インフィニット・ストラトス サヨナラノツバサ   作:チャーハン好き

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05 敗者のララバイ

「カノン、元気を出しなよ〜」

「そうよ。今夜はカノンの好きなチャーハンを作ったんだから」

「それとこれは別…」

 

その夜、カノンの部屋には鈴とマドカが来ていた。鈴はチャーハンを作って皿に盛っていき、カノンが早いペースで平らげていくのだ。

 

「踏み込みは甘いが…咄嗟の判断は一流だ…塩が薄いな…」

 

マドカは箸を進めつつ午後の対戦の分析をする。

 

「カノン、元気が出ないなら夜に相手になってもいいんだよ?」

「うぇ!?」

「あらぁ?カノンももうそんな年頃になったのねぇ。私、まだこの年でおばあちゃんだなんて呼ばれたく無いわぁ」

「私もだ。この年でおばさんなんて呼ばれたくないな」

「ミリー、お前!?」

「えへへへ」

 

コミリアの一言で修羅場が発生した。

鈴達には、幾度となく見慣れた光景。

鈴とマドカ、2 人はまだ花の時代なのだ。この年でおばあちゃんと呼ばれたくはないだろう。

 

「まったく、お前にはデリカシーってモノが…この手は…」

 

チャーハンを食いつつ文句を言おうとしたカノンの両目を、何者かが塞いだ。それにカノンは気づいて様子だ。

 

「だ〜れだ?」

「胸の大きい良い女」

「ご名答♪」

 

そう言いながらカノンの背後から姿を現わした人物は…

 

「刀奈、チャーハンでも貰いに来たのか?」

「もちろん♪あと、簪ちゃんも一緒よ」

 

更識刀奈(旧名盾無)と

 

「ヤッホー、カノン、コミリア」

 

アルフォートをお土産に持ってきた簪だった。

 

「聞いたわよ、何やら面白そうな事をしたそうじゃない」

「結果、見事に負けた」

「そうやってふてくされないの。なんなら、この胸の大きいお姉さんが慰めてあげるわよ」

「!?ダメ…」

 

刀奈の言葉を聞くや、チャーハンにガブリついていたコミリアがカノンの後ろに回り込んで腕を絡めた。

 

「ミリー!?」

「カノンは私のだもん…」

 

カノンの右腕を自身の左腕と絡めながら、コミリアは顔を紅くさせながら小さく呟く。

その事に部屋が静かになった。

 

「あらあら、可愛いわねぇ」

 

ただ 1 人、刀奈が能天気にニヤニヤしながら言うと、

 

「…鈴、今夜は小さい者同士で飲もう」

「奇遇ね。私もマドカを誘おうと思ってたわ」

「無論、私も付き合うぞ」

 

持つ者と持たない者。

胸の格差社会は厳しいのだ。

 

「と言う事で、カノン、ミリー、夜更かしはダメよ」

「ヤルなら常識の範囲内でしてろ」

「それじゃあ、また」

「ちょっ、ちょっと待ってよ!」

 

怒涛の勢いで鈴達がカノンの部屋から出て行った。

と言っても、向かう先は最上階の教員専用のバーなのだが。

 

それは置いといて、残されたカノンとコミリアはと言うと

 

「ミリー…胸、当たってる…」

 

未だに、コミリアがカノンの腕を絡めていた。

 

「カノンは、大きい方が好き?」

「そ、そんなこと・・・」

「はっきりして…」

「・・・」

 

残されたカノンは弁明しようとするも、コミリアの鋭い目線によって玉砕してしまう。

 

「・・・・俺は・・・お前の方が好きだ」

「っ・・・・本当?」

「本当だ」

「嘘じゃない?」

「あぁ、本当だ」

「絶対に嘘じゃなっ!?」

 

カノンの言葉を素直に受け止められないコミリアは更に続けようとしたが、それをカノンが抑えた。

コミリアの肩に手を置いて、そのままコミリアとキスすると言う実力行使によってーー

 

「・・・こんな答えでいいか?」

「・・・うん」

 

カノンのキスにより、顔を紅らめながら下を向くコミリア。そんなコミリアを見て、カノンは苦笑混じりの笑みを浮かべながら、ゆっくりと彼女の頭を撫でた。

 

 

 

 

暫くしてカノンは、皿を片づけようとするが、コミリアがが袖を引っ張る。

「ねぇ・・・一緒に寝よう?」

 

コミリアにそう誘われたカノンは、一瞬、出しっぱなしになっている皿を見る。

 

「・・・ハァ、今夜だけだぞ?」

 

結局、その夜、カノンは皿を片付けなかった。

カノンは袖をを引っ張られる状態でベッドに寝付く。

 

「えへへへへ、カノンの背中あったかい」

「・・・お前って本当に、能天気だなぁ」

 

こうして、夜は更けていった。

 

 

 

 

「全員喜べ。1 組のクラス代表はカノンに決まった!」

「「「「「イエ〜イ!!!!!!」」」」」

 

翌日、1 組ではカノンのクラス代表就任式が行われていた。

 

「さぁカノン、意気込みを一言で発表しろ」

「マジっすか…」

 

マドカに指名され、カノンは渋々立ち上がった。

 

「まぁ取り敢えず、再来週のクラス代表戦を勝ち抜く。以上!」

「いいぞぉ!」

「頑張って〜!」

「食券半額クーポンを我らに!」

 

沸き立つクラスの声にマドカは自然と頬を緩めながら、現実に呼び戻す。

 

「はいそこまで!授業を始めるぞ!」

 

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