今日も空を見上げている俺の頭上をひこうき雲が突き抜ける
それを見て歌詞の一部を口ずさむ
「空に憧れて空をかけてゆくあの子の命はひこうき雲」
この曲は大切な人との別れの歌だけどひこうき雲を命に準えて途切れた時がその人との別れの時なんだと思わせる
でもどこか前向きになれる曲だと思う
「どうして空の曲はいつも前向きになれるような曲なのかな?」
答えなんて出てる辛い時など空を見上げれば必ずそこにあるものだからそれが俺の憧れだから
そんな事を考えて馬鹿らしくなり1人で苦笑する
そのタイミングで紗夜がいつもの如く呼びに来る
「黒崎君!そろそろホームルーム始まりますよ!」
「今行くよ!」
俺は校舎へと続く扉を潜った
「今日は何を考えて空を見ていたんです?」
「ん〜天国とかあるのかなって」
「何かありました?」
「休みに親戚のお墓参りに行ってきてさ天国で楽しくやってるかいって祖母が話し掛けてたからさ天国ってあるのかなって」
「ひこうき雲を眺めて考える事ですか?」
「空に憧れて空をかけてゆくあの子の命はひこうき雲って歌詞知らない?」
「ゆーみんさんのひこうき雲ですね、なるほどそういう事ですか」
「伝わった?」
「えぇ、何となく」
2人そんな話をしながら教室に戻った。
-昼休み-
午前の授業後俺は再び屋上を訪れ昼食を済ませた後空を見上げていた。
今回はギターを持ってきたので弾くための準備を整えると
空を見上げた後軽く深呼吸してからギターを弾いていく
特に曲を決めること無く演奏に没頭した後ギターを置いてその場に寝そべり空を見上げる
そして何気なく手を伸ばし掴む仕草をしてから呟く
「届かないよな」
「届かないとわかっててどうして手を伸ばすの?」
「え?」
身体を起こし声の方を見ると千聖と花音だった。
「なんでここに?」
「あなたと話そうと思っていたんだけど、教室にいなくて花音にも探すの手伝ってもらったのよ」
「そうなんだ、なんかごめんね」
「別にいいよ、お昼は済ませてたし」
2人は俺の横に座る
「それで、今度はどんな世界を見ているの?」
「ん〜空のその先の天上かな?」
「天の世界…天国?」
「まぁね、両親と祖母と4人で祖父と俺にとっての曾祖母達のお墓参りに行った時にね天国で安らかに過ごしてますかって祖母が言ってたのが耳に残っててね、天の国があるならそれはどんなところだろうとか天使はいるのかなとか考えてたとこ」
「答えは出たのかしら?」
「私も、気になるかな」
「まぁ、カバー曲になるけど、この曲が1番俺のイメージにピッタリかなって思ってたとこ」
俺はギターを弾いて歌っていく
『Angel…Angel…Angel…
時に埋もれた 記憶の彼方 そうさ僕達は天使だった
空の上から愛の種を撒き散らして
この地球(ほし)から悲しみ消したかった
ねぇ広いブルー・スカイ見上げていると
勇気が湧かないか…今でも
ToMyFriends背中の羽根は失くしたけれど
まだ不思議な力残ってる
ToMyFriends光を抱いて夢を見ようよ
ほら君の瞳に虹が架かる
街に汚れたと君は言うけど今も透き通る涙がある
雲の広場でカンケリして月をすべり
ハートの矢で人を恋に落とした
そう描きビジョン現実にする 魔法があったんだ…ほんとさ
ToMyFriends明日を信じ続けていれば
この砂漠も楽園に変わる
ToMyFriends傷つきそして学んでゆこう
今愛の蕾が胸で開く
ToMyFriends背中の羽根は失くしたけれど
まだ不思議な力残ってる
ToMyFriends光を抱いて夢を見ようよ
ほら君の瞳に虹が架かる
Angel…Angel…Angel…』
「なるほどね、自分達が天使だったとそういう事ね」
「あくまでも例えの話しさ」
「だとしても考え方はロマンチックだよね」
「そうかな?」
「そうだよ!だって光を抱いて夢を見ようとか歌詞が素敵だもん」
「まぁ、とはいえこの曲はきっかけみたいなもんだよ」
「天の世界を描く事ができるの?」
「まぁね、さてそろそろ戻ろうか!鬼の風紀委員さんに怒られちゃうからね、少しは真面目なところ見せとかないとさ」
「まぁ、私だけならともかくある意味花音を連れてきたのは正解だったようね」
「え?どういう事?千聖ちゃん」
「暁人があなたをサボりに誘うわけないって話しよ、私は女優の方の仕事で早退する事もあるでしょ、だから多少サボりの口実としても誘うのに楽なのよ」
「つまり、私はサボったりしなそうだからって事?」
「そうなるわね」
「俺が仮に一緒にサボらないって誘ったら花音頬を膨らませて子供っぽく怒りそうだし」
「さすがにそれは無いだろうけど…確かにちょっと怒りはするかもね」
花音がそう言って苦笑する
「ちなみに暁人、サボる時はいつもここ?」
「ん〜ここの時もあれば体育館の時もあるよ、体育館の2階の窓開けてそこから空を見てたりするしあえて中庭のベンチに寝そべってる時もあるよ」
「必ず空が見える所にいるのね」
「空を見上げなくなったら終わりだよ」
そんな話をしながら教室に戻り授業を受けた後ホームルームを受けて帰宅した。
-自宅-
俺は帰宅するとさっそく曲作りを開始した。
「構想としては思いを馳せる感じかな、ちょっと暗い感じにでも暗くなりすぎない感じでいこうかな、モノクロの世界から自分が求めていた世界を探して行く感じにしようかな」
イメージを固め歌詞を紡いでいき出来上がった曲をSkyとして動画サイトにupした。
-千聖・花音視点-
花音と一緒に寄り道していたらスマホが鳴った
「何かしら?」
「私のもだから暁人君じゃないかな?」
「なるほど、彼ね、さっそく素敵な曲が出来たようね」
「せっかくだし聴いてみようよ」
「そうしましょうか」
私達はそれぞれイヤホンをして曲を聴く事にした。
『目に映る全てがモノクロの世界でたった1人過ごす少年は
いつも空を見上げて天の世界へと思いを馳せる
空にはいつも雲がかかり晴れることは無い
晴れ間が見えればそこから天の世界が見えるのだろう
僕の見ている世界もきっと色付くだろう
そう信じて今日も空を見上げる
そして小さな晴れ間が覗き
陽の光がほんの少しだけ垣間見えるとそこを中心に見たことないくらいの晴れ渡る空が見えて
自分の世界が一気に色付き出す
自分が求めていたのはまさにこれだと確信したんだ。
求めていた天の世界は広い広い空に向かって飛び立つことだったんだ
少年は翼を広げ空へと飛び立った天の世界を目指して』
「この曲の主人公が天使だったという訳ね」
「その少年が夢見たのは広い空へと飛び立つ事だったんだね」
私達は前に暁人がくれた写真を見て曲が見せた世界観に浸るのだった。
22話目です。この話に関してはジブリの風立ちぬを観てドラゴンボールの僕達は天使だったを聴いたのが思い付きのきっかけでした。
なかなかどうして空をイメージするって難しいので色んな事からきっかけを得て書いていこうと思います。
次回は雨イベントを書きますのでお楽しみに
次回「雨空と雨の一日」
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