5月中旬、学校では文化祭一色になりつつある中で俺は変わらず空を見上げている
そして給水タンクがある1段上に登り空に少しだけ近いところで手を伸ばす
「これでも届かない、でも、届いたらダメなのかもしれないな」
そうしていると屋上の扉が開く音がした
俺は紗夜さん辺りかと思ったが違った
そして辺りをキョロキョロと見回していた時俺と目が合った
「見つけました!」
「俺?」
「はい!降りてきて話しませんか?」
「今行くよ!」
俺は降りて行きその子に話しかける
「改めて、俺は黒崎暁人、君は?」
「私、戸山香澄です!暁人先輩!」
「よろしくね、香澄それで、俺に用事?」
「はい!私達の空を描いてください!」
「そう言われてもな〜、描くにしても演奏を聞かせてもらわないと」
「演奏から空を描くんですか?」
「演奏だったり、空そのものだったり色々だよ!」
「先輩の曲聞いてみたいです!」
「暁の空ってチャンネルで動画投稿してるから気になるなら聞いてみて!」
「わかりました!それで…良かったら練習見てもらったりとか出来ますか?」
「香澄以外のメンバーが了承してくれるなら」
「まだ私含めて4人なんです!ドラムがまだいないんです」
「誰か誘ってる子がいるの?」
「はい!」
「その子はなんて?」
「バンドはやらないって…」
「その子に何があったかは知らないけど、その子は雨空や曇り空の中にいるのかもしれないね」
「どういう事ですか?」
「気持ちっていうか、精神面の問題かな」
「なるほど〜」
関心してはいるがおそらくはわかってないだろうな
周りが言うように俺の例えは独特らしいが俺にとってはそれが普通なためどうしようもない
「とにかく練習云々に関してはバンド仲間の同意を得ること、それが条件!」
「わかりました!」
そうして話していると紗夜さんが呼びにきた
「黒崎君!そろそろ教室に戻りますよ!」
「お迎えみたい、またね!」
「はい!また!」
そうして教室に戻る途中
「さっきの子、1年生ですよね?何を話していたんですか?」
「空を描いて欲しいってさ」
「出来そうですか?」
「難しいね、俺はあの子達の音を知らないから、俺は色んな人と話をしたり空を見上げたりしながら描くからね」
「Roseliaの空はあんなに素敵に描いてくれたじゃないですか」
「Roseliaは出会って日が浅いけど、1番近くで見てきたバンドだからね、だからこそ描く事ができた、あれだってまだRoseliaの1部の空でしかないしさ」
「もっと広いという事でしょうか?」
「広がっていくって事さ!」
そんな話をしながら教室に戻り授業を受け迎えた昼休み
俺は授業を終えてすぐに教室を飛び出し屋上に向かった
春から夏に変わる中間時期独特の陽射しと空模様を
この目に、そして写真に収める為に屋上に向かう
そして屋上に着くとさっそく写真を撮りその後空を眺めていると屋上の扉が開いて香澄とその友達がやってきた
「先輩!」
「香澄、よく俺の居場所がわかったね」
「なんとなくです!空を見上げるならなるべく空に近いところにいるかなって」
「なるほどね、それで、そっちは友達?」
「はい!先輩に紹介したくて!」
「じゃあ1人ずつ名前を教えてくれる?」
「じゃあ、あたしから、市ヶ谷有咲です。香澄に誘われてバンドやることになりました。キーボード担当です。」
「牛込りみです。ベースを担当します」
「花園たえです!リードギターです!」
「もう一人ドラムに誘ってる子が山吹沙綾って言います」
「山吹ベーカリーって商店街のパン屋さんが自宅で、弟達もいるし、家の手伝いもあるからって断られたんです」
「なるほどねぇ〜あくまでも勘だけど、その子はきっと君達と一緒にバンドやりたいはずだよ!でも、まだ踏み出せないでいる、広い空の下にね」
「どうすればいいんですかね…あたしらは、一緒にやりたいんですよ、でも、家族の事持ち出されたらってやつで」
「まぁ、今は見守るって言うか、待つしかないんじゃない?その子の空が晴れるのを」
「空が晴れるってどういう事ですか?」
「言ったでしょ、精神面の問題だってさ」
「先輩ならどうしますか?」
「空を見上げるかな」
「空を見上げる?」
「どうしようも無くなった時とかは空を見上げながら空に向かって思いを馳せるんだ、空の先の先までね、そうするとさ不思議と気分が晴れるんだ、ちょっと待ってて」
俺は給水塔の上に行きアルバムを持ってきて香澄に渡す
「好きなの選んで、もちもん皆もね」
「良いんですか?」
「もちろん!」
皆はページを捲りながら写真を選んで行く
そしてそれぞれが写真を選びアルバムは俺に返ってきた
「じゃあ、イメージしてみて」
「え?」
「目を閉じて、手に持ってる写真の空を思い浮かべて、そしてその空の下に立つ自分をイメージしてご覧」
そう言われて私達は皆でそれぞれ貰った写真の景色に溶け込むイメージをする
私が選んだのはキラキラした星空の写真でその星空の下私は立っている、そしてどこまでも広がる星空をイメージしてみる
空には四季折々の星座や季節ごとに綺麗に見える星が輝いている
「先輩の言った通りだった、気持ちっていうか、気分とかそういうのがすごく落ち着いてきて、立ち止まっちゃダメだって言われてるみたいだった」
「確かにな、あたしもすっげー気持ちが晴れやかだよ」
「私も!」
「もちろん私もね!」
「その気持ちを皆で共有出来たならみんなで楽しく歌や演奏が出来るよ!」
「ありがとうございます!私達、もう一度沙綾と向き合ってみようと思います!」
「頑張れ!空は繋がってるからきっと思いに答えてくれるさ」「先輩にこのメンバーだって誇れるようなメンバーで最高の演奏をして見せます!」
「楽しみにしてる」
そうして昼休みを終えて教室に戻り午後の授業を受けて帰ろうと準備していた時紗夜さんに呼び止められた
「黒崎君、ちょっとだけ良いですか?」
「どうかした?」
「近々circleとは別な場所でLIVEがあるんです。湊さんが是非にと言ってまして」
「予定が決まったら教えて、必ず行くよ!俺はもっとたくさんの空を描きたいし」
「貴方らしいですね、では、予定が決まり次第連絡します」
「よろしく!それじゃあね!」
俺はそそくさと帰宅すると今日、香澄たちと話した事を思い出しながらギターを弾いていく
出会って開口一番に空を描いて欲しいと頼まれた
音楽について話した、友達の助けになれない事が悔しそうだった。でも、かけがえのない友達に囲まれて笑っている姿は輝いていて楽しそうだった
「今はまだ色んな事に全力で取り組んで楽しんでるんだな」
俺はその様子を晴れのち曇りの空になぞらえて詞を乗せる
嬉しいや楽しいは晴れに悲しいは雨に辛い事や苦しい気持ちは曇りに例えて奏でていくそうして出来上がった曲をSKYとして動画サイトにアップする
「皆にこの空が届きますように」
そう言って俺は窓越しに空を見上げるのだった。
香澄視点
部屋でくつろいでいた時スマホがなった
「なんだろう?」
スマホを確認するとSKYだった
「暁人先輩に教えてもらったやつだ」
私はさっそくイヤホンをして曲を再生する
『心が晴れる心が曇ると言うように人の心にも空がある
今はまだ曇りや雨だったとしてもきっと心が晴れ渡る日が来るだろうその頃には自分と一緒に笑い合える仲間と一緒に見上げた空もきっと晴れているだろう』
「いい曲、キラキラしてる、暁人先輩の空はどんなのなんだろう?」
自分の空はここまでじゃないと言っていたけれど、きっとキラキラドキドキするような空がきっと見えるだろうなと思った
先輩がくれた星空の写真を見ながらまた見ぬ空へ思いを馳せるのだった。
10話目です。いつもよりは投稿は早かったかなと思いますがとりあえず今回はここまでとしますが次回はポピパ編完結とSPACE編を書いていきますのでお楽しみに
次回「広がる空と心の空」
投稿頻度に着いてのアンケートです
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