魔法少女リリカルなのはー少女たちが見た流星ー 作:嵐の中輝きたい
ジュエルシードの発動を察知したヒイロは翠屋を飛び出すとデバイスの案内に従ってジュエルシードの反応がある場所へと向かっていた。
「なのはとユーノはどうした?」
『私たちより先に現場に向かっているようですが、マスターの脚ならば直ぐに追いつくでしょう。』
「そうか」
しばらく走ると前方に肩にユーノを乗せたなのはを視界に捉えた、ヒイロはなのはの隣まで走る。
「なのは」
「あっ、ヒイロさん。ジュエルシードが!!」
「わかっている、急ぐぞ」
「は、はい!」
ヒイロとなのはは街の状況の把握のために高いビルに登る、そこで目にした光景は。
「・・・これは。」
「嘘・・・」
巨大な植物がコンクリートを砕き、地を割り幹が脈動しながらなおも大きく成長している姿が目に入った。目の前の光景になのはは膝をつく、流石のヒイロも驚きを隠せずにいた。
「これが、ジュエルシードの力か」
「はい、ですけどこれでもまだましなほうです。一度暴走を始めたジュエルシードを制御するのはほぼ不可能です。ですからこの程度の暴走ならなんとかなります。」
ユーノの言葉にヒイロは軽く頷き、デバイスを起動させバリアジャケットを身に纏う。しかし、なのははいまだに目の前で起きている惨状に唖然としたまま動かなかった。
「なのは!なのはっては!!」
様子がおかしいなのはにユーノが声をかける、そして。
「私の所為だ・・・」
その声はとても小さかったがハッキリと耳に残のこる声であった。
「なのは、それって?」
ユーノの問いかけになのははゆっくりとぽつりとこぼしながら話し始めた。
「わたし、気付いてたんだ。あの子がジュエルシードを持ってるって。けど、気のせいって決めつけてそれで」
「なのは・・・」
なのはの姿を見てユーノは何も言えずにただ見守ることしかできなかった、元は自分の所為でなのはを巻き込んでしまった。そして今回のことで本来無関係だったなのはを追い込んでしまった。
なのはとユーノは俯いたまま何も言わずにただそこに佇んでいた、しかし、そんな二人に声をかける者がいた。
「顔を上げろ」
ただ一人街を眺めていたヒイロがなのは達のほうを見ずに話しかけてきた。
「ヒイロさん?」
「・・・?」
二人はヒイロの言葉を聞き耳を傾ける、そしてヒイロは語り始める。
「今回のことはなのはお前のミスが原因だ、ならばあのジュエルシードはお前が封印すべきだ。」
ヒイロの言葉に少し目を見開くなのは、なのはは責められるのではないかと内心怯えていた。結果的に言えば少し責められはしたがなのははヒイロが言った最後の言葉のほうに意識が向いていた。
「私が?」
「そうだ、俺が封印することもできるが・・・。なのは自分が招いたミスは自身の手によってでしか清算できない。仮に俺が封印してもお前の中にしこりを残すことになる。」
数日間高町家で過ごしたヒイロでもわかるくらいになのはは責任感が強い、その強い責任感故に色々と背負いこんでしまうそういった部分は何処かゼクスやリリーナに似ている。
故にここで自分がやればなのはに余計な責任を自身で勝手に背負いこんでしまう恐れがあった、なのでここはなのはに任せしこりを残さない様にするためになのはに言ったのだ。
この事になのはが気付いているのかはわからないがなのはの目には強い光が宿っていた、どうやらヒイロの言葉に思うところがあったのかそれとも決心を新たにしたのかはわからないが。
「ありがとうヒイロさん。わたし今までユーノ君のためにジュエルシード集めを頑張ろうって思ってました。それは今でも変わらないけど・・・わたしはわたしの大事な人たちの為にジュエルシードを集めます!もう二度とこんな事が起こらない様に!」
「そうか、なら任せた。」
ヒイロはそう言って一歩下がり、なのはが一歩前に出た。
バリアジャケットを展開したなのはを後ろから見守るヒイロ、そして初の実戦で初の長距離砲を使用し見事なのははジュエルシードを封印したのだった。その様子にユーノはなのはの魔法を使う才能に舌を巻くのであった。
ジュエルシードの封印を済ましたヒイロとなのはは帰路についていた。
『結局初陣はただ見ているだけになってしまいました。』
「そうだな。」
『流石に任せっきりというのは私としては心苦しいものがありますね。』
「まだジュエルシードは残っている。俺たちがやるときと来るだろう。」
『そうですね、全てのジュエルシードを集めるまでは油断は禁物ですね。』
「ああ、そうだな。」
デバイスと話すヒイロ、そんな二人?の様子を見ていたなのはがふと思いたつ。
「ヒイロさんってデバイスに名前つけないんですか?」
「名前?」
なのはの言葉に首をかしげるヒイロ、そのなのはの言葉に同調する様にユーノも続く。
「そうですね、名前をつけないのは少し不便だと思いますし、何よりヒイロさんにとってそのデバイスはとても大切なものなんですからせめて名前くらいつけてあげたほうがいいと思います。デバイスはよほどの事が無い限りは終始を共にするパートナーなんですから。」
ユーノの言葉になのはも頷く、ヒイロは何気なく首に下げているデバイスを見る。
『マスターのご自由に。』
デバイスもこうである。少し悩んだがヒイロもユーノの言葉には一理あると考えそして。
「ゼロだ。」
「ゼロ?」
「お前の名はゼロにする。」
ヒイロのデバイスに名が与えられた瞬間だった。
おかしいところがないかと心配ですがこれが限界でした。