ナマケロに転生した俺 作:ひん
なんやかんやあっても、未だにトウカの森で俺のレベル上げ中。
俺の主人はむしポケモンを見て、『キャー!』と叫ぶような少女じゃなかった。
寧ろ、発見しだい俺が収まるボールを投げ、『経験値稼ぎよ!』とウキウキする戦闘狂でした。いやー、恐ろしいわぁ、自分の主人、恐ろしいわぁ。
「ケロー!」
ナマケロのひっかく!
「ムソー(やーらーれーたー)!?」
ケムッソは倒れた!!
ふぃ、ケムッソとも何十戦と戦ううちに急所は何処とかわかってくるね。
やっぱ、ゲームと違って戦闘での相手の特徴、弱点を見つけていくの大切だわぁ。
発見するまでに何度も毒に苦しめられたけどね!
「ふぅ、ナマケロのレベルも上がってきているからケムッソ系統(蛹段階まで)は余裕ね」
「ナマァ」
ふわぁー、体が怠いわぁ。
あと、その余裕になるまでかなりの戦闘をこなしてきたぞ、ごしゅじんさま?
ボール出るたびに相手の正面に体を動かしていかないといけない俺の気持ち考えて、八回に一回しか、ボール登場のとき正面に立ててないよ。
野生ポケモンにも憐れまれてるのよ。
エイム力鍛えてもらってもいいです?あ、言葉伝わらない積みました。○にたい。
「ボールに戻して、ハクダンの森を抜けた先で今度はレベル上げようか」
「ナヤッ!?」
「え、嫌なの?」
嫌だよ。
バクダンの森の北は、水辺が広がっている。
そんな所でボールを投げられたら……この体で泳げる自信などないぞ。
「えー、水落ちても助けてあげるからぁ」
あげるじゃなくて助けるんだよ。
つか、水辺にボールが飛んでいく、イコール、ボール紛失と変わらんだろ。
てか、落とす気満々かコイツ。
鍛えろよ、ボール投げ方向感覚。
抵抗で鋭い爪を地面に突き刺す。
「あ、この!ぬぎぎぎぎっっ……」
おー、意外と深く刺さったな。
爪に根っこみたいなの当たってるかんじ……やば!?
ぬ、抜けねぇ!!
Help me、Help me!!
ご主人が賢明に引っ張るが、地面と握手している俺は間抜けな格好で宙にウクダケ。
いやぁぁぁぁ!!一生このまままは……でも、いい…。よく!……まぁ、のんび!!えさは!?
この『なまけ』癖本当厄介ね!
「あ、こうすればいいや」
ボールを向けられ、紅い光線に俺の体は包まれ、小さくなり、納められる。
あ、これならある程度の自然事故(?)問題は解決だな。
モンスターボールぱねぇ
「それじゃ、森を抜け…。ん?」
「アマっ!!アママーン!!」
「か、かわいいアマカジが、チルットに攫われてる!行ってこい!私の相棒!!」
え!嘘だろ!!
あの馬鹿、空中に向かって幽閉ボタン解除して俺のボールを投げやがった!!つか、今回コントロール良すぎな!!
火事場の馬鹿力ってやつ!?
ぼん!と鈍い音と同時に俺は、ボールから出て、チルットの体にしがみ付く。
物理的ダメージと突如、加算された俺の体重。
チルットの態勢は崩れ、落下するのは当然だ。
……あの女、一回ひっか……かなくても……ひっかくんだよ!!
地面の衝撃を主に俺が受けようと、怠けそうな体に鞭を打って二匹の下敷きになる準備をする。
あー、俺………ぶぼぼぼ!!
口に入った!葉っぱ、口に入った!!
森だったのが幸い。生い茂る緑の塊がクッションとなって大きな怪我にはならなかった。
だ、だるい。もう何もしたくなあーい。
モフモフが気持ちいい。
甘い匂いが鼻を撫でるが、もう何んなのか確認するのも面倒い。
すやー。
――――――――――――――
「ナイス!私の相棒!!さてとポン、ポンっと」
気絶したチルット、ナマケロに体を擦り付けているアマカジにポンポンとそれぞれモンスターボールを当てて、捕まえる。
アマカジはあっさりと、チルットは若干の抵抗があったが、無事にゲット!
まさか、可愛い系のポケモンを2匹も手に入るなんて私って運がいいわぁ!
「ナイスガッツよ!ナマケロ!!」
彼には頑張ってもらったし、私の手料理を振る舞ってあげてぇ、毛繕いしよう。
労いは大切よね!