転生したらウマ娘になっていた   作:ヴァン.

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前日

スぺのダービーが終わり、残る菊花賞を残したスペシャルウィーク。その後メジロマックイーンがスピカに入部し、合計七人のメンバーとなったチームスピカ。そんないまだに本格期を迎えてないトウカイテイオーやメジロマックイーン、ダイワスカーレットにウオッカ、ゴールドシップはそれぞれのレースで一着を取って段々とリギルへと追いつき始めた。

しかし、この中で本格期を迎えているのはスペシャルウィークとサイレンススズカだけであり、本格期を迎えていない残りのメンバーはそれぞれの調子を見ながらレースに出場する形という方針で決まった。

ダービーが終わり一ヶ月以上が経った七月二九日。

スピカはトレセン学園から離れて福島県いわき市にある海水浴場へとバカンス、ではなくあくまでもトレーニングという名目でやってきた。

「どけどけ!!このゴルシちゃんが屋上で星の海で泳いでやるぜ!!」

「車で三時間掛かったっていうのにアイツなんで元気なのかしら」

「まあゴルシのことだし、調子もあんな感じだから気にするだけ無駄でしょ」

「うわあ海が見えます!!スズカさん海ですよ海!!海ってしょっぱいのかな?」

「あまり飲まない方が良いわよスぺちゃん。海水って確かに塩分が豊富だけど、飲んでしまったら最後、脱水症状と塩分過剰摂取で倒れるから飲まないのが一番なのよ」

「確か無人島や海で遭難した時に一番やっちゃだめな行動だっけ?飲んだら飲んだで何の成分なのかは覚えてないけど、飲み続けたくなるとかで今度は過剰摂取で倒れるとか」

「え……?海ってそんなに恐ろしいものだったのですか……?」

田舎からいきなり大都会へとやってきたスぺからすれば、かなり知りたくない情報だったらしい。

「まあ、飲まなければ良い話ですわよ。なんにしたってここはちゃんとした場所なので、仮に飲んでしまっても応急処置が効きますわよ」

「ほっ……」

「でもクラゲには気を付けた方が良いですわ。どうも辺りを見渡す限り遊泳禁止とかの立て札は無いようですが、クラゲはいるところにはいるので用心したことには変わりはないですわよ。たまに陸にあげられた個体もいますし」

「お母ちゃーーーん!!海って怖いよーーーー!!」

上げて落とされたスぺは泣きながらスズカの方へとメソメソしだした。

「あ、そうそうおめーら。さっき砂浜とか海をチラッと見に行ったけどクラゲはいなかったから大丈夫だぞ」

「おう。俺も今確認したとこだがクラゲらしきものは無かったから大丈夫だぞ」

「てことはボク達遊べるの!?」

「おう!まだ初日だしスぺの菊花賞まで時間は沢山ある!この際だからまずはリフレッシュするぞ!!」

「いよっしゃー!!早速ホテルに荷物置いて遊ぶぞー!!」

「ってオマエは鼻から遊ぶ気満々じゃねぇか!!なんだその浮き輪にゴーグルを付けていかにも今から遊びます的な恰好は!?」

「うるせえ!!いいからさっさと行くぞおめーら!アタシについてこい!」

「お待ちなさいゴールドシップ。さっきも言いましたがまずは荷物を置いてからですわ。着替えも兼ねてですのよ」

「えーゴルシちゃん早く遊びたいんですけどー」

「良いから行きますわよ」

「うっす」

「さて、オレはどこからツッコミを入れるべきか悩んでる」

「奇遇ね、アタシも今の光景を見て開いた口が塞がらないまま考えてるわ」

「スズカさん。福島の名物ってなんですか?」

「『こづゆ』って言う干し貝柱で出汁をとって豆麩、椎茸、人参、里いも、糸こんにゃくなどを入れて、醤油、塩などで味付けた薄味のお吸い物が美味しいらしいよ」

「こづゆですか。あー今の説明を聞いただけでよだれが……!」

「こっちはこっちで平常運転だから助かる」

「そうね。アタシ達はツッコミ役だからね!アタシはツッコミでアンタはボケよ」

「何言ってんだオマエ。オレがツッコミでオマエがボケだろ」

「アンタ、アタシに喧嘩売ってるわけ?」

「売ったのはオマエだろ。オレのどこがボケに見えるんだよ!!」

「なに?やるっての!?」

「上等だ。さっさと着替えて水泳でオマエと勝負だ」

「良いわよ。受けてたつんだから!!」

いがみ合う二人を遠くから見ていたテイオーとマックイーンは、どっちもボケだろと思いながら暖かい目でその様子を眺めていた。更にその遠くから沖野はその四人を暖かい目でその様子を眺めていた。

 

 

__________________________

 

 

あれから数時間が経ち、気が付けば時刻はおやつの時間となっていた。スピカはBBQでお昼を食べ終えたあと、スイカ割りを楽しんでいた。

「スズカ先輩、右です右!」

「いやもう少し左だって!!」

「右だ!!」

「左だ!!」

「じゃあオレスズカ先輩が右にいってくれることに五八〇円!!」

「じゃああたしはスズカが左にいってくれることに一二〇円!!」

「「なんだオマエ!!やるってのか!?」」

「なんでアンタ達は喧嘩してるのよ!!」

「スズカさん!本当は真っすぐですよ!!」

「いやスぺちゃんまでボケないで!?」

「……あの、早くスイカが食べたいですわ」

「それはスズカがスイカを割ってからな。あとスズカ、スイカは後ろだぞ」

「嘘つけトレーナー。左だ」

「右ですって」

「真っすぐですよ!」

「後ろだって!!」

「右!!」

「左!!」

「真っすぐ!!」

「後ろ!!」

「なんでまた喧嘩してるのさ!?しかも今度はトレーナーまで混ざってるし!?もうわけわかんないよお!!」

メンバーは変わっているが再び喧嘩が始まるこの四人テイオーは頭を抱えだす。一方そのころ、目隠しされて木の棒を持って一人取り残されているスズカは、

「ウソでしょ……。誰が本当の事言ってるのか分からないわ……!!」

いつの間にかスイカからかなり離れており、気が付いたらマックイーンとスカーレットが元の場所まで連れてってくれたのは別のお話。

ちなみに、本当の事を言ってたのは真面目なスぺである。

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