バナージ・リンクスの受難【完結】   作:PureFighter00

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下手なオヤジギャグですな。


せいこうを祝して!

【中華屋ではなく中華飯店の丸テーブルにて】

 

 [永野は自分の携帯を見ている!]

 

「……では僭越ながら音頭を取らせて頂きます。桃李氏のせいこうを祝して乾杯っ!」

「(ぷっ)せいこうを祝して!」

「成功を祝して!」

 

 若年組は「ひらがな」の意味を取れないでいた。日本語は難しい。

「結局桃李さんて紀伊さん探しに東京来た感じなんですか?」

「まぁ、色々あるんだが遠い所から旅して来たな……」

「温度差があった気もするんですけど……」

 ミネバは所謂恋バナの一種と捉えてツヤツヤしている。見方に寄っては「想い合った2人の告白シーン」だ。出来たらGガンのドモンや08小隊のシローみたいなのが良かったが、現実ってこんなものかもーと妄想を逞しくしている。将来は母親に似て素晴らしい魔女になるのであろう。

 一方バナージは男として、割と近い将来に似たイベントを控える身として少々納得行かなかった。あそこで男がグイッと行かないと「いけないのではないか」という気持ちが拭えない。シャチョーはそれを気にかけ、永野は若い若い……といなしていた。その微妙な空気感を女実業家がニュータイプの様にキュピンと読む。ガンダムでは若者がニュータイプに覚醒して相互に分り合うのだが、現実には海千山千の(つわもの)ほど人々の心情に気付く。だからその様な立場になったのだ。

「あれで良かったの?」

「聞いてる限り、紀伊がクラゲなのはかつて置かれてた状況にも原因があるのかなと……大方今もそうなんだろうが、世渡り下手で『自分の居場所』作るの下手な奴なんだろ」

「クラゲ(苦笑)」

「しっかり居場所を作れる奴は、根を張り枝を伸ばし女の1人ぐらい余裕で抱えるが……しかし」

「不況よネ……ゲーセンが経営辛くなるとは思わなかった……」

「ウチのキャストの質が上がるのは社会的には不味いわね」

「なんでです?」

「オンナを売らなきゃならないってのはね、背水の陣なの。そこまで追い込まれたコがうちに来るのよ……稼がせてまた社会や家に帰すのがワタシのシゴト」

 

 実際ボクシング好きな宝石屋さんが……まぁ、いいか。

 

「でな、根張りが弱くて枝葉がヒョロいこと自覚してる奴は戸惑うんだよ。彼女を支えてやれるかと、幸せに出来るかと」

「激しく良くわかります! 不安です!(迫真)」

「はっきりゆうちゃろう。大丈夫だ何とかなる(力説)」

「でも……」

「バナージ……」

「……真剣なんだな。良いぞ良いぞ」

「大きな木じゃなくても木は育つわ」

「垣根の椿になる。世知辛い世の中ね、みんなで風雪に耐えるよ」

「1人で背負うな、周りを頼り周りを助けちゃれ。それが大切な人を幸せにする為だと解れば助けてくれる奴は必ずいる。分からない様ならそいつの背中押してやるのも必要さ」

 永野は八宝菜をおかずに白米モリモリ食べながら語った。本当に美味いなこれ?!

「貴方、困ってる人助けたがる割に自分が困ったら1人で解決しようとするクチね?」

 春巻きを取り分け李女史が語りかける。

「そんな奴の周りには同じ(たち)の奴が集まるぞ。お前の周りもお前と同じ『自分で抱え込む奴』ばかりになる。凄くしんどくなるからやめとけ(妙な説得力)」

「案外みんな周りに世話になってるよ。ジブンガーはジブンデヤルンダーが強くて皆の世話焼きに気付かないね」

 宗さんは語り終えると小籠包を口にしてニコニコしながら咀嚼する。

「私たちだって助け合うわよ」

 春巻きの皮はパリパリだ。いい音を立てながら女史が食い尽くす。熱い! それがいい!

「お互い様ね。大木も台風で折れるし津波に流されるよ」

 ミネバは言って言って、言ってやっての構えである。

 

「桃李があんだけ入れ込んでるんだ。どーとでもなる。それに……」

「それに?」

 バナージは青椒肉絲がお好みの様だ。

「ワシの幸せな老後の為にも紀伊には頑張って貰わないかん(力説) ガンプラバトル周りだけでは無くアイツは社会を変えられる」

「え? そんな凄いの?! ちょっとーぉ! 一口噛ませてよ!」

「玄ちゃんまた(はかりごと)したの? 今度何するよ!」

「紀伊次第だけどな……ありゃ自分の産む卵が金の卵と気付かないマヌケだ。周りも「中身は同じだし」と殻の価値に気付いてない」

「……なんか山師って言うか、胡散臭い」

 青椒肉絲の肉は肉汁を閉じ込め滋味深い味がした。

「ふふ……若いとカネになる話の現金化をどうするかって部分を知らんからな。案外いい金になるもんだぞ? 紀伊の不安はそれで消えるさ」

「教えてあげれば良かったのに……」

 筍の食感がまた食欲を(そそ)る。

「はっはっは! そりゃ『これから』の君としてはそうだろうな! だが少年覚えとけ、ワシら年嵩は上手く行ってる時ではなく、ピンチの時に人を見る」

「調子がいい時はみんな上手くやるものよ」

「偶に台無しにする奴居るけどね……」

「なーにしょげてんだシャチョー! ここ乗り切ればバラ色だぞ!」

「あ。レバ」

「どした?」

「レバニラ定食!」

「……ロウソク立てたチャーハンと一緒に出前させるか」

 ミネバは心のノートに青椒肉絲とメモしたかったが漢字が分からないのでカタカナにする事にした。

 

「と……当店では出前は……」

 スチャッ。ピッピッピ……

「あー陳さん? お久しぶりー。そうでーっす! 出前して欲しいんだけどダメかな? 昔は良く出前頼んだのにツメタイねー……うん、店の人に代わるよ!」

「お……オーナー!」

「皆も食べに来てあげてねー」




ゲーセンシャチョーのキャラがようやく固まったので、後でセリフ書き直しだな。神農系テキ屋の筈がチャイニーズマフィアっぽくなりましたな。朝鮮系の筈なんだが……(脳内設定的に)
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