遊戯王ZEXAL 追放された神が自由に生きる   作:お腹いっぱい

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拙い文章ながら書いていこうと思います。

恋愛要素は初めて書くのでそれっぽくなるかどうかわかりません。


プロローグ

「今日のはちょっと渋い」

 

夏のある日、午後2時を過ぎた頃。1人の黒の長髪、黒いインナーにコート、ズボン、金色の目の人物が喫茶店の外にあるテーブルでダージリンを飲み、スコーンをかじりながら優雅なひと時を過ごしていた。

その男こと俺の名はライヴィス。一応、元は神様と呼ばれる存在だった。その仮にも神である俺が人間界で働きもせずに優雅に過ごしているのか。それは俺の力が強すぎて最高神のジジイ共の目に障ったようで、気まぐれで人間界での旅の途中に帰還を禁じられ、百年前に神界を追放されたからである。もっとも、俺自身気にするどころか、完全な自由を手に入れて喜んでいるわけだが……内心反逆を企てていたりもする。とはいえ、平和ボケしてしまった今は早々行動に移そうとは思っていない。何より、実際ジジイより長く生きていたりするからもう神界には未練がない。

 俺は食事や睡眠などする必要はないし、言動以外明確な性別というものもない。身が汚れることもないので風呂に入る必要もない。が、味や寒さなどの感覚はある。だから暇つぶしや趣味の一環として食事をすることが多々ある。

 

「お、やっぱりいた。時間通り。相変わらず髪伸ばして暑い格好してるねー、夏だってのに」

 

 俺がティータイムを楽しんでいると、もう何度聞いたか数えるのも面倒な声が聞こえて、1人の女子学生が向かい側の席に座った。彼女は学校帰りということで制服だが、夏服の第2ボタンまで外したブラウスと、ミニスカートという格好だ。挑発的な格好だが、俺はこいつが夏はいつもこんな格好をしているのを見ているのでなんとも思わない。

 ちなみに、俺は2時間前からここにいる。時間通りどころがだいぶ早く来ていたが、それは単純に1人で良いひとときを過ごしたかったからなので言わないでおく。

 

「何度も言っているがこういう姿なんだ、服じゃない」

「はいはい」

「どうせ信じちゃいねぇんだろ…まあいいけどな。コートは本物の服だし」

 

 少女の名前は紅城 鈴音。俺は鈴と呼んでいる。淡い青色の腰くらいまで伸びた長髪が特徴的な美少女と言っていい女子学生だ。現在は高校2年生。一般教養に加えてデュエルもカリキュラム化されているらしいが、学校というものに行ったことが無い俺には、デュエルはともかく一般教養とかカリキュラムとか何の事だかさっぱりわからん。

 鈴とはある縁があって、3年前からの付き合いになる。初対面の時に身分などを隠さずに自己紹介はしたが、笑われた記憶しかない。こいつの中では、俺は1歳年上と言うことになっているようだ。暇な日や少し時間が空いたりすると何かと俺を呼びつけてはデパートだの喫茶店だの、いろいろな場所に連れ回す。

 それはさておき、俺が今日この喫茶店に来ていたのは鈴に呼び出されたからだ。その理由は聞かされていない。が、どうせ、山奥の屋敷という周りに何もない自宅に居ても暇なだけなので、理由は問い詰めずに誘いに乗ることにした。

 

「さて、理由は聞かずに来てやったんだ。どういう用か話してくれよ」

「いきなりそれ聞くの?聞いちゃうの?じゃあご希望にお応えしましょう!」

 

といって、彼女が俺の目の前に叩きつけた広告にはでかくハートランドシティC地区チーム制大会参加者募集、と書いてあった。今回のルールはトーナメント制、3人1組で出場し、先に2勝したほうが勝利というものだった記憶がある。なるほど、俺をチームの1人として誘いに来たわけだ。

 

「俺は出たくないんだが…」

「な~に言ってんの!ライヴィスがいれば優勝確実なのに出ない理由がないじゃん?神様ならそのくらいのお願いは叶えてくれると思うんだけどなー」

「神にどんなイメージを持ってるか知らないが人間の願いを叶える神なんてほとんどいないぞ。都合のいい時だけ神扱いすんな。あと俺が勝ったってお前ともう1人が負けたら終わりじゃねぇか」

「その点はご心配なく。これでもあたし結構自信あるんだー!」

 

 それもそうだろう。自惚れているわけではないが俺がデュエルを叩き込んで自信がないとか言われたら教えた意味が無い。しかし。

 

「で、3人目は?」

「あっ」

「どうせそんなことだろうとは思った。仲の良い友達とかいないのか?」

「いるけどー…、なんていうか、その」

「はっきりしろよ」

「ライヴィスとの相性は悪そうなんだよねぇ…」

「というと?」

 

 相性が悪くてはチームワークに支障が出る。とは言っても俺は何もしていないのに相性が悪そうと言われては、どうしてなのか気になる。

 

「ライヴィスさ、はっきり言うと口悪いじゃん?その子、育ちがいい上に臆病だからねー」

「……」

 

 確かに育ちのいいお嬢様だとかお坊ちゃんみたいな奴は苦手だ。俺から願い下げたいくらいだ。性格は高飛車なやつだったが、元の世界で体験済みだからな。しかしそう言われれば俺にも言いたいことはある。

 

「お前だって口悪いじゃねーか。なんでお前は普通に友達やってんだ?」

「それはそのー、いろいろあるんだよ、いろいろ。ほら、あたし人当たりはいいじゃん」

「俺の人当たりが悪いとでもいいたいのか」

「逆にいいと思ってんの?もっと言うとライヴィスさ、目つきが怖いよ。初対面でそんな目に睨まれた子は絶対泣くよ?」

「……」

 

 俺はここに罵倒されに来たのだろうか。さらに言えば、今日の用件など電話やメールで済んだのではないのか。大人気ないがなんだか無性に腹が立ってきた。だから席を立ち上がって言い放つ。

 

「帰る。この話は無かったということで」

「わー!待った待った、ごめん!」

「…じゃ、こうしよう。普段学校でどんなことを学んでいるのか見せてくれよ。デュエルだ。俺のライフを半分削れたら組む。ただし、俺が勝ったらお前にはここの代金を支払ってもらう。どうだ?」

「いいねー、乗った!デュエルディスク、セット!」

 

 俺の左腕に光の粒子が集い、黒く鋭いデュエルディスクに変わって装着された。デッキは既にセットされている。D・ゲイザーの代わりに、右目が黒くなる。

 

「いっつも思うけど、デッキとデュエルディスクどこから取り出してんの?」

「いつも正直に答えるとあるわけ無いとか言って笑ってんのはどこのどいつだ」

 

 大真面目且つ正直に魔法だと答えているのに、そんなのあるわけないじゃん、の一言で笑って一蹴されてしまう。無いとしたら闇のデュエルなんて非科学的な物をどう説明するのだろうか。

 向こうも学校帰りというだけあって、デッキ、デュエルディスク、D・ゲイザーも持っている。準備万端のようだ。あの余裕そうな表情すぐに泣きっ面に変えてやる。ARビジョンリンク完了のアナウンスとともに、デュエルがスタートした。

 

「「デュエル!」」

 

「さ、行くぞ。先攻は俺だ」

 

 先攻はドローできないが、相手の妨害を受けるリスクを減らし、先手を打てるメリットが有る。まあ、本当はどっちでもいいが。

 

「まずは《星因士(サテラナイト)デネブ》を召喚。何度も相手したし、こいつらの効果はわかってんな?デッキから《星因士アルタイル》を手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

ライヴィス

LP4000

手札:3

星因士デネブ ATK1500

伏せ:2

 

 

「あたしのターン、ドロー」

 

 何やら手札を見て真剣に考えている様子だ。あのコロコロ変わる表情は見ていて飽きない。だがどれだけ考えても無駄なことだ。

 

「あたしは魔法カード、《大嵐》を発動!フィールドの全ての魔法・罠カードを破壊!吹き飛べぇ!」

「カウンター罠《神聖なる因子》!俺のテラナイト1体を墓地へ送り、魔法・罠・モンスター効果を無効にして破壊し、カードを1枚ドローする。俺はデネブを墓地へ送る。そんなもんが通るか」

「ちぇー、通らないか。じゃあ《グリーン・ガジェット》召喚!ガジェットは召喚・特殊召喚成功時に対応するガジェットをデッキから手札に加えられる。あたしは《イエロー・ガジェット》を手札に加えるよ。で、《グリーン・ガジェット》でダイレクトアタック!」

 

 単に緑の歯車に手足が生えたような機械のモンスターが突撃してくる。また面倒なデッキを使ってきたものだ。モンスターを切らさずエクシーズ召喚し、攻めてくるつもりだろう。だが、まだ甘い。ガジェット自体は優秀だがその攻撃力が低いことが弱点だ。

 

「そうはいかねえ、《リビングデッドの呼び声》発動。墓地からデネブを蘇生し、その効果でデッキから《星因士ベガ》を手札に加える」

 

 デネブの攻撃力は1500。このままバトルを中止するか、禁じられた聖杯とか禁じられた聖槍、はたまたリミッター解除でも使ってくるか。鈴の顔を見るとどうやら手札にその手のカードはあるようで、発動するかどうか悩んでいるようだ。

 

「バトルは終わりだよ。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

鈴音

LP4000

手札:3

グリーン・ガジェット ATK1400

伏せ:2

 

 

「俺のターン」

 

 さて、必要な物は揃ったことだし、動き始めるとしよう。鈴の手札は3枚、伏せカードは2枚、内攻守増減系の速攻魔法が1枚あると見ていい。モンスターはグリーン・ガジェットのみだから警戒する必要はないな。

 

「俺は《星因士ベガ》を召喚。こいつは召喚・特殊召喚・反転召喚時に手札のテラナイトを特殊召喚できる。俺は、《星因士ウヌク》を特殊召喚。ウヌクはデッキからテラナイト1体を墓地へ送ることができる。《星因士シャム》を墓地へ送る。」

 

 先に攻撃するか、それともエクシーズ召喚するか。ここまで鈴は伏せカードを使っていないから、攻撃反応系の罠か攻守増減系速攻魔法か、あるいはブラフか。いや、ブラフはない。必ず何かしらある。さっきのターンエンドの後に、じゃん、の語尾が付かなかったからな。

 

「俺はこいつら3体でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚。来い、《星輝士(ステラナイト)デルタテロス》!!」

 

 今までの星因士はそれぞれの星座をイメージさせるデザインの服や鎧を装備していたが、このデルタテロスは違う。甲冑を着こみ、変わった形の剣を持った戦士だ。

 

「デルタテロスがいる限り、俺のモンスターの召喚時に相手はカードの効果を発動できねぇ。俺はデルタテロスのオーバーレイユニットを1つ使い、その効果を発動。鈴のデッキ側の伏せカードを破壊する。デルタストライク!」

 

 デルタテロスの剣の先端から光線が発射されて、鈴の伏せカードを貫こうとする。しかし、そのカードが表側になり、破壊したもののそこから飛び出てきた槍がデルタテロスに刺さった。

 

「速攻魔法、《禁じられた聖槍》!このターンデルタテロスの攻撃力を800下げる!」

 

星輝士デルタテロス ATK2500→1700

 

「姑息な手を。とはいえ、予想的中だ。デルタテロスでガジェットを攻撃!」

 

 予想的中とは言ったが、半分は外れている。グリーン・ガジェットとデルタテロスの攻撃力差は1100、並みの速攻魔法では攻撃力差は覆らない。たとえ覆ったとしても、デルタテロスには第3の効果がある。本当に破壊したかったのはもう片方の伏せカードだ。しかし、あれが攻撃反応罠であっても今のデルタテロスは聖槍の効果で魔法・罠カードの効果を受けない。確実にガジェットを粉々にできる。

 デルタテロスは剣でグリーン・ガジェットを突き刺し、なぎ払うように振った。グリーン・ガジェットは剣から抜けて飛んでいき、遠くで爆発した。

 

鈴音 LP4000→3700

 

「やるじゃんライヴィス」

「お前にデュエル叩き込んだのは一体誰だと思ってんだ」

「いやいや、あたしはあれから成長してるからね。これでも学校内じゃダメージ受けることの方が少ないんだけどなー」

 

 なるほど一般教養とやらはともかく、学校でのデュエルの成績はよろしいようだ。が、そんなものが良くても実戦で勝てなければ意味が無い。

 

「まあいい、俺はカードを1枚伏せてターンエンドにするぜ。これでデルタテロスの攻撃力も元に戻る」

 

 

ライヴィス

LP4000

手札:3

星輝士デルタテロス ATK2500

伏せ:1

 

 

「あたしのターンじゃん」

 

 どうやらノリの軽さとは裏腹に真剣になったようだ。声にいつものふざけた空気が感じられない。

 

「あたしは《ブリキンギョ》を召喚。このモンスターは召喚成功時に手札のレベル4モンスター1体を特殊召喚できる。あたしは、《レッド・ガジェット》を特殊召喚するよ。で、《レッド・ガジェット》の効果でデッキから《イエロー・ガジェット》を手札に加えるね」

「レベル4モンスター2体か」

 

 神界ではシンクロ召喚もあったが、この世界ではどうやらシンクロ召喚は無いらしい。大体の決闘者はレベルが同じモンスターを揃えるデッキ使う。少数派だが融合や儀式を主軸としたテーマを扱うやつもいる。

 

「あたしは2体のレベル4モンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!《ガガガガンマン》!」

 

 西部劇で出てくるような銃士が現れ、守備の体制を取る。…守備?

 

「き、きったねぇ!!」

「なんのことかなー?《ガガガガンマン》効果発動!オーバーレイユニットを1つ使って、守備表示なら相手に800のダメージを与える!」

 

ライヴィス LP4000→3200

 

 ライフを2000削れば組むと言ったのは俺だ。だからって強引にライフ削りに来るとは。だが、800のダメージなら後1回受けても1600。400ポイント届かない。

 

「こんにゃろう…覚悟しろよ?」

「へへーん、あたしはカードを1枚伏せてターンエンドにしようかな」

 

 

鈴音

LP3700

手札:2

ガガガガンマン DEF2400 ORU1

伏せ:2

 

 

「俺のターン!まずはデルタテロスの効果でオーバーレイユニットを1つ使って、さっき伏せたカードを破壊する」

「そうはいかないじゃん、ライヴィスが選んだ伏せカード、《強制脱出装置》を発動!デルタテロスにはお引取り願いまーす!」

 

 デルタテロスはなすすべなく、光となってエクストラデッキに戻った。第3の効果を発動できなかったのは痛手だ。

 

「チッ…俺は《星因士アルタイル》を召喚。こいつはこのターンテラナイト以外の攻撃を封じる代わりに、墓地からテラナイト1体を守備表示で特殊召喚する。俺は《星因士シャム》を守備表示で特殊召喚。シャムは召喚時、相手に1000ダメージを与える。ホーリーシュート!」

 

 シャムがその矢を放ち、鈴音の鳩尾あたりに命中させた。このARビジョンというのはなかなか衝撃が強いようで、よくダメージを受けた人が吹き飛ぶのを見る。鈴音も例外でなく、広報に吹き飛ばされて尻餅をついた。いつの間にかデュエルを見ているギャラリーは多様な反応を見せる。まあなんだ、目のやり場に困るよな。嬉々として見ているような奴もいるけど。

 

鈴音 LP3700→2700

 

「いったぁ…」

 

 ダメージを与えたのはいいが、強制脱出装置によってデルタテロスが消えたのは予想外だ。アルタイルではガガガガンマンは倒せないし、エクシーズ召喚したらアルタイルの攻撃制限で攻撃はできない。ガンマンは処理したかったんだがなあ。いや、待てよ。鈴の手札は後2枚、そのうち1枚はイエロー・ガジェット。ならば…。

 

「俺はアルタイルとシャムでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚、来い!《輝光子パラディオス》!!」

 

光の粒子を散らす、重鎧を装備した戦士が現れた。

 

「パラディオスの効果発動。オーバーレイユニットを2つ使って、相手モンスターの効果を無効にし、その攻撃力を0とする。俺はガンマンにこの効果を使う!」

 

ガガガガンマン ATK1500→0

 

 パラディオスの効果は永続的に続く。鈴の手札が尽きかけてきた今、これによってダメージを防ぎ、パラディオスが破壊されたとしても、その効果で1枚ドローできる。アフターケアも万全…とまではいかないが、十分だろ。

 

「ターンエンド」

 

 

ライヴィス

LP3200

手札:3

輝光子パラディオス ATK2000 ORU0

伏せ:1

 

 

「やってくれるじゃん…あたしのターン、ドロー。お!」

 

 何かいいカードが引けたらしいな。

 

「《死者蘇生》を発動!アイヴィスの墓地から《星因士シャム》を特殊召喚しまーす!さてさて、そうするとどうなるでしょう?」

「なっ…」

 

 鈴のフィールドに現れたシャムは俺に向かって矢を放った。ダメージ効果を回避する手段はない。

 

「くっ…、やりやがったな!」

 

 鈴と違って吹き飛んだりはしない。しかし、だからといってダメージ量が軽減するわけでもない。1000ポイントはバカにならない。あと200ポイントダメージを受けたら俺は約束通り鈴と組むことになるからだ。別に、組むことが嫌なのではない。大会に出るのが嫌なんだ。

 

ライヴィス LP3200→2200

 

「続いて《イエロー・ガジェット》を召喚。効果でデッキから《グリーン・ガジェット》を手札に加えるよ。《星因士シャム》と《グリーン・ガジェット》でオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚。《ガガガガンマン》!」

「ちょ」

「《ガガガガンマン》の効果発動。オーバーレイユニットを使って、800のダメージを与えるね!」

 

 なんというか、今まで見たこと無いくらいにいい笑顔で効果発動を宣言しやがった。マジかよ。

 

ライヴィス LP2200→1400

 

「お前のエクストラデッキにガンマンは1枚しか入っていなかったはず…!」

「そんなの、このデュエルの条件聞いてから直前に入れ替えたに決まってんじゃん?それよりこれで一緒に出てくるんだよね、やったー!」

「ええい、抱きつくな煩わしい!」

 

 半ばタックルに近い勢いで飛びつかれた。重い。後周りの視線が痛い。

 

「まだデュエルは終わっていない」

「あ、そうだった。あたしはこれでターンエンド!」

 

 

鈴音

LP3700

手札:2

ガガガガンマン DEF2400 ORU1

ガガガガンマン DEF2400 ORU1

伏せ:1

 

 

「確かにお前と組むことは決定してしまったが、せめてここの代金くらいはお前に払わせてやるわ…俺のターン、ドロー!!」

 

 こいつがあればこのターンで決着を着けることができる。使うのが躊躇われるが、これからチームメイトになるやつに自分の切り札を隠すのも良くないし、見せてやるとするか。

 

「俺は《RUM(ランクアップマジック)-リベリオン・フォース》発動」

「ランクアップマジック?」

「そうだ。このカードは俺のモンスターエクシーズ1体を選択し、ランクが2つまで高いモンスターエクシーズ1体をエクストラデッキから選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとして特殊召喚できる」

 

 どうでもいい話だが、俺は以前エクシーズモンスターのことをエクシーズモンスターと呼んでいたが、この世界ではモンスターエクシーズと呼ぶ。最初にエクシーズモンスターと言った時、なんとも言えない表情で見られた。カルチャーショックというやつだろうか。それ以来、俺もモンスターエクシーズと呼ぶことにしている。

 

「俺はランク4のパラディオスでオーバーレイ。1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築。リベリオン・エクシーズチェンジ!《セイクリッド・プレアデス》!」

 

 パラディオスが黒い光に引き込まれ、その後爆発すると、中からデルタテロスの物とはまた違う、変わった形の剣を持った重鎧の光戦士が現れた。

 

「続いて《H・C(ヒロイックチャレンジャー) 強襲のハルベルト》を召喚。そして俺は、プレアデスの効果を使う。オーバーレイユニットを1つ使うことで、フィールドのカード1枚を手札に戻す。俺は効果が無効になっていない《ガガガガンマン》を戻す。」

「マジ!?」

「まだだ、《死者蘇生》を発動し、墓地から《星因士デネブ》を特殊召喚。その効果で一応デッキからアルタイルを手札に加えておこう。ハルベルトとデネブでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚、《H-C(ヒロイックチャンピオン) エクスカリバー》!」

 

 今度は光属性ではないが、やはり鎧を装備した戦士が現れた。しかし、今度は持っている剣の形は割と普通だ。このデッキだと滅多に出番はないが、本当に時々役に立つことがある。もうちょっといいエクシーズモンスターを入手したらすぐ抜けるだろうが。

「エクスカリバーの効果発動。オーバーレイユニットを2つ使い、攻撃力を2倍にする!」

 

H−C エクスカリバー ATK2000→4000

 

「攻撃力4000!?」

「バトルだ。まずはプレアデスでガンマンを叩き斬る!これで終わりだ、エクスカリバーでダイレクトアタック」

「きゃああああああああああっ!」

 

鈴音 LP2700→0

ライヴィス WIN

 

 勢い良く吹き飛んでしまった鈴のところまで駆け寄り、黙って手を差し伸べると、鈴は素直に手を握って起き上がった。

 

「悪い、やりすぎた。怪我はないか?」

「怪我してたら責任取ってもらうから…痛っつう…」「どう責任取らされるかわからねぇけど、約束通り俺はお前と組む。で、ここの支払いだが…払ってもらうつもりだったがやっぱり普通に俺が払う」

 

 いくらだったのか気になって見ると、伝票には3万5000円と書かれている。とてもじゃないが女子高生に払わせるには高額すぎる。

 店内に戻って会計を済ませ、このあと暇なことに気づく。家に戻らないと財布の中身はすっからかんのままだし、一度帰ろうか。しかし、俺のその考えは直後の鈴のセリフに粉砕された。

 

「で、ライヴィスこの後暇でしょ?あたしに付き合ってよ」

「あー…悪い、今日は一度家に帰らないともう持ち合わせがねぇんだ」

 

 とはいえ、何か良い言い訳が浮かぶでもなく、事実を述べるしか無い。

 

「10分待っててくれれば取ってくるが?」

「じゃあ待ってるからさ、行って来なよ」

 

 普通に移動したのでは3時間はかかる距離だが、神というのは便利なものでテレポートのようなことができる。剣で空間を裂いて、別の場所とつなげるのでテレポートとは違うが。空間転移というのがしっくり来る表現だろう。

 人気のないところまで移動してからその空間転移で家の自室に入り、金庫から枚数を数えないで適当に1万円札を掴んで財布にいれ、鈴が待っている喫茶店に戻る。これで大体10分位だった。

 

「待たせたな、どこに行くか決まってんのか?」

「デパートにちょっと用事があるんだ」

 

こうして、俺達はデパートに行くことになった。この後、妙なトラブルに巻き込まれることも知らず。

 




オリカについて

《RUM-リベリオン・フォース》
通常魔法
自分フィールドのXモンスター1体を選択して発動する。①選択したモンスターよりランクが1つまたは2つ高いXモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

とにかくある程度進むまでオリカはなるべく控えるつもりです。
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