龍「あのバカ…なんで早速対象と会っているんだよ…」
紫「座標設定は相変わらず苦手なのね。」
今回龍夜は地下から行こうとしていたが、高さの座標をミスったため、地上…というよりちょっとした高さから落下し、剣が木に引っかかったために動けない状態に遭ってしまったところ、偶然人里の子供、それも程度の能力を持つ少年に見つけてもらったのであった。
龍夜「ごめんごめん。本当に助かったよ。」
優樹「いえ、たまたま見つけただけなので。」
一真「そうそう。お礼ならそこにいるお姉ちゃんに…ってあれ?」
こいしは龍夜を助けた後、能力を使って姿を隠してしまった。
優樹「お姉ちゃん…もうどこかに行っちゃったのかな?」
龍夜「多分近いうちにまた会えるんじゃないかな?」
龍夜がわざわざここにやってきたのには理由があった。
それは古明地こいしという名のさとり妖怪がこれから起こるかもしれないことに深く関わる可能性があること。または逃れられない運命、逃げることが出来る選択…そのすべてに関わるかもしれない…そんな話。
「ばあああ!」
こいし「きゃあああああ!」
木の上から急に驚かしてきたのは龍夜だった。
こいしは能力で姿を消していたため、安心しきっていたが故に不意打ちを喰らったように驚いてしまった。
こいし「なななななんでわた、私のいる場所がわかったののの?」
龍夜「テンパりすぎだろ。まあ、理由は俺の瞳が特殊だからとしかいえないな。」
こいし「どういうこと?」
龍夜「俺は人間じゃない。そしてこの眼は龍の眼、真実を映すことができて例え透明人間であろうと、無意識に逃げようと目に入る景色をそのまま見ることができるわけ。つまりはどうしても意識の範疇に入ってしまうってことだね。」
こいしは啞然としていた。これでは逃げることも隠れることもできないわけだ。
龍夜「ちなみにあの子の中にも一人いたね。まぁ、能力で見えるわけだけど。それより迷子なんだろ?地霊殿に送るぞ?”古明地こいし”」
こいし「!!私名前なんて言ってないはず…どうして…」
龍夜「さて、なんででしょうね?」
龍夜はそれ以上のことは話さず、ただ感情を悟られないような不敵な笑みを浮かべたままこいしを地霊殿に送り届けた。
さとりとは会わずに送り届けたあとは元居た場所に戻ったという。兄、龍のいる場所へ。
カリカリカリとペンを走らせる音が響いた。
「今日は望んだわけではないのに、とても充実した一日になってしまった。お姉ちゃんと喧嘩した後、地霊殿を飛び出し、そのまま走り続けて帰る道がわからなくなってしまった。周りの景色を見る限り地上に出てしまったのはわかってはいたけれど、戻り方がわからなかった。その時、人里の子供に出会ってしまい、能力で隠れていたにも関わらず、見破られてしまってので、木に引っかかっていたお兄さんを助けてあげました。その後はすぐにその場から離れたのに、木に引っかかっていたお兄さんに急に驚かされてしまいました。今にして思えばあのお兄さん…どこか普通じゃない気がしました…この世に存在していいのかどうか…とても不気味な存在に思えます。あの眼は普通じゃない感じがしました…どこか…恐怖を立たせるような…そんな眼でした。そのお兄さんのおかげで帰ってくることは出来ましたがお兄さんはすでにいなくなっていました。でもどこかで見ていてすべてを知っているような気もします。明日はお姉ちゃんとお出かけです。フランちゃんと遊べるのが楽しみです。」
パタリとその日記帳は閉じられた。