転生したらウマ娘になっていた   作:ヴァン.

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放課後

トレセン学園の座学は午前までだ。理由としては、トレセン学園はあくまでも専門学校扱いのため、他の学校と違って 夕方まで ある事は無い。しかしそれだと中等部に所属しているものは義務教育という制度で夕方まで受けなれければならないのだが、そこはトレセン学園がしっかりとカリキュラムを立ててるためその心配は無かった。

そんな午後の時間、テイオーはお昼ご飯を食べるついでに、早速今朝知り合ったイクノディクタスと一緒にカフェテリアでお昼を食べていた。

ビュッフェ形式のカフェテリアは基本的になんでもあり、海外のウマ娘が留学するのもあって海外料理もあるのが良いところだ。

そんなテイオーがチョイスしたのは、

「カツ丼ですか」

「うん。何気に食べやすいしエネルギーが沢山取れるからね」

「とはいえ衣についてる油が一番の天敵だと思いますが……?」

「美味しければ何でも良い、ただそれだけ」

「え、えぇ……」

やや困惑したイクノだがテイオーは気にせず箸を進めていく。

「……んぐ、でさ、イクノのクラスってどんな感じなの?」

「私ですか?」

「うん。ボクと違うクラスだし何気に友達も沢山作ったりしたいからね。折角の青春が何もなしではい終わりなんて嫌だし」

「ふむ……。良い人はいますが、まだ会って間もない時間ですからまだ何とも言えませんね」

「あちゃー、流石のイクノでもダメだったか」

「今はゆっくりと仲を深めていくのが一番です。交流会があればもしかしたらより一層友好度が高まりそうでが……」

「……?ふぉうかしたの?」

「いえ、私もお堅い人物だと言われてるみたいで、ここで出会った人たちからはあまり話が出来てないのです……」

「イクノもなの?」

「イクノも……?」

テイオーの言葉にイクノはやや困惑した様子で、テイオーは口の中の食べ物を飲み込む。

「……いやね、カイチョーもなんかお堅い存在らしくて年下辺りから怖がられて逃げられてしまうんだって。実際、今日の廊下でその一部始終を見かけたからそのシーンが頭から離れられないの」

「あの、ルドルフ会長もですか」

「うん。…………………………うん?」

テイオーは少し考える。人間の九割は見た目で大体イメージが決められる心理傾向があると言われている。例えばイクノのみたいに眼鏡をかけてキリっとした感じだと、どうしても話すまでお堅いイメージが固定されてしまいやすい。そのイメージを払拭するためのイベントは何か。

(交流会……。トレセンには交流会が無いから、同じチームでもない限り他のクラスと話す機会は滅多にない……)

「どうかしました?」

イクノの問いかけに、テイオーは、

「いや、ちょっといいアイデアが浮かんだよ」

 

_______________________________

 

「カイチョーいる!?今なら無料配布のポケットティッシュをプレゼントするけど!!」

そう言ってテイオーは思い切り生徒会室の扉を開けた。

「誰だ貴様!?ノックも無しに開けるなど不届き者だぞ!!」

入ってテイオーをお迎えししたのは知らない声の怒号だった。

「……君誰?」

「貴様こそ何者だ。見たところ新入生のようだが礼儀がなってないなたわけが」

知らないウマ娘はテイオーの目の前に来て、

「帰れ。ここは貴様のような者が気軽にくる場所ではない」

「ちょっと離してよーーー!!ボクはカイチョーに用があってここに来たのにーーー!!」

「黙れ。貴様のような者が会長に会う資格など______」

「そこまでだ、エアグルーヴ」

「あ、カイチョー!」

「その子は私の大切な存在だ。丁重に頼む」

「くっ……」

エアグルーヴと呼ばれたウマ娘は納得しない表情のままテイオーを離す。離されたテイオーは安堵した。

「……エアグルーヴだ。あまり舐めた態度を取れば迷わず貴様を蹴り飛ばす」

テイオーはただ思う。もしかして威圧感が出ている原因はこのウマ娘なのではないかと。なんだかテイオーは初日から変な人に絡まれたかもしてない様子で、

「と、トウカイテイオーだよ……?」

「……ふん」

エアグルーヴはテイオーの視界から出ていく。変な汗をかきながら、奥にはデスクで何かの書類整理を終えたルドルフが鎮座していた。テイオーはゆっくりとルドルフの下へと行く。

「すまないなテイオー。近々開催される春のファン感謝祭の企画等で寝不足みたいなのだ。今は目を瞑ってて欲しい」

「なんだ。それなら仕方ない……。うん?春のファン感謝祭?」

「うむ。今月の前半期に行われる感謝祭だ。我がトレセン学園の感謝祭は春秋に分かれていて、春はいわゆる運動会みたいなもので、秋は文化祭みたいなものだ」

「へー、初めて知った」

「ろ、廊下の掲示板に貼っているのだが気付かなかったのか……?」

「えーと……」

テイオーは苦笑いをしながら、

「全然見てなかった……!」

「……」

それを聞いたルドルフが思わずしょんぼりしてしまった!

「ああそういえば書いてあったなー!カイチョーの気合の入った絵がとても印象に残ってるなーあはは!」

「そ、そうか!やはりテイオーならあの絵は傑作だと気付いてくれたのか!!」

「も、もちろんだよー!ボク程カイチョーの理解者はいないからねー!」

「て、テイオー……!」

なんだか結果が良い方向に行っているのだが……、まあいいやとテイオーは流れに身を任せることにした。

なお、テイオーはさっきまで棒読みだということにルドルフは気にするまでもなかった。

…………………………傍にいるグルーヴは何やら唖然とした様子でこちらを見ているのが気になるのだが。

 

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行間

 

一方、イクノは同じクラスであるマチカネタンホイザと廊下を歩きながら話していた。

「イクノディクタスって話してみると意外とノリが良いんだね」

「私としてはむしろこの方が落ち着きましてね。あまりお堅い感じだと思われるのは私としてはあまり好ましくないので」

「あはは。でも今の方が私としては好きかな~」

「そう言ってもらえるだけでも私としては好ましいです」

「でもなかなか自分から話に行く人は少ないからね。私にどーんと話しに行っちゃえばいいのにね」

「それは性格にもよるので難しいものです。今は無理でも時間をかけてゆっくりと交流さえできればそれだけでも充分ですから」

「むーん………………………。むん?」

「どうかしましたか?」

「いや、あれ……………」

イクノはタンホイザが指を指した方を見る。

「…………………………え?」

そこには掲示板がある。だが問題はそこではない。

「なんで、あちらの世界の馬が……?」

でかでかと貼られた春のファン感謝祭にポスターには、何故か馬の絵が描かれていた。

一体誰が描いたのだろうかと、二人は思った。

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