【サブノーティカ×ヒロアカ】二十少年漂流記   作:アママサ二次創作

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【耳郎視点】海の惑星と不時着したウチら

ピッピーピッピーピッピー────

 

 鳴り続ける電子音が耳に入り、耳郎は目を開ける。左から感じる熱さは部屋の中に火がついているようで、正面にはヤオモモ……

 

「って火事!? てか何ここ!?」

 

 慌てて立ち上がろうとするも、ジェットコースターなどでつけるような安全装置が身体を押さえつけていてすぐに立ち上がることが出来ない。

 

「このっ、なんで!」

 

 力付くで外そうとするもうまくいかず、どうするべきかと考えていると自分とヤオモモの間に消火器が落ちているのが目に入る。

 

「消火器あるっ、ってまじで外れろ、この!」

 

 手元にあった何らかのモニターを操作するも反応がなく、拳を作ってぶっ叩くとようやく反応したのか身体を押さえつけていたセーフティバーが上がった。

 

(ヤオモモよりも、まずは、火!)

 

 消火器を拾い上げ、壁際で燃えている火に向けて消火活動を行う。ヒーロー訓練の一環でこういうことも学んでいたので助かった。

 

「ッ! ヤオモモ!」

 

 消火器を放り出し、もう一つの座席に固定されているヤオモモを見る。よく見ればうちもヤオモモもヒーローコスチュームを着ている。

 

 自分のそれでしたようにヤオモモの安全装置を解除して救出しようとするものの、エラーが発生して外すことが出来ない。

 

「使用者以外による操作……これ座ってる人が操作しないと駄目ってこと?」

 

 それを確認していると、続けざまに声をかけていたのに気づいたのかヤオモモがぼんやりと目を開けてくれた。

 

「ヤオモモ! 大丈夫? わかる?」

「あっ、え、耳郎さん……? ここは……」

 

 何がなんだか、という様子でぼんやりとしていたヤオモモは、ハッとした様子で目を見開く。

 

「耳郎さん! これ、墜落しますわ!」

「墜落?」

 

 言っている意味がわからずに聞くと、どうやらこれはなにかの脱出ポッドのようなものらしい。ヤオモモはウチより先に目を覚ましていて室内、この場合はポッド内に響くアナウンスでそれに気づいており、何が起きているか情報収集をしようとしたところで、跳ね回ったなにかの蓋が頭部に直撃した、と。

 

「って頭!? 大丈夫?」

「え、ええ。少しあざになっている程度だと思いますわ」

 

 頭部と聞いて慌てたものの、見るとたしかに少し青あざになっているだけのようで。だが頭部は怖いのでとりあえずヤオモモには安静にしておいてもらおうと思う。

 

「じゃあヤオモモはそれで気絶したわけか」

「ええ、ですので、私も何がなんだか……」

「ん。じゃあ多分、もうこれ墜落し終わってるんだと思う」

「え?」

「ウチが起きた時、そのあたりがめっちゃ燃えてたんだよね。消火器があったから消火したけど」

 

 そう言いながら先程まで燃えていたあたりを指差すと、直後に『ビーーー』と甲高いブザーのような音が3秒ほど続く。音の原因を探していると、壁際、ウチらが拘束されていた椅子の隣の壁が開き、その中に薄い板のようなものが入っているのが見える。

 

「なに、これ」

 

 ぱっと見は透明な板のように見えるが、根本に何かがくっついているのを見ると端末だろうか。

 

 そう考えていると、自分でシートの安全装置を解除したヤオモモがウチより先にそれを手にしていた。

 

「端末ですわ」

 

 そういうヤオモモと一緒にそれを覗き込むと、板のように見えていた部分に『緊急モードで起動中』という文字とともに、ロード中の文字が浮かび上がっている。板のように見えていたのは半透明の液晶だったというわけだ。

 

『頭部に軽度の外傷を負っています。現状からすると最良の結果だと推察されます。PDAは1つの指令とともに緊急モードで再起動しました。異星の世界であなたを活かすことです』

 

 読み込みが終わると同時に画面にそう文字が浮かび上がり、電子音声がそれを読み上げてくれる。

 

「最良の、結果?」

「異星……」

 

 わけが分からぬままにウチも壁から端末、おそらくはPDAというのであろうそれを取り出すと、ヤオモモのときと同様に起動し、ウチには負傷が無いからかそれが省かれて表示された。

 

『詳細なサバイバルアドバイスについてはデータバンクをご参照ください』

「サバイバルって、どういう……」

「この梯子で外に出れそうですわ」

 

 混乱しているウチよりもヤオモモの方が落ち着いているようで、部屋の中を見渡して中央付近に立っているはしごへと目を向ける。入学したばかりの頃は空回りしがちだったヤオモモだけど、最近では柔軟さも身に着けて、友人ながら尊敬するヒーローになっている。

 

 ヤオモモが落ちてきて大丈夫なようはしごの下で待っていると、天井のハッチはボタンで開いたようで外へと出ていった。

 

「ヤオモモ、大丈夫!?」

 

 自分を呼ぶ声とか、戻ってくるとか、そういう反応もなく心配になったのでウチもはしごを登ってみることにする。空が覗いているのを見ると、先は外につながっているのだろう。

 

「ヤオモモ、何やって……」

 

 はしごの正面に立っているヤオモモを見てホッと息を吐き。

 

 その向こうに見える巨大な何かを見て、ウチも息を止めた。

 

「なに、あれ……」

『オーロラ号は船体に不具合が生じ、軌道から外れました。原因は不明。周囲に複数の人間の反応があります』

 

 自分でも唖然としているのがわかる。だが、目の前の光景。

 

 彼方に見える巨大なそれが宇宙船のようなものなのだろうと予測することは出来た。

 

「これ、脱出ポッドだった、ってこと……?」

「おそらく、そうですわ」

「でもなんでウチらが──」

 

 

 

「耳郎! 八百万!」

 

 

 

 後ろからの聞き覚えのある声に、ヤオモモと一緒に弾かれたように振り返る。

 

「あっ!?」

「っ! ヤオモモ!」

 

 慌てて振り返ろうとしたヤオモモがつまずいて落ちそうになったので、耳からジャックを伸ばして支える。

 

「す、すいません!」

「っ大丈夫。落ちなくてよかった。まあでも……これ海?」

「だと、思いますわ」

 

 安堵としている間にもう一度呼びかけられ、今度こそそちらに目を向ける。そこには。

 

 10メートルほど向こうに浮かぶ、自分たちの乗っているのと同じような脱出ポッドの上に立つ轟とその後ろから這い出してこようとしている緑谷。

 

 そして他にも浮かぶいくつかの脱出ポッドと、そこから這い出してくるクラスメイト達がいた。

 

「どう、なってんの、これ……」

「皆さん、いるんですね」

 

 何が起きているのか、どうなっているのか。見渡すばかりの海原に、ウチは、これまでの日常が崩れていくのを実感した。




力尽きてはいないけど脱出まで長編シリーズ化するなら詰めないといけないところが色々とあるので、これはあくまで『書きたいところ』と『ネタ』程度のシリーズです。
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