バナージ・リンクスの受難【完結】 作:PureFighter00
「ハマーン・カーン、キュベレイで行く!」
「桃李静香、パシケファロソード出る!」
「蔵前……初代ガンダムの完成度を見よ!」
「バナージ君それは……」
「ザク男使わないの? それ大切な奴でしょ!」
「ザク男だって2人で作った大切なガンプラだよ、でもその大切なガンプラをここで壊したく無い……バナージ・リンクス、ユニコーン行きます!」
「初手から行くわよ! SEシステム起動!」
ボタンを押し込むとSEシステム特有の耳障りな
「威勢が良いな! 女ぁ!」
「小娘とお呼び!」
ギャラリー含めて桃李に対し「小娘、じゃないよね」と思ったが無言を貫いた。
砲撃もパンチやキックもなく、パシケファロはキュベレイにしがみつく。腕で腕を押さえて力比べ。キャットファイトか。一応ファンネル対策ではあるがちょっと絵面が生々しい。
「羽根やら何やらむしり取ってやる! 丸裸にして晒してやる!」
「な……なんだこの女……離れろ!」
「離すかバカ! お前の幸せなんか全部剥ぎ取ってやる!」
「ハマーンさん!」
「君の相手は私だよ、少年!」
「くぅっ……」
案外バナージの操縦は機敏である。ギレントレーニングで有利な射界を取るべく走り回った経験が活かされているのだろう。確かに蔵前は手練れだが、バナージはギレンにより世界を狙えるファイター目指して訓練を積んだのだ!
「思ったより……やる! がまだ甘い!」
ビームライフルがユニコーンを捉える。盾が間に合わない!
「実戦経験は浅い様だな。その程度の動きだけなら珍しくも無い!」
「うるさい! 仕事でゲームをする様な大人が!」
「ゲームが仕事なのだよこちらは!」
ギャラリーは惜しむ事なくブーイングした。
「離れろ! ゲスが!」
「イチャイチャするのは家のベッド上だけにしろこの雌猫がっ! 絶対許さない!」
「……なんだこの感情……嫉妬か?」
「(ムカっ)嫉妬で悪いか、バカーっ!」
パシケファロがキュベレイをブンブンと振り回す。SEシステムの慣性質量制御によりパシケファロの見かけ上質量は数倍に増幅され、宇宙空間上では奇異に見える動きをしていた。バキンとキュベレイの肩のバインダーが一つ根元から折れて距離が空くと、すかさずパシケファロがパンチを放つ!
「
慣性質量制御をオフにして放ち、インパクトの瞬間に最大にする。キィ……キィ……ンと高周波が高まりキュベレイの頭部を捉える!
「バカな、何という……しかし!」
キュベレイからファンネル射出! これで……
「戦いに集中しろぉぉお!」
パシケファロの展開したSEフィールドがファンネルの攻撃を歪めて流す。更に肉薄して
「ファンネル掴んで投げるかー」
「初めて見たわこんなん……」
「何故当たる! 避けたはずだ!」
「逃すかバカ! リア充爆破しろぉぉお!」
「やめてくださいよ、大人が大人を止めると子供は辛いんだ!」
「子供の癖に大人びた事を言うっ!」
「大人が大人をしないから!」
「いいから子供は交換日記でもしてなさぁぁあい!」
「なぁ……」
「うん……」
「「凄くガンダムっぽい」」
「殴る蹴るより口喧嘩」
「微妙に噛み合わない言葉と言葉」
「イイシアイダナー」
「交換日記って?」
「ノートでやるLine」
「昔のやり方だ……それも味があるがな。まさかハマーン がこんなに手こずるとは……」
「お嫁さん大丈夫?」
「バナージ君が良く食い止めてくれている」
「バナージ強い?」
「君の彼氏は中々だよ」
「えへへ……バナージ頑張ってー!」
「そこにもリア充かっ!」
「悪いが色男には退散して頂く!」
「離せ! 気色の悪い……」
「離してやるさ!」
ガンダムがユニコーンにサーベルで切り掛かり、パシケファロはキュベレイともつれあいながらユニコーンに向かって加速する。
「いかん! 離れるんだハマーン!」
「貰ったぁっ!」
「……それでもっ!」
バナージのユニコーンのビームサーベルがガンダムの斬撃を受け止め、バナージは咄嗟に前蹴りを放つ。バナージはサーベルを手放しビームマグナムを構える。作用反作用の法則がきちんとエミュレートされて離れる両者……そこにパシケファロがユニコーン目掛けてキュベレイを投射! 急制動をハマーンは試みるが、キュベレイを避けようとしたガンダムと軌道が一致してしまう! そこに非情なガンダムを狙ったビームマグナムが!
「……どうして……どうして……っ!」
爆発したキュベレイとガンダムの閃光がユニコーンを赤く染める。その爆炎の向こうには憤怒に燃えたパシケファロが……
「不味いな」
「バナージ! あと一機!」
バトルロイヤルでは無いのだが。
そういう試合では無いのよミネバちゃん……