マッチョトレーナーがこの先生きのこるには《完結》 作:とらんらん
今回はトレーナーたちの悪あがきについて考えてたら、変なモノが生えてきました。
むかしむかしのトレセン学園。(具体的には学園設立から10年位の時期) トレーナーたちは悩んでいました。
「担当ウマ娘に喰われる(性的に)トレーナーが多すぎるんだが……」
トレセン学園設立からわずか数年で始まった担当ウマ娘によるうまぴょい(強襲)。その件数は年々増加の一途を辿っていたのです。
未来あるウマ娘たちの暴走を止めるため、そして自分たちの将来を守るためにも、何としてでも担当によるうまぴょい(絶望)を回避しなければなりません。
トレーナーたちは何か妙案がないか話し合っていました。
「でもどうすんだよ。ウマ娘相手に戦っても俺らじゃ勝てないぞ?」
「木刀で武装は……その程度じゃ勝てないな。刀を腰に差すべきか……」
「いや、刀でも不安だ。ここは銃でも持ち歩くべきだろう」
「落ち着け。流石に殺傷能力がある武器はダメだろう」
「そもそもの話だが、襲うとか警察案件だろ。そうでなくても重大な問題行動なんだし、学園が退学処分を言い渡すだけで良くないか?」
「……前にそれをやろうとした奴がいたんだが、担当ウマ娘が財閥の令嬢ってんで、学園に圧力をかけてきた事があったんだよ。ついでに警察にも手が回ってるせいで、その手が使えなくなった」
「あいつ等どれだけ本気なんだよ……」
とはいえ、そんな簡単に妙案が出るならば苦労はありません。男たちはあーだこーだと話し合いますが、無駄に時間を浪費するばかりでした。
そんな時、ある若いトレーナーが呟きました。
「いっその事、担当に惚れられたら手放すってのはどうです?」
「というと?」
「他のトレーナーに移籍させるんですよ。トレーナーに抱く恋愛感情なんて、長期間共にいるから起こってしまう一時的な発熱のようなものです。ならばその原因になっている環境を変えてしまえばいい」
「距離を取る事でウマ娘を落ち着かせるのか」
「ふむ。それもありか」
「だがそれでは自分の功績を手放すのと同じだぞ? 少々負担が大きすぎないか?」
「しかし担当に襲われてしまえばトレーナーとしての功績が全て失われかねません。それと比べれば、多少の負担は許容できます」
「確かにな……。試してみるか」
こうしてトレーナーたちによる移籍作戦は決行されました。
担当に恋心を抱かれているトレーナーたちは、あの手この手で自分の担当を移籍させようと説得したのです。
しかし結果は散々でした。
「やだ! 移籍なんてしない!」
「貴方だからここまで付いて来たんだ! なんで離れなきゃいけないんだよ!」
「あの……トレーナーさんが勧める人が格好いいのは確かですが、その方の指導力がトレーナーさんよりも明らかに低いのですが……。レースの事を考慮すると、移籍する理由がありません」
自分のトレーナーに恋心を抱いたウマ娘が、そう易々とトレーナーの元から離れるはずがありませんでした。また一部のトレーナーは若いイケメンを宛がおうとしたのですが、若さ故に実力が伴っていない事も多く、理路整然と断られるケースもあったようです。
こうしてトレーナーたちの移籍作戦は見事に失敗してしまいました。しかし――少しだけ希望も生まれました。
「今回の作戦は失敗したが、移籍を活用する概念は間違ってはいないはずだ。未来のトレーナーのためにも研究を続けていこう」
こうしてトレセン学園で、うまぴょい(移)回避のための移籍の研究が始まりました。
「移籍で悩んでる子がいる?」
「うん、昨晩寮の子から相談があって」
ある日の昼食時。フジから相談があると言われて学園のカフェテリアでメシを喰いつつ話を聴くことになったのだが、困った顔をしたフジから飛んできたのは競技者にとって中々に重要な話題だった。
内容が内容だけに真面目に聴かないといけない案件だ。箸を置いて姿勢を正す。
「どんな状況なんだ? 進行具合によっては滅茶苦茶厄介だぞ」
「だよね……」
やれ喰われただのうまぴょい(滅)だのが話題に上がりやすいトレセン学園ではあるが、メインは競争バの養成だ。そしてトレーナー配下のウマ娘というのは自分の飯の種。
その飯の種である自分が育成しているウマ娘を誰かの下に移籍させるという行為は、ウマ娘にとっても、そしてトレーナーにとっても重大な意味を持つため、関係者全員が慎重に行わなければいけない。
ウマ娘本人が納得しているかどうかは大前提。移籍元のトレーナーは周囲から自身の育成能力を疑問視されるリスクがあるし、移籍先のトレーナーも他トレーナーの担当を引き抜きしてくる厄介な奴と認識されかねない。また移籍するタイミング次第ではファンの反応やらグッズのロイヤリティやらで、更なる面倒事も生えてくる。
仮に移籍で拗れちまったら、トレーニングは勿論の事、レースにまで影響を受けかねない。それがウマ娘の移籍だ。
「その子――パープルスターは元々は専属トレーナーの所にいたんだけど、以前公式チームと共同でトレーニングをした時に公式チームのトレーナーに気に入られたらしいんだ。その後の何回かそのチームとトレーニングをしてたらしいんだけど、この間公式チームへ移籍しないかって誘われたんだって」
「専属から公式チームに移籍話か。傍から見たら大抜擢だな」
「うん、彼女の友人も羨ましがってたって言ってたよ」
公式チームは学園を代表するチームなだけに実力は確かだ。そんなチームを率いているトレーナーに見初めれたとなると、そりゃ周りも羨ましがる。
そうなると気になるのは、移籍元のトレーナーの反応だ。
「その娘の元のトレーナーの反応は?」
「『君が活躍するのが一番だ』って反対してなかったんだって」
「あっさりしてんな」
「だからトレーナー同士の間だと移籍はほぼ決まったものとして色々と手続きをしているみたい。それにトレーニングもまだ体験入部の形だけど移籍先のチームでやってるんだって」
「その状況で悩んでるって事は、そのチームでの練習が合わなかったって事か?」
「ううん、今までと違って戸惑ってるみたいだけど合わせられる範疇なんだって」
「じゃあチームの空気が合わなかったとか?」
「それも大丈夫そうだね」
「……んー? なら何で悩んでるんだ?」
移籍のあれこれでトレーナー同士が揉めてない上に、ウマ娘の移籍先でも問題になる要素もない。聞いてる限りだと理想的な移籍だぞ。
「その子も最初は公式チームに移籍出来るって喜んでたんだけど、トレーナーと離れる事が多くなってから、やっぱり今のトレーナーの方がいいって気持ちが変わったんだって」
「トレーニングの相性的にも元のトレーナーの方が良かったって事か?」
「それもあるけど……、自分がトレーナーの事が好きだから、離れたくないって」
「……その好きはLikeとLoveどっちだ?」
「当然Loveだよ」
「そっちかー……」
色んな意味で厄介な問題が来たな。
「でも今移籍を断ろうにも、手続きが大分進んでてもう決まってるようなものなんだ。それに周りも移籍するって思ってるんだって」
「んで、どうすればいいかってフジに相談が来たと」
「うん。私としては何とかしてあげたいけど、私では手に負えない分野で……」
「それで俺に相談したって訳か」
「うん。トレーナーさん、何かいい手はないかな?」
「んー……」
確かにほぼ移籍決定している所で、やっぱナシなんてやったら相手のメンツを潰す行為だ。それに周りの目もある。本人も元のトレーナーもそれが原因で余計なトラブルに遭遇する可能性は十分ある。
なるほど、厄介な案件だ。
……ただ今の話を聴いて、ちょっと引っ掛かった箇所がある。
「再確認だが、移籍の話が出た時、移籍先のチームトレーナーは当然として、元の専属のトレーナーも移籍を勧めてたんだな?」
「うん」
公式チームのトレーナーの動きに引っ掛かるものがあるが、それ以上に不自然なのは専属トレーナーの動きだ。
専属トレーナーにとって担当のウマ娘は唯一の飯の種。よっぽどの事がない限り易々と手放そうとは思わない。それにも関わらず件の専属トレーナーがあっさりと担当を移籍させようとしているという事は――その「よっぽど」があるって訳だ。
しかも移籍先とも妙に連携が取れているって事は、先方も専属トレーナーの事情を知っている事になる。
……そしてこういった事例は俺も知っている。
「その娘が移籍しようってチームだけど、カペラだったりしない?」
「えっうん、確かにカペラだけど……」
「あー、やっぱりかー……」
ビンゴ。この移籍元で大体の事情が分かった。そして分かったからこそ、思わず遠い目になっちまったが……。
「トレーナーさん、急にどうしたの? それに何で移籍先が分かったの?」
対するフジは不思議そうに首を傾げている。まあトレーナー間の裏事情が生徒の方に漏れるってのは余りないから、今回の移籍劇の裏事情をフジが察せられないのも仕方ないか。
「あー、そこら辺は後でネタ晴らしする」
「ネタ晴らし?」
それはともかく、フジが抱えている問題を解決しようか。
スマホをいじってトレーナー専用のメッセージアプリを起動。検索でカペラのトレーナーの画面を出して、サクッとメッセージを送信。すると一分も経たずに返信が来た。相変わらずマメだねあの人。だがお陰様でスムーズに事が進む。
「フジ、メシは……喰い終わったな。んじゃカペラのトレーナーの所に行くか」
「いきなりカペラに行くの? いつものトレーナーさんなら相談してる子に話を聴きに行くのに?」
「そっちに行くよりカペラに行った方が早く解決するしな。というかカペラ行く方が相談に来た娘もカペラのトレーナーも助かるだろうし」
「え?」
という訳でサクッとカペラのトレーナー室前に移動し、
「武澤さん、入りますよー」
「って、トレーナーさん、相手が返事をする前に入るのはダメだよ!?」
フジにツッコミされつつも突入!
「やあ、待っていたよ武藤君」
俺のトレーナー室もよりも広い部屋の最奥のデスクで出迎えたのは、白髪交じりのオールバックが特徴のカペラのトレーナーである武澤さんだ。
「えっと、お邪魔します」
「いらっしゃい、フジキセキ君。折角の来客だ、お茶でも出そうか。お茶菓子はクッキーで構わないかな?」
「あっいえ、お構いなく」
「メッセージで緊急案件って送ったのにこの反応よ」
「慌てた所で事態は解決しないからね」
フジをソファーに座らせ、ゆったりとした動きで呑気に紅茶を差し出す武澤さん。相変わらずマイペースだね。因みにこの人、学園じゃイケオジで有名だったりするぞ。
「それじゃあ、準備も出来た事だし本題に入ろうか。……武藤君、あのメッセージの内容は本当かい?」
「ええ、さっきフジから相談を受けましてね。詳細を聴いたら武澤さんのN作業だったのが分かったんで、連絡させてもらいました」
「? N作業?」
聞き慣れない単語にフジが首を傾げているが、今は無視をさせてもらう。対する武澤さんはどこか納得した様に小さく頷いた。
「なるほど、少々不安があったが何とか押し切れるかとも思ったが、ダメだったようだね」
「あ、やっぱり気付いてたんですか?」
「薄々はね。なら先方には申し訳ないが、今回の移籍は無しという事にしよう」
「……えっ?」
「しかし助かったよ武藤君。あのまま移籍していたら更に面倒な事になっていたよ」
「いやー、これに関しちゃフジのお陰ですよ」
「それもそうだね。ありがとうフジキセキ君」
「ちょっ、ちょっと待って!? 色々な問題がアッサリ解決したらしいけど、私は何がどうなってるのか分からないよ!?」
フジが混乱した様に叫び出した。ああうん、確かに裏事情を知らない奴からすりゃ、意味不明だわな。
「ふむ、確かにフジキセキ君の言う通りだね。武藤君、彼女は口が堅い方かな?」
「硬い方ですね。それに寮長なんてやってますし、俺らトレーナーの事情にもある程度理解してくれますから、今回の事を話しても大丈夫でしょう」
「よし、では問題ないようだね」
「つー訳でフジ、どこから説明がいる?」
「最初からお願い」
んじゃ、生徒にもほぼ知られていないトレーナーの秘密を大公開と行こうか。
「とりあえず、大前提の話からだが、フジが相談を受けた娘の移籍劇だが、トレーナー側が仕掛けた策略だったりするんだ」
「……え?」
「正確にはフジキセキ君が相談を受けたパープルスター君のトレーナーである藤崎君が私に依頼したのだがね。もっとも今回は失敗したから、この話は無しになったが」
「ええ? 何でそんなことを? あの子は別に何か問題を起こすような子じゃないよ?」
俺たちトレーナーの言葉の意味が分からずフジが首を傾げる。
普通、折角スカウトした担当ウマ娘を自分から手放すなんて早々ない。ましてや傍目から見て手放す理由なんてないんだったら、確かに意味が分からないだろうさ。
ただ今回の場合、レースとは別の方面で問題が生えてきている。
「確かにパープルスター君は問題児ではないね。だが我々トレーナーにとって、担当が自分に恋心を抱いているのが問題なんだ」
「え?」
「この学園じゃうまぴょい(問題行動)やら誘い受けやらで、トレーナーとその担当がくっつく()のが日常茶飯事だけど、世間一般的には教師とその教え子がくっつくとかアウト案件だからな?」
「あ、そっか。でもそれって今更なんじゃ?」
「……今更扱いになっている事自体が色々とヤバいのは置いておくぞ? ともかく、トレーナーってのは一般常識に従って担当の恋心を何とかしようと色々と対策を講じているんだ。んで、その対策の一つに移籍って手段がある」
「接点が薄くなれば自然と彼女らの恋心も落ち着くものだ。移籍はそれを狙ってのモノだね」
「……え、それじゃあ、藤崎トレーナーは自分の担当と一緒にいたくないから、武澤トレーナーと共謀して移籍させようとしたって事?」
「その通りだよ、フジキセキ君」
「えー……」
俺らの説明を聞いて、フジは些か納得いかないような視線を俺に向ける。思いっきり汚い大人の搦め手だからな。そりゃ生徒を応援する側のフジからすりゃ気分のいいもんじゃないか。
だが暫くすると、フジはまた首を傾げた。
「……あれ? でもそんな事簡単に出来るの?」
「ん? どういう事だ?」
「だってその子は自分のトレーナーが好きなんだよ? 移籍の話をしても嫌がるんじゃないかな? それに協力して貰う移籍先だって、よっぽど実力がある所じゃないと説得力がないし」
「ふむ、いい着眼点だね、フジキセキ君」
武澤さんが笑みを浮かべながら大きく頷いた。この人教えたがりだから、今のフジみたいに自分で質問を投げつけられると生き生きし始めるんだよな。
「結論から先に言わせてもらおう。担当が移籍を拒否するのはよくある事なんだ。移籍にしろ契約解除にしろ双方の同意が必要だし、よっぽどの理由がない限り強制は出来ない。そして担当からの恋愛感情は移籍及び契約解除の理由としては不適切だ」
「恋愛感情がそのレベルまで育ってた場合は、第三者からはどうしようもないから、各自トレーナーが頑張って対処しろってのが学園の立場だな」
「勿論、相談程度なら受け付けるがね」
そして相談してもどうしようもないってのはよくある話だけどな。
「それじゃあ、協力して貰う移籍先のトレーナーはどうするの?」
「実はそこについては用意されてたりするんだ。ねぇ、武澤さん」
「ははっ。武藤君、そう言いながら私を見るのはどうかと思うよ?」
「いやいや、いつも立派にお仕事をされていますしねぇ?」
「最近はあまり上手く行かない事も多いけどね。もう歳かな?」
「まだ中年でしょうに」
「……え、それじゃあ武澤トレーナーが?」
フジが疑いの目を武澤さんに向ける。あそこまで露骨にやったらそりゃ分かるか。んじゃ、ネタ晴らしと行くか。
「正解。恋愛事で困ってるトレーナーの移籍先として動いてるのが武澤さんだ。俺たちトレーナーからは移籍屋とも呼ばれてるな」
学園を代表するチームである公式チーム。それを率いている武澤さんなら、移籍先の格の面なら十分すぎる程ある。
大前提としてこの学園に所属しているウマ娘はレースを勝つことを目指している。そりゃ実力が確かなトレーナーに指導をして貰いたいだろう。そして一定数は誘いに乗っていく。それこそ「恋心を封印してでも」。
「もっとも今回みたいに断られる事も多いけどね。だから移籍までするのはあまりなくて、担当との付き合いについての相談の方が多いんだよ」
「そうなんですか……」
「でも移籍するってなって武澤さんが動いた時の移籍成功率は高いぞ。そこら辺は流石ベテランって所だな」
因みにこんな仕事をしてくれる武澤さんは、俺たちトレーナーからは「移籍屋」以外の呼び名として「寝取り屋」なんて呼ばれ方もあったりする。……前者はともかく、後者の字面が恐ろしく悪いのは気にしちゃいけない。
「こんな仕事をしているものだから、チーム・カペラは学園じゃ最大規模のチームになれたよ。もっとも引き受けた全員を勝たせる事は出来ないのが目下の悩みだけどね。私のチームは未勝利の娘も多いよ」
「それに関しちゃ、トレーナー全員の悩みでしょうに」
「それにここ数年はG1を取れていなくてね。公式チームの中でもランキング下位常連だし、いつ公式チームから外されるか毎日がヒヤヒヤだよ」
「武澤さんが降格しそうになったらトレーナー全員が反対に回りますから、そこら辺の心配しなくていいですって」
特に武澤さんに移籍で助けてもらった面々は全力で助けに入るから、マジで安心して欲しい。
まあ、それは置いておこうか。
「それで、トレーナーの裏事情を聴いた感想はどうだった、フジ?」
「んー、トレーナーさん達の事情は分かったけど……」
「けど?」
「とりあえず、今後トレーナーさんから移籍の話が出た時は絶対に断るね?」
「あ、はい」
なんかフジの意志が更に強固になった気がする。
「フジキセキ君、武藤君から移籍の依頼が来ても絶対に断るから、安心していいよ」
「ありがとうございます」
「本人の前で言い切らないで下さいよ武澤さん……」
「ははは。……ところで武藤君、少し相談いいかい?」
「相談?」
武澤さんが俺に相談なんて珍しいな。
「実は最近、移籍屋の仕事を僕一人で担当するのに限界を感じて来てね」
「まあ、一手に担っていますしね」
「それに恥ずかしい話だけど、プライベートでも少々トラブルを抱えているせいで、相談役の仕事の方も手が回らなくなり始めてるんだ」
「何があったんですか……」
「実は妻と離婚してね。息子がいるんだが、そちらを優先する必要が出来たんだ」
「なんかスミマセン……」
特大の地雷だったよ……。
「担当たちも私の事情を知っているから何かとフォローはしてくれるが、何分息子はまだ幼いから今はそちらに集中したくてね。そこで武藤君――ちょっと移籍屋をやってみないかい?」
「えっ?」
「……はい?」
めっちゃ軽い感じに、武澤さんから爆弾が投下された。
武澤氏のあだ名は名称こそふざけてますが、滅茶苦茶重要ポジやってるのです