バナージ・リンクスの受難【完結】 作:PureFighter00
【練馬区江古田 永野電気 工房】
「何これめっちゃ硬い!」
桃李は製作中のパシケファロフレームの端材をいじり回している。フレーム素材として使われたエンジニアリングプラスチック(エンプラ)はガンプラの基本素材であるポリスチレンと比較すると尋常では無く丈夫だ。
「硬さで軽くガンプラ素材の倍あるからな。構造強度なんかは比較にならん」
「……一つ聞いていい?」
「何よ?」
「全部これで作れば良かない?」
「アホ。お前本当にゲームデベロッパーの開発か?」
「強くするならそうした方が有利じゃない!」
「そんなに負けたくなきゃプラキャストの球に溝彫って『ハロです(強弁)』とでも言い張れ。ガンプラバトルシステムがどんだけプラフスキー粒子で弄くり回しても圧倒的な強度で絶対破壊出来ん。実銃でも持ち込まなきゃそんなん破壊出来んぞ」
ムクの無発泡ウレタン樹脂の塊など、下手したらニューナンブとかでも1発では破壊出来なくないか?
「ゲームするのであって、そのゲームが『相手の破損』を勝利条件にしてるんだ。絶対壊れないとか『圧倒的に壊れ難い』機体出したらあかん。ゲームにならん。大体それアリにして相手がそれ出して来たらお前どうするの?」
「ハロ同士でフィールド中央でぶつけ合い……シュールね」
「ゲーム参加するのにゲームの前提壊す奴があるか。ブレイクデカールのマスダイバーと発想変わらん」
永野は机に置かれたパシケファロを手に取り眺める。
「これ、元々競技用機体の雛形として考えてたんだ。ガンプラバトルのな。ガンプラは自由だが頭おかしい奴が出て来ると最低限のレギュレーションも守れないスカタンが出て来るのはどこでも一緒だ。元々これは『壊れる様に設計』して、あくまでも『破損からの復帰が簡単な』機体だろ?」
「でも、壊れるのは嫌だよ!」
「じゃあガンプラバトルなんかしないでジオラマでもやるんだな。そしたら壊れない。『カッコいい機体を作れて』『操作も上手い』この2つの要素をどれだけ高いレベルで両立するかがガンプラバトルだと思うぞ。そこに無敵コマンド入れたソルバルウで参戦する奴があるか!」
「やっぱりそう考えるとGBNって理想的なんだなぁ……」
「紀伊はその点良くゲームの現場知ってる。そう考えると流石に奴もデンドロビウム破損動画見てると思うんだよなぁ……それに写ってたパシケファロも」
「はー……この間の街頭取材ニュースで流れないかなぁー……」
【あっさり流れました。ガンプラバトル破損否定派の発言として】
「おーまーえーさーぁ!」
「渦さん落ち着く。ワタシ悪くない。これ編集」
「編集かどうか他の人分からんだろ!」
「ワタシちゃんとフォローした。テレビ局に抗議するネ」
「間違っておりましたって5秒流れるだけじゃ!」
「渦さん、ポジティブポジティブ! これできっと紀伊さん見る。恋焦がれて会いに来る。ワタシちょと着替えて来るんでアリスタジャンプお願いしまぁ〜っす☆」
「脳みそお花畑か! めっちゃヘイト来るぞこれ!」
「ワタシ紀伊さん捕まえたらこっちにご用事無いネ。ヘーキヘーキ!」
「下手にお巡りさん案件になったら一巻の終わりだって注意したやーん(涙)」
【安アパートの万年床の上】
「トーリさん? トーリさんナンデ? ナンデこっちの世界に?!」
ダンバインだってバイストンウェルから東京に戻って来たでしょが。そういうパラレルワールド間の移動が可能なのであればあっちがこっちに来る事もある。
久しぶりだぜ説教部屋コント(攻守逆だが)
みんなの連絡帳
筆者手違いで飛ばした31話「店内撮影厳禁」が33話「ギレンの野望」投稿後に挿入されてます。めんどくさい仕業になってスマヌ。