エレベーターの柱に沿うように上昇していく緑谷君とメリッサさん。順調…という時だ。

【ピピピピ!】

「「!」」

少し離れた所から警備マシンが大量に来た。

「っ…飯田君―「麗日さんは“個性”に集中!自分が食い止める!」藤丸君!?」

八百万さんに創造してもらった棒を構え、警備マシンの軍勢に特攻する。

「ハアッ!!」

警備マシン一体に突きを放ち、棒を喰い込ませる。

「どっせい!!」

そのまま他の警備マシンを薙ぎ払う。重心が棒の先端に偏ったため威力充分だ。

「数が…多い…っ!」

何とか警備マシンを棒で叩き壊し続けるが…

【ピピピ!】

「っ!!」

遂に、数体の警備マシンが麗日さんの方に行ってしまう。戻ろうにも自分の周囲に警備マシンが囲み、行く手を阻んでくる。

「邪魔っ……麗日さん!!」

「麗日さん!」

「“個性”を解除して逃げて!」

「できひん!そんなことしたら、皆救けなくなる!」

個性無しで戦うつもりだ。自分の周りにいる警備マシンをなぎ倒して麗日さんの所に戻りたいけど…数が多すぎる!

「早く…早く!!」

警備マシンが一斉に麗日さんに襲い掛かる…

「(ここで出すしかない!) 来てく「死ねぇええ!!」!爆豪君!?」

“個性”発動させようとした時、麗日さんに襲い掛かって来た警備マシンの横から爆豪君が『爆破』した。

「かっちゃん!?」

「という事は―「何やってんのバカ弟!」「殴り合いと行こうかぁ」姉!燕青!」

「怪我はねーか、麗日!」

「大丈夫か!那月希!!」

「轟君!切島君!」

爆豪君に続いて姉と燕青、焦凍君に鋭児郎君と駆け付けて来た。

「よかった無事で…今麗日さんがメリッサさんと緑谷君を浮かして最上階に向かってる!」

「ああ、見えていた!ここでこいつらを足止めするぞ!」

「うん!」

「あいよぉ!」

「俺に命令すんじゃねぇ!」

「でもコンビネーションはいいんだよな!」

「誰が!」

一気に形勢逆転。『氷結』、『英霊召喚』、『硬化』に『爆破』。大量にいた警備マシンは次々と破壊される。

「うわぁああああ!!!」

「!緑谷君!!メリッサさん!!」

上空に浮いていた二人が強風で煽られた。マズイ!自分は見渡す。視界に焦凍君、爆豪君、そしてプロペラ。

「焦凍君!『炎』の準備!爆豪君!プロペラを緑谷君達の方向に破壊!」

「っ!分かった!」

「命令すんじゃねぇ!!」

「行くよ!!」

「くたばれぇ!!」

そう言い返されながらも、自分が振るった棒の先端に爆豪君は乗って、プロペラの根元まで蹴り跳び、『爆破』でプロペラの角度を変える。

「行け!」

それと同時に焦凍君がそのプロペラに向けて『炎』を放ち、熱風を緑谷とメリッサさんを向け、一気に上昇させる。

「よし!」

その後壁に激突しそうなる緑谷君だが、持ち前の『身体強化』した拳で壁を破壊し、無事最上階へと入る。

「(まだ終わらない…) 麗日さん!まだ浮かせられる!?」

「大…丈夫!」

「じゃあ自分を浮かせてくれない!?姉!」

「何?……オッケー!燕青!!手伝って!」

「よし来た」

「いいよ!」

麗日さんは自分を『無重力』で浮かしてもらう。そして―

「行ってこい!!」

「うおっと!」

軽くなった自分、そんな自分の腕を姉が掴んで投げ、投げた所には跳躍して空中にいた青燕が―

「ハッ!」

「んぐ!」

―自分に掌底を放ち、加速して急上昇。緑谷君が破壊した所に行く。

「やめて!」

「っ!」

前を向くと緑谷君が落ちそうになり、敵の一人がメリッサさんを殴り飛ばしていた。更に追い打ちを…

「止めろぉ!!」

「『SMASH』!!」

「なっ―ぐべら!?」

持っていた棒で敵を殴る。更に復帰した緑谷君の拳も来て、敵は気絶する。

「デク君…立希君…!」

「無事で?」

「腕を…すみません…守れなくて…」

腕から血を流すメリッサさんにハンカチで手当てする緑谷君。

「ありがとうでしょ?」

凛と微笑んでくるメリッサさん。改めて、彼女は強い心の持ち主だなと思う。

「行こう緑谷君。メリッサさん。」

「ええ…皆を救けに!」

「うん!」

自分達は立ち止まらない。

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