遊戯王、神格存在が邪神も合わせると多すぎる気がするのは気のせいかな?
「あの、大丈夫ですか?」
倒れたフリをしている龍機に、足音の主は優しく肩を揺すりながら声をかけた。龍機が目を開けて顔をあげると、そこにはなんとも小動物感が溢れるの少年がいた。
真っ白な白髪に宝石のような赤い目、不思議と兎を連想させるような容姿に心が和むが、突如として龍機の脳内にヘルメットを被った鬼畜ウサギが現れたことにより和やかだった心が正気に戻った。
『ん?なんだ、この気配…』
そして正気に戻った龍機は、目の前の少年から微かに見える何かの繋がりを感じ取った。"幼い頃からデュエルモンスターの精霊との繋がり"を持つ彼は、その様な気配に違和感を感じた。
しかし、『嫌な予感』はしないのとひとまずは目の前のとても心配そうに自分を見つめる少年に声を掛ける事にした。
「えと…」
「あぁ、すまないな。ちょっとこの路地裏に入ったら迷ってな…漸く一睡もしてなかったからどうやら倒れて眠っていたようだ」
「え、大丈夫なんですか?」
心配している少年に問題ないことを伝えながら立ち上がる。埃や砂を落とすために服を軽く叩いて少年と向き合う。
「さて、お礼を…と言いたいんだがーー」
「いえいえお礼だなんてそんな…」
「ーー少年、もう一つ助けて欲しいことがある。」
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「いやー、まさか迷子だったんですね」
「迷子…迷子っていう歳じゃないんだがなぁ」
龍機は苦笑いをしながら少年の後を追い、そして少年と離しながらも周りを観察する。様々な種族の者達が普通の生活を暮らしている。
その光景に以前、事故で『精霊界』に行ってしまったことを思い出した彼は、おそらくこの世界も何らかの物語があるんだろうと考えた。
「至るところから神の気配がする…精霊界かよここは」
あの時も神やら邪神やら神に近き存在と戦うことになったよなぁ…と呟きながら龍機は遠い目をしながら歩く。少年にはその呟きが聴こえなかったようだが、チラチラと龍機の事を見ていた。
まぁそれはそうだろう。裏路地で倒れていたなんか怪しい男、迷子ということでひとまず自らの主神がいる教会に連れていくことにはなったのだが…
「でゅえるもんすたーず?」
「そう、こんなのなんだがこの街にあるかな」
「うーん…僕もオラリオに来て日が浅いのでちょっと分からないですね」
「そうか…」
「ダンジョンか…」
「貴方も冒険者になるために此処に来たんですよね!」
「さぁ?」
「さぁ!?」
「ということはファミリアにも…」
「ファミリアってなんだ?」
「さすがに嘘ですよね…?」
「…ハハ!」
「ハハ!?」
この男、余りにも"オラリオ"の事を知らなさすぎるのである。例えどのような田舎でも少しならば知っている知識であり、この街で一番知名度のあるダンジョンですら知らないのだ。
しかし少年は余りにも純粋で心優しいので、こんな怪しい男でも『きっと凄い遠いところから来たんだなぁ』という感想だった。あんまりにも警戒心を感じなさすぎて龍機も心配しそうになるが、その優しさに甘えさせて貰っているので何も言えないのである。
『うわ、なにその子兎…真っ白過ぎじゃない?』
そんな微妙な気分になっていると、耳元で鈴の音の様な声が響いた。
チラリと龍機は己の肩を見てみると、そこには全身が淡い空色の様な色をした小さな畜生妖精こと『
「おい畜生、誰が出てこいって行った」
『だぁれが畜生よこの脳筋男!!折角だから念話に切り替えて挙げるわ、私ったら気が利くでしょ~?』
『気が利く奴は増Gみたいな奴を言うんだよこの羽虫』
『ムッキィィ!!私があのイタズラ娘に負ける虫以下って言いたいのかしらぁぁぁ!!?』
サーチ能力的にお前も範囲内じゃん。久しぶりにキレたわ、デミウルギアまで行きましょう。ただの喧嘩に星遺物使うとか…そんなんだから最強兄妹(+お兄さん)に負けるんだよ。なんだぁ…てめぇ…?ということを頭の中で繰り広げながら龍機は歩く。
ふと、前から視線を感じる事に気が付いた彼はリースとの喧嘩を一度止めて前を見た。そこにはとても何か聞きたげな様子の少年がチラチラと龍機の肩を見つめていた。
「…"ベル"少年、もしや君にはコイツが見えるのか?」
「はい!突然"キリュウ"さんの肩にキラキラ光るモノが現れたのですごく気になってるんですけど…」
少年…『ベル・クラネル』は龍機の隣へ下がって行きキラキラとその紅い眼を光らせながら彼のことを見上げていた。
「まぁコイツのことはそこら辺の灯りとでも思って良いぞ」
「あの、スッゴいピカピカ光ってますけど…」
『誰がそこら辺の灯りよこのパワーバカ!!あの化物兄妹とかイレギュラーもそうだけど、どいつもこいつもどんだけパワーを上げれば気が済むのよこのバカ!耐性付けんじゃないわよこのアホ!』
「コイツも気にするなと言っているだけだ。後、コイツのことが見えるのは少ないから余り人のいるところでは反応してやらんでくれ」
「成る程…分かりました」
頭の中でIQの低い罵倒が飛んでくる中で龍機は笑顔でベルにそう返す。そしてベルは、本人がそう言うならそうなんだろうなと考え視線を前に戻した。
因みに、なぜベルが龍機の事を『キリュウ』と呼んでいるのかというと、これが多次元用の名前であるからだ。
以前、他の次元で仲間がそのままの名前を名乗って面倒事に巻き込まれていた事を知った彼は、偽名を名乗ることにしたのだ。勿論、余りにも違いすぎる名前だと後々になって騙していたのかと疑われたりするので、あだ名の様な名前にしたということが事の経緯である。
尚、これのお陰で何度か仲良くなった仲間に腹パンを喰らわすことになったのは致し方無いことである。
『そういえば、ベルの魂が真っ白ってどういうことだ?』
段々と人通りが少なくなってきている道を歩きながら龍機はリースに聞く。
『え、あぁあれ?あれは言った通りよ。真っ白、何にも染まっていない純粋な魂。流石の私もあそこまで純粋な魂は見たことがないわ…』
そう話を続けながら、次第に真面目な雰囲気を纏うリースに龍機は違和感を覚えた。何時もなら『欲しいわ~』とか『直視出来ないわ~』みたいな事を言いそうだが、リースの顔は渋いままである。
『ねぇ"マスター"知ってる?私の様な暇人はああいうのにとても興味が引かれるの』
『あぁ、というかお前はそれでやらかした…いや待てよ?そいつぁーー』
『ーーじゃあ、私より暇を持て余してそうな存在はだーれだ』
この時になって改めて彼は事の重大さに気が付いた。
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ーーさてさてこのリースという妖精、実は一度世界を滅亡一歩手前まで追い込んだことのある凶悪な畜生妖精なのである。理由については未だに本人からは語られてはいないが、恐らく暇だったりいろいろとやりたかったのだろう。
ある時は星杯に選ばれた巫女の身体を乗っ取り、またある時は妹である巫女を蘇らせようとした巫女の兄が造った身体に蘇ったり、星遺物…否、星神器を使い世界を滅ぼそうとしたりといろいろやらかしているのだ。
さぁ、こんな奴より暇を持て余してそうでコイツよりも格が上で何でも出来る奴が、ベルの魂に興味を示し手を出し始めたらどうなるか…
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『ーーそいつぁ不味いな』
彼は暇を持て余した神がどんなことを仕出かすのかを知っている。というか『暇だから』なんて言う理由で戦わされた事があるのでベルが大変な状況であることが分かるのだ。
目の前で少しウキウキした様子で歩くベルを見ながら考える。こんなに優しく純粋な子が神の手で変わってしまう事を考えていると、龍機は一人の友人の事を思い出した。
「…そうだったな、『ダチ』を助ける為に理由は必要ないよな」
何度もそれだけの理由で戦ってきたのだ、ならば今回も同じだろう。そう新たに龍機は決意をしながらベルの後を追う。
「どうしたんですか?」
「いや、気にするな…それよりベル少年、君の主神がいる拠点はもうすぐか?」
「はい、もうすぐというより…もう着いたというか…」
「『え』」
ベルは恥ずかしそうにしながら立ち止まる。龍機とリースは驚きの声を上げて目の前にある『廃教会』を見上げる。
驚きで固まっていると、ベルは慣れた様子でその中へと入り入り口で此方へと手を振っている。『クロウ達の方がまだ良い住居してないか?』と困惑しながらも中に入る。
中も想像通りの廃墟だが、ベルはこの中をすいすいと進みながら地下室の入り口へ向かった。龍機達は『教会に地下室…??』と更に困惑しながらもベルに着いていく。
そして地下室の扉へ辿り着くとベルはその扉を軽く叩いた。その瞬間に扉の奥で何かがバタバタと動き出す音が聞こえると、扉が強い勢いで開かれた。
「ベル君お帰りぃーー?」
「ただいま戻りました神様…?」
中から現れたのは今までの次元で見たことのない胸を持つ少女であった。その少女はベルを始めに見てから次に龍機を、そして次にリースを見て固まった。
龍機とリースはその少女を更に困惑した様子で見ており、ベルは固まる己の主神と龍機達を交互に見ながら混乱していた。まさにカオスである。
ーーそして、一番始めに復活したのはベルの主神であった。
「は…ほ…」
「か、神様?」
小さな神がカタカタと震え始める、それに呼応するが如く小さな神のツインテールと服の紐が揺れ始めーー
「ほげぇぇぇ!!?ベル君が精霊を連れてきちゃったぁぁぁぁ!!?」
ディンギルス!神イブ!アストラム!リースにジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!!
オリ主君は何故か三幻魔とか三幻神とか三邪神とかに出会ってます。そんで何故か戦ってます。どっちで?勿論アクションデュエル(マジ)
オリ主君は二十歳で、あの針金マフラーの所で多次元担当の職に就いてます。なお精霊界での生活を合わせると実はウン百年くらい歳を取っていたりする。
ではまた次回