兄妹の共鳴   作:タッツー氏

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3話:「鬼の覚悟」

夜明け前・・・

 

「見送りありがとうございます。

 じゃあ俺はこれから調査に出ますので

 何かあったら連絡下さい。」

 

「かしこまりました。

 どうかお気をつけていってらっしゃいませ。」

 時間は午前5時、男は調査に行く為富士山の

 ハイキングコース入口に黒服と来ていた。

 

「それと巴達には出発する前にハイキングコース

 から出ない事を伝えておいて下さい。」

 

「わかりました。」

 そして男は富士山を登り始めた。

 

時間は午前8時・・・

 バンドメンバーは身支度を済ませてこれから

 富士山に登る所であった。

 出発前黒服から

「皆さん富士山登る際は絶対にハイキングコース

 から出てはいけませんよ。

 出てしまうと最悪の場合遭難してしまいますから。」

 

「「「「「「「はい!」」」」」」」

 黒服に挨拶をしいざ探検に出発!

 

 場所は富士山麓・・・

「確かヤマアラシが目撃されたのは麓のはず

 さすがに富士山の頂上まで登らんだろう。」

 今話している男は先程黒服と話していた

 宇田川拓海こと響鬼である。

 

「多分巴達は五合目までしか登らんだろうから

 それまでには終わらせないとな。」

 小休憩を終え響鬼はさらに森の奥へと歩いていった

 しかし響鬼は気づいていなかった後ろから

 響鬼を見つめる二つの視線に・・・

 

 バンドメンバーが登り始めて約1時間が

 経とうとしていた。

 

「何か調査って言うよりか皆んなで楽しく

 山登りしてるって感じですね。」

 美竹がみんなに聞こえる様に言った。

 それにこころは

 

「そうね!でもただこうして皆んなで登るのも

 たまには良いかもしれないわ。」

 そう話してるうちにイヴがある事に気づいた。

 

「皆さん!」

 イヴの声に反応して皆んなが振り返る。

 

「何か霧が濃くないですか?

 さっきまで霧なんてなかったのに。」

 イヴに言われて初めて皆んなも気づく

 

「確かにまだ私達がいる場所は霧が出ないはず

 なのにどうして?」

 そしてその時リサが気づく

 

「ねぇ巴とあこがいないんだけど」

 その言葉に皆んなが辺りを見るが

 二人の姿がない。

 

同時刻・・・

 

「お姉ちゃん周り探してもリサさんいないよ。」

 

「一体どうなってんだ!

 それにさっきまで無かったのに霧が出始めたぞ。」

 二人はメンバーを見失い濃い霧に包まれていた。 

 

「霧が濃すぎて周りが見えねぇ。」

 霧の中二人身を寄せ合っていた。

 

「君達どうしたんだ?」

 声のする方を見る二人そこに現れたのは

 

「君達道に迷ったのか?

 まぁこんなに霧が濃いんだ仕方ないか。」

 麓で調査をしていた響鬼だった。

 

響鬼side・・・

 

「1時間調べても何も出てこないか・・・」

 響鬼は目撃情報のあった場所を調べていた。

 

「まぁさすがにずっとここら辺を動き回る

 訳じゃないか。」

 黒服のいた小屋に戻ろうとしたその時

 

「?」

 響鬼がハイキングコースに目を向けると。

 

「何であんなに霧が濃いんだ。」

 スタート地点からそう遠くない距離から濃い霧が

 出ていた。

 

「こんなに低い高さで霧が出るなんて・・・」

 その時霧から何が飛んできた。

 

「あれは、ディスクアニマル!」

 調査前に響鬼が飛ばしたディスクアニマルだった。

 ディスクアニマルには妹達の様子を

 見てもらっていた。

 

「帰ってくるの早くないかお前?」

 そしてディスクの内容を調べた結果

 

「なに!二人が霧の中で迷った!」

 響鬼はハイキングコースに戻り妹達を

 探しに向かった。

 

現在・・・

 

「他の友人はどこいったんだ?」

 

「すみません気がついたらみんなとはぐれて

 しまいまして。」

 響鬼は二人を連れて富士山の5合目に向かっていた。

 

「そうか、多分友人達もこの濃い霧の中で

 二人を探していると思うから急がないとな。」

 響鬼の背中を追う様に歩く巴とあこ。

 

(何でだろうこの人とは初対面のはずなのに妙に

 落ち着くって言うか、懐かしい様な・・・)

 巴は彼の後ろ姿が懐かしく思ったいた。

 

(不思議と惹かれると言うか一緒にいても怖くない

 逆に安心する。それにあの人の顔何処かで

 見たような・・・)

 あこは巴と同じく彼と一緒にいて安心感を

 感じていた。

 

「あの!」

 咄嗟に巴が響鬼に声をかけた。

 

「どうした?」

 

「私達以前何処かで会ってませんか?」

 

「え?」

 

「それ!あこも今同じ事思ってました。」

 その質問に響鬼は・・・

 

「そうか?俺は君達とは今日初対面なんだが。

 誰かと見間違えてないか?」

 

「そう・・・ですか、すみません急に。」

 

「いや、いいんだよ。

 多分誰かと似てたんだろうな俺の顔は。」

 二人と話してると遠くから人の声が聞こえた。

 

「あこー!巴ー!返事して!」

 

「あっあの声リサさんだおーい!」

 リサの声に気付き大きい声で返事をしたあこ。

 そしてその声にリサも気づいたようだ。

 みんなが二人の元へ駆け寄る。

 

「二人とも何処行ってたの

 心配したんだから!」

 

「ご迷惑お掛けしましたすみません。

 実はここまでこちらのお兄さんに・・・」

 言いながら後ろを向いたが

 

「あれお姉ちゃんさっきまでいたお兄さんが

 いないよ?」

 

「あれ?おかしいなここまで一緒にいたのに」

 後ろを向いたがそこには誰も居なかった。

 

 

「友達と会えて良かったな巴、あこ。」

 響鬼は離れた場所から二人を見ていた。

 

「「響鬼さん!」」

 声が聞こえた方を向くと

 

「威吹鬼、轟鬼!」

 響鬼の仲間の威吹鬼と轟鬼だ。

 

「二人とも来てたなら連絡くれよ。」

 

「実は響鬼さんよりも前から富士山に来ては

 いたんですよ。」

 

「えっじゃあ尚更連絡をくれても・・・」

 

「僕達は見てたんすよずっと響鬼さんを」

 

「黒服さんから聞きました。

 もしかしたら妹さん達と再会するかもって」

 

「黒服さん・・・余計な事を」

 

「だから僕達は響鬼さんが登り始めてからずっと

 響鬼さんの後をついて行ったんですよ?」

 

「ったく二人ともそんな暇あるなら早く

 ヤマアラシ見つけてくれ。」

 二人に呆れ頭を抱えてながら言う。

 

「それがですね響鬼さん実は・・・」

 威吹鬼が言おうとした時響鬼達の元に

 2体のアニマルディスクが飛んできた。

 それぞれ威吹鬼、轟鬼のものだ。

 

「響鬼さん実はヤマアラシは響鬼さんが二人を

 送っている時に見つけたんです。」

 ディスクを読み取りながら轟鬼が言う。

 

「そうだったのか・・・なぁ見つけたのは

 ヤマアラシだけか?」

 

「そこなんすよ!大抵ヤマアラシ程の大きい

 魔化魍には童子と姫がいるはずなんですが

 ヤマアラシの周りを調べても見つかってないんす」

 

「それでこいつらに調べてもらってました。

 他のディスク達も今頃探してくれてますよ。」

 

「そうか何にせよ二人がまだ見つかってないなら

 今のうちにヤマアラシを倒した方が良いな

 途中から出てこられても困るし」

 

「「はい!」」

 3人はヤマアラシの元へと向かった。

 

 

ガールズside・・・

 巴、あこと合流し目的の場所まで進もうとしたが

 霧の濃さ故、下山する事になった。

 

「すみません皆さんご心配をお掛けしてしまい。」

 巴の言葉にこころは

 

「気にしなくていいのよそれにこの霧じゃ

 山登りなんて不可能ね。

 降りたらみんなで遊びましょ!」

 

「はい!」

 こころの言葉に巴も元気を取り戻した。

 

「それにしても不思議よね二人を案内したその

 お兄さんが突然いなくなるなんて」

 リサが言うとイヴが

 

「バレずにキリに隠れるコレぞまさに

 二・ン・ジャ!」

 サムライやニンジャが好きなイヴはテンションが

 上がっていた。

 

「イヴちゃん落ち着いて!

 確かに不思議だけど二人も初めて会った男性に

 ついて行って怖くなかったの?」

 沙綾がイヴを止めながら聞いてきた。

 

「そりゃあ最初は怖かったですよ。でも・・・」

 巴が言おうした時

 

「チリンチリン・・・」「チリンチリン・・・」

 周りに鈴の音が鳴り響く。

 皆んなは慌てて辺りを見回した

 

「お姉ちゃん鈴の音だよね?」

 

「そのようだな、でもこの霧じゃ何処から

 なっているのかわからないぞ。」

 鈴の音が鳴る中前方から二人の男女が現れた。

 見た目は30代程だろうかしかし服装は

 今風な格好ではなく動物の毛皮を着た民族の 

 ようだった。

 

「お二人さんこの先霧濃いんで危な・・・」

 

「こころ待って!」

 

「美咲?」

 何故美咲は止めたのか。それは・・・

 

「さっきから鳴り響いてる鈴の音この人達から

 なってる。」

 美咲の言葉に皆んなは気づいた。

 霧から現れた男女から鈴の音が出ていたのだ。

 

「当たっちゃった。」

 男の方が喋ったが違和感がある。

 

「あれ?今男の人が喋ったはずなのに女の声がする。」

 沙綾が怯えながら言った。

 

「残念だね。」

 女が男に対して言ったが女が話してるはずなのに

 女の口から男の声がする。

 

「鬼達は私達には気づいてない今だ」

 

「小娘達を殺しあの子のご飯しましょう。」

 

「鬼?」

 男の言った鬼と言う言葉が気になった巴。

 すると突然男女の姿が変わりこの世のものではない

 化け物の姿へとなった。

 

「私は童子」「そして俺は姫」

 その姿を見て中には悲鳴をあげる物、恐怖のあまり

 尻餅をつく物がいた、怪物はゆっくり近づいていた。

 

「さぁ死になさい。」

 姫と名乗った怪物がリサの前に立ち自分の鋭利な爪を

 リサに向けそのまま胸を貫こうと腕を伸ばした。

 

「イヤァァァァ!」

 同時にリサの悲鳴が辺りに響く、その時

 

「グアアアアアア!」

 突如少女達の後ろからきた赤い球が怪物に当たり

 怪物は吹き飛んだ。

 童子が姫に駆け寄り少女達の方を向いた。

 その時童子は驚いた表情をしていた。

 

「何故お前が此処にいる!」

 その言葉にリサ達も後ろを向いた。

 そこにいたのは光沢のある赤紫の体に腰には

 一見変わったベルトを付けていた。

 そして炎のような真っ赤な手、胸には骨を彷彿と

 させる鋼の装飾、顔はまるでさっきの怪物が

 言っていた鬼のように2本の角が生えていた。

 

「来たか鬼!」

 童子と名乗った怪物がそう言った。

 鬼はゆっくりとリサに近づいて行き。

 隣まで来ると目線を合わせる様にしゃがんだ。

 

「あっ貴方は?」

 リサは怯えた様に鬼に聞いた。

 すると鬼はリサの肩に手を置き

「俺はあの怪物を倒す為に来た鬼だ

 よろしくな、ところで怪我はないかい?」

 

「怪我は大丈夫です・・・」

 まだ恐怖が消えないのかリサは俯いたまま顔を

 合わせず答えた。

 

「そうか・・・」

 そう言うと鬼はリサの頭を優しく撫でた。

 撫でられた事にビックリして鬼に顔を向けた。

 

「怖かったよなよく頑張った。」

 鬼はリサと目を合わせ優しく呟いた。

 そして鬼は皆んなの前に立ち

 

「怪物共今度は俺が相手だ!」

 そう言って鬼が腰に掛けた棒を2本手に持ち構えた。

 鬼の持つ棒は全体が赤く先端が鬼の顔になっていた。

 そして鬼の構えに巴とあこは思った。

 

「お姉ちゃんあの鬼の構えって」

 

「あぁまるで太鼓を叩く時の構えの様に見える。」

 

「ハアァァァァ!」

 鬼が声を出すと同時に棒の先端が赤く光りだした。

 

「はぁ!」

 鬼が棒を一振りすると棒から火球が出て怪物に

 直撃した。

 姫は直撃を2度食らったお陰か反撃する間もなく

 爆散した。

 

「鬼めが!」

 怒りで我を忘れたか童子がそのまま突っ込んできた。

 鬼はそれを避け童子の腹に棒を叩きつけた。

 その姿はまるで太鼓を叩いてる様に見えた。

 鬼は不意にベルトに手をかけディスクの様な物を

 外しそれを童子の腹に押し込みながら付けた。

 そのディスクは童子を被う程に大きくなり

 童子は身動きが出来なくなっていた。

 

「爆烈強打の型!」

 そう叫ぶと鬼は童子の腹を2本の棒で

 まるで太鼓のようなリズムで叩き始めた。

 叩く度に太鼓に似た音が響いてくる。

 

「すっ凄い・・・」

 

「お姉ちゃん?」

 巴の言葉に反応したあこは巴の顔を見て

 驚いた。

 

「お姉ちゃんなんで泣いてるの?」

 

「え?」

 巴は自分の頬に手を添えてやっと

 自分が泣いているのに気づいたのだ。

 そして添えた手を強く握りながら

 ゆっくりと手を下ろした。

 

「分からない・・・分からないけど

 なんであの鬼が叩く音がこんなに心に

 響くんだ。」

 

「え?」

 

「なんで!

 こんなにも懐かしくて心地いいんだ!」

 そう言うと巴は握った手を地面に強く叩きつけた

 ままゆっくりと鬼に視線を向けた。

 

「ハァ!」

 鬼が最後の一撃を与えたのか童子が被さる程に

 巨大化したディスクが童子を包み込むと同時に

 童子が爆発した。

 そして巨大化したディスクは鬼が手に取った

 時には元のサイズに戻っていた。

 

「嬢ちゃん達怪我はないかい?」

 そう言いながら鬼は巴達に駆け寄った。

 

「あっありがとうございます・・・鬼さん」

 鬼にお礼を言ったリサだがまだ今の状況に

 理解出来ずに怯えていた。

 

「まぁこんな鬼が目の前にいるのは怖いよな。」

 そう言って鬼はリサ達から少し離れようとした。

 

「やっあのそう言う訳じゃ・・・」

 離れて行く鬼に反応してリサが手を伸ばそうとした

 その時・・・

 

「あの!」

 リサの後ろから出て来た巴が先に鬼の手を両手で

 掴んだ。

 

「⁉︎」

 鬼はいきなり手を掴まれて驚いていた。

 そして鬼は巴の顔を見て更に驚いていた。

 そう巴は涙目で鬼の顔を見ていたのだ。

 

「鬼さん助けてくれて本当にありがとうございます。

 あの時来てくれなかったら私達はあの怪物達に

 殺されていました・・・」

 巴は泣きながら震える手に力を込めて

 鬼に感謝の気持ちを伝えた。

 

「でも鬼さん教えてください!

 なんで・・・なんで貴方は私の・・・」

 続く言葉に鬼は驚愕した。

 

 

 

 

 

 

  「兄と同じ音を出してるんですか?」

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