バナージ・リンクスの受難【完結】 作:PureFighter00
白昼池袋での銃撃!
偶々そこにギレンが居て、その口上を正確に記憶していた為に首都圏県警と警視庁はガンプラマフィアに対する第4次頂上作戦を決行。ガンプラマフィア首都圏24組織35事務所を家宅捜索、拳銃100丁、自動小銃4丁、手榴弾12発を押収。48名が逮捕勾留され、ガンプラ買い占め及びメルカ○などを用いた資金ルートが摘発された。押収されたガンプラは3500箱以上と言われている。
また、この摘発によりアメリカ・ニューヤーク市に所在すると言われる本部組織がちょっとした国際問題になる。被害者の少年が足立区に住む高専生と伝わると、何故か大激怒した有名企業社長が出るなどした。
【ジオン工業、社長室】
呼び出したドズルを前に、ギレンが声を掛ける。
「何処かで見た目だな、とは思っていた。だがまさか本当にバナージ君が……」
「まぁ、いいじゃないか兄貴。俺もそう言うのは嫌いではない。カタはきっちり、ウチらしい。それに……俺もミネバに銃を向ける様な奴には『解らせてやらねばいかん』と思うぞ……」
「……分かった。ガルマを通じて話は通してある。ちょっと早めだが夏休みをやろう」
ギレンはJTBの金券60万円分をドズルの前に差し出した。
【ドズル宅】
「ミネバー、バナージ君と一緒にアメリカ行って本場のディズニー観に行くぞー」
「えっ? 東京でいいのに……でも、本当!」
「まぁちょっと他の野暮用もあるんだがな。パパはバナージと先に行くから、ミネバはバナージにパスポート取るよう伝えてくれー」
「うん、わかったー」
【某月某日、羽田空港】
「お待たせしましたー! チェックインはどこで?」
「いや、チェックインはいいんだ」
満面の笑顔でドズルは奇妙な事を言い出す。チェックインが要らない?
VIP用のゲートでスマートに出境チェックを済ますと、バナージ達はバスで空港の外れに駐機しているアナハイム社のプライベートジェットに搭乗する。
「大きくなった……」
感極まりバナージを抱きしめるこの男、アナハイムエレクトロニクス社長にしてビスト財閥当主、カーディアス・ビストその人である。ドズルはこの手のシーンに弱いのか、既に涙目だ。
「息子がご迷惑をお掛けしております」
「もうウチの息子みたいなモンですわ。いずれ正式なご挨拶にも……」
「離れて育ってもインダストリアルの道に進んでくれて本当に嬉しい……」
と、口上を述べているこの2人、服を脱ぎつつズボン下やステテコ姿で和かに話している。傍には謎の都市迷彩服が。
「ん? バナージどうした? 着替えないのか?」
「サイズは聞いてるから大丈夫だぞ?」
2人はテキパキと編み上げ靴を履き様子を見る。
「ボディーアーマーはどうしますか?」
「奇襲ですから身軽な方がいいでしょう」
「あ……あの……ディズニー……」
「ああ、明後日な。いや日付変更線越えるから……あ、行くのにほぼ1日掛かるからそれでいいのか?」
「バナージ、男として愛する女に銃突きつけられて、それでいいのか?」
「き……キシュウって、あの蜜柑で有名な?」
解っている。キシュウが奇襲である事ぐらい解ってる。だが脳がどうしてもそれを認めたく無いのだ。
「……ユーモアのセンスもある!」
「流石ビストの血を引く子。豪胆ですなぁ!」
2人の
この世界のカーディアス・ビストは男汁溢れる男子約束の地、テキサスの生まれであった。実際牛とカウボーイが有名なドカ飯の地であるテキサスは、最近ハイテクやITでかなり栄えているらしい。もちろんアメフトも大人気だ。
【紀伊と桃李】
ビルドダイバーズ時空で結婚するも、ビルドファイターズ時空の方が自宅が豪華になった。エルドニウム鏡砂のプラスチックインジェクションの権利合切をジオン工業に譲渡した結果、南千住駅至近のタワマン(賃貸)を供与されたのだ。後々ビルドダイバーズ時空でも様々な権利関係に食い込んで、東京駅まで20km圏内に戸建を買うかもしれない。
桃李は子供を身籠った。逆算するとスナイパーの如き精度である。
【バナージとミネバ】
うっかりラブホでの話をミネバがしてしまい、ドズルが相変わらず勘違いして客間が壊滅した。相変わらず足立の民とは思えぬ純情まっしぐらな恋愛を楽しんでいるが、バナージはそろそろ就職を考えている。アナハイムに入社して安定した生活を送るのも良いが、やはり転勤や地方工場巡業が気になる。いっそ地元企業にとあちこち打診するも、打診した企業にドズルが推薦の電話を入れるものだから、何処の企業もバナージをジオン工業のスパイと見做して状況は芳しく無い。ギレンは「圧倒的ではないか!」の顔でバナージ・リンクスの申し出を心待ちにしている。君にはもう選択肢など無いのだよ……
【ガンベ北ブクロ】
謎のテキサス・ブロンコの出資により5階建のビルにリニューアル。1Fフードコートでは何処かで見た風天以外の元マフィアがたこ焼きや焼きそばを売るなどしている。
バナージのユニコーンガンダムは神棚に祀られ、奇跡の機体として尊崇の対象となっている。.38スペシャルとは言え実銃の銃弾を受け止めたのだから、神コーンの名も不思議ではない。
【そして、現在。ニューヤーク市郊外高級住宅地】
「俺の弟子の腹ぁぶん殴ったアホがここにいる。話は簡単だ、殺すな、殺されるな。手足を砕いて無力化しろ。死なない程度に地獄を見せる。怪我なんかしやがったら牛角奢りの刑に処す」
「
「指揮はダグザが採るのだな?」
「ニンジャが言う事聞きますかね?」
「忍者なら主命絶対だが……なんで? 陸自の特殊部隊?」
「本人達曰く『この世界には存在しない亡霊の様な者』だそうな。是非ともやらせてくれと……まぁいい。議会も警察も押さえた、今日ここで派手な花火が上がるが、誰も気にしない。派手にやれ、但し殺すな」
「「Sir, Yes Sir !」」
腰が引けているバナージの襟首をドズルが掴んで前に出す。
「大丈夫大丈夫。
「ただ、倒れた相手に何度も撃ち込むと死ぬかもしれないから注意はしてくれよ」
殺されるかもって意識は無いのか!(絶望) なんで殺してしまうって部分しか気にしないの!
ドズルもカーディアスも知っていた。パパは何でも知っている。ヤクザやマフィアだって人間だ、大量の人間が銃を構えて奇襲してきたら流石にビビる。そして怯んだ敵は的にしかならない。引け目の無さが勝ちを呼ぶ……柴千春理論は案外正しいのだ。ヤクザの怖さも筋を通すと言う部分にある。
「サーチアンドデストロイだ。さぁ行くぞバナージ!」
「迫撃砲準備ヨシ!」
「発射ぁっ!」
忍者部隊が梯子をかけ、3mの高さの壁を銃を抱えたまま駆け上がっていく。迫撃砲の着弾音、怒号、悲鳴。
「間抜けが居たぞ、撃てバナージ!」
「撃てませぇぇん!(半泣き)」
「反抗期かな?(すっとぼけ)」
「なぁに、一時的なものですよ! すぐに慣れます!(喜)」
死んでいないだけでバタバタとマフィアが倒れて行く。1番ゲージゴム弾だから貫通しないし初速は遅い。ただ、マイク・タイソンのフルパワーのボディブローに似た苦しみが延々と続くだけだ。マフィア的にはいっそ殺せと言いたい気分だろう。
行け、バナージ・リンクス。
負けるな、バナージ・リンクス。
君の人生は始まったばかりだ。その道は綺麗に受難で舗装されている。その道を愉快な親族と行き、共に困難を克服していくのが君の
差し当たって、明後日ディズニーでテロリストに出会わぬ様に神に祈るがいい。
【完】
次回作でまた会おう!
なお、またペンネーム変えるしカテゴリーや作風も変わるから、会えるかどうかは自信が無いない(真顔) 2次創作である事だけは間違いないのだが……