マッチョトレーナーがこの先生きのこるには《完結》   作:とらんらん

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今回はVR編総決算となります


幕間9 80話オマケ 四面楚歌 激闘! トレーナー裁判!

 

 サトノのお偉いさんとの交渉を纏め、一安心して学園に帰ったその日の夕方。

 

「これよりトレーナー裁判を開廷する!」

 

 俺は担当たちにトレーナー室に強制連行されて、訳の分からない裁判に掛けられていた!

 

「どういう事!?」

「大丈夫です、封印プログラムの中で何があったかを聴くだけですので、他意はありません」

「裁判って名前がついてる時点で、絶対他意はあるよね!?」

「気のせいだよ、トレーナーちゃん」

「そうそう気のせいさ。だからちゃんと私たちの質問に答えてね?」

「安心しな。全部素直に話したら解放してやる」

 

 なお判事役はチームメンバー5人! 弁護士は当然として、検事役すらないぞ! ついでに担当たちの目にはハイライトさんは休暇中だ!

 

「……因みに逃げたり、はぐらかしたら?」

「その時はアンタをこれに閉じ込める」

 

 そう言ってシリウスが取り出したのは、何の変哲もないVR用のゴーグル。

 

「ナニコレ」

「ああこれか?

 

 

 

 

 

 

うまぴょいしないと出られない部屋(VRエディション)だ」

「クッソ邪悪なの持ち出してきたな!?」

 

 色々な意味でヤベェ代物じゃねぇか!? てか何でそんなモンをお前らが持ってるんだ!?

 

「事件に巻き込んだお詫びという事でサトノの令嬢たちから貰った。因みにコイツの中身はサトノダイヤモンドとサトノクラウンの二人が実証実験しているから、封印プログラムみたいな事にはならないから安心しな」

 

 わーあんしんだなー(白目)。後サトノの二人のトレーナーはご愁傷様。

 

「時間も押している。早速裁判を始めるぞ。ではトレーナー、封印プログラムに三女神と共に閉じ込められていた期間、貴様は何をしていた?」

「そりゃ脱出路を探すために、探索だよ」

「……フラッシュ」

「提供された資料を確認しましたが間違いありません」

 

 エアグルーヴに促されたフラッシュがなんか紙の束をパラパラしてる。てか、ちょっと待て。

 

「あのーフラッシュさん? その資料って何なん?」

「これですか? 理事長から頂きました、封印プログラムについての報告書です」

「それ機密文書じゃねぇか」

 

 なにシレっととんでもないモン持ってんだよ。てか理事長もこんなヤバいモン渡すな。

 

「それは置いておくとして「置くな置くな」、封印プログラムから脱出するために頑張ってたのは、資料のお陰でよくわかったよ」

「おう……」

「……じゃあそんな緊急事態なのに、三女神さまがトレーナーさんにこんな事を言っているのはどういう事かな?」

 

 そういってフジがピラっと見せつけた紙には、上空から撮られたであろう俺と三女神が集まって話しているシーンの画像が印刷されていた。

なお、

 

バイアリーターク「そういう訳だ。よろしく頼むぞ主」

ゴドルフィンバルブ「よろしくね旦那様?」

ダーレーアラビアン「期待しているよご主人様」

 

 こんな字幕がついてる模様……!

 

「Oh……」

 

 スゲーや! これ実際に言われたことある奴だ! 最悪だな!

 

「これはどういう事かな、トレーナーさん?」

 

 フジがハイライトの無い瞳で笑いながら詰め寄ってくる! なおいつの間にか、昔フジから貰った首輪を装備している模様。圧が、圧が凄い……!

 

「あー、これあれだ。プログラム内のギミックで三人に特殊なアイテムを着けてもらわないといけなかったんだよ……。んで、そのアイテムが色々とアレってか二人が着けてる奴でさ……。三人が茶化してきたって感じなんよ……」

「へえ……。トレーナーさんはプログラムが仕込んだ罠を回避するために、色々としていたみたいだけど、その時は回避は出来なかったのかな?」

「色々と試す前に三人がアイテムを渡してきてさ……」

「三人にご主人様呼びされたのに、トレーナーさんは断らなかったかな?」

「その場はともかく、それ以降はそういう風に呼ばれてないから……。アレだ、この場面は悪ノリ的な奴だ」

「なるほど」

 

 フジがじっと俺の目を見つめる。そして暫くすると、小さく頷いた。

 

「ウソは付いてないようだね」

「やましい事はないし……」

 

 あと下手に誤魔化したらうまぴょい(激昂)されそうだし……。

 ともかくフジの尋問は乗り切った! これで終わった――

 

「なら、次は私だな」

 

 と思ったら、目に光がないシリウスがエントリー! 胸元に光るチェーンを通した銀の指輪を見せつけながら、俺の左肩に手を置いた!

 

「その特殊なアイテム、隷属の首輪とやらについて質問だ。ここに三女神が着けた首輪とやらの画像を持っているんだが、コイツをどう思う?」

 

 そう言って突き付けられたスマホには、件の首輪(銀の指輪のチェーンネックレス)の画像が映し出されている!

 

「実はゲーム内だと首輪扱いだけど、どう見ても指輪です……」

「ああ、そうだな。どう見ても指輪だな。……それで? 何でこれを着けさせた? 性能的には最高級と高級は全く変わらないんだぜ?」

 

 睨むシリウス! そして肩を掴む力がドンドンと増しているぞ! これ下手な答えやったら肩を粉砕する奴だ!

 

「こう……ダーレーに渡されて、その場の流れで……」

「三女神が選んだ。そういう事か?」

「はい……」

「三人が何で高級よりも値段が高い最高級を選んだのかの心当たりはあるか?」

「ダーレー曰く、首輪だとデザインが良くないから、見た目が自然で性能もいい最高級の首輪を買ったって言ってた……」

「ほー……。そこの首輪組どう思う?」

「トレーナーさんに見てもらうのはともかく、他のヒトに見せるのは少し恥ずかしいかな?」

「首輪姿を見せるのは、トレーナーさんだけでいいです」

 

 首輪組とか言ってやるなよシリウス。そしてフジとフラッシュは意外とまともな答えをするんだな……。

 

「……それでシリウスさん? これはセーフなん?」

「良いだろう。これについては許してやる」

 

 肩に掛かる力が緩んだ。どうやら俺の肩の安全は確保された……。

 

「それじゃあ、次はマヤの番!」

 

 と思ったら、今度はマヤノが右腕にしがみついてきた! これだけだったら微笑ましいけど、マヤノの手のポジションが腕を極める時のそれなんだよなぁ……!

 

「ねえねえトレーナーちゃん。今から大事な質問をするね?」

「はい……」

「――プログラムの中で三女神様とうまぴょい(神秘)した?」

 

 ハイライトの無い瞳で俺の顔を見つめながら、じっくりゆっくり腕に力を込めていくの止めようなマヤノちゃん!?

 

「してません……!」

「ホント?」

「ホントだから……」

「でもうまぴょい(成人向け)するためのゲームにいたんだよね?」

「だからってヤル訳じゃないからな? むしろバッドエンド避けるために頑張ったからな?」

「でも何も楽しめる事がない場所に一か月くらい閉じ込められてたんだよね? それでいて、トレーナーちゃんは24時間三女神様と一緒だったんだよね? ……何にも思わなかったの?」

「何も――あっ、ゴメン嘘つきました。ぶっちゃけ首輪貰った辺りで命令しようかとか、ちょっと迷いました! だから力入れるの止めて!?」

「ふーん……。それで結局うまぴょい(令呪)したの?」

「それやったら色んな意味でアウトだから、それだけはしてません!」

「んー……、それならいいかな」

 

 右腕の関節に掛かっていた力が消えた。どうやらお眼鏡にかなったようだ……。

 

「では私からも質問を」

 

 ずいっとフラッシュがハイライトさんがない瞳で顔を寄せてきた! なお当然のようにその首にはいつか貰った首輪を装備している模様……。

 

「トレーナーさん、こんな話を聞いた事がありますか? メンテナンスを終えてから三女神様が銀の指輪のネックレスをするようになったそうです」

「それは初耳かなぁ……」

「そして三女神はその指輪の事を大切な絆の証とおっしゃっているそうです」

「そっかぁ……」

 

 あいつ等絶対ワザとやってるな? てか絶対に例の契約絡みだこれ……。

 

「……本当に何もなかったのですか?」

「マジで何もなかったからな? アレだ、多分戦友的な意味だろ。モノがモノだから意味合いが違うようにも見えるけど」

「…………………そうですか」

 

 間が怖い……。これ引いてくれたけど全然納得してないやつだ……。ついでに俺の周りに集まってるメンバーもハイライトの無い瞳で、露骨に疑いの目を向けてやがる……! 雰囲気がホラーに片足突っ込んでるな!

 

「最後に私からの質問だ」

 

 そしてこの不穏な空気が漂う中、最後に残っていたエアグルーヴが席を立ち、ゆっくりと歩を進めながら口を開いた!

 

「貴様がサトノの本社から帰ってくる前、三女神に封印プログラムに閉じ込められていた頃についての聞き取り調査をしたが……、事件の調査報告書と三女神の証言を勘案すると、確かに貴様の証言とは矛盾はないようだ」

「おう……」

「だが同時に、三女神から面白い話も聴く事が出来た」

「え……?」

 

 あれ? 嫌な予感しかしないんだが? そんな気配を感じ取っている間にも、両手で俺の顔を挟むよう摑まれ、強制的に目を合わさせられる。なおエアグルーヴさんの瞳には当然のようにハイライトさんはないぞ!

 

「『今の内に話しておくべきかな。もしかしたら将来、彼の元でお世話になるかもしれないから、その時はよろしく』だそうだ。……さて、この発言について説明をしてもらおうか」

『へぇ……』

 

 ダーレーさん何バラしてんの!? そしてタイミング最悪過ぎる!?

 

「これはじっくりと全部聴き出さないといけないようだね」

「そういえば先程までサトノグループの本社ビルに行っていましたね。……どのようなお話をしたのですか?」

「トレーナーちゃんってアタシたちがあんなにアピールしてもなびかなかったけど……、もしかして二次元の方が好きなの?」

「仮にそうなら私の手で矯正しないといけないなぁ?」

「ひえっ……」

 

全員からの圧がエグイ事になってる! これ気が弱い奴だったら気絶するぞ!? てかVRゴーグルを俺にかぶせようとするんじゃねぇ!?

 

『さあ、全部話してね?』

「う、うっす……」

 

 こうして俺の新たなる戦いが始まった……!

 

 

 




次回からまた通常営業になります
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