バナージ・リンクスの受難【完結】   作:PureFighter00

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トライ以降の設定だから、3on3まで出来るのだ。


2on2

【いつものガンベ 夕方17時】

 今日も店は混んでいた。店内では「ブクロの女王様(仮)」との対戦権をかけた対戦が続いているのだが……

 

「ガキが戦場に迷い込んでんじゃねぇってんだよ!」

 金髪リーゼントに浅黒い肌。私服の趣味が悪い事で有名なヤザン・ゲーブルだ。見た目通りチンピラヤクザムーブで中学生のムーンガンダムを切り刻んでいる。

「無様に逃げ回らずさっさと堕ちな! 見苦しいんだよ!」

 コンビを組むのはやさぐれ女。池袋の元祖姐さん、シーマ ・ガラハウ。逃げに徹するアッシマーをゲルググマリーネで嬲っている。無頼同士で野良コンビでも組んだのだろうか? 本人たちは「魅せプレイ」のつもりらしいが、世間一般では公開処刑と言えなくもない。こうなるから嫌なんだ……と店長は頭を抱えるが、逆に言うとゲームが盛り上がらないとこうもならない。難しい所だ。

 

「感じ悪ーい!」

 わざとらしくミネバが悪態をつく。シーマとヤザンは見下す様な目で睨みつけるが……早い時間で良かったな。ドズルさんが居たら店の裏でチャオチュー○にされるところだぞ。

 バナージがミネバを庇って立つ。

「ゲームにはゲームらしい楽しみ方があるんだ。こんなわけのわからない舐めプで攻撃されて、破損で回避も出来ず……。ここまで相手を馬鹿にしておいて、あんたたち大人はこの上なにをやろうっていうんです!」

 パチパチと疎な拍手、おーっという驚嘆。

「……理路整然としたカミーユだ」

「熱血はカミーユに似てる」

「バナージはあんなんじゃないもん!」

 カミーユ本人がまだ本部で稽古中で本当に良かった。こんなの聞いたら本人による修正(体罰)が炸裂するし、ミネバに手を上げたらドズルがカミーユを雑巾の様に絞りかねない(物理的に)

 

「なら坊や、お前が私たちと踊ろうって言うのかい? その素組のザクIIで!」

「良いぜ相手してやるよ小僧! なぶり殺しにしてやるぜ!」

 

 その時店の自動ドアを開け、颯爽と逆光で登場した男女が声を掛ける。

「2対1ではフェアではないな。少年1人に無様ではないかねヤザン君!」

「げ……シャア!」

「騎兵隊の参上かい? あんたこの店じゃフォビドゥンだろう?」

「貴様らの相手などこの赤い彗星がする訳なかろう。ウチの嫁で十分だ」

「控えろ俗物! お前らの戦い方は反吐が出る!」

「どうかなバナージ君、ウチのと一戦やってもらえないかな?」

「……僕は、ただ……」

「許せなかったのだろ? ウチの嫁もあれで優しくてね……」

 

優しい

優 し い

 優 し い

(三次元ブラスター残響音含む)

 

「子供達を守ってやってくれ、ハマーン」

 

愛しのハマーン

愛 し の ハ マ ー ン

 愛 し の ハ マ ー ン

(そうは言っていない)

 

「けっ! この色ボケが!」

「戦場でいちゃついてんじゃねぇってんだよ!」

「大丈夫、大丈夫ハマーン? 顔赤いわよ!」

「なんか宙に浮いてない……か? ミネバ……」

 

 ビルドファイターズ世界は愛溢れる世界。なんかZやZZでは昭和演歌の幸薄い女と化していたハマーン・カーンであるが、見事シャアを射止めてこの世界では別の意味で少々精神を病んでいた。怨念ではなく愛で満ち足りたハマーンはどの様に戦うのだろうか?

 

「ヤザン・ゲーブル! ハンブラビで行くぜ!」

「シーマ ・ガラハウ! ゲルググマリーネ出る!」

「バナージ・リンクス! ザクII……それでも!」

「しんこんはまーん、しあわせいっぱい!」

 

「のろけついでに天国に行っちまいなぁ!」

 シーマの強襲! 蝶のようにパヤパヤと飛ぶキュベレイをライフルが狙う! ……が、宇宙空間の暗闇に白い影が躍る。ヤザンは野生のカンで辛うじて回避した。

「ファンネル!」

「は……ハート型に?!」

「くっ……こんなもので!」

 

 ハマーン・カーンの脳内では大絶賛東京音頭が鳴り響いている。浴衣姿のハマーン、浴衣姿のシャア。綿あめ金魚掬い……嗚呼、シャアは射的も上手だなぁ……彼女の精神は今や完全なる異次元で遊び、現実に置いてけぼりにされた戦闘脳のみが外界反射で敵を攻撃していた。

 そして2人で櫓を回って踊りつつ、最後は夜空を眺めて花火を観るの……うふふ、あはは……これが夢じゃないなんて……(筆者注:バッチリ夢物語の妄想です)

 脳内妄想に同期して、シーマのゲルググマリーネは宇宙で爆ぜた。10機のファンネルから秒間16発のオールレンジ攻撃だ。高速移動するファンネル達は倍以上の数に見える。

 

「……ハマーン、私にもお前の格好の良いところを見せてくれないか?」

 軽く頬に口付けすると、ハマーンの目に正気が……いや失礼、狂気が宿る。

 

「でかしたな少年!」

 我に返ったハマーンはバナージがシーマを倒したと思い込んでいる。あの少年が年増を瞬殺するのなら、私はもっと華麗にやらねばな、と。大きくバインダーを開いたキュベレイが優雅に星の夜を飛ぶ。ヤザンも反撃を試みるが紙一重のところでかわされてしまう。

「男なのだろう? 少しは意地を見せて欲しいものだな!」

「ミンキーモモの癖に!」(バキュン!)

「ああーっ!(演技派)」

「……バインダーで器用に弾いておいて良くやる!」

「喰らえ食らえ喰らえええっ!(焦)」

「ははっ! ははははは!」

 キュベレイは一切回避せず、全てバインダーで攻撃を凌ぎ切る。キュベレイの周囲に弾け飛んだプラフスキー粒子が舞い、鱗粉を撒き散らす可憐なモンシロチョウの様にキュベレイが姿を現す。

「幸せ一杯新婚夫婦の熱い接吻(ベーゼ)で果てるが良い!」

 ファンネルが再度展開。三重の塔の様なフォーメーションを組むとドリルの様に旋回してフォーメーションを組んだままハンブラビに肉薄する。

「私のこの手が幸せ掴み、子孫繁栄と轟き叫ぶ!

 悪党ども、弾け飛ぶがいい! ラブラブファンネルレィッザァァァー!」

 

 今回も割とバナージは空気であったが、一応理不尽には立ち向かおうとした。成長であるかと思われる。




この後2人は池袋北口に消えた。
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