劇場版 僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side立希
「来たぞ!」
「撃て撃て!撃ちまくれ!!」
最上階に近づくほど、敵が多くいる。ライフルで連射してくる。
「っ!」
「メリッサさん下がって!!」
自分はメリッサさんの前に立ち、棒を高速回転させて銃弾を弾いて防ぐ。
「『SMASH』!!」
「「ぐぁ!!」」
その隙に緑谷君が特攻して敵を倒してもらう。
「ふぅ……もうこの棒は使えない……か」
銃弾を弾いたおかげでボロボロだ。仕方がないから捨てる
「着いた!」
そして遂に、200階へと足を踏み入れる。でも目的の場所に近づくほど危険も大きくなる。自分達は周囲を確認しながら慎重に移動する。
「制御ルームは?」
「中央エレベーターの前よ」
一気に通路の角まで走り、周囲を見渡すと…どこかへの入り口が開いていた。そこにいたのは―
「パパ…?」
「え、デヴィットさん?」
「本当だ…!」
その場所は保管室と書かれていた。その部屋で懸命にコンソールを操作しているデヴィットさんと助手さんがいた。
「何でここに…」
「もしかして敵に脅されて何かをさせられている……とか?」
「だったら救けないと!」
自分達は直ぐに保管室へ向かった…
とんでもない事を…自分、緑谷君、そしてメリッサさんは聞いた。
「パパ……どういう事……」
「メ、メリッサ……!」
「お嬢さん、どうしてここに…」
信じられない面持ちで自分達をみるデヴィットさんと助手さん。それは自分達も同様に息を飲む。
―「プラン通りですね。敵達も上手くやっているみたいです。」―
―「ああ、ありがとう。彼らを手配してくれた君のおかげだ」―
大きなアタッシュケースを取り出して会話した二人だった。
「この事件…パパが仕組んだの?」
「………そうだ…」
「「なっ!?」」
この事件の犯人がデヴィットさんだという事に自分と緑谷君は驚愕。メリッサさんは信じられないという顔だった。
「なんで……どうして!!」
「博士は…奪われたものを取り返しただけです!この画期的な発明品を!!」
アタッシュケースを抱えた助手さんが力説して来た。アタッシュケースに入っている発明品は…『“個性”を増幅させる装置』だった。薬品とは違い、人体に影響を与えずに“個性”を増幅させることが出来る…けど超人社会においてこの研究は恐れられ、各国政府に圧力が掛けられ研究そのものが凍結されたのだった…その研究はデヴィットさんにとって使命のように大切なものだった。どうにかして取り返したい…それがこの結果だった。
「っ…その研究を取り返す為にわざわざ敵を呼んでこんな大事にさせたのか!!」
「そんな…嘘でしょ……パパ!!」
「……嘘ではない」
「こんなのおかしいわ……」
「メリッサさん…」
「私の知ってるパパは、絶対そんなことしない!なのに……どうして…どうして……」
メリッサさんの悲しみと怒りが混じった声で叫ぶ。デヴィットさんは苦しげに顔を歪める。
「………オールマイトの為だ」
「「「!」」」
「お前たちは知らないだろうが……彼の“個性”は消えかかっている……」
「えっ!?」
「「!!」」
突然の真実に自分は驚いた。二人も目を見開いていた。デヴィットさんはその装置を使い、全盛期の力を持ったオールマイトに戻したいという願いだった。
「(デヴィットさんは親友の為に…平和の象徴を守る為に…その研究に力を尽くしていた……けど…) 違う…それは間違ってる!!」
「藤丸君…」
「立希君…」
自分は否定する。そんな自分にデヴィットさんは睨んで来た。
「煩い!!子供が!私のこの気持ちを理解できるわけがない!!」
「ええ!出来ない!でもそれはアンタも同じだ!オールマイトがその装置を知って使ってくれると思ってるのか!?平和の象徴がそんな装置一つで復活するなんて無理だ!!何よりっ!……オールマイトが悲しいでしょ…デヴィットさんはオールマイトの気持ちを理解してるんですか…?」
「藤丸君……」
「っ………頼む……オールマイトにこの装置を渡させてくれ!!もう作り直している時間はないんだ!その後でなら!私はどんな罰でも……受ける覚悟を―「命がけだった……」……っ!」
デヴィットさんの言葉を遮ったメリッサさん。その顔には怒りが籠っていた。そしてハンカチで隠していた傷を見せる。
「捕らわれた人達を救けようと、デク君やクラスメイトの皆が!ここに来るまでどんな目にあったと思ってるの!?」
「…?ど、どういう……事だ?」
「(ん?)」
何故かデヴィットさんは困惑していた。
「敵は…『偽物』…全ては芝居のはず……」
そう言って助手さんを見る。助手さんは…顔を反らし―
「まさか―「もちろん芝居をしてたぜ。『偽物の敵』という芝居をな」なっ…ガッ!?」
「藤丸君!!」
背後から声が聞こえた。振り向くと同時に体に衝撃が走る。
「っ!?」
壁に激突したと思ったら今度は体が動かない。反射的に閉じた目を開くと、自分の体に『鉄』が巻き疲れ、壁と同化していた。
「何……が……「デク君!!」!」
「ぐっ……!!」
奥を見ると緑谷君も今の自分と同じ状態になっていた。背後から現れた敵は二人。機械の付いたメガネをかけた男性と、仮面をつけ傷のついた男性。鉄扉に触れると生物のように手すりが動いていた。
「(敵の“個性”は……『金属操作』!くそっ首に巻き付いて……) ……っ」
「少し大人しくしていろ。サム、装置は?」
「こ、ここに…」
「サム!?」
デヴィッドさんの助手さんは装置が入ってあるアタッシュケースを敵に渡した。
「まさか……最初から敵に装置を渡すつもりで……!!」
「だ、騙したのはあなたですよ……長年貴方に仕えていたというのに……せめてお金ぐらい貰わないと…割に合わない…」
「(騙されていたのはデヴィットさんもだったのか!!そして…本当の敵はアイツ!!)」
「約束の謝礼だ」
「ぐあ!!?」
『!!』
仮面の敵は助手さんの肩を銃で撃った。そのままアタッシュケースだけを持つ。
「サムさん!!」
「な、なぜ……約束が違う!!」
「約束?忘れたなぁ~」
愉快そうに敵は助手さんに銃口を向けて笑っていた。その声にザワザワと怒りがこみ上げる。
「(助手さんの計画もまた…敵に利用されていた……っ……) ヴィ……ラン……っ!!」
「ぐ……そ……ぉ……!!」
自分と緑谷君はもがく。だけどそう簡単に解けない。『英霊召喚』しようにも鉄筋が首に巻き付いて声が中々発せない…っ
「謝礼はコレだ」
『!!』
躊躇せずに敵は助手さんを撃った……だけどその銃弾は……
「ぐっ!!」
「パパ!!」
デヴィットさんに当たった。助手さんを庇ったのだった。凶弾にデヴィットさんは倒れ、メリッサさんが叫ぶ
「に、逃げろ……」
「パパ!「来るな!!」ああっ!!」
「メリッサ!」
「(メリッサさん!!) く……そ……っ!」
デヴィットさんに駆け寄るメリッサさんを敵は銃の底で殴り飛ばす。早く拘束を解かないと!!これ以上怪我人を出すわけにはいかない!!
「今更ヒーロー気取りか…無駄だな。どんな理由があろうとお前は悪事に手を染めた。俺達が偽物だろうが本物だろうがお前の犯した罪は消えない。敵の闇落ちていく一方さ……ま、今のお前は俺の下でその装置を量産することぐらいだ……連れてけ」
「はい」
メガネをかけてた敵に指示をだし、デヴィットさんを連行しようと動いた。
「返して……」
「ん?」
「(メリッサさん!)」
「パパを……返して……!!」
這いずりながらも叫んだ。恐怖で震える体を叱咤して…けど敵は下衆な笑みで銃口をメリッサさんに…
「そうだな…博士の未練は……断ち切っておかないとな!!」
「や゛め゛ろ゛お゛ぉーー!!」
「っ……『ランサー』ぁああ!!!」
side三人称
「『SMASH』!!!」
「ちぃ!」
渾身の力で緑谷は鉄の拘束を外し、弾丸のように真っ直ぐ敵に向かう。仮面の敵は緑谷を見て舌打ちをし、“個性”で『鉄壁』を精製し防御する。
「―夏の魔物がっ、目を覚ましたのですっ!ってままま、マスター!?そのお姿は何事でして!?」
立希は『召喚』にてランサー、『玉藻の前(水着)』を呼び出す。普段のキャスター姿ではなく、麦わら帽子をかぶり水着に白Tシャツを着て、折りたたんだパラソルを装備した狐娘となっている。
「(説明後で!拘束解いて!)」
「あいあいさー!コンコンっと!」
札を数枚取り出し、那月希を拘束していた鉄棒を断ち切り、拘束を外す。立希はそのままメリッサの所へ行く。
「メリッサさん!デヴィットさんは緑谷君に任せて自分達は皆を!!」
「でも…デク君は…「藤丸君の言う通り!!ここは僕が!!」……っ!」
立希、緑谷君の声でメリッサは立ち上がり、急いでここを出る。
「逃がすな!」
「玉藻!『宝具』!!」
「了か―「ジャッジメントの時間だゼ☆」なっ!?」
仮面の敵の指示で自分達を捕えようとしてきた敵。だけどそれよりも早く立希は玉藻に命令する。
「言い逃れは聞きませんわ。浮気移り気デートに遅刻、狐は丸っとお見通し。いざ受けやがれ、『日除傘寵愛一神』!」
「ギャアアアアアア!!!!」
玉藻の宝具によって、敵は玉藻の蹴りを何度も食らい、最後の飛び蹴りが放った爆風で吹っ飛び気絶する。その間に立希とメリッサは保管室から出る。
「見ていて下さいました、マスター?っていない!?もーっ!玉藻ちゃんペントハウス戻りますぅ~!「それ止めて!後でご褒美あげるから緑谷君のサポートをして!!」ななな、なんとぉ!!まさにぃ?さまー?ばけいしょんっ!」
立希の言葉でテンションが上がる玉藻。そのまま緑谷に加勢し、仮面の敵を足止めする。
「ちっ…役立たずが…「ここは行かせない!」「参りま~す♪」調子に乗るな!!」
「ここよ!」
「やっと着いた…!」
二人が敵を足止めしている内に、立希とメリッサは廊下を走り、遂に目的地にたどり着く。制御ルームにある警備システムをメリッサは素早く、正確にキーボードを操作し再設定する。すると非常事態を現していたモニターが次々と正常に戻っていく。
「よし…いける!」
「これで…システムが正常に……っ!?」
「メリッサさん?どうし―【警告!警告!】一体何!?」
【登録されてない者がシステム操作中。ただちに中止!ただちに中止せよ!】
「そんな…敵が使用者権限を変えたの!?」
ここまで来て追い打ちが来た。緑色になりつつあった画面が再び赤色に変わっていく
「どうしよう…今の私の技術で直すことは…「大丈夫」立希君…」
「さっき外部から接続する場所見つけた。なら…『ムーンキャンサー』」
3体目の『召喚』。少し立希はぐらつく
「―はぁ~い呼ばれて飛び出てBBちゃんでーす♪っておやぁ~センパイ大丈夫ですか~?魔力消費ですぅ?」
ムーンキャンサー、『BB』を呼び出す。袖付きの黒いマントを着用した紫の長髪女性。ムーンセルの管理下から外れて暴走した上級AIだ。
「ちょっと今3体同時『召喚』してるから…BBちゃん、この警備システムを再設定して欲しいんだけど…出来る?」
「んふふ♪BBちゃんはなんでもできる、ラスボス系後輩なのです♡見ていてくださいね?センパイ♪」
BBはそう言って外部から接続する場所に指を触れると光の粒子となり消える。
「え!?あの女性は何処に―【こっこでぇーす!】えぇ!?」
メリッサはモニターにBBが写っている状態に驚く。
【さぁさぁセンパイ♪やっちゃってもいいですかぁ~?】
「まぁ…程々に…『宝具』許可」
【行きますよ、セ・ン・パ・イ】
BBはムーンセルの力を引き出し、無敵のナース姿に変わる。
【BB~チャンネル!これはいけません!ですがご安心を。BBちゃんにお任せです!絶対回復、『C.C.C. (カースド・キューピッド・クレンザー)』!ふふっ。お注射、痛かったですか?】
そのまま自分の領域である虚数空間から悪性情報を引き出し、周囲のチャンネル(共通認識覚) をカオスなものに上書き。システムの『核』にBBが取り出した巨大注射器を突き刺し液体注入。爆発する映像が出る。
【システムオールグリーン♪】
「やった!すごいわ!」
「ふぅ…」
非常事態の文字が消え、次々とシステムが正常に戻る。そして遂にタワー内の照明が復帰し、閉じられていた防火シャッターも隔壁も開く。
「やった!」
「流石です!」
「ちっ、警備システムを戻したのか!」
保管室にも明かりがつき、憎々しげに仮面の敵は立ち上がり、緑谷と玉藻に『鉄柱』の雨を降り注がせ、その場から逃げる様に移動する。
【I・アイランドの警備システムは通常モードになりましたー♪皆さん安心してお休みなさいませ♪】
島内全域に徘徊していた警備マシン達が次々に正常に戻り、撤収していく。通信妨害も無くなりネットも通信も使えるようになる。
「携帯つながるぞ!」
「爆弾見つかったようだな。」
島内にいる人達は一安心する…
「てかこの画面に映ってる女性誰だ?」
「何か可愛くね?」
「この島のイメージキャラクターとか?」
side立香
「!?何だ…」
風力発電エリアにて、突然大量の警備マシンは停止する。
「止まった……?」
「多分…立希達が警備システムを戻したんだよ……はぁ…はぁ…」
「そろそろマスターが疲弊してるし、俺は退散するとするかねぇ…そいじゃぁ」
「うん…ありがとう……燕青……ふぅ……」
ギリギリだった。数に押され崖ギリギリまで追い詰められた。
「大分息が上がってるな…大丈夫か立香?」
「消費が激しいからね…後、召喚は一回分だけ残ってるから……大丈夫。」
と言っても実は令呪を一画使用。『私達を本気で守れ』と指示し、大量の警備マシンを燕青がほぼ一人で対応してもらっていた。少しでも、皆を休ませてまだあるだろう戦いに備えてもらうために…召喚しても微量ずつ魔力が消費されるから少しでも残すため燕青を退却させる。
「でもデク君達がやってくれたんだよ!」
「だな!」
「おーい!麗日くん!皆ー!!」
「飯田君!無事だったんだ!」
ここで飯田君達と合流。お互い戦闘して衣装がボロボロ……
「緑谷君達がやってくれたんだな!」
「ギリギリだった…ウチらさっきまで警備マシンに捕まってて…」
「マジかよ…でもよぉ…」
「まだ終わってねぇぞ…クソ敵どもをまだ倒してねぇ!!」
「ああ…行こう。」
「うん!」
私達は最上階へと急ぐ…