The Unusual StarBattle 作:星空ゆう@最弱ったら最弱
るふを雇用して、しばらくの時間が経った。
慣れないことも多くある中、少しずつ仕事を任せているけれど…。
「またダメだあ…」
「ゆっくりで良いよー」
なかなか上手くできないことが多いらしい。
羽根が生えてるから物を運ぶのが速いかと思ったらそうでもなかったり、じゃあ手が器用なのかもと思ったら目を離した隙にグルグル巻きになっていたり。
それを見て「ゆっくり出来ること増やして行こー」って言ってもどんどん自信喪失してしまうみたい。
自信喪失RTAでもしてるのかな?
良い記録が出たら是非教えて欲しいところだけど、そういう訳にもいかない。
「んー…なんか楽に出来る手はないかなー」
そんなことを考えながら畑に向かっていると、頭上を何かが通り過ぎる。
するとヒラヒラとビラが落ちてきた。
一枚どころでなく大量に。
「あっちょっゔぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
大量のビラが畑へと降り注ぐ。
急に仕事を増やすハメになったがこのビラはいったいなんだろうか。
「あれはスポナーか…いったい誰のいたずらだ?」
ビラを1枚掴み、犯人を特定するべく内容に目を通す。
そこの内容を見て、大きく目を見開いた。
「これは…!良いこと思いついちゃった!」
ビラを持って走り出す…前に気付く。
「あ、ビラの片付けもしないと」
「___っていう感じなんだけどどうかな」
「バトルロイヤル?ですか…これまた唐突ですね」
差し出したビラの内容を説明すると困惑気味に返事が返ってきた。
ビラの内容は、バトルロイヤルを開催し、優勝した人物又はチームの願いをなんでも1人1つまで叶えるというもの。
「楽しそうじゃない?行こうよ!」
「えーっと、まあ主催さんがあのエヴリさんなので信憑性は充分とはいえ…」
「行かないの?」
「うっ…じゃあ行きますかね」
「やったね。来週の予定みたいだから特訓してから行かないとね」
こうして特訓が開始___
「特訓することなかったなぁ」
「まあTUSBerなんて普段から島攻略で戦いますからね」
___しなかった!!!
立ち回りの完成度は既に充分であり、少々のウォーミングアップと協力での立ち回りを固めるくらいで大したことはしなかったのである。
「それでこの近くに会場があるはずだけど…」
「…なんというか、それらしいものが見つかりませんね」
目的地に近付いてはいるものの、目的地と思わしき場所は見当たらない。
もっと目立つ物を想像していたのだが…。
そんなことを考えていると一枚の絵画が落ちているのが見えた。
「これは…職業島の絵画でしょうか。どうしてこんな場所に…」
「…もしかして!」
周囲を見渡し、適当な岩場に絵画を立てかける。
「想像通りなら…これが入り口だ!」
そういうと星空ゆうは絵画へと飛び込んだ。
るふを抱えて。
「あっ!ちょっとなんで確証がない状態で私までうわあああああ!!!」
ぶつかる!と思ったその時、2人は絵画へ吸い込まれるように消えていった。
そしてそんな2人を見る影が居た___
「なるほどな、あれが入り口だったわけだ。道理で見つからないはずだ」
2人に続くように槍を持ったその人物も絵画へと足を踏み入れたのだった。
「…衝撃が、来ない。よかったぁ…」
「やっぱりだ。思った通り会場が絵画に中にあったんだ」
「このっこのっ」
恨めしそうな顔でるふが星空ゆうを殴る。
「っとごめんごめん。なんか行けそうだったから行っちゃった」
言い訳はもちろん通らず、ジト目でるふがこちらを見つめる。
星空ゆうは仕方ないと諦めて奥へ進むことにした。
奥には既に多くのTUSBerが集まっていた。
屈強な男や如何にも魔法使いといった見た目の人、格闘家のような人物も居た。
なんだかやけに肌寒さを感じるような気がする…。
「るふ、大丈夫?寒くない?」
「あ、たしかに寒いですけど…うーんと」
「?そんなに寒くないならいっか」
そんな風に話をしていると、ふわりと誰かが空中に現れる。
紫色の帽子にマントのような物を羽織っている姿はまるで芸術品のようで。
「レディースアンドジェントルメン」
どこか妖しさを感じる風貌のその人物は、堂々と目の前に現れる。
「今大会…スターバトルにご参加頂きありがとうございます」
周囲には絵画が現れて、様々な情景を映し出す。
「ルールを説明しましょう」
説明されたルールは五つ。
一つ「全員が入り乱れて、広いフィールドで戦うバトルロイヤル」
二つ「原則アイテムは持ち込み禁止」
三つ「フィールド内の島を制圧してアイテムを手に入れる」
四つ「死亡判定になった時点で脱落」
そして五つ「能力を最大限活かして戦い、最後まで生き残る」
細かいルールを含めば他にもいろいろあるが大まかにまとめるとそういった説明だった。
「さて、質問はありますかないですねはい」
「ちゃんと聞いてくれない!?!?」
抗議の声を無視して絵画がこちらを囲む。
「あー…これは」
「TUSBerですし、準備くらい既にできてますよね?」
「わっ!?」
飛んできた絵画を避ける。
何人かは避けきれずに絵画の中へ消えていった。
そしてTUSBerを飲み込んだ絵画は消えてしまった。
「…るふ!捕まって!」
「は、はい!」
右へ左へと絵画を避けていく。
どうやら絵画毎に初期地点が変わるようで良い位置を選ぶ必要がありそうだ。
「っとっとっと!」
軽い身のこなしで絵画を吟味しつつ避けていく。
どれにしようか…と悩んでいると。ツルッ
「…あっ」
「へっ?」
絵画を避けたは良いものの、足を滑らせて大穴に落ちてしまった。
「ブラジル↓」と書かれた看板が視界に入る。
「いやー初期スポーンかぁ」
「もっと良い位置あったはずですよねえええええ!?!?!?」
こうして僕らは2人まとめて真っ逆さまに落ちていった。
しばらくの間その場所にはTUSBer達が耐久していたものの、長い時間が掛かってようやく全員が絵画へと入っていった。
そこへ1人の影が迫る。
「…あれ、遅かったですね」
「どうやらハジまったヨウだな___エヴリ」
「はい。そちらはなにか?」
「…ホントウにヨかったノカ?」
「まあ…その方が面白そうでしたし」
「…ヤハリTUSBerというジンシュはリカイしきレん」
「ふふっ、これから楽しくなりそうですね___」
それぞれの思惑が交差し、バトルロイヤルがついに始まる。
おまけ
「あっ、あれはエ“ブ”リさん!」
「あ゛あ゛ん?」
「えっ」
「エ“ヴ”リだ。お前は最初に殺してやる」
「あっ(死を覚悟した顔)」
今回はいかがでしたでしょうか。
プロローグが終わりいよいよ本編に入ります。
怪しい人物やそれぞれの思惑、是非お楽しみください。