インフィニット・ストラトス サヨナラノツバサ 作:チャーハン好き
昼になった。
ここ、フロンティア総合学園通称『F 学園』は先代の IS 学園と同じく全寮制である。
その為、1 年から 3 年まで男女全員が寮で、 3年間暮す事が原則なのだ。
また学科も、文化やその他カルチャー系の芸能学科と、システム工学からバルキリー操縦士を育てる航空宇宙学科の 2 つに分かれている。
特に、航空宇宙学科は学園敷地内に巨大なバルキリーの格納庫とアリーナ、広大なグラウンドを持っている。
先代の IS 学園と大きく違う点が、男女共学であると言う点んだろう。
そんな話はさておいて、カノンは頭の中に叩き込んだ知識を総動員して食堂へと向かっていた。
無論、周りは見ず知らずの男女ばかりなのでこのまま無言で食堂へ向かうかと思いきや、
「プルプルプル〜!」
「ぐえっ!?ミリー!?」
後ろからオレンジ色の髪の毛を持つ小柄な少女がカノンの肩に載ってきたのだ
「あれほど、肩には乗るなって言ってるだろ?」
「いいじゃん〜。私、2 組のなっちゃったんだから。お!高い高い!」
カノンの文句をどこ吹く風、聞き流しながら肩からの景色を眺めるのは、コミリア・ジーナス。
かのミリア・ファリーナ・ジーナスとマクシミリアン・ジーナスの 1 人娘である。
現在、マックス夫妻は火星基地の司令官兼マクロス級 3 番艦『マクロス・クウォーター』の艦長をしている。何故、その 1 人娘が 1 人で地球に居るのかと言うと、コミリアがカノンの事が好きで、一緒に居たいと言い出したのだ。いくらマックス夫妻が説得しても駄々を捏ねたので、仕方なくマドカ達に頼んで火星へと向かったのだ。
「お腹空いたから、早く行こう〜」
「分かった分かった。だから、髪の毛引っ張るな!」
その様子を不思議そうな顔で見てくる生徒達。その視線を流しながらカノンは肩にコミリアを乗せて食堂へと向かうのだった。
「で、どうだった?学園生活初日は?」
「すっごく楽しかった!」
「至って普通…この牛丼うめぇ」
「牛丼の感想は求めてないわよ」
食堂にて昼食を取っていた 2 人。そこにはある人物も一緒に居た。
その人物は…
「鈴ねーちんだって、たまに美味しい酢豚作ってくれるじゃん」
「ここでは先生と呼んでちょうだい」
鈴だった。
かつて伝説の歌姫としてマクロスを導いた彼女は今、マドカ達と共に F 学園の教師をしていた。
「そう言う母さんはどうよ?」
「私?毎年同じようにキラキラした視線を受け流しているわよ」
「ねぇねぇ、鈴ねーちん。カノンの胃袋を掴むにはどうすればいいの?」
「ぶっフーー!?」
「お?カノンにアプローチするの?今度、教えてあげるわよ〜♪」
「母さん!?」
なんだかんだで賑やかな食堂だった。
「で、結局ミリーが俺の同室なのか?」
夕方、カノンは寮の自室の鍵を貰って部屋のドアを開けてフリーズしていた。
F 学園の寮は原則相部屋なのだが、何故かカノンの相部屋がコミリアだったのだ。
「そだよ〜。これで同棲確定だね。お風呂にする?ご飯にする?それともわ・た「言わせるか!」ぬむっ!?」
カノンは目の前でとんでもない事を言おうとしている幼馴染に、慌てて手で口を塞ぎそのままドアを閉めた。
「ぷはっ…もう、見かけによらず大胆なんだから・・・」
「その誤解を生みそうな言葉はやめろ…」
そう言いながらカノンはベッドに腰掛けた。
それを見たコミリアは一瞬だけだけニヤケ顔になり、次の瞬間にはカノンの背中に抱き着いていた。
「ミリー…当たっているから離れろ」
「え〜、何が当たっているのかな〜?」(ニヤニヤ)
「お前の胸が…って、何言わせるんだ!?」
「えへへ〜、当ててるんだよ?」
自分が言った事に遅れて気づき、赤面するカノンを見てコミリアは更にニヤけ、カノンの前に顔を近づけた。
「そんなに気になるんなら、触ってもいいんだよ?」
「うぇ!?え?えぇぇ?」
ミリアがトンでも発言をしながら顔を近づけていく。カノンはそれを聞いて更に赤面してしまい…
「きゅ〜…」
「気絶しちゃった…」
コミリアの瞳と会った途端、ベッドに仰向けに倒れてしまった。
「全く…素直じゃないんだから…」
そう言いながらコミリアは、恥ずかしさで目を回しているカノンの頭に手を伸ばす。
「そんなカノンの事が私は好きだよ?だからさ…」
コミリアはカノンの頭を、優しく撫で始めた。手のひらに時々当たるツンツンした髪の毛の感触を受け流しながら、コミリアは小さく呟いた。
「いっぱい笑いあって、皆と楽しく過ごそうよ…」