マッチョトレーナーがこの先生きのこるには《完結》   作:とらんらん

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今回のチャンミは何とかグレードA決勝に行けました。


38話 何かやる時は周りにも注意しておこう

「なあ」

「ん? どうしたの?」

 

 生徒たちが行き交う学園のエントランスをプラプラと歩きながら、隣のフジに話しかける。色々とあった結果、ただいまフジと学園内を適当に散歩中だ。そんな中、割と最初から浮かんでいた疑問を、今更ながらに口に出す。

 

「今の状況って本当に取材を受けてる最中でいいのか?」

「うーん……」

 

 若干困ったように唸るフジを視界に入れつつも、チラリと後方に目を向ける。そこには俺たちの数メートル後方で、カメラを構えつつ俺たちを食い入るように見つめている漫画家先生の姿があった。

 

「大丈夫です。いつでもいい絵が取れるようにスタンバってます」

「そうらしいよ?」

「ゆーて傍目から見りゃ、トレーナーとその担当の後ろを部外者がカメラ持ってつけ回してる異様な光景だからな? すれ違った生徒が漫画家先生見て不審者を見る目してたぞ」

「うーん、学内デートをする私たちの後ろを芝野さんが付いてきてるしね。堂々とした出歯亀かな?」

「酷くないですか?」

 

 やりたいことは分からんでもないが、絵面がヤバいんだよ。自覚しろ。

 

「でも20分位観察してますけど、二人で普通にお喋りしながら歩いてるだけですよね。絵が非常に地味なんですけど……」

「派手な護衛ってなんだよ」

「こう……映画とかドラマのSPみたいに無線で色々な所と連絡を取り合ったり、危ない所に行くときは先頭に立って護衛対象を守ろうとしたり」

「んな、あからさまな事出来る訳ねぇだろ」

 

 んな事やったら、一発でフジにバレるわ。

 

「脅迫状の時は私に知られないようにしてたしね」

「中身が中身だからな。諸々のデメリットを考えると流石に本人には言えん」

「そういう制限がある中でトレーナーさんは私を守ろうとしていたんだよね」

「……でもこれって、ただ単に普通に二人一緒に歩いてるだけなんですけど?」

「側にいりゃ突発的な事にも直ぐに対処出来るからいいだろうが」

「それにただ単純に私の側にいる訳じゃないんですよ? よく観察しないと分からないかもしれないですけど、トレーナーさんの目が不自然にならない範囲であちこち動いてますし」

「あの時の護衛の実演だからな。そりゃこんくらいやる」

 

 これでもリクエストにはちゃんと答えてるぞ。だが丁寧に説明を受けても漫画家先生はまだ不満があるようだ。

 

「……理屈は分かりましたけど、これを漫画に落とし込んでも絵にならなそうですよ」

「俺に文句言われても困るんだが?」

 

 それを何とかするのがテメェの仕事だろ。

 我儘なクライアントにため息を吐いていると、不意に誰かが俺たちに近づいてくる気配を感じ取る。そちらに目を向けると見慣れない鹿毛のウマ娘が俺たち、正確にはフジに向けて小走りに駆け寄ってくるのが目に入った。

 

「フジ寮長!」

「やあ、こんにちは。どうしたのかな?」

「すみません、少し時間ありますか?」

「うーんゴメンね。今は取材を受けてる最中だから、余り長くは時間を取れないかな」

「取材?」

「今はトレーナーと一緒に実演中でね。この人が取材をしている漫画家さんだよ」

「漫画家の芝野です」

「芝野……?」

「えっと、今は『ターフを繋ぐ絆』って漫画を描いてます」

「………………………………………………………………あー」

「反応薄」

 

 気持ちは分からんでもないがやめたれよ。漫画家先生地味に凹んでるし……。

 

「後ろの人はともかく、時間が長くとれないなら用件だけ。来週の日曜日に、ファンクラブ主催のお茶会があるんですけど、フジ寮長もどうですか?」

「来週の日曜日なら空いてるね。ぜひ参加させてもらうよ」

「ありがとうございます! それじゃあ失礼します!」

 

 頭を下げて駆けていく鹿毛ウマ娘。それを見送りつつ、漫画家先生に声を掛ける。

 

「ほれ、ちょうど面白い絵が来たじゃねーか」

「確かに今のシーンは使えそうですけど、作中の人気キャラじゃないと使えなさそうですよね。一応ネタにはなりますけど、使う機会があるかどうか……」

「あー……」

 

 曖昧に頷く。打ち切られて使う機会がないかもな、なんて流石に言えんし。

そんな風に駄弁ってたら、フジが口を挟んできた。

 

「うーん、このまま取材してても芝野さんが何も得るものがなさそうだね。……それなら本来の目的とは逸れちゃうけど、定番シチュエーションの実演でもいかがですか?」

「定番シチュエーションですか?」

「恋愛漫画の定番シチュって事は俺も協力するやつか」

「うん。芝野さん、どうでしょうか?」

「……フジキセキさんの言う通り、このままお二人の後を着いて行っても絵になりませんね。ではお言葉に甘えて、そちらも取材させていただきます」

「分かりました。それじゃあ会場に行こっか」

 

 という訳で、フジに連れられてグラウンドへ移動。生徒たちのトレーニングの邪魔にならないようにグラウンドの隅っこに集結している。

 

「練習シーンで起きる定番シチュエーションですか。これならすぐに使えそうですね」

「で、何やんだ? グラウンドの定番シチュだと結構バリエーションがあるぞ?」

 

 そういうのに詳しくはないが、そんな俺でも定番シチュが何個か思い浮かぶくらいバリエーションがあるからな。そんな質問に、フジは微笑みながら返した。

 

「折角だし最初は定番中の定番で、『怪我をした主人公がトレーナーにお姫様抱っこで運んでもらう』なんてどうですか?」

「レース系少女漫画の王道中の王道シチュエーションですか! いいですね!」

「王道中の王道って逆に使われないイメージがあるんだが、今の漫画でも使ってるのか?」

「多少アレンジして使われてるんですよ」

「へー」

 

 そんなもんなのか。まあそれだけ人気のあるシチュなんだろうな。ただこれさぁ……。

 

「フジ、このチョイスはワザとだろ」

「ふふ、分かっちゃった?」

「流石にな」

「えっ? ……あ、もしかして実際にやったことがあったりします!?」

「はい」

 

 躊躇いなくぶっちゃけちゃったよこの子。案の定それに漫画家先生が思いっきり食いついてきた。

 

「どういう状況でやりました!?」

「あれはクラシック期の夏合宿前に少し足を捻った事があったんです」

「何事もなかったからよかったが、ありゃマジで焦ったぞ……」

「是非、再現をお願いします!」

「いいですよ。それじゃあトレーナーさん」

「あいよ」

 

 漫画家先生はこの様子だとどうせ断っても全力で拝み倒してきそうだし、何よりもフジがノリノリなもんだからもう止まらない。諦めて流れに乗ろうか。

 

「それじゃあ行くよ。――痛!」

「どうし――足か!」

「……大丈夫、ちょっと足を捻っただけだから」

「アホか、そのまま座ってじっとしてろ!」

 

 その場に座り込むフジの側に駆け寄り足を確認。……段々当時の事を思い出してきた。そういえばあの時も見た目は何もなかったな。

 

「少し動かすぞ」

「うっ……」

「左足首か。すぐ固定する」

 

 腰のポーチからいつも持ち歩いている救急セットを取り出し、手早く左足首に包帯を巻いて足首が動かないように固定。だがこれはあくまでも応急処置だ。一刻も早く保健室に運び込むべく、フジを抱え上げる。

 

「わわっ!?」

「直ぐに保健室まで運ぶ! 舌噛むなよ!」

「ちょっ、トレーナーさん!?」

 

 慌てるフジを無視してそのまま全力でダッシュ! そのまま保健室まで駆け込む――訳もなく、20メートル位走った所でUターン。そのまま小走りで漫画家先生の所まで帰還する。

 

「確かこんな感じだったよな、フジ」

「そうだね。あの後保健室まで凄いスピードで連れて行ってもらったよ」

「時期が時期だったからな」

 

 かなり無茶をしてた時期の怪我だったから、今でも覚えてるぞ。そんな思い出に浸りながら、なぜか呆然としている漫画家先生に振り替える。

 

「んで、今のを見た感想は?」

「早業……」

「そっちかよ」

 

 思わずツッコミを入れちまった。恋愛漫画の取材でその感想はどうなんだ?

 

「あっという間に怪我の処置をして、凄い速さでフジキセキさんを連れて行っちゃいましたね」

「トレーナーさんは応急処置が上手いしね」

「ゆーて俺以外でもあれくらいは出来るぞ」

 

 トレーナーにとって応急処置技術は必須技能だし。まあスピードについては、慣れてる俺に分があるが。

 

「なんというか、恋愛ドラマのワンシーンを期待していたら、医療ドラマで主人公が事故に遭遇したシーンを見せられた気分になりました」

「そりゃ、担当バの怪我なんざトレーナーからすりゃ顔真っ青になる案件だからな?」

「私たち競争バとしても、よっぽど軽いならともかく、怪我をしたときはそっちに注意が向くしね」

「フィクションと現実の違いってやつですか……」

 

 普通に考えて、怪我した状況でロマンスなんて出来んわな。

 

「ついでに言っとくが、こうやって抱き上げて保健室までダッシュってのも、トレーナーにフィジカルがないと出来ないからな?」

「そもそもお姫様抱っこなんて、ウマ娘でもないと大変だしね」

「あ、そこはフィクションのお約束という事で気にしなくて大丈夫です。というより、リアルでこのシチュエーションを出来るヒトなんて初めて見ました」

「トレーナーさんだしね」

「マッチョ舐めんな」

 

 普段から身体を鍛えておけば小娘一人運ぶなんざ余裕よ。

 そんな感じで駄弁っていると、

 

「よおトレーナー。アンタら何やってんだ?」

 

不意に後ろから聞き慣れた声が耳に響く。振り返るとそこにはどこか呆れ顔のシリウスの姿があった。

 

「シリウスか。どうした?」

「そりゃ私のセリフだ。何がどうなって、こんな所で寮長サマをお姫様抱っこなんざしてんだ?」

「あー……漫画家の取材に付き合った結果だな」

「うん、取材のための実演だよ?」

「さっきのシーンは私も見てたが、普通は終わったらお姫様は降ろすもんじゃないのか?」

「それな。俺も降ろそうとしてんだが、思いっきりしがみつかれてて離れないんよ」

「こんな機会なんて滅多にないし堪能しないとね」

 

 やっぱりそれが狙いだったか。

 

「……取材にかこつけて公開プレイとは、寮長サマもいい性格してんな」

「え、公開プレイ? ……あっ!?」

 

 漫画家先生も周囲を見渡してようやく気付いたようだ。俺たちの周囲には、生徒やらトレーナーやら事務員やらと野次馬が集まってきてるんよ。具体的には俺がダッシュし終えた辺りから。そりゃあんな派手な事やってたら、周りが興味を持つのも当たり前だ。

 

「どうしましょう……」

「場所変えるか?」

 

漫画家先生もやや気後れしてるし、一度仕切り直した方がいいだろう。……だが根っからのエンターテイナーは、違ったようだ。

 

「うーん、折角ギャラリーも集まってるし、恋愛漫画の再現ショーなんて面白いんじゃないかな?」

「え!」

「ちょ、おま……!」

 

 フジの継続宣言に、ギャラリーから歓喜と狼狽の二種類の悲鳴が上がった。内訳? 歓喜してるのは当然生徒で、慌ててるのがトレーナーだ。

遥か昔からクソヤバワードが流行ってるトレセン学園で、んな事やった日にゃ碌な事にならなないし、阻止しにゃならん。

 

「よーし、ちょっと待――」

「いいんですか?」

「構いませんよ。それに練習シーンの定番シチュエーションはまだ一個しかやってませんから、取材としては足りないでしょうし」

「でしたらよろしくお願いします!」

「――うーん、全力スルー……」

「諦めな。こうなった寮長サマは止まらないぜ」

 

 俺が止める前に漫画家先生がフジに乗っかっちゃったよ……。お陰でギャラリーから黄色い悲鳴と野太い悲痛な叫びが上がってやがるし。

 

「さあトレーナーさん、一緒に頑張ろう!」

 

 対する仕掛け人は腕の中でスッゴイいい笑顔で俺に語り掛けていた。

 

 

 

――以下ダイジェスト!

 

〇飲み物を間違えて間接キス編

「――あっ、ゴメン。自分のやつと間違えちゃった」

「あー、気にすんな。それ俺の飲みかけだから、嫌だったら捨てても構わんよ」

「それじゃあ遠慮なく頂くよ」

「お、おう。即答か……」

「んー、でもそうなるとトレーナーさんのドリンクがなくなっちゃうよね。それじゃあ代わりに私のドリンクを上げるね」

「それお前の飲みかけじゃねーか……」

 

「スッゴイ剛速球!」

「あー、アイツならそうするわな」

「あれ素なんですか!?」

 

「お互いに間接キス! いいわね……!」

「でもここまで攻めるのは、結構勇気がいるよね。私だったら恥ずかしくて、あそこまで出来ないよ」

「確かに……」

 

「フジキセキの攻めがエグイ……。あんなのやれる奴なんてそうそういないぞ」

「流石に今のシチュは仕掛ける側が恥ずかしいし、真似する奴はいなさそうだな」

「いや油断は出来ないぞ。鋼メンタルの奴か覚悟を決めたウマ娘がこれをしてくるかもしれん」

「つまりこれやってきたら、相手が覚悟決めて仕掛けてきたって合図か?」

「……要注意だな」

 

 

 

〇二人で資料を見てみよう編

「今度はこう……もうちょっと私の漫画の主人公でも出来そうなネタでお願いします」

「さっきのはライバルキャラ辺りがやってそうなアピールだったよな」

「ライバルキャラは酷くないかなシリウス。でも確かにさっきは私の色が出過ぎてたね。それじゃあ今度は主人公に寄せてみるよ」

「次はベンチに二人で座って一緒に資料を読みながら相談、だったか?」

「うん。それじゃあいくよ。――トレーナーさん。今の走りはどうでしたか!?」

「口調まで変えて「トレーナーさん、合わせて合わせて」あー、適当にいくぞ――ああ、前回よりタイムが良くなってるな」

「やった!」

「だがまだまだ改善点はあるぞ」

「え?」

「録画しておいたから見てみようか。……ここだな、コーナーで外に振られてる。今後のトレーニングはここを改善していくぞ」

「うーん、ここからだとよく見えないです……」

「ならタブレットを渡そうか」

「でもそうするとトレーナーさんが見れないですよね。……そうだ! よいしょっと……」

「……何故に俺の膝に乗る?」

「え? この方が見やすいですよ?」

「…………色々と凄いなお前」

 

「あ、このネタいけますね。今度使ってみます!」

「これはいけるのか……。てか今のシーンはマヤノの方があってるだろ。フジがやっても違和感が凄いぞ」

「そこはシチュエーションの実演だから多少はね?」

 

「これも大胆……!」

「普通に並んで見るより、より密着出来るね! 今度狙ってみよ!」

「でもこれも私たちがやるのって結構恥ずかしいよね。ナチュラルに出来るとしたら、中等部かつ低学年?」

「後、背の低い子なら違和感ないよね。くっ、高身長な自分が恨めしい……!」

 

「無知シチュか……!」

「ヤバい、俺の担当がすっげーキラキラした目で俺を見てる!」

「ご愁傷様」

「担当が高等部の俺、セーフの模様」

「おい、その高等部の担当がいい笑顔でお前を見てるぞ」

「……………うっそだろお前!?」

 

 

 

〇タオル渡し編

「雨に降られた担当にタオルを渡す、か。となると俺がメインか」

「シチュエーション的に室内なんですけど、わざわざ移動するのも面倒なのでここでお願いします」

「大根役者にならないように精々頑張りな」

「俺に演技を期待すんなって。んじゃフジ、いくぞ――おいおい、どうしたよフジ。びしょ濡れじゃねぇか」

「外を走ってたらゲリラ豪雨に合っちゃって……」

「とりあえずこれで頭だけでも拭いて、すぐにシャワーでも浴びとけよ?」

「うん、ありがとう。あ、いい匂い。――そういえば、いい香りがする人とは遺伝子から相性がいいって、聞いた事があるな」

「!?」

 

『!?』

 

『!?』

 

『!?』

 

 

 

――これ以降も様々なシチュエーションを実演をこなしていったぞ!

 その結果、

 

「本日はありがとうございました!」

 

 学園の校門前でスッゴイ晴れやかな笑みで頭を下げる漫画家先生がそこにいた。

 

「お陰でとても参考になるネタが沢山もらえました!」

「ええ、それならよかったです」

「直ぐに帰ってネームを描かないと。それじゃあ、失礼します!」

 

 深々と礼をして去っていく漫画家先生。その後ろ姿を俺たち三人は見送っていた。

 

「うん。最初はどうなるかと思ったけど、無事に終わって良かったよ」

 

 小さく手を振りながらフジがいい笑顔でそんな事を宣う。そらあんだけ合法的に好き勝手やれたら楽しかったろうよ。

 

「……うん、よかったな。その代償で後ろがエライ事になってるが」

「学園の空気が色々な意味で張り詰めてるな」

 

 なお俺とシリウスは微妙な気分だがな。実演でやらかしまくった結果、学園の雰囲気が大変愉快な事になってやがる。具体的にはウマ娘からピンク色した空気が醸し出されている感じ。

 

「で、この後始末どうすんだ?」

「ちょっとやりすぎちゃったね」

「ちょっとどころじゃ済まないだろ、寮長サマ……」

 

 なおこの掛かり寸前のウマ娘大量出現を前に、トレーナーたちが悲壮な表情を浮かべて、各々の担当を落ち着かせようと奮闘している真っ最中だ。ついでに俺の方を恨めしそうに見ている奴もいるが。

 ……こんなもん俺がどうこう出来るようなもんじゃないな。となると、やれることは唯一つ。

 

「よし、見なかったことにして皆でメシでも食いに行こうぜ!」

「おい」

 

 面倒事はぶん投げるに限る! こうして俺たちは学園から少し離れたファミレスまで出かける事にした。

 

 

 

なお翌日、

 

「武藤トレーナー、何やってるんですか」

「あ、はい。すみません」

 

結局諸々の問題から逃げ切れず、駿川さんから色々と怒られる事になった。

 

 

 




おまけ

取材から半年後、トレーナー室にて。

「そういえば芝野さんの漫画が今月山場を迎えるらしいけど、私もウマッターで宣伝した方がいいかな?」
「いや、止めた方がいい。なんか炎上してるし」
「炎上? なんで?」
「無理がある展開をやっちまったらしい。ほれ、これ見てみ」
「えっと……『ウマ娘に襲われた主人公をトレーナーが庇うまでは分かるけど、投げ飛ばすとか無理だろ』『安田記念の事件を元ネタにするのはいいけど、ジュニア期で世間じゃあまり目立ってない主人公が襲われるとか設定的に無理がある』『トレーナーに武道経験なんてないのに、襲ってきたウマ娘を怪我をしないで返り討ちなんて出来るわけないじゃん。リアルの方だってトレーナーが怪我してんのに』『流石にウマ娘舐めすぎ』『なんでも流行に乗ればいいってもんじゃねーぞ』。
……うーん、見事に炎上してるね」
「下手な事して、こっちまで巻き込まれたらたまらん」
「そうだね、残念」

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