魔法少女リリカルなのはー少女たちが見た流星ー   作:嵐の中輝きたい

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ヒイロ風邪をひく

ジュエルシードを封印した翌日、ヒイロは普段通りの時間に起きていた。だが。

 

 

(身体が重い、何故だ?)

 

 

ヒイロは少し覚束ない足取りで階段を降りる、リビングに入るとそこには既に朝食の準備をしている桃子がいた。

 

 

「あら、ヒイロ君おはよう」

 

 

「ああ。」

 

 

挨拶もそこそこにヒイロは新聞を取りに玄関の方に向かうがふらふらとした足取りで倒れそうになると壁に手をつくなど見ていて危なっかしい足取りであった。

 

 

流石の桃子も普段と違うヒイロの様子に慌てて駆け寄る、そして。

 

 

「大丈夫ヒイロ君!ってあら?身体が熱い、もしかして」

 

 

そう言って桃子はヒイロをソファーに座らせ、棚の引き出しから体温計を持ってくると。

 

 

「ヒイロ君、これを脇に挟んで」

 

 

「わかった。」

 

 

取り敢えずヒイロは桃子の言う通りに体温計を脇に挟みしばらくその場でじっとしていた、そして体温計から機械音が数回鳴る。

 

 

その音を聴いた桃子がヒイロに駆け寄り体温計を見る、すると体温計を見た桃子の顔が驚き一色になるがすぐ様表情を戻すとヒイロに向けてこう言った。

 

 

「ヒイロ君、今日一日絶対安静ね」

 

 

そして時間は進みお昼近く、友人の家にお呼ばれしていたなのはは姉である美由希から驚きの言葉を耳にする。

 

 

「えっ?!ヒイロさん風邪ひいて寝込んじゃってるの!!」

 

 

お昼近くまでヒイロの姿を見かけなかったなのはが心配してヒイロの部屋に行こうとした時美由希からヒイロが風邪をひいて寝込んでいると告げる。

 

 

「うん、そうらしいよ。私は直接見たわけじゃないけどかなりの高熱みたいだよ」

 

 

姉の言葉に唖然としながらもなのははヒイロに念話で話しかける。

 

 

『ヒイロさん大丈夫ですか?』

 

 

『なのはか、大丈夫だ。ただ身体が思うように動かん。思考速度も低下気味だ。万全とは言えないな』

 

 

『それって大丈夫じゃないと思うんですけど・・・。』

 

 

ヒイロの言葉に苦笑いをするなのは、ヒイロならこんなことを言いつつも無事に動けそうだと思ったのは内緒の話である。

 

 

『で、でも。風邪は万病の元って言うからちゃんと直した方がいいと思います。』

 

 

ヒイロを心配するなのは、そんななのはの言葉にヒイロは少しの笑みを浮かべる。念話なので表情はなのはにはわからないが。

 

 

『やはり、親子だな。桃子もお前と同じことを言っていたぞ。』

 

 

『えっ、そうなんですか?にゃははは。お母さんもヒイロさんのことが心配なんですよきっと。』

 

 

『そうか。』

 

 

桃子とのやり取りを思い出すヒイロ、平気だと言い張る自分に対し桃子は休むように言い聞かせてきた。最終的には桃子の有無も言わせない良い笑顔に威圧されたヒイロが折れたのだが。あの時の桃子からは言い知れぬ何かを感じたヒイロであった。

 

 

しばらくなのはと念話で会話しているとなのはは友人である月村すずかの家に兄の恭弥と共に出かけていった、桃子と士郎、美由希はお店へと、桃子と美由希が偶に様子を伺いにやってくる以外はヒイロは暇を持て余していた。そこに。

 

 

『マスター、体調はいかがでしょうか?』

 

 

「ゼロか、今朝に比べれば大分ましになったな」

 

 

『そうですか、それは何よりです。』

 

 

「そうか・・・それで例のブラックボックスの件はどうなった?」

 

 

昨日ジュエルシードの件で後回しにされていたが、ゼロが発見した自身の中にある詳細不明のブラックボックスを発見したのだ。ゼロは今朝から解析に集中していた。

 

 

『はい、現在も解析を行っています。中々解析に時間がかかっていますが順調です。このまま作業が進めば恐らくは後数日で解析が全て終わるでしょう』

 

 

「そうか、そのまま解析作業を続けてくれ。」

 

 

『了解しました、それとマスターも早く風邪を治してください皆さん心配してましたよ』

 

 

「・・・そうか。」

 

 

ゼロの言葉に若干言葉に詰まるヒイロ、こういったことに対して経験が無いヒイロにとって新鮮でありどう返答すべきか分からず表情には出さずとも戸惑っていた。

 

 

「何かあったら起こせ」

 

 

そう言ってヒイロは横になる、しばらくしていると眠気がヒイロを襲う。ヒイロはそのまま眠りに落ちていくのだった。

 

 

ところ変わってここは、月村邸のとある一室に二人の女性と一人の男性が向かい合って座っていた。男性のほうはなのはの兄である高町恭弥。向かい合って座っている二人の女性ら月村忍とその従者のノエル。

 

 

三人の表情はどこか険しかった、三者の視線はパソコンの画面に注がれていたその画面に映っていたのはヒイロの顔写真だった。

 

 

「忍、頼んでたものはどうだった?」

 

 

「そうね、恭弥に言われて調べてみたけど驚いたわ。あそこまで完成度の高い偽装戸籍は私も見たことなかったわ。恭弥に言われなかったらきっとしっかり調べようとしなかったわね。」

 

 

「警察にも調べていただきましたが過去犯罪歴は無いとのことですが、過去の経歴については全く不明だそうです。」

 

 

「ん〜そのヒイロ・ユイって何者なのかしら?恭弥から見てどんな感じの子なの?」

 

 

「只者じゃ無いのは確かだ、俺や父さんに美由希と違った雰囲気を感じた」

 

 

忍の質問に間を入れずに答える恭弥、そんな恭弥の答えに表情を険しくする忍であったが。

 

 

「けど、その士郎さんと桃子さんが許可してるんでしょ?恭弥の気にしすぎじゃないの?経歴は不明過ぎるのが気になるけど・・・」

 

 

忍の言葉に少し思案する恭弥、いままでのヒイロの行動を見ても自分たち家族に危害を加えようとする様子は無い、気にしすぎかもしれ無い。

 

 

言ってみればこれは自分の我が儘である。納得できない自分を納得させる為かはたまたそれ以外の為に自分は動いているのかもしれない。だがそれでも。

 

 

「すまない忍、ノエル。もう少しだけ、もう少しだけ俺の我が儘に付き合ってくれ」

 

 

二人を見据えながら恭弥は言った、その様子に忍は笑みを浮かべた。

 

 

「仕方が無いわね、旦那の我が儘を聞くのも妻の務めだしね。少しとは言わずとことん付き合うわよ」

 

 

「私も忍お嬢様と同意見です。」

 

 

二人の言葉に礼をする恭弥、三人の午後はゆったりと過ぎていった。そして時を同じくして最愛の妹であるなのはに衝撃的な出会いをはたしていたのを知らない。




今回は少し長くなった、忍とノエルの口調がわからない
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