バナージ・リンクスの受難【完結】 作:PureFighter00
【ガンベ北ブクロ 男子トイレ個室】
「このままでは不味い。カチコミかけてくれ。金なら払う!」
不穏な言葉が響き渡る。ある程度以上に発達した「商業」には、変化が収益構造にも影響を与えるため変化を求めない層も存在するのだ。世界規模で流行しているガンプラバトルにもそれはあり、そこに蠢く黒幕として有名なのがガンプラマフィアと呼ばれる一団だ。
これは基本としてガンプラ出している某社が悪いのだが、余りにラインナップを増やし過ぎた事と、ガンプラ人気の急騰によりガンプラが店頭から姿を消して久しい。おかげ様でジム系統のキットはおろか主役機のガンプラすら払底して、今やEG系統のガンプラ以外は売れ行きが微妙な「女の子と拳銃(仮)」やアニメもう一回やって再起を狙うロボ(仮名)、更に量産機ならいいのだろうと物語も作らず世に出した3mm穴ロボ(仮名)がガンプラの帰還を今か今かと待ち続け、北アフリカ前線で置いてけぼり食らった1年戦争時のジオン軍の様になっている。
我々の存在する世界線では、確かに買い占めを行う奴も多少はいるが、多くの場合は市場枯渇に驚いたガンプラ好きのお兄ちゃんが常より多くのガンプラを買い漁ったのが枯渇の原因である様だが、このビルドファイターズ時空ではガンプラマフィアによる買い占めと転売がなされている様である。流石マフィアだ実に汚い。しかもそのやり方はガンプラバトルで破損させられたファイターに対して破損パーツを売り付けるというやり方であり、彼らは効率的な販売の為に凄腕のファイターに依頼をして在庫のある機体パーツを狙って破壊する。ガンプラ払底とパーツ請求の余りの遅さが拍車をかけ、時には数千円の値を払ってしまうものもいると言う。
幸いにもガンベ北ブクロや新宿ではヤクザがいる為表沙汰になっていないが、その成立過程でヤクザの縄張りにならなかった秋葉原などではマフィアの暗躍がかなり活発になって居るとか。
まぁ、それはともかく早く在庫復活して欲しいものである。特にジム類(切実)
そんな理由で身軽なマフィアはカチコミをかけに来るのだが、池袋東口北側のヤマダやビックの裏手を知っている人は思い出して欲しい……あのヌード劇場や個室ビデオ屋のある通りだ。行った事がない人はGoogleマップで確認してみよう。ダンプを突っ込ませる事が不能なくらい道幅が狭いのだ! ちんたら切り返しなどして定番通りケツからダンプを突っ込ませようとしたら案の定「その筋の関係者」に見つかってしまった。
そしてテキ屋組織として日本最大級、唯一テキ屋組織なのに暴力団と見做された「この地のテキ屋」だが、実の所過去には大規模な闘争により数多くの死傷者を出した武闘派である。今では盃外交その他で敵を減らしていはするのだが、見知らぬ場末のマフィアに庭場を荒らされては流石に沽券に拘る……哀れ男たちは当地テキ屋の顔役の1人であるゲーセンの宗シャチョーの下に引き出された。
「えー……舐められちゃった、のかなぁ?」
普段は温和なシャチョーがコメカミ周辺をピクピクさせている。彼のシノギの新たな門出、しかも常連客や昔馴染みの永野の前での不手際だ。可能であれば西武池袋線のレッドアロー号の末尾に吊るして飯能まで引きずり倒してやりたい所である。或いはバニラの宣伝トレーラーに裸で磔にして市中引き回しの刑か。
珍しくガチキレの宗を目の前にして永野が助け舟を出す。
「ガンプラマフィアだから、ガンプラで勝負しに来たんじゃないか? ガンプラマフィアだから」
この世界、何故かヤクザものまでガンプラバトルでケリを付けるという不思議の風習がある(本当・原作準拠)
この世界の出身ではない桃李は「何言ってんの?」と頭の上に無数のハテナを浮かべているが、他の客は「ガンプラマフィアだしな」「流石マフィアだ、やはりバトルか」と何故か納得している。これもガンダムビルドファイターズを吹く清涼なる風の賜物か……この世界では仁義なきなんちゃらや唐獅子牡丹は発生しないのだ。
「嫌ならそのまま警察呼ぶが?」
「……舐めやがって……」
「……舐めたの誰よ、誰が誰を舐めたかよ? お前極真にぶち込んで無理矢理百人組手やらせてもいいんだぞ、分かってんのか?」
シャチョーがブツブツと小声で威嚇する。彼の爺ちゃんが元祖ゴッドハンドと懇意だったのはガチ。
タイマン3戦という事で話がまとまり、1戦目のマフィアファイターが桃李と戦う事に。
「よろしく……なっ!」
と、握手をすると見せかけてマフィアファイターは桃李の腹にボディーブローを加えるが、その腹は地獄の訓練により鍛え上げられている。マフィアが驚き、不敵に微笑む桃李の目の前に飛び込んできたのは……パーンナックルのモーションでマフィアファイターの頭頂を掴み、そのまま流れる様にパワーダンクのモーションで顎を膝で蹴り上げ、顔面を鷲掴みにして後頭部から地面に叩き付ける紀伊の姿であった。
「ふざけた真似しやがって! 俺の女に手ぇ出したら○すぞお前!」
「○しちゃうからそんな技出すな(棒)」
「ていうか生きてるかコレ?」(生きてはいました)
初戦。開始0秒 決め技「パワーダンク」
ノーコンテスト。
波乱の幕開けであった。下手な格ゲーニキは手加減せず本気で○し技使うから気をつけよう。
「あー……ガンプラバトルをする様に」
喧嘩の時に必殺技出すやつがあるか。(リアルな半殺し方法書いて真似られたら嫌だからパワーダンクにしました)