暁人はAfterglowの皆に呼ばれ喫茶店を訪れた。
商店街にあるつぐみの家、羽沢珈琲店に行くとAfterglowの皆が出迎えてくれた
「こんにちは皆、今日はどうしたの?」
「夕焼け空を物語にして貰えないかなと」
「夕焼け空を?」
「はい、私達のScarletSkyとも前回の茜色の夕日とも違う
夕焼け空を見てみたくて、私達から先輩へのリクエストです」
「わかった、リクエスト受け付けました。すぐには難しいけど、なるべく早めに夕焼け空の物語作るからね」
「期待してますね」
俺は喫茶店を後にし歩きながら考える
「夕焼け空ねぇ〜」
俺は記憶を遡りながら今回のテーマに使えそうな写真を思い出す
「夕日って赤いものだけど、青くなったり緑になったりするけど、見慣れた赤い夕日が自分たちの印象に1番残るものだし」俺はAfterglowにとっての夕日は特別なものだと知っているが
その物語をそのまま曲にするのでは意味が無い
どうせなら思い出を歌にしたような、そんな物語を書きたい
「ん〜Afterglow、夕焼け、絆、茜色の空」
キーワードを並べながら家路を辿る俺はふと河原に立ち寄った。
そして土手に腰を下ろし沈む夕日を眺める
「ちょっと演奏しよううかな」
そう言ってスマホにイヤホンを繋ぎ何気なく持ち歩いていたアコギを取り出しアコースティックバージョンという感じで演奏し歌っていく
『中川に浮かぶ 夕日をめがけて
小石を蹴ったら 靴まで飛んで
ジョギングしていた 大工の頭領(かしら)に
ガキのまんまだと笑われたのさ
どこかに元気を 落っことしても
葛飾亀有 アクビをひとつ
変わらない町並みが妙にやさしいよ
中央広場で子供の手を引く
太ったあの子は 初恋の彼女(ひと)
ゴンパチ池で渡したラブレター
今も持ってると からかわれたよ
何にもいいことなかったけど
葛飾水元 流れる雲と
ラプソディー口ずさみ少し歩こうか
カラスが鳴くから持つ日が暮れるね
焼鳥ほうばりビール飲もうか
トンガリ帽子の取水塔から
帝釈天へと夕日が落ちる
明日もこうして終わるんだね
葛飾柴又 倖せだって
なくして気がついた馬鹿な俺だから
どこかに元気を落っことしても
葛飾亀有 アクビをひとつ
変わらない町並みが妙にやさしいよ』
演奏を終えた俺はいつも変わらない当たり前の景色という言葉が浮かんだ。
「シドの嘘だったよね、あの日見た空茜色の空をって歌詞」
ちょっとした事でアイデアが湧いてくるから不思議だと自分でも思う
俺はすぐに曲を作りたくてギターを片付けると早足で家路を急いだ。
帰宅し無造作に靴と上着を脱ぎ捨てパソコンを起動する
今は待っている時間すらもどかしい
「早く起動しろよ」
そう言いつつパソコンが起動すると早速作曲を開始する
「シドの嘘の1部引用して、そこから変わらない景色がないように同じ景色に見えてほんの少しだけ違うものと繋げて」
俺は歌詞を呟きつつそこに音を加えて曲を作っていき
出来上がった曲をSkyとしてのチャンネルにupする
「さぁ、夕日が照らす町にご案内!」
俺は自分が作った曲を再生し自分が作った物語の世界に浸るのだった。
Afterglow視点
夕焼け空を描いて欲しいとお願いしたその日の夕方、時間的にはもう夜が近付く時間帯Skyに曲がupされた。
「来たよ!Skyだ!」
「どんな夕焼け空が見えるのかな」
「聞くしかな〜い!」
「だな!」
「さっそく聞こう!」
私達は曲を再生すると目を閉じる
『あの日見た空茜色の空を君は覚えていますか?
あれから何度も見た景色も変わらない景色に思えるけれど
変わらないものなんてないように、町並みも空もほんの少しずつ違うから
その空を彩る夕日は何度も見た景色だけれど、毎日が違うものでそれは私達の象徴でたった一つの変わらない絆』
「見ている景色が変わっても絆は変わらないって意味だね」
「あの人の曲の中に私達がいるって感じる」
「わかる〜!」
「暁人先輩って人に寄り添うような曲を作るの得意なのかもね」
「かもね、暁人先輩って色んなことに行き詰まったら空を見上げてるって言ってたし」
「あの人の見てる空ってどんだけ広いんだろうな」
「まだ自分だけの空を探してるって言ってたけど、周りの空を探すのは得意なのかもね」
「言えてる」
私達は先輩が作った曲という物語の世界の空の虜だった。
27話です。今回はAfterglowからリクエストを受けて曲を作る主人公を書きました。
次回はまた学校での1日を書いていこうと思いますのでお楽しみに
次回「校舎から見上げる空」
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