空に憧れた少年とバンド少女達   作:凌介

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声を空まで届かせたい水平線の彼方まで届けたいと願う暁人は行動を起こす


第13話空まで届く声

俺はライブの後からずっと空を見上げて考えていた

「空まで届く声ってどんなだろうな」

よくある漫画なんかだと空に向かって空を見上げて歌うシーンがあるがそうじゃない、仮想や空想というもので語るなら

空に向かってメロディーが、音符が舞うシーンが印象的だけれどそれは現実じゃあ目に見えるものじゃないしそう見えたらいいなと言う妄想に過ぎない

「どうしようかな〜」

そうしているといつものように紗夜さんが呼びに来た

「黒崎君!そろそろホームルームですよ!」

「いい所に来た!5分だけ話さない?」

「まぁ、仕方ないですね、なにか悩んでるんですか?」

「うん、空まで届く声ってどんなかなって」

「空まで届く声ですか?」

「うん、紗夜さんはあんまり観ないかもしれないけど、テレビや漫画だと音符が舞うシーンなんかがあるでしょ?」

「はい、そういった作品もありますね」

「そういうシーンをそのまま描きたいんだけど、なんかこれってのが無くてね」

「なるほど、そういう事ですか、では黒崎君の考えをまずある程度聞かせてくれますか?」

俺は現状の自分の考えを聞かせる

空を見上げて海辺で歌うシーンを想像している事、そこで歌い続ける少年か少女、届けたい歌がある、声を届けたい相手がいること、それをどんな風に表現するかに迷っている事を伝えた

「なるほど、では黒崎君、それをまず絵として描いてみてはどうでしょうか?」

「絵?美術の絵?」

「そうです。あなたの曲はSkyに近いものを感じますがSkyとは違い身近です。ならそれを絵として描きそこから着想を得てはと私は考えます」

「なるほどね!良いかも!やってみるよ!」

「では、戻りましょう」

「そうだね」

そうして俺達は教室に戻った

俺は授業中も絵の事を考えていた。

授業中にノートに更にアイディアを纏めていきまずは絵としての形が決まった。

「よし!ここまで来たら後はこれを描き出すだけだ!」

それから俺は更に頭の中でストーリーを組み上げていく

そうしているうちに放課後を迎えて俺は帰宅すると沙綾から連絡が入り香澄を勇気づけて欲しいと言われた

SPACEのオーディションで1度不合格となりそれから2度目の挑戦の際に声が出なくなったらしい

「まさに今か…」

俺は沙綾達と合流し香澄を探す

そして近くの公園に香澄はいた

「香澄」

俺は声をかける

「先輩…」

かすれているが声は出るらしい

「香澄は今、音楽やる事が辛いの?」

首を横に振り香澄は答える

「わかり…ません…」

「これはあくまでも俺の観点での話だけど、俺はどうしようもなくなったら空を見上げるんだ。そして晴れた空に声を届けたい、曇ってるなら雲を晴らしたいって思うんだ」

「雲を…晴らす…」

「そう、だからさ、届くと信じて歌いなよ!水平線の彼方に、曇り空さえ晴れ渡るようにと思って歌えば良いんだよ!」

「でき…ますか?」

「香澄なら出来るよ!だって、最高の仲間に囲まれてるじゃない!ほら見て、香澄の仲間が、香澄を迎えに来てくれたよ!」

 

俺が示した方向にはポピパのメンバーが揃っていた

そして皆で話し合い各パートごとに歌を分割し最後に皆で歌う形を取り香澄は声を取り戻した

「良かった、声取り戻したんだね」

「先輩!ありがとうございました。先輩に言われた言葉は今も心に残ってます!」

「俺は俺の観点から言わせてもらっただけだから気にしないで」

「それでも、先輩独特の言い回しとかって人と違うからこそ響くんだと思うんです。」

「俺にとって空は憧れ、音楽は物語なんだ、ポピパの物語をここで終わらせて欲しくなかったからそうしたまでだよ!

じゃあ、またね!」

そうして俺は帰宅しさっそく考えていたものを形にしSkyとして曲を投稿する

 

ポピパ視点

皆で有咲の家でSPACEのラストライブのためのオーディションの話をしていた時スマホが鳴った

「Skyだ!」

「今日はどんなかな?」

「まぁ凄いのは変わらないさ」

「とりあえず、聴いてみよう」

「じゃあ、私が再生するね」

そうして曲を再生する

 

『声を届けたいと願い歌う少女、つねに空を見上げる少女の瞳に映る世界はまだどこまでも雲のかかった空

空に向かって声を届け続ける少女の空は少しずつ晴れて行き

陽の光に照らされてメロディが宙を舞うそしてその声に1人1人とかけがえのない仲間が集まり一つの音を奏でて行く』

 

「今日も素敵だった」

「うん!すっごく」

「周りに自然と仲間が集まるっていいよな」

「ずっと歌っててどんどん空が晴れていくのも良いね」

「そうだね、さすがだと思うよ」

本人は気付いていないだろうけど、きっとあの人が香澄の為に作った曲だろうなと思った。

いつか彼と知り合った皆一人一人の空が描き出されるのがとても楽しみだと曲を聴きながら感じていた。

そしてラストチャンスのオーディションを絶対合格しようと皆で誓うのだった

 

 




SPACE編2話目になります。SPACEそのものは登場してませんが香澄達ポピパの挑戦の後押しという形で読んで貰えたらと思います。次回SPACE編完結となりますのでお楽しみに

次回「最後に見た空は」

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