店長がヤマアラシと言った瞬間響鬼の眼光が
鋭くなった。
「響鬼まぁ落ち着け今の所被害報告は無いそれに
今回の件で各方面から何人か助っ人が
来ている。
もう富士山近辺をパトロールしている所だ。」
話を聞いて安心したのか鋭かった目は元に
戻っていた。
「しかし相手はヤマアラシだ油断すると今いる
メンバーでは倒す事は難しいだろうな。
そこで響鬼、お前も明日には現地に行ってくれ」
「わかりました。」
話が終わり響鬼は帰路についた。
翌日場所は某高校・・・
校内はある噂が話題になっていた。
「ねぇ聞いた?最近富士山の周りで巨大な影が
目撃されたって話。」
「聞いた聞いた!それと獣の様な鳴き声が
聴こえるって」
学生達は富士山で目撃された
「巨大な影」の噂で盛り上がったいた。
そしてある日それは一人の少女の提案から全てが
始まった。
「皆んな今日は来てくれてありがとう!
今日はバンドメンバー総出で影の
正体を暴くわよ!」
「総出と言っても各チームから一人代表で
来てますしね。」
「良いの良いのそれじゃ先に近くの別荘に
行きましょ!」
富士山麓に集まったこの少女達は
今や知らない人はいない程有名なバンドチームの
子たちである。
Poppinpartyから山吹沙綾
Afterglowから宇田川巴と美竹蘭
Pastelpalletから若宮イヴ
Roseliaから宇田川あこと今井リサ
ハローハッピーワールドから弦巻こころと奥沢美咲
今回の探検にこのメンバーが来ていた。
そして今回の企画を提案したのは弦巻こころである。
弦巻こころは一言で言うなら超お金持ちだ。
お上品と言うよりかわどんな事にも活発に動く
明るい子だ。
「巴さん・あこちゃん今日はすみません
なんか無理に連れて来ちゃって」
美咲が別荘に向かう道中二人にそう言った。
「いいんですよ。たまにはバンド以外で体を
動かさないといけませんし、なぁあこ?」
「はい!それに探検なんて初めてなんで
とても楽しみです!」
美咲達の会話を聞いていたリサと沙綾が
「美竹さん何で美咲ちゃんは謝ってるの?」
「あぁ実は今日巴達の兄の誕生日なんですよ。」
「えっ!そうなの?」
「お兄さんの誕生日なのに来てよかったんですか?」
二人の質問に美竹は・・・
「それなんですけど実は二人の兄貴は小さい時に
親戚の養子になったんです。」
「えっ!親戚の養子って何でお兄さんだけなの?」
「詳しくは私の口からは言えませんが
兄貴が養子になって家を出てから一度も
二人は兄貴と会ってないんですよ。
当時は突然兄貴と別れたもんで巴達は泣きながら
親に理由を聞いたらしいんですけどそれに親は
何も答えてくれなくて
それでも二人は兄貴には会えないけどせめて
誕生日だけは二人でお祝いしようって
決めたんですって。」
「そうだったんだごめんね聞いちゃって」
「いえ大丈夫ですよ。多分二人も今回は気分を
変えようとして参加したんだと思います。」
「そっかじゃあ今回の探検は思いっきり
楽しもう!」
「はい!」
話してるうちに別荘に到着しその日は
探検はせず別荘の周りで遊ぶ事になった。
弦巻家の所有する別荘の周りはキャンプ場と
となっている為一般のお客さんも訪れている。
別荘ではリサ・沙綾・美咲が料理の準備を
他のメンバーは川で遊んだり釣りなどをしていた。
巴とあこは川辺で釣りをしていた。
「ねぇお姉ちゃん」
「どうしたんだあこ?」
「何で拓兄はあこ達と会ってくれないんだろう。」
あこは釣りをしながら何処か寂しげな顔で
言ってきた。
「お姉ちゃんも昔からずっと思ってた父さんや
母さんに会いたくないのは分かる
でももしかしたら・・・」
「お姉ちゃん?」
「多分だけど兄さんは父さんや母さんだけじゃなく
私達からも捨てられたと思って会わないんだと
思う。」
「そんな!私達は絶対拓兄を見捨てたりなんか!」
「ちょっと落ち着けあこ私の考えなんだから
私だってそうじゃないと思ってるさ
それでも私達が思ってる以上に兄さんの心は
壊れてしまったんだ昔に・・・」
それから約10秒沈黙が続いたその時だった。
「ドン!・・・ドン!」
「お姉ちゃん何この音?」
「ドン!・・・ドン!」
「これは・・・太鼓の音に似てるな」
一瞬だったが確かに二人には聴こえた。
もう一度耳を澄ましてみるがあの音は聴こえない。
二人が不思議と顔を合わせた。
そこに美竹がやって来て
「二人ともご飯の時間だから呼びに来たよ。」
「なぁ蘭今太鼓みたいな音しなかったか?」
「太鼓?いやそんな音全然聞こえなかったわよ。」
「そっか・・・聞き間違えかな?」
「まぁとにかくご飯出来てるから行こ。」
別荘に戻り皆で夕食を食べた後風呂に入り
明日に備えて早めに寝る事にした。
布団を敷き寝る準備も整った所でこころが
「寝る前にちょっと話しましょ!」
そう言うと皆んな毛布にくるまりながら
一箇所に集まった。
「実はね今回は影の正体を暴くって理由で来たけど
もう一つ噂があるの」
「影以外にもあるの?」
美咲がこころに聞いた。
「そうなのそれがね・・・鬼よ!」
「「「「「「「鬼⁉︎」」」」」」」
「そう鬼よ!実は今回の巨大な影そいつが
目撃された時にね遠くから太鼓を叩く音が
聞こえたらしいの」
太鼓というフレーズが出た時巴とあこは
目を合わせた。
「そしてその太鼓が鳴った時に巨大な影と対峙する
様に人影が現れたんだってでもその人影
よく見ると頭に鬼みたいに2本の角があった
らしいの。」
「まさかこころその鬼の正体も暴こうとか
言わないよね?」
「そう思ったんだけど今回の目標は巨大な影だし
鬼はおまけみたいなもんね。」
「良かった〜」
美咲は安心したのか胸を撫で下ろした。
「そう言えば巴達釣りしてた時に太鼓のみたいな
音がしたって言ってなかった?」
美竹が巴達を見て言った。
それにこころは・・・
「えっうそ!何で言ってくれなかったの!」
「いやまさか鬼の話が来るとは思ってなかっし
それに蘭は聞こえないって言ってたし
私達の聞き間違えかもって思ってね。」
「そうなのねでもそれが本当なら鬼ももしかしたら
いるのかもね!」
「だと良いな、それになんかもう一回あの音を
聞いてみたいんだ。」
「何でまた聞いてみたいの?」
こころが不思議そうに言う。
「何かあの太鼓みたいな音凄く懐かしく感じるんだ
聴いてるととても落ち着くって言うか」
巴の言葉にあこは驚いた顔をして
「お姉ちゃん私も今同じ事思ってた!」
「あこもか!何でだろうなこの感じ・・・」
「まぁ考えてもしょうがないよ
それに明日は早いしもう寝よう。」
リサがそう言うと皆んなは静かに
布団に入り明日に備えて眠り始めた。
弦巻家の別荘の隣にもう一つ小さな建物が
ありそこは別荘を管理している黒服が寝泊まりを
いている。
「皆さんは今眠りにつきましたよ。」
「そうですか、黒服さんも遅くまでお疲れ様です。」
小屋では黒服と男性が話をしていた。
「しかし本当に会わなくてよかったのですか?
見ての通り巴様とあこ様は貴方に相当
会いたがっていますよ。」
「これでいいんです、二人にはただ普通に
暮らして欲しい。
出来るだけこっちの世界に介入させない為には
会わない方がいい。」
「ですが明日の探検でもし奴らに出くわして
しまったら・・・」
「その時は俺だってバレない様にするだけです。
でも二人の前で叩いたら流石に気付かれるかな」
「貴方今日二人に聞こえるようにわざと太鼓
叩きましたね。」
「あっ知ってたんですか?」
「こんな所で叩くなんて貴方以外いないでしょ。
明日は気をつけて下さいね。」
「分かってますよ。お休みなさい黒服さん。」
男性は黒服に挨拶をし小屋を出た。
「ふぅ〜やっぱり山の空気は気持ちいな」
深呼吸をし男は別荘の方を向いた。
「あれから10年か・・・
巴、あこ大きくなったな。」
男性はゆっくりと夜空を見上げ
「どんな事があっても二人は俺が守る!」
夜空を見つめ男は覚悟の現れかの様に
力強く拳を握るのであった。
影を求め探検を始めたバンドメンバー
途中で巴とあこがはぐれてしまいメンバーが捜索する中
二人に迫る巨大な影、絶望に陥る二人の前に
現れたのはひとりの鬼だった。
次回「鬼の覚悟」