空に憧れた少年とバンド少女達   作:凌介

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学校の屋上とは違う場所から見た空はどんな風に見えるのだろうか…


第28話校舎から見上げる空

-早朝-

今日からまた1週間、学校生活が始まる

俺は生徒が登校し始める前に学校に行き屋上や教室の窓から

空を見上げる。

俺はこの時間が嫌いじゃない。

「誰にも邪魔されない一人の時間って大事だよな〜」

夏休みが終わり、9月も2週目に突入してもまだ残暑が厳しく

汗ばむ陽気の中ふわりと吹く風が気持ちいい

「そういえば、あの花ってアニメは今頃か時系列的には

まあ、あっちは埼玉こっちは東京で場所からして違うんだけどね」

そう呟きつつ俺は教室の窓越しの空を写真に納める

「もう少ししたら秋の空って感じかな」

そうして角度を変えつつ更に何枚か写真を撮った後ギターケースから愛用のギターを取り出し演奏する。

演奏している曲は青い栞とサークルゲームだ

自分が何気なく呟いたのをきっかけに演奏しようと思ったからこその選曲だ

何気なく演奏していると他クラスに何人か登校し始めたようだったので俺は屋上に移動しまたギターを弾く

しばらく没頭していると屋上の扉が開き千聖がやってきた

「久しぶりね暁人」

「久しぶり千聖、朝から登校してるのは珍しいね」

「そうね、最近は女優の方もパスパレも忙しかったから

それよりも、何を演奏していたの?」

「今の曲はサークルゲーム、他にも何曲か演奏しようかなと思ってたとこ」

「朝のホームルームまで後、10分ないわよ?5分前には貴方のお目付け役の風紀委員長様が呼びに来るんじゃない?」

「後、1曲分位なら大丈夫だよ」

「それならさっき弾いていたサークルゲームを聴きたいわ」

「了解、じゃあ演奏するね」

 

『忘れな草が咲く頃に花びらの色思い出す

静かな目をしたあの子と高く空に上っていく夢

 

飛行機雲を日向に描くロケットボーイズと眺めて笑う

突拍子もない慈愛を胸に抱くガールズ

時はぐるぐるそんな僕らもみんないなくなっておざなりになる

くらい目まぐるしい日々に切なくなる

 

「いつかまたここでね」

さよならの声がいつまでも響いて

背中押すこともなく僕らを繋いだ

 

曖昧なことも単純なこともみんな色付いていく

言葉にならないこのくすぶった気持ち抱きしめていたいよ

曖昧なことも単純なこともみんな同じだって

僕らの歌この胸の真ん中で花を咲かせている

 

駆け出した一人の午後だあれもいない街をくぐり

廻る遊びからいちぬけて君のことを思い出にしてしまう

 

サークルゲームを続けて僕は祈って君は歌う

消えない幻を叶えようだから祈って僕は歌う

 

サークルゲームを続けよう僕らは跳ねて重みを知る

変わる喜びや悲しみをここで祈って歌にしてみたりする

 

 

「やっとまた会えたね」

懐かしい君の声がする

気付けば僕らは宙に浮かび上がって

時に追いやられ

 

曖昧なことも単純なこともみんな花びらのよう

漂いながら空を廻っているだけ振り返らないで

風に運ばれた忘れな草がみんな追い越していく

僕らの歌ずっと先にあの色の花を咲かせている』

 

「広い空の下で思い出が駆け巡る。そんな曲なのね」

「どんなに曖昧でも単純でも言葉に出来なくても色付いていくっていう表現とかいい感じだよね」

「そうね、この広い空の下で感情の色付きなんて素敵ね

そろそろ戻りましょう。風紀委員長様が呼びに来るわ」

屋上を出ようとしている千聖呼び止める

「待って、千聖!これあげる!」

俺は飛行機雲の写真を千聖に渡す

「相変わらず綺麗に撮れてるわね、ここまで綺麗に撮るのは大変なんじゃない?」

「空を写すのはなかなか難しいよ、でも綺麗に撮れたら嬉しいし、誰かに見てもらいたくなるんだよね」

「写真は見てもらってこそだものね」

「そういう事!」

そう話しつつ教室に戻る途中で紗夜と会った。

「黒崎君!また屋上にいたんですか!今日は千聖さんが呼びに行ってくれたから良いものの!1人だとサボるんですから!」

「まあまあ、今回はちゃんと始業前に来たのだしいいじゃないの」

「そうなんですが放っておくのも風紀委員としては見過ごせません!」

「その言い方だと俺犯罪者みたいじゃん!やましい事してないよ」

「授業をサボる常習犯なのにですがね」

「それは言わないで!」

「それよりも暁人、ここ数日貴方のチャンネル更新が無いようだけど、今は何に悩んでいるの?」

「空をどう見るかかな?」

「どういう事?」

「普通に外に出て広い空を見上げるよりも小さな窓越しに見る空の方がいいのかなとか」

「屋上にいたのはそれが理由ですか?」

「他にいる?俺には空を見るって理由だけで十分だけどね」

「屋上を利用する人に大した理由がある人なんていないわよ」

「それはそうなんですが…」

「俺は空を見ながら演奏するのが好きなんだ。そして空の物語を曲にする事で皆に俺が見てる空を知ってもらいたい

小さな世界からでもそれが描けたらって思ってる」

「なるほどねぇ、貴方がよく言う空に歌えばとかの言葉はあなたのための言葉かもしれないわね」

「言い過ぎだよ」

そう話しつつ3人で教室に戻った。

それから俺は授業中は話半分程度に聞き流しつつ教室の窓越しに見える空を眺めて過ごし昼休みにスマホに鼻歌を録音し放課後を待って即帰宅し作曲作業を開始する

 

『小さな世界から飛び出したいといつも願っていた

小さな世界の小さな窓から見える空が好きだった

時々飛んでいく鳥を見かけたりその鳥が止まり羽を休める場所は自分にとっての特別な場所

いつからだろうその小さな憧れが衝動に変わったのは

何かしたいと願い飛び出したいと願った場所は空だった

その小さな窓から広い空に飛び出したいといつも願っていた。』

「こんな感じかな、タイトルは小さな世界と大きな衝動で!」

俺はSkyとしてその小さな世界から飛び出したいと願う物語をネット世界という場所に解き放った。

 

 

 

 

千聖視点

 

仕事の合間の移動時間、不意にマナーモードにしていたスマホが振動した。

確定するとSkyだった。

「出来たのね、暁人」

私はイヤホンをしてさっそく曲を聴く

曲には小さな憧れが衝動に変わり飛び出す瞬間が描かれていた。

私はもしかしたら自分達もそうなのかもしれないと思った。

「まだまだ空は果てしないのね」

そう呟きながら私は次の仕事に向かうための電車に乗り込んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




28話です。あと2話で30話になりますね!10話区切りで特別なイベントとか描きたいなとか思うんですがなかなか浮かびませんが主人公の果てしない憧れの物語に今後もお付き合いいただけたら嬉しいです。
それではまた次回


次回「飛び立つとしたら」

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