バナージ・リンクスの受難【完結】   作:PureFighter00

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専門用語が多くてすまんな。


GPD-H

【ジオン工業 電子製品開発部】

「コンスコン部長補佐、ちょっと教えて欲しいんですが、ガンプラバトルシステムの仕様詳細ってどっかあります?」

「なんだ? 問い合わせか?」

「外部接続端子についてなんですけど……あれのピンアサインとか信号仕様って……」

「その辺社長が確か再設計してるから社長に聞いた方が早い。お邪魔するか」

 

【社長室】

 ギレンはガンプラバトルシステムが出力可能なエネルギー量などを計算していた。

「ちょっと宜しいですか社長」

 扉を付けると社員が出入りしにくいので社長室には扉がない。また、壁面は曇りガラスと普通のガラスのストライプで中が外から確認できる様になっている。本当は社員と机を並べて仕事をしたい所だが、顔面の圧の問題でギレンは隔離されたのである。コンスコンは割と古株なので臆せず入り込むが、話を持ち込んだ若い社員は緊張している。

「拡張コネクタ? PCI-Expressの×16だが……何を接続するんだ?」

「それは分かりかねますが……店舗からの問い合わせなんです」

「店が拡張コネクタの仕様を照会する? 何でだ?」

「独自にゲームのカスタマイズするんですかねぇ?」

「拡張コネクタの動作試験用に作った治具がある。一般的なPCI-Express拡張カード差し込めるものがあるからと回答しておけ。ピンアサイン表はこちらからメールしておく」

「ありがとうございます!」

「誰か様子を見に行かせろ。この時期に何を考えてるのか少し興味がある」

「はっ!」

 

【ガンダムベース池袋北口 閉店後】

 フロア下のメンテナンス道からガンプラバトルシステム中心部に入り込んだ永野、紀伊、桃李は何やら作業に没頭している。LEDランタンに照らされた内部は割と大きな空間で、3人が寝転がって作業するだけのスペースがある。

「仕様自体は変わってないか。だーれも使わない機能だしなぁ」

「あれ? 誰も使わなかったんだ、勿体ない」

「動いたら良いってだけで、システムのバージョンアップは内部プログラムとかパラメータ調整だけなのね」

「動いてるモノはなるべく弄らないが鉄則だからな。悪い事じゃない。それに弄れる様な奴もおらんのだろ。ハードウェアとソフトウェア両方弄れる奴って少ないんだよ」

「紀伊さんや永野さん見てるから、みんな出来る物かと……」

「そーでもないんだよ、静香。大体習う所別々だからね」

 

 ほぅ、静香呼びか。一歩前に出やがったなと永野は妙な所で感心した。バイクの駐車代立て替えてもらった割には前に出るね(苦笑) 桃李もニヤニヤしおってからに……末永く幸せに爆発しろ!

 

「で、イケますかね?」

「紀伊のエルドラ話聞いた限りではな。本当にイセリアルなんてモンがあってそれを媒介してデータ飛ばせるなら、GPDやGPNに搭載されてるこの基板で通信出来るかもしらん」

 永野が手にしているのは、VPN基板と呼ばれている物だ。GBNの方の世界から借りてきた物だが彼方ではPCI-Expressの×1基板としてシステムに接続されている。バーチャル・プライベート・ネットワークと同じ綴りだが、こちらはバーチャル・プラネッツ・ネットワークの略で星系間通信用デバイスである。エルドラの古き民と後に呼ばれる異星人からもたらされた超テクノロジーの産物だが、ちょっと見は秋葉原のジャンク屋で売られているロープロファイル無線LAN拡張カードに見える。注意深く見れば基板上にコンデンサに当たる部品が一つも無い、曲線配線などの異様さに気付くだろう。ギリギリ地球で生産できる程度に古い技術を使ってもらっている。

「配線仕様的には×16スロットに挿しても動作する筈なんだ。チップの仕様にも合ってる。ドライバも流用できるし……」

「おじさん、それ本当に必要なの?」

「金地金とかも考えたんだが、経済規模が大きくなって大量に行き来すると流石に相場がヤバいし介入もあるかと思う。ビットコインみたいな電子通貨でやり取りした方が実体経済に影響与えにくいんじゃないかな?」

「上手く繋がればね」

「何光年も先の宇宙と繋がる謎テクだ。試してみる価値はあるだろ」

 

 永野の計画はこうだ。今後の取引も加味して先ず両方の世界のネットワークを繋ぐ。バトルシステムも何も全て既存のGBNに繋げてシステムとしては一括管理をする。帯域的に足りるのかは試さないと分からないが、最悪データのみ同期してこちらにサーバーだけ立てても良い。で、可能な限り双方の窓口となる2社間の利益は相殺可能なレベルを維持して、儲けは外販をそれぞれの世界で行なって捻出する。細かい部分の数百〜一千万程度の誤差は仮想通貨で処理。

「DNSがどこにあるのかは知らないが、大方セラエノの図書館脇辺りに巨大な通信施設があって、奉仕種族がマルチバース全体のドメイン管理してんじゃないの?」

「クトゥルフは便利だなぁ(棒)」

「大体なんとかなるよね(棒)」

 

 深夜のガンベで改造されたガンプラバトルシステムは、少しづつGPD仕様を取り込んだGPD-H(ヘキサゴン)へと姿を変えつつあった。6人対戦可能なバトルシステムだ。これを叩き台にして一気にヤジマ商事を口説き落とす!




The Planet Corporation for Assigned Names and Numbers(PCANN)があるんだな、きっと。GBNで使ってるのはエルドラのどこかにあるDDNSサービスなんだろうが、私が見る限りあのドラゴンの棲家が怪しい。
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