PhantasyStarOnline2-IF-「A.B.T」   作:あるふぃ@ship10

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あるふぃとクオンの試合はあるふぃの勝利に終わった。
次に控えるは守護輝士同士の戦い。
ウルとナウシズの主力を担った2人が、ついにぶつかる。


第9話「ウルvsナウシズ」

準決勝第1試合を終えたクオンとあるふぃはフィールドを去り、その場には既に、まリスとユウが準備を整えて立っていた。

 

「控え室のモニターで見てたわ。蝉相手に快勝なんて、以前会った時に比べてとびっきり強くなったじゃない。」

 

「あれから随分と時間が経ってますからね。」

 

「最後に会ったのは、あたしがブレイバーの頃だっけ?あの頃は蝉相手に、手も足も出ない状態だったのにね。」

 

「あの時はまだまだひよっこで、お姉ちゃんに色々と教わっている最中でしたから...」

 

「......での暮らしはどう?」

 

「楽しく過ごさせてもらっていますよ。ただここに来てだいぶ経ってきたので、そろそろウルの皆に会いに行かないといけないなって思ってます。」

 

「そう...うん、決めるのはユウだもの。あなたにとって、居心地の良い方を決めるといいわ。」

 

「...まリスさん、ここはそんなしんみりとした話をする場所じゃないですよ。」

 

「ふふっ、それもそうね。久しぶりに会えたものだから、つい色々話したくなってしまったわ。」

 

まリスは"聖剣エクシオン"を構えると、気合いを込めながら声を上げる。

 

「来なさいユウ。蝉に勝ったその実力、あたしにも見せてちょうだい!!!」

 

「はい!!行きます!!まリスさん!!」

 

『それでは始めていこう!!...準決勝第2試合!!ユウvsまリス!!バトルスタァァトォォォ!!!』

 

ユウは開始の合図と共に凄まじいスピードでまリスへ接近し、"コートエッジver3"を力強く振るう。

まリスもそれに応戦するように"エクシオン"を振り、互いの刃が激しくぶつかる。

お互いに放った渾身の一振りは大きな衝撃を発生させ、フィールドを包む保護バリアが振動を起こす。

 

「気合を込めた最初の一振とはいえあの威力...やはり守護輝士は、規格外ばかりですね。」

 

「そういう蝉さんもユウくんと激戦を繰り広げたじゃないですか。」

 

「ユウは私に合わせてくれていただけですよ。今後の展開を見ていけば、ユウの本当の実力がおのずと分かります。」

 

蝉時雨とアリシアの会話の最中、ユウとまリスは互いに刃を押し合い、鍔迫り合いの状態にあった。

 

「良い一撃じゃない...踏み込みが甘かったら打ち負けていたかもね。」

 

「そんなこと言って...速度も合わせた僕の一振をその場に立ったまま迎え撃てるなんて、さすがはまリスさんです!!」

 

ユウは鍔迫り合いから離れながら、素早くツインマシンガンに切り替え、まリスに向けて放つ。

辺りが煙に包まれる中、まリスが煙の中から飛び出しユウに接近する。

ユウらまリスの一振をタリスによるワープで上空へ避けると、身体を切り返し、まリスに向けてソードを振り抜く。

だがまリスもタリスによるワープで避けると、ユウより上を取り、再びソードを振り抜く。

さすがに空中では身動きが取りにくかったか、ユウが地面へたたき落とされる。

なんとか受け身をとったユウは、空中にいるまリスに向けてツインマシンガンを連射する。

まリスもツインマシンガンを構え、ユウの放った弾丸を相殺していく。

地面へと着地したまリスはソードへと切り替えながら、尚も撃ち続けるユウの弾丸の雨を駆け抜ける。

まリスが間合いまで迫ってくると、ユウもソードへと切り替え、互いにソードを振り合う。

激しい火花が散り、刃の交わる音が幾度となく繰り返される。

両者共に一切引くことなく、状況は均衡していた。

 

『お互い少しも押されることなく何度も刃を合わせる!!先に崩れるのはどちらだぁ!?』

 

 

 

 

観客たちが熱狂する中、蝉時雨達の元に、1人の少女が駆け寄ってくる。

 

「あっ!蝉さん!それに皆も!!」

 

「おや、ろんじゃないですか。任務は終わったようですね。」

 

「うん、大会が気になって急いで終わらせてきたよ。...ユウくんは?」

 

「今試合中ですよ。相手はまリスです。」

 

「まリスさんが相手!?ユウくん大丈夫かな...」

 

ろんは心配そうにフィールドで戦うユウを見守る。

 

「―っ!!」

 

ユウはふと、観客席にいるろんが視界に入った。

すると突然、ユウの手に力が入る。

 

「っ!?」

 

急に力を増したユウの剣圧に押され、まリスは1歩後ろに下がった。

 

『おぉっと先に崩れ始めたのはまリスの方か!?1歩後ろへと下がってしまったぁ!!!』

 

「何よ...急に力が増したじゃない。」

 

「...これ以上彼女に心配をかけたくないので。」

 

「...なるほどね?」

 

まリスはユウの発言から何かを察し、これ以上押されないよう力を入れる。

 

「男らしさが上がったわね、ユウ。」

 

一言だけ言うと、まリスは交わる剣にさらに力を入れ、ユウを後方へ弾き飛ばす。

 

「だけどあたしにはあたしで、この先で会う約束をしている人がいるの。だから勝ちたいのなら...ありったけをぶつけてきなさい!!!」

 

"聖剣エクシオン"を両手で構える。

同時に、まリスの背中からフォトンによって構成された白い翼が生える。

 

「...分かりました。まリスさんの本気と僕の本気、どちらが上か勝負です!!」

 

ユウは"コートエッジver3"を上へ掲げ、そして素早く振り下ろす。

それと同時に、髪の毛が逆立ち、瞳の色が橙色に染まる。

 

『お互いここから本気モードだ!!!勝敗の行方はいったいどうなる!?』

 

先に動いたのはまリスだった。

素早く前へ飛び込むと、一瞬にしてユウの懐へと入り、"エクシオン"を振りかざす。

ユウはそれに対し冷静に、しっかりと迎え撃つ。

両者の刃が再び交わるが、先程までよりもさらに衝撃が増し、フィールドを包む保護バリアが大きく振動する。

まリスは競り合う事無く、タリスによるワープで背後へ回り込むと、再びソードを振るう。

ユウは前方へ飛びながら身体を翻し、宙を舞いながらツインマシンガンでまリスを攻撃する。

まリスはソードを盾に弾丸から身を守る。

弾丸を撃ち続けながらも、ユウはタリスでまリスの背後へと回り込み、切り替えたソードを振るおうとする。

だがまリスはそれを見越して、上空へとワープする。

 

「っ!!」

 

自身の放ったツインマシンガンの残弾が、ユウへと向かう。

ユウは咄嗟にソードを構え直し、弾丸を防ぐ。

弾丸を防ぎ切ったユウは前を見るが、まリスは追い討ちをかけることなく、距離を置いて静かに立っていた。

 

「なかなかやるじゃない。」

 

「まリスさんに並ぶため、あの頃からだいぶ鍛えてきましたから。」

 

「なら、あたしもその努力に応えてあげないとね。」

 

まリスが再び前へ飛び出す。

対するユウは先程とは違い、まリスと同じように前へ飛び出す。

勢いに乗った2人の刃が激しく交わる。

 

「...そろそろまリスが決めにいきそうですね。」

 

蝉時雨がふと呟く。

 

「え?まリスさん既に本気で戦ってない?」

 

アリスが不思議そうな顔で蝉時雨を見る。

 

「あれはただ"エクシオン"を媒介としてフォトンの出力を上げただけ。まリスの本当の力は、それだけではありません。それについては、いリスも知っているでしょう?」

 

「...うん。」

 

いリスは小さく返事をする。

 

「まぁ、見ていれば分かりますよ。」

 

いったいなんの事やら理解できないアリス達は、蝉時雨に対し疑念を抱きつつも、フィールドのユウとまリスへと視線を移す。

 

「...もっと戦っていたい所だけど、次もあるし、ここらへんで決めさせてもらおうかしら。」

 

「おかしなことを言いますね。お互いが本気になってからそれなりに時間が経ってますが、未だに勝敗が決まるほどの決定的な差は無いように感じますよ。」

 

「そんなの簡単な話よ。あたしがまだ本気じゃなかったってこと!!」

 

不意に、ソード同士で競り合っているにも関わらず、まリスの懐からツインマシンガンが飛び出す。

 

「っ!?」

 

ユウは急ぎその場を離れる。

まリスは左手に構えたツインマシンガンの一丁をユウに向けて撃つ。

 

「くっ!!」

 

ユウは咄嗟にソードで弾丸を防ぐ。

 

「まだまだ!!」

 

ユウはまリスの声がした上空を見る。

そこには、四方八方に浮かぶ無数の弾丸が、今まさにユウに向けて放たれようとしていた。

ユウはその場を離れようとタリスでワープする。

 

「逃がさないっ!!」

 

だが、先を読まれたまリスに背後へワープされ、ソードで叩き落とされる。

 

「ぐっ....」

 

もはや避ける時間などない。

ユウはソードを構え、あらゆる角度から飛んでくる弾丸を防ぎ続ける。

それでも、全てを防ぐことはできず、何発か直撃してしまう。

 

「くぅ...っ!!」

 

ユウがついに膝をつく。

この隙を見逃さず、まリスはユウへと迫り、ソードを振るう。

 

(―ユウくん...!!)

 

「...!!」

 

「んなっ!!」

 

突如、ユウを中心に衝撃波が発生し、まリスが吹き飛ばされる。

地面へと着地したまリスは、ユウの様子を見て驚く。

 

「へぇ...ユウもまだ力を隠してたってわけね。」

 

稲妻のようなものが、ユウの周囲をバチバチと走る。

見た目の変化こそそれだけだったが、対峙しているまリスからすれば、明らかに威圧感が高まっているのを感じた。

 

「.......」

 

ユウは一切口を開かず、ただ静かに"コートエッジ"を構えると、蝉時雨との試合で見せた時と同じく、刀身が眩い光に包まれる。

 

「...まさかこの試合を通してその域に達するなんて驚いたわ。でも...勝つのはあたしよ!!」

 

まリスは"エクシオン"を振りかざす。

背中の羽が一際大きく広がり輝きが増す。

"エクシオン"に光の粒子が集まり、巨大な光の剣と化す。

 

「あれは蝉さんと同じ...」

 

セラフィムの呟きに対し蝉時雨が口を開く。

 

「確かに技の原理は私と同じですが、威力も範囲も、私とは比べ物にならないほどです。」

 

「さぁ...フォトンの力比べよ!!!ユウ!!!」

 

「.......!!」

 

ユウは渾身の力を込めて、思い切り"コートエッジ"を振り抜いた。

同時にまリスも、"エクシオン"を思い切り振り下ろす。

 

「(エクスカリバー!!!)」

 

両者の全身全霊を込めた一振が衝突する。

フィールド内は光に包まれ、衝撃が強すぎるあまり、保護バリアに亀裂が入る。

亀裂から光が漏れだし、観客のほとんどが思わず目を閉じる。

しばらくして光が収まり、その場にいた全員が目を開け、フィールドに注目する。

そこには、倒れ込むユウと、息を荒らげながらも毅然と立つまリスの姿があった。

 

『......勝負ありぃぃぃ!!!ユウの戦闘不能につき、勝者は....まリスだぁぁぁぁ!!!!』

 

歓声が響き渡る。

まリスはユウの元に近づくと、優しく声をかける。

 

「ユウ...大丈夫?」

 

声をかけられたユウはゆっくりを目を開ける。

 

「まリスさん...僕は...負けたんですか?」

 

「えぇ、フォトン切れでね。それにしてもユウ、あんた、まだまだ強くなれるわよ。」

 

「...?それってどういう...」

 

「そのうち分かるわ。でも大きな脅威が去った今、それがまた現れることになるかどうかは分からないけどね。」

 

まリスは含ませたような物言いをしながら、そっと手を差し出す。

 

「ほら、立てる?」

 

ユウはまリスの手を借りながら、ゆっくりと立ち上がる。

 

『準決勝に相応しい試合を魅せてくれた彼らに盛大な拍手を!!!そして今から、フィールドのメンテナンスに伴い、30分ほど休憩となる!!メンテナンスが完了次第、ついにナウシズの代表が決まるぞぉぉぉ!!!!』

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